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第四十二話 エネマの受験日
しおりを挟む「ケイン、やるだけやった。私頑張ってくる」
テクスト討伐からおよそ半年。
明日はついにエネマの受験日だ。
エネマは緊張のあまりかめちゃくちゃ震えてる。
「大丈夫だよ。エネマは頑張ったから、本番で実力を発揮すればきっと合格できるよ」
「そう。私ご、合格で、できるはハズ。実力あああるハズ」
ダメだ。エネマは緊張しいだった。
「じゃあこれ、あげる。はい」
僕がエネマにあげたのはお守り。
受け取ったエネマが嬉しそうな顔をしている
「え、これってひょっとして……ケインが作っ……」
「中にはドラゴンの鱗が入ってるんだって、きっと合格するよ」
ドラゴンは全てのステータスがバカ高く、当然幸運値も高い。だからといって鱗を持ってるだけで幸運値が上がったりはしないが何か良いことが有るかもしれない。
「高かったんだよそれ」
それを聞いた途端エネマが少し残念そうになった。
「そっか。ありがとう」
気に入ってもらえたみたいで何よりだ。
………………………………………
……………………
………
4日後、試験の結果がわかるとすぐにエネマは帰ってきた。
「ケイン……私………」
やばい。めちゃくちゃ緊張してきた。
これが親心ってやつだろうか……
「じゃーん!合格したよ」
そう言うと、学園の合格通知と制服を見せてきた。
「さっすがエネマ!絶対受かると思ってたよ」
これでエネマも学園生だな。
「入試はね、実技の点数が低かったけど筆記がなんと5位だったんだ!」
なんと!それは驚きだ。てっきり実技の方で点数を稼いでくると思っていたが、
「でもやっぱりすごい倍率だったみたい。半分以上の人は落ち込んでた。特に黒髪チビだった人は『おかしいだろ!Bランクの僕が不合格とかふざけんなよ!!!やり直せよ!!!』って暴れて先生に押さえられてた」
なんかそいつ心当たりある。
「………ケイン。貴方のおかげ、1年間一緒に勉強してくれてありがとう」
「全然良いよ。僕の勉強でもあったから」
「そうだね。ケインはあと1年頑張るんだよね……私応援してるから」
「うん。エネマも学園で元気でね。すぐに追いつくから」
その言葉を聞いて、エネマは嬉しそうな顔をした。
彼女は1週間後、王都へと旅立った。
最後に彼女が言ったのはお別れの言葉ではなく……
「私……待ってるよ学園で……」
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