上 下
94 / 192

第百話 第一王子

しおりを挟む

旅に出るメンバーは僕、エルナ、クリフ、この3人だ。
少しアンバランスな気もするが、旅の途中で補っていけば良い。
そう思って町の門に行った。
すると、沢山の人間が集まっていた。どうやら見送りに来たらしい。
一体どこから情報が漏れたのやら……
と思っていると、第一王子もいた。王子様がなんでこんなところに?
よく見ると、エルナとクリフが既に集まっていて、第一王子と喧嘩していた。
第一王子は近づいてくる僕に気がつき、話しかけてくる。

「やあ、ケインさん。知ってると思うが、僕はこの国の第一王子である、リヒト・アルバリナ・シストローネ。気軽にリヒトと呼んでくれ」

「え、ああ…どうも、僕はケインです…」

混乱して変な返しをしてしまった。
すると何を勘違いしたのかリヒトが気持ち悪い格好をして微笑みかける。

「ハハッ、そんなに緊張しないでくれ、僕は平民にも平等に接するさ!まぁ……僕は皆んなの王子だから、誰か1人の者にはなれないけどね☆」

なんだろう…無性に腹が立ってきた。だが、今はそんな事はどうでも良い。

「何故第一王子である貴方がここに?」

「何故って……決まってるじゃないか、今日は魔王討伐に向けての旅立ちの日だろう?」

「まあそうですけど……」

見送りに来たということか?第一王子が直々に来るとは……

「だから僕も来たんだ。勇者パーティーの一員としてね☆」

「なるほど……ってええ!」

おいおい嘘だろ……国王はそんなこと言ってなかったぞ

「聞いてないんですけど……」

「言ってなかったからね。昨日の夜思い立って行動したんだ。君たちについていけば僕も魔王討伐をした人間の1人として後世まで語り継がれるだろう?」

腹立つわコイツ……魔王討伐舐めすぎだろ
でもそれよりこの馬鹿王子は戦う力を持っているのだろうか?

「そうですか……あの、失礼かもしれませんが、戦闘経験はどのくらい?」

「ん?皆無だぞ。そういうのはパーティーメンバーである君達が教えてくれるのだろう?」

ふざけんな。お前の面倒見ながら旅が出来るか!
大体そんな身勝手な理由でパーティーに入る許可を下ろした国王も国王だ。この国の人間って無能が多いのか?
かなり頭にきたが相手は王子、
仕方がないから受け入れるしかないのだろうか……
納得がいかないが僕達は馬鹿王子と付き人をパーティーに加えて魔王討伐の旅に出ることになった。
エルナもクリフも不機嫌そうだったのはこれが理由か……




しおりを挟む
感想 116

あなたにおすすめの小説

転生したので、とりあえず最強を目指してみることにしました。

和麻
ファンタジー
俺はある日、村を故郷を喪った。 家族を喪った。 もう二度と、大切なものを失わないためにも俺は、強くなることを決意する。 そのためには、努力を惜しまない! まあ、面倒なことになりたくないから影の薄いモブでいたいけど。 なにげに最強キャラを目指そうぜ! 地球で生きていた頃の知識と、転生するときに神様から貰ったチートを生かし、最強を目指します。 主人公は、騎士団に入ったり、学園に入学したり、冒険者になったりします。 とにかく、気の向くままに、いきあたりばったりに書いてるので不定期更新です。 最初シリアスだったのにギャグ要素が濃くなって来ました。 というか登場人物たちが暴走しすぎて迷走中です、、、。 もはや、どうなっていくのか作者にも想像がつかない。 1月25日改稿しました!多少表現が追加されていますが、読まなくても問題ありません。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

異世界チートはお手の物

スライド
ファンタジー
 16歳の少年秋月悠斗は、ある日突然トラックにひかれてその人生を終えてしまう。しかし、エレナと名乗る女神にチート能力を与えられ、異世界『レイアード』へと転移するのだった。※この作品は「小説家になろう」でも投稿しています。

異世界着ぐるみ転生

こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生 どこにでもいる、普通のOLだった。 会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。 ある日気が付くと、森の中だった。 誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ! 自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。 幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り! 冒険者?そんな怖い事はしません! 目指せ、自給自足! *小説家になろう様でも掲載中です

異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!

夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。 ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。 そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。 視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。 二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。 *カクヨムでも先行更新しております。

女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)

土岡太郎
ファンタジー
 自分の先祖の立派な生き方に憧れていた高校生の少女が、ある日子供助けて死んでしまう。 死んだ先で出会った別の世界の女神はなぜか彼女を気に入っていて、自分の世界で立派な女性として活躍ができるようにしてくれるという。ただし、女神は努力してこそ認められるという考え方なので最初から無双できるほどの能力を与えてくれなかった。少女は憧れの先祖のような立派な人になれるように異世界で愉快で頼れる仲間達と頑張る物語。 でも女神のお気に入りなので無双します。 *10/17  第一話から修正と改訂を初めています。よければ、読み直してみてください。 *R-15としていますが、読む人によってはそう感じるかもしないと思いそうしています。  あと少しパロディもあります。  小説家になろう様、カクヨム様、ノベルアップ+様でも投稿しています。 YouTubeで、ゆっくりを使った音読を始めました。 良ければ、視聴してみてください。 【ゆっくり音読自作小説】女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮) https://youtu.be/cWCv2HSzbgU それに伴って、プロローグから修正をはじめました。 ツイッター始めました。 https://twitter.com/tero_oo

4層世界の最下層、魔物の森で生き残る~生存率0.1%未満の試練~

TOYA
ファンタジー
~完結済み~ 「この世界のルールはとても残酷だ。10歳の洗礼の試練は避ける事が出来ないんだ」 この世界で大人になるには、10歳で必ず発生する洗礼の試練で生き残らなければならない。 その試練はこの世界の最下層、魔物の巣窟にたった一人で放り出される残酷な内容だった。 生存率は1%未満。大勢の子供たちは成す術も無く魔物に食い殺されて行く中、 生き延び、帰還する為の魔法を覚えなければならない。 だが……魔法には帰還する為の魔法の更に先が存在した。 それに気がついた主人公、ロフルはその先の魔法を習得すべく 帰還せず魔物の巣窟に残り、奮闘する。 いずれ同じこの地獄へと落ちてくる、妹弟を救うために。 ※あらすじは第一章の内容です。 ――― 本作品は小説家になろう様 カクヨム様でも連載しております。

処理中です...