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第八十七話 魔王城
しおりを挟む「それじゃあみんな捕まって……縮地!」
僕達は魔王城の大体の方向を掴むとそこへ向けて縮地をする。縮地はちょっと便利すぎやしないだろうか?
魔王城には行ったことが無いので、大体の距離から少し短めの場所に飛ぶ。
景色がガラッと変わって辺りは一面に真っ赤だ。
「ここが魔王領……」
「なんだか不気味ですね」
「おい!あんな所に人間がいやが…」
早速見つかったのでボコボコにしてそのゴブリンを口止めした。
「おい、ここの構造を教えろ」
「だ、誰が教えるか!死んでもごめんだ…」
「……死んでもごめんなんだ?じゃあどれだけ拷問しても当然吐かないよな?」
「え、いや、それは……」
「僕はね……今まで相手の命を奪う以上せめて苦しめず、すぐにあの世に行ける様にしてやってたよ…」
「なんだよ……何が言いてぇ」
「でももう良い……お前らを出来るだけ苦しめる。そうすることに決めた。火炙りか水責めか爪をゆっくり剥いでいくか、好きなのを選ばせてやる。死んでも吐かないんだよな?」
いつもならエルナが止める所だが、今回ばかりは止めない。エルナも怒っている様だ。
「わ、分かった教える!教えるから手を離してくれ……」
仕方なく手を離してやる。
「はっ!馬鹿め、騙されやがって、死ね!」
と、攻撃してきた。
「そう来ると思ってたよ。残念だな」
そう言って殴りつける。気絶したようだが、関係ない。
「エネマ、氷出して」
「ん」
氷で強制的に起こす。
「い、痛!痛い」
「おい、もう一度言うぞ?さっさとこの城の構造を教えろ……さっきみたいな機会がもう2度と来ない事はもう分かってるよな?」する
「ひ、ひぃ、教えます教えます!」
そう言ってゴブリンは快く城の構造を教えてくれた。
「じゃあ……情報も喋ったし解放して………」
「するわけないだろ、せめて楽に殺してやる」
「や、やめて……いやダッ!」
剣で首を切ってやる。
最後まで言う事なく死んでいった。
どうやら躊躇う必要は無さそうだ。
「さっきのゴブリンの話が本当なら此処は4階建てで各フロアに管理人がいるということだよな」
「そうですね。どうしましょうか?突破しますか?」
「その気になれば縮地で上に行けるけど……テクストが何処に居るのか分からない以上どうしようもないな」
「あの……思ったんですけどテクストはまだ此処にいないんじゃないですか?」
「どうして?クリフ」
「だって僕達が野外総合活動に行ってまだ1日経ってないですよ。テクストがどんなに速くても王都からここまで1週間弱かかるとしたら、まだあと6日は此処には来ません」
「あっ!」
「そうでしたね……短い間に色々あって忘れていましたが、まだ今朝野外総合活動に旅立ったのでしたね」
「仕方ない。此処でテクストが来るまで待つしか無いか……」
「その間、此処を攻略するとしましょう。前も後ろも警戒しながら戦うのは危険ですし」
「とはいえ魔王を倒すのは無理だろう?どうしよう……」
「仕方ないです。あと4日間身を潜めながら、この城に出来るだけダメージを与えて、残りの3日で王都の方に向けて歩きます。どこかでテクストと鉢合わせるでしょうからそこで戦いましょう」
僕達はこの城を攻略する事になった。
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