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第十八話 ゴブリンと魔王軍の行方
しおりを挟むゴブリン退治を魔法で済ませること1ヶ月。
最近ではほとんどゴブリンを見ていない。
今日はいい加減諦めて帰ろうかと思ったその時、
森の奥の方から声が聞こえた。
ゴブリンだろうか?
気になって足音を殺して近づいてみる。
奥に進むほど嫌な感じが出る。
全身が警戒信号を送る。
でも僕は進んだ。進んでしまった。
その先で見たのは、
魔物の群れだった。
なんでこんなところにDランクの魔物がいるんだよ……
Dランクなら一対一では勝てるが、相手は30以上いる。しかも、EランクやFランクの魔物も数十匹いて、とても勝てそうにない。
……こいつらひょっとして魔王軍か!
魔王軍の部隊が行方不明になっていると聞いていたが、この間の戦争で向こうも大きな損害が出たから誰も来なさそうな森の奥で休息をとっていたのか……
なるほど、だからゴブリンも少なかったのか。
自分達より上位の魔物が来たら、下位の魔物は本能的に服従する。
絶対ではなく、種族によって違うのだが、ゴブリンなら間違いなく従うだろう。
ここに来た魔王軍にゴブリン達が休息の地と食べ物を用意していたということか。
これは結構大変なことだぞ……
もはやGランクがどうだとか、ギルド長どうだとか言ってる場合じゃない。
急いでギルドに帰らねば……
音を殺して戻ろうとしたその時、
蛇の魔物がこちらに襲いかかってきた!
まずい、そういえば蛇の魔物は『テンパサーチャー』というか固有スキルかを持っていて、感知能力が異様に高いんだった!
なんとか避けて、カウンターにギルドから借りた刀(片手剣の一種)で斬る。
筋力のステータスだけは飛び抜けて高いので、一撃で落とせたが、今の攻防で気付かれてしまった。
しかも囲まれた。
相手は凡そ100。
すぐにゴブリンが棍棒を持って襲ってきた
……が、遅い
すぐさま落ちていた小石を拾い、ゴブリンに思いっきり投げつけた。
ゴブリンの眉間を貫通していき、一気に2体倒す。
それを見て怯んだ雑魚を数匹小石で倒した。
Eランクまでの魔物ならこれで倒せる。
投擲スキルの賜物だ。
だが、Dランクの魔物には、通用しても倒すのは無理だ。石も無限にはない。
しかし、やはり向こうも簡単には攻めきれないようだ。
僕は、盾に魔力を込めて、魔法を放った。
当然倒せないが、倒れたところを剣で倒す。
囲まれながらもなんとか戦えているが、魔力は残り少ない。
その時ふと思いついた。
倒した魔物の魔石を投げればいいじゃないか!
早速倒した魔物の魔石を投げつけ倒せる敵を倒す。
魔石がない時は光線を放つ。
攻撃を喰らわないよう、避け続けるのは大変だが、向こうは味方に当たらないようにしているから動きづらい。
それに、大柄な魔物はこの森では素早く動けないから格好の的だ。
倒して投げて倒して投げての作業を繰り返す事30分。
ついに100体の魔物を全て倒し切ることに成功した。
「はぁっ、はぁっ、……勝った……のか?」
全ての魔物の死体と魔石を見て呟いた。
「勝った……勝ったぞー!!!」
森の中にも関わらず大声で叫んだ。
それが良くなかった。
僕は勘違いしていた。
今の魔物が全てだったと……
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