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オフの日03 昨日の続き 4月26日火曜日
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「もう、休みの日まで上司と過ごすなんて。有働さんったら」
「ちょっとぉ、上司モードよしてよ。学生時代からの親友として今日は誘ったんだから」
昨日の帰りがけにカフェでお茶しようって誘って、三咲ちゃんと空の宮駅近くにあるカフェにやってきた。もうじき5月ということもあり、メロンを使った商品のレパートリーが増えてきたような気がする。メロン同様にたわわな果実をお持ちの三咲ちゃん、今日は淡いブルーでストライプ柄のシャツワンピースを着ている。襟がある分ちょっとフォーマルな感じが三咲ちゃんに似合っている。
「ふふ、だって職場で七瀬ちゃんって呼ぶわけにはいかないし」
「別に三咲ちゃんが私のことを名前で呼ぶのはいいんじゃない? 部下なんだし」
「あんまり上司だからとか部下だからっていうのは嫌なのよね。社長もそういう方針だし。とはいっても、上下関係はある程度は大事よね。少なくともお客様の前ではちゃんとしておかないと」
それは分かる。いくら同い年で親友だからって、責任ある立場の三咲ちゃんを、平社員の私が三咲ちゃんって気安く呼んでいたら、お客様はきっといい印象は抱かないだろう。
「で、話したいことがあるんでしょう?」
そう言って三咲ちゃんが話を促してくれる。そう、家族相手には少し話しにくいことだったし、三咲ちゃんと話したかったのだ。お仕事の話を多分に含むから一応、外のテラス席に座った。
「まぁ……大したことじゃないけど、昨日のお客さんのこと」
「あぁ、遠藤さん?」
「そう、女の人が行く風俗で女の人が働いているんだなぁって」
「海ヶ谷には何件かそういうお店があるわよ」
え、一件だけじゃないんだ。にしても、どうして三咲ちゃんその辺の事情に詳しいんだろう。
「三咲ちゃんはそういうお店、行ったことあるの?」
「ないない! 本当よ。でも……これ、言っていいのかしら」
「な、なに?」
「社長はそういうお店に足しげく通ってるわよ」
「……マジ? え、社長ってそもそも何歳なの?」
見た目だけなら年下にすら見えるけど、けっこう不動産に携わって長いみたいなこと言ってたような気もするし、あんだけ車を所有しているくらいなんだから、実は榊部長くらいの年齢だったりしないのかな。
「社長、二十歳だから別にそういうお店に出入りするのは全然問題ないよ」
「そうなんだぁ……。えぇ……」
私より背が低いくらいだし同じくらいぺったんこなのに、でもまぁ社長は大金持ちなんだからそういうお金の使い方をしていたって何ら不思議じゃないんだよなぁ。
「まぁ、社長がそういうお店を使っていることもあって、そこで働いている人にも分け隔てなくお部屋を貸すってわけ」
「なるほどなぁ。結局のところ、社長の器は大きいなぁってことかな」
「ちょっとぉ、上司モードよしてよ。学生時代からの親友として今日は誘ったんだから」
昨日の帰りがけにカフェでお茶しようって誘って、三咲ちゃんと空の宮駅近くにあるカフェにやってきた。もうじき5月ということもあり、メロンを使った商品のレパートリーが増えてきたような気がする。メロン同様にたわわな果実をお持ちの三咲ちゃん、今日は淡いブルーでストライプ柄のシャツワンピースを着ている。襟がある分ちょっとフォーマルな感じが三咲ちゃんに似合っている。
「ふふ、だって職場で七瀬ちゃんって呼ぶわけにはいかないし」
「別に三咲ちゃんが私のことを名前で呼ぶのはいいんじゃない? 部下なんだし」
「あんまり上司だからとか部下だからっていうのは嫌なのよね。社長もそういう方針だし。とはいっても、上下関係はある程度は大事よね。少なくともお客様の前ではちゃんとしておかないと」
それは分かる。いくら同い年で親友だからって、責任ある立場の三咲ちゃんを、平社員の私が三咲ちゃんって気安く呼んでいたら、お客様はきっといい印象は抱かないだろう。
「で、話したいことがあるんでしょう?」
そう言って三咲ちゃんが話を促してくれる。そう、家族相手には少し話しにくいことだったし、三咲ちゃんと話したかったのだ。お仕事の話を多分に含むから一応、外のテラス席に座った。
「まぁ……大したことじゃないけど、昨日のお客さんのこと」
「あぁ、遠藤さん?」
「そう、女の人が行く風俗で女の人が働いているんだなぁって」
「海ヶ谷には何件かそういうお店があるわよ」
え、一件だけじゃないんだ。にしても、どうして三咲ちゃんその辺の事情に詳しいんだろう。
「三咲ちゃんはそういうお店、行ったことあるの?」
「ないない! 本当よ。でも……これ、言っていいのかしら」
「な、なに?」
「社長はそういうお店に足しげく通ってるわよ」
「……マジ? え、社長ってそもそも何歳なの?」
見た目だけなら年下にすら見えるけど、けっこう不動産に携わって長いみたいなこと言ってたような気もするし、あんだけ車を所有しているくらいなんだから、実は榊部長くらいの年齢だったりしないのかな。
「社長、二十歳だから別にそういうお店に出入りするのは全然問題ないよ」
「そうなんだぁ……。えぇ……」
私より背が低いくらいだし同じくらいぺったんこなのに、でもまぁ社長は大金持ちなんだからそういうお金の使い方をしていたって何ら不思議じゃないんだよなぁ。
「まぁ、社長がそういうお店を使っていることもあって、そこで働いている人にも分け隔てなくお部屋を貸すってわけ」
「なるほどなぁ。結局のところ、社長の器は大きいなぁってことかな」
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