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第十五話 討伐報告
しおりを挟むアークデーモンの魔石を持った僕は、ギルドに帰って換金してもらおうとした。
「デーモン退治の魔石です。」
いつもの受付にはお姉さんはおらず、別の人がいた。
「はいはい。デーモンの魔石ね」
やる気の無さそうな対応に少しイラっときた。
一応仕事だろ……
「あ、あとアークデーモンが出たので一緒に討伐しました」
「は?何言ってんだお前。アークデーモンをお前が倒せるわけねぇだろ」
「いや、かなり苦戦したんですが、なんとか倒せました」
そう言って魔石を見せるとギルド職員は苛立ちながら言った。
「はぁ……どこかで買ってきたな。虚偽の報告をしたって事で減点にしておこう。この魔石も没収だ」
想定していた魔物より上位の魔物が出た場合、冒険者はギルドにこれを報告する義務がある。
魔物が出るパターンには大きく3つあり、
魔力と環境がいい感じに組み合わさって、自然に生まれるパターン。
魔物が生殖行為をして、産んだパターン。
上位者(魔王等)によって、魔力を込められ生み出されるパターン。
いずれにせよ、情報にない魔物が出たり、出ないと思われていたところで出たりした時には、その土地の環境の変化や、強い魔物の訪れた証である可能性が高い。
だからこそ、異変がある土地は必ず調査をする必要がある。
しかし、このギルド職員は、ケインには倒せないから嘘をついたな、と勝手な解釈をして調査をしようとしない。
信じないなら別に構わない。
だが、それで不利益を被るのは誰か、後でたっぷり思い知ればいいさ。
僕は黙って減給された報酬を受け取って、ギルドを後にした。
それにしてもこのギルドは、エクレアお姉さん以外にはまともな人はいないのだろうか?
腹立ちながら宿に戻る途中、久しぶりに見たくもない家族の顔をみた。
ただすれ違っただけなのに、アイツらは舌打ちをしてきた。
「なんでまだ、こんなところにスキル無しのクズがいるんだろうねぇ」
「不思議だなぁ、とっくにのたれ死んでるかと思ったが、」
そんな事を言いながら通り過ぎて行ったアイツらを僕は忘れない。
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