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二学期といえば文化祭だよね
#47 文化祭に向けて(2)
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とあるLHRの時間に、その事件は起きた……。
「文化祭初日のミスコンなんだけど、ユウちゃんを推薦しますがどうですか?」
星鍵は女子校なのに文化祭初日にミスコンが行われる。グランプリに輝いた人は鍵姫と呼ばれて、新入生歓迎のイベントなんかでたまに登場しなければならないらしい。ようは学校の広報官みたいな仕事をするのだ。
「待った!! ボクに拒否権は!?」
「ありません!! 勝ちに行きたいの私は!」
文化祭実行委員として、黒板を背に話すもなかちゃんに、とうとうボクの堪忍袋の緒がギブアップした。おかしい。こんなの絶対おかしいよ!? ミスコンの話も一切聴いていないのに、強制参加だなんて……。拒否権まで全否定されて……。泣いちゃうよ? もなかちゃんに泣き落としは効かない気がするけど。
「委員長閣下! ミスコンの審査内容と審査員、あとグランプリになった時のご褒美の内容を開示プリーズ」
委員長に閣下なんて敬称を付けて質問したのは麻琴……反対してぇ。
「応えてしんぜよう。審査内容は自己PR、水着審査、そしてラブレターコンテストの三つ。審査員は全校生徒。グランプリのご褒美は、『鍵姫』の称号と、金券の類と、当代きっての才媛である実村先輩の直筆授業ノート。これさえあれば、もうこの先しばらく楽勝だってさ。あとね、クラス展示の評価にプラス100点がつくの」
しばらく楽勝ってどういうことかはさておき、そのすごさだけは伝わってきた。ていうか金券って、図書カードとかかな?
「というか、十月に水着って寒くない?」
初美さんから、素晴らしくまともな発言が飛び出した。確かにそうだ。
「大丈夫、体育館でやるから。まぁ、人々の熱気で熱くなるさ」
いくらお金のある高校とはいえ、体育館に暖房設備はない。というか、熱源は人なの!?
「あとぉ、ラブレターコンテストってなぁにぃ?」
今度は明音さんからの質問。水着で動揺してしまったが、もっと危なそうな部門があるじゃないか!
「それはね、ラブレター風に仕上げた文章を参加者に読んでもらおうという企画。すごいでしょ?」
なにがよ……。もぅ……これ断れる空気じゃないし。誰か出場したいっていう人いないの? まぁ、この話を聴いた後じゃ無理だろうけど。
「じゃあみんな! 姫宮悠希をミスコンに送り出して~いいかな!?」
「「「「いいとも!!」」」」
その反応はちょっと古いよ……もう。結局、勢いにのまれるまま当事者が蚊帳の外で決まってしまった。そういえば、高須部長はどんな反応するんだろう? いっそ、部長も出ればいいのに……。希名子ちゃんも普通に推薦されていそうかも。まぁ、メイド喫茶と同じ。度胸で乗り越えられる。そう信じたい……。
それからクラスの出し物は地域の歴史をまとめて模造紙に書いて発表するものになった。飲食系は部活がやるしどこのクラスもほとんど変わらないらしい。それでも投票が行われて、一位を決めるというから驚くのだが。
「文化祭初日のミスコンなんだけど、ユウちゃんを推薦しますがどうですか?」
星鍵は女子校なのに文化祭初日にミスコンが行われる。グランプリに輝いた人は鍵姫と呼ばれて、新入生歓迎のイベントなんかでたまに登場しなければならないらしい。ようは学校の広報官みたいな仕事をするのだ。
「待った!! ボクに拒否権は!?」
「ありません!! 勝ちに行きたいの私は!」
文化祭実行委員として、黒板を背に話すもなかちゃんに、とうとうボクの堪忍袋の緒がギブアップした。おかしい。こんなの絶対おかしいよ!? ミスコンの話も一切聴いていないのに、強制参加だなんて……。拒否権まで全否定されて……。泣いちゃうよ? もなかちゃんに泣き落としは効かない気がするけど。
「委員長閣下! ミスコンの審査内容と審査員、あとグランプリになった時のご褒美の内容を開示プリーズ」
委員長に閣下なんて敬称を付けて質問したのは麻琴……反対してぇ。
「応えてしんぜよう。審査内容は自己PR、水着審査、そしてラブレターコンテストの三つ。審査員は全校生徒。グランプリのご褒美は、『鍵姫』の称号と、金券の類と、当代きっての才媛である実村先輩の直筆授業ノート。これさえあれば、もうこの先しばらく楽勝だってさ。あとね、クラス展示の評価にプラス100点がつくの」
しばらく楽勝ってどういうことかはさておき、そのすごさだけは伝わってきた。ていうか金券って、図書カードとかかな?
「というか、十月に水着って寒くない?」
初美さんから、素晴らしくまともな発言が飛び出した。確かにそうだ。
「大丈夫、体育館でやるから。まぁ、人々の熱気で熱くなるさ」
いくらお金のある高校とはいえ、体育館に暖房設備はない。というか、熱源は人なの!?
「あとぉ、ラブレターコンテストってなぁにぃ?」
今度は明音さんからの質問。水着で動揺してしまったが、もっと危なそうな部門があるじゃないか!
「それはね、ラブレター風に仕上げた文章を参加者に読んでもらおうという企画。すごいでしょ?」
なにがよ……。もぅ……これ断れる空気じゃないし。誰か出場したいっていう人いないの? まぁ、この話を聴いた後じゃ無理だろうけど。
「じゃあみんな! 姫宮悠希をミスコンに送り出して~いいかな!?」
「「「「いいとも!!」」」」
その反応はちょっと古いよ……もう。結局、勢いにのまれるまま当事者が蚊帳の外で決まってしまった。そういえば、高須部長はどんな反応するんだろう? いっそ、部長も出ればいいのに……。希名子ちゃんも普通に推薦されていそうかも。まぁ、メイド喫茶と同じ。度胸で乗り越えられる。そう信じたい……。
それからクラスの出し物は地域の歴史をまとめて模造紙に書いて発表するものになった。飲食系は部活がやるしどこのクラスもほとんど変わらないらしい。それでも投票が行われて、一位を決めるというから驚くのだが。
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