7 / 11
第六話 部活を決めよう
しおりを挟む
「では、新入生の皆さんは各自部活動見学へ向かってくださーい」
さてと、たぶん今の声が生徒会副会長の澄空氷里の声だな。ゲームだと文だけだったから、分からなかったや。というわけで、私は体育館を出て二階―一年生の教室があるフロア―へ向かった。
あぁ、思い出した。このタイミングで何階に行くか選択肢が発生して、二階で日本文化研究部、三階だとなずなとの会話、四階に行くと生徒会執行部に入るんだった。取り敢えず…一階まで来たものの…
「きゃっ」
「あ、大丈夫ですか!?」
階段を降りてすぐ、チラシを持った女の子にぶつかってしまった。あれ? この娘が深山愛唯だ。なんで? 少し話とズレている。いや、今はそれより…
「いたた…。あっ、スカートが…」
そう、その少し捲れたスカート内側がね、かなり目を惹くのよ。やっぱりエロゲーだもんね。ピンクかぁ。いいねぇ。さて、取り敢えずチラシを回収してから、また演技タイムだ。
「チラシ拾い終わりました。あの? 先輩ですか?」
「ん? あ、違うよ。あたしも一年生なの」
ここで選択肢登場!
A〈大人っぽいから先輩かと思ったや〉
B〈胸が大きいから先輩かと思ったや〉
ここは勿論Bですよ。
「胸が大きいから先輩かと思ったや。私も一年生なんだよ」
言った途端に頬を赤らめる愛唯。いやぁ、可愛いなぁ。ていうか、顔を隠そうとすると…ちょうど肘が胸を押し上げる状態になるという。むふふ。
「あ、えっと。チラシ拾ってくれてありがとう。あたしは、D組の深山(みやま)愛唯(あい)です。委員会は学園委員です」
「私はA組の茜屋柚花里だよ。委員会は風紀委員。A組の学園委員は雛子ちゃんっていうんだけど、分かる?」
いやはや、こうして会話できるだけでも嬉しいなぁ。まじ、3Dだよ。この腰にかけての括れが…。ヒロイン人気ランキング堂々の二位だもの。可愛いのは当たり前。ゲームだとピンク色だった髪は少し茶色気味で、瞳は鳶色。瑞々しい唇…洗練された美少女だ。
「柚花里ちゃーん、聞いてる?」
「えっ? あ、その…見惚れてた」
今のは自分でも驚くくらい自然に出た台詞だった。ふふ、また少し赤くなってる。それでも、何処に? と訊いてくる彼女に、私は当然のように胸と答えた。
「そ……そんなに大きいかな?」
「んーと、私は…ね? こんなだから…ね?」
「あ……うん。でね、良かったらあたしの部活に入ってくれないかな?」
きたきた、本題だよ。
「何部?」
「日本文化研究部。通称ニッケン」
はい、知っていましたよ。活動内容を聞くと長そうだし、大まかな設定は分かっているし。
「どうしようかな……他に誰か部員いるの?」
「今はいないの。でも、一人でも入ってくれれば、存続させてくれるって」
うんうん。ここでフラグを立てておくと、部室で……むふふ。
「そうだねぇ……二人きりならオッケーかな」
またもや顔を赤くする愛唯、あーたまらん!
「じゃあ…そのぉ、よろしくね」
よっしゃあ!! これで正式にニッケンのメンバーというか、愛唯と一緒に放課後を過ごせるのかぁ。もう、興奮するねぇ。
「じゃあ、活動について説明するから、部室まで着いてきてよ」
この台詞、ゲームだと男子を相手に言うのだけど……無防備すぎでしょ。ゲームでは、二人で部員を集めるものの、努力虚しく新入生は入らず。流れで二人で活動するようになるんだよね。いくら一目惚れした相手に、逆ナンみたいに声をかけたとしても……やっぱり無防備だよねぇ。まあ、ご都合主義ということで。
「さぁ、ここよ」
着いたのは、教室がある棟から渡り廊下を通った先の、特別教室棟と呼ばれるエリア。その三階の角部屋がニッケンの部室。中は少し肌寒く、薄暗いものの、綺麗に掃除がされていて、ゲームの時と同様に家具が配置されている。取り敢えずソファーに座って、愛唯の話を聞く。
ニッケン、日本文化研究部は代々メモリアルハーツブランドから発売される18禁ゲームの登場人物と密接な関係があるのだ。剣次のお兄さんが主人公だったゲームだと、ヒロインの大半が所属するし、後輩として愛唯の従姉が登場する。おそらく、愛唯はその従姉から、この部を託されたのだろう。そして、驚くべきは、この部の創立メンバーな成宮先生が含まれるのだ。
「顧問もね、成宮先生なんだよ」
おっと、活動の中身に触れていなかったが、また今度でいいか。活動よりも、この部室の存在が有意義なのだから。さて、作中で最強のチョロイン力を発揮する彼女を、どう攻略しようかな。
「じゃあ、明日もね!」
手を振る彼女を見送って、私は帰路につくとしようか。
さてと、たぶん今の声が生徒会副会長の澄空氷里の声だな。ゲームだと文だけだったから、分からなかったや。というわけで、私は体育館を出て二階―一年生の教室があるフロア―へ向かった。
あぁ、思い出した。このタイミングで何階に行くか選択肢が発生して、二階で日本文化研究部、三階だとなずなとの会話、四階に行くと生徒会執行部に入るんだった。取り敢えず…一階まで来たものの…
「きゃっ」
「あ、大丈夫ですか!?」
階段を降りてすぐ、チラシを持った女の子にぶつかってしまった。あれ? この娘が深山愛唯だ。なんで? 少し話とズレている。いや、今はそれより…
「いたた…。あっ、スカートが…」
そう、その少し捲れたスカート内側がね、かなり目を惹くのよ。やっぱりエロゲーだもんね。ピンクかぁ。いいねぇ。さて、取り敢えずチラシを回収してから、また演技タイムだ。
「チラシ拾い終わりました。あの? 先輩ですか?」
「ん? あ、違うよ。あたしも一年生なの」
ここで選択肢登場!
A〈大人っぽいから先輩かと思ったや〉
B〈胸が大きいから先輩かと思ったや〉
ここは勿論Bですよ。
「胸が大きいから先輩かと思ったや。私も一年生なんだよ」
言った途端に頬を赤らめる愛唯。いやぁ、可愛いなぁ。ていうか、顔を隠そうとすると…ちょうど肘が胸を押し上げる状態になるという。むふふ。
「あ、えっと。チラシ拾ってくれてありがとう。あたしは、D組の深山(みやま)愛唯(あい)です。委員会は学園委員です」
「私はA組の茜屋柚花里だよ。委員会は風紀委員。A組の学園委員は雛子ちゃんっていうんだけど、分かる?」
いやはや、こうして会話できるだけでも嬉しいなぁ。まじ、3Dだよ。この腰にかけての括れが…。ヒロイン人気ランキング堂々の二位だもの。可愛いのは当たり前。ゲームだとピンク色だった髪は少し茶色気味で、瞳は鳶色。瑞々しい唇…洗練された美少女だ。
「柚花里ちゃーん、聞いてる?」
「えっ? あ、その…見惚れてた」
今のは自分でも驚くくらい自然に出た台詞だった。ふふ、また少し赤くなってる。それでも、何処に? と訊いてくる彼女に、私は当然のように胸と答えた。
「そ……そんなに大きいかな?」
「んーと、私は…ね? こんなだから…ね?」
「あ……うん。でね、良かったらあたしの部活に入ってくれないかな?」
きたきた、本題だよ。
「何部?」
「日本文化研究部。通称ニッケン」
はい、知っていましたよ。活動内容を聞くと長そうだし、大まかな設定は分かっているし。
「どうしようかな……他に誰か部員いるの?」
「今はいないの。でも、一人でも入ってくれれば、存続させてくれるって」
うんうん。ここでフラグを立てておくと、部室で……むふふ。
「そうだねぇ……二人きりならオッケーかな」
またもや顔を赤くする愛唯、あーたまらん!
「じゃあ…そのぉ、よろしくね」
よっしゃあ!! これで正式にニッケンのメンバーというか、愛唯と一緒に放課後を過ごせるのかぁ。もう、興奮するねぇ。
「じゃあ、活動について説明するから、部室まで着いてきてよ」
この台詞、ゲームだと男子を相手に言うのだけど……無防備すぎでしょ。ゲームでは、二人で部員を集めるものの、努力虚しく新入生は入らず。流れで二人で活動するようになるんだよね。いくら一目惚れした相手に、逆ナンみたいに声をかけたとしても……やっぱり無防備だよねぇ。まあ、ご都合主義ということで。
「さぁ、ここよ」
着いたのは、教室がある棟から渡り廊下を通った先の、特別教室棟と呼ばれるエリア。その三階の角部屋がニッケンの部室。中は少し肌寒く、薄暗いものの、綺麗に掃除がされていて、ゲームの時と同様に家具が配置されている。取り敢えずソファーに座って、愛唯の話を聞く。
ニッケン、日本文化研究部は代々メモリアルハーツブランドから発売される18禁ゲームの登場人物と密接な関係があるのだ。剣次のお兄さんが主人公だったゲームだと、ヒロインの大半が所属するし、後輩として愛唯の従姉が登場する。おそらく、愛唯はその従姉から、この部を託されたのだろう。そして、驚くべきは、この部の創立メンバーな成宮先生が含まれるのだ。
「顧問もね、成宮先生なんだよ」
おっと、活動の中身に触れていなかったが、また今度でいいか。活動よりも、この部室の存在が有意義なのだから。さて、作中で最強のチョロイン力を発揮する彼女を、どう攻略しようかな。
「じゃあ、明日もね!」
手を振る彼女を見送って、私は帰路につくとしようか。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
冴えない俺と美少女な彼女たちとの関係、複雑につき――― ~助けた小学生の姉たちはどうやらシスコンで、いつの間にかハーレム形成してました~
メディカルト
恋愛
「え……あの小学生のお姉さん……たち?」
俺、九十九恋は特筆して何か言えることもない普通の男子高校生だ。
学校からの帰り道、俺はスーパーの近くで泣く小学生の女の子を見つける。
その女の子は転んでしまったのか、怪我していた様子だったのですぐに応急処置を施したが、実は学校で有名な初風姉妹の末っ子とは知らずに―――。
少女への親切心がきっかけで始まる、コメディ系ハーレムストーリー。
……どうやら彼は鈍感なようです。
――――――――――――――――――――――――――――――
【作者より】
九十九恋の『恋』が、恋愛の『恋』と間違える可能性があるので、彼のことを指すときは『レン』と表記しています。
また、R15は保険です。
毎朝20時投稿!
【3月14日 更新再開 詳細は近況ボードで】
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた
楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。
この作品はハーメルン様でも掲載しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
悩んでいる娘を励ましたら、チアリーダーたちに愛されはじめた
上谷レイジ
恋愛
「他人は他人、自分は自分」を信条として生きている清水優汰は、幼なじみに振り回される日々を過ごしていた。
そんな時、クラスメートの頼みでチアリーディング部の高橋奈津美を励ましたことがきっかけとなり、優汰の毎日は今まで縁がなかったチアリーダーたちに愛される日々へと変わっていく。
※執筆協力、独自設定考案など:九戸政景様
高橋奈津美のキャラクターデザイン原案:アカツキ様(twitterID:aktk511)
※小説家になろう、ノベルアップ+、ハーメルン、カクヨムでも公開しています。
男女比がおかしい世界に来たのでVtuberになろうかと思う
月乃糸
大衆娯楽
男女比が1:720という世界に転生主人公、都道幸一改め天野大知。 男に生まれたという事で悠々自適な生活を送ろうとしていたが、ふとVtuberを思い出しVtuberになろうと考えだす。 ブラコンの姉妹に囲まれながら楽しく活動!
学園の美人三姉妹に告白して断られたけど、わたしが義妹になったら溺愛してくるようになった
白藍まこと
恋愛
主人公の花野明莉は、学園のアイドル 月森三姉妹を崇拝していた。
クールな長女の月森千夜、おっとり系な二女の月森日和、ポジティブ三女の月森華凛。
明莉は遠くからその姿を見守ることが出来れば満足だった。
しかし、その情熱を恋愛感情と捉えられたクラスメイトによって、明莉は月森三姉妹に告白を強いられてしまう。結果フラれて、クラスの居場所すらも失うことに。
そんな絶望に拍車をかけるように、親の再婚により明莉は月森三姉妹と一つ屋根の下で暮らす事になってしまう。義妹としてスタートした新生活は最悪な展開になると思われたが、徐々に明莉は三姉妹との距離を縮めていく。
三姉妹に溺愛されていく共同生活が始まろうとしていた。
※他サイトでも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる