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第一話 適性の儀

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「ケインさん!前へ出なさい」

「はい!」

神父の言葉に勢いよく返事をし、
前に出る

「君のスキル適性値は……ぷっ、ふふっ
 じ、Gだ」

「は、はぁ、」

「続いてオリジナルスキルは、『スキル重複』」

「は、はい……」

静寂の空間は一転、誰かの笑い声が上がり、
周りは爆笑を始めた。

「Gってww、お前さぁーwwwだめだめじゃんかよ」

「うわぁ、かわいそー。これから人生どうすんだろうねぇー」

「良かったじゃんかよ、世界記録作れてwww」

周りの放つ言葉、その全てが僕を嘲笑っている。
四面楚歌とも思える状況の中、1時間前の胸に期待を抱いた僕を哀れんだ。



………………………………………………………………
……………………………………
………………


4月10日
今日は僕ケインの誕生日
誕生日といえばケーキ、プレゼント、パーティー
を頭に思い浮かべる

しかし、12歳の誕生日といえば
この世界の人々は他のものを挙げる

『適性の儀』

12歳になると皆んな必ず受ける儀式だ。

人はスキルを持つ
その大半は各々が自己研鑽の末獲得するものだ
例えば、1番簡単な例でいくと
『身体強化』
これは自身のあらゆる身体能力を1上げることができる。

獲得するためには、魔物を1匹倒すだけというお手頃具合

上位スキルともなるとその上昇率も高くなるが、
取得条件も厳しくなる。

しかし、上位スキルと称されるBランク以上のものは、獲得できる人がそもそも稀だ。

スキルを獲得できるかできないか、
それがスキル適性値
スキルには、SSSからFランクまでと9段階がある

SSS  神のみ保有することを許されたスキル
SS     かつて存在した最強の魔王が保有していた    
   らしい
S       勇者や賢者等のスキル
A       一般的に天才と呼ばれる人間が持つスキル
B      そこそこの才能の持ち主が持てる
C      それなりに有用なスキル
D      一般人でも努力次第で獲得可能
E       簡単に取得できるスキル
F       簡単に取得できる上、たいして役に立たない  
   スキル

一方で、スキル適性値はSからFまで存在する
自身のスキル適性値の二つ上までなら努力すれば取得可能らしい。

そして、生まれた時から獲得している
いわゆるオリジナルスキル。

こちらにはランクはつけられておらず、中にはとんでもないものもある。

オリジナルスキルと呼ばれてはいるが、同じスキルを持つ人は割といるらしい。

スキル適性値とオリジナルスキル

この二つを教えてもらえるのが
『適性の儀』

つまり12歳になったその日に、人生が変わると言っても過言ではない。

ウキウキ気分で教会に足を運ぶ。

教会の中に入ると10数人ほどの野次馬がいた。

もしもスキル適性値が高かったり、有用なオリジナルスキルを持っていたら自分のパーティーに入れたいと考える冒険者達だ。

「ケイン様ですね、これより『適性の儀』を開始いたします。神父様が来るまでもうしばらくお待ちを」

「は、はい」

緊張のあまり声が裏返ってしまった。

10分程経って髭の長いお爺さんがやってきた

「それではこれより『適性の儀』を始める」

「ケインさん!前へ出なさい」

「はい!」

神父の言葉に勢いよく返事をし、前へ出た………




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