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第3章 アジャーラのいる日常

3.7 海水淡水化WPCの実用

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 僕は、峯田助教授と黒田と諸屋の2人の院生に護衛の迫田と共に、沖縄の那覇空港に到着した。峯田助教授はS社から送られたEチケットを使い、僕と黒田、諸屋に迫田のチケットは僕がインターネットで予約して買っている。

 僕らは、空港で実験用のWPCの素材を受け取って、海岸の既存の名波市の浄水場の敷地内の現場に大型のタクシーで移動した。現場までは40分程度であったが、現場の浄水場の自動ゲートの前で、K大の卒業生の室田が待っていて、ともに実験装置の所まで、一緒に行く。

 そこには、K大まで来たS社の木島と村崎女史に、わざわざ来た開発担当常務の村崎氏に加えて、現地の実験担当スタッフが2人いた。RO膜の実験装置は、プレハブの小屋に入っているらしく、その前に大きなポリタンクが2つ置かれている。そしてその一つの中にポンプが設置されており、そのタンクには海から引き込んだ海水がホースで入るようになっている。

 そのポンプから塩ビの配管が繋がって出ており、それがT字管で2つに分かれてそれぞれにバルブが付いている。つまり、そのT字管の片方に持ってきたWPCを取りつければ、そっちが処理水の管になるわけだ。処理水の管はもう一つのタンクに入るようになっており、塩分を分離された水は場内の溝に落ちるようになって海に帰るようになっている。

 僕は、木島氏にお願いして持ってきたWPCを管に取り付けてもらうが、むろん実際にやるのは実験班の人だ。WPCを取り付けた後、彼らはWPCと共にT字管を用意していたグラスウールで包みさらにプラスチックの板で包んでしまう。

 不細工ではあるが、3本の100㎜の管と、WPCの動力になるAC100Vのプラグのついたケーブルが出ている箱になった訳だ。僕はS社の意図を図りかねて木島氏を振り返ると、彼は平気な顔をして言う。
「うまく動くようですと、今日にでも顧客とマスコミに見せます。ですので、余りに単純な仕組みであることを見せたくはないのです」

「うーん、まあ、いいけど。でもあまり高いものにしないで下さいよ。水に困っている人たちに沢山使ってもらいたいから」
 僕はそう言ったが、バーラムと共に離島なんかで水に本当に困っている事情を勉強したのだ。

「ええ、浄水設備としてセットで売り出します。勿論企業として利益は必要ですが、私どもも企業イメージアップに大いに使いたいと思っていますので、リーゾナブルな価格にしますよ」
 村崎常務が言うのに、僕は応じた。

「そう願います。だけど、このWPCはWPC製造㈱を通します。そして、その場合のポリシーとして、これは少なくとも国内各社には供給しますよ。無論貴社は先行者としての利益は得られるでしょうが」

「え、ええ。まあ、WPC製造㈱のポリシーは存じています。しかし実験はじっくり継続的にやるつもりですので、その時点まではWPCとしての公表はお待ち頂きたいのですが、いかがですか?」
 そう言う村崎氏は、実験で目途が付いた段階で設計を進めて、出来るだけ多くの顧客を抑えこんでしまおうという意図だろう。まあ、最大1年程度だろうが、その程度はやむを得ないだろうな。

「まあ、解りました。とりあえず、準備も出来たようですから始めましょうか」
「そうですね。では木島君始めてくれ」

「はい、じゃあ、新垣君。ポンプのスイッチを入れてください」
 木島が実験担当に指示する。
「はい!」という返事と共に、かすかなウィーンという音が出始め、数舜後、処理水タンクへ塩ビ管から水が出始め、排水溝へも分離水がほとばしる。

「4~5分待って下さい。パイプには試運転の海水が残っていますから。それから、水量は処理水が大体1.1m3/分、返流水が0.6m3/分に調整しています」
 実験担当の新垣と呼ばれた青年が言う。さらに、彼はサービスとして実験装置について説明してくれる。

「ええと、この海水タンクには自動的に海水を補給するようになっています。つまり、そこの海にポンプを据えていて、このタンクの水位が下がるとそれが起動するようになります。だから、このタンクにはいつも海水が入っていますから、人がいなくても運転は続けられます。また、処理水と、返流水の管には超音波流量計が付いているので、処理量の値も出ますが記録もされます。
 ただ、ポンプは急だったので、海水への耐久性は疑問があります。1年くらいは大丈夫でしょうが、もっと続けるなら、海水仕様に交換する必要があります」

「うん、うん。短時間で良くまとめてくれたね。助かったよ。まあ、ポンプの件は手配をしておくよ。なにせ、これはうまくいけば、世界を変えるほどの画期的なものになる。多分、見学者も押し寄せてくることになると思う。だから、本社からも1人か2人配置する予定だけど今後ともよろしく頼むよ」
 木島が褒めると沖縄の人らしく浅黒い顔の新垣は、顔を赤らめて頷く。

「はい、僕らもそういう実験に関われてうれしいです!」
 そう言って、同じく喜んでいる同僚の女性を振りかえるが、腕時計を見て言う。

「もういいと思います。ではこの塩分計で塩分を測ってみましょう」
 言ってから首から吊るした計器を見せ、センサーを吹き出している処理水の流れに突っ込む。

「100PPM以下ですね。水道基準が200PPMですから、それを下回っています。ちょっとレンジを変えます、………。20PPM以下です。ちょっとこれ以下はこの塩分計では測れません」
 新垣が測った結果を言うが、K大での測定では8PPMだったから、この結果は正しいだろう。

「塩水を単純に通すだけで水道水が得られる……。信じられないな。さっきの木島君の話ではないが、確かにこのWPCは歴史を変えるな。そもそも地球上に淡水は甚だ少ない。だから近い将来、水争いで戦争になると言われていたが、これがあると全く話は変わってくる。まさに、僕らは歴史的瞬間に立ち会っているのだ」

 村崎常務が拳を握って晴れ上がった空を見てそう言う。しかし、50代のスーツを着て、中背小太りで額が禿げ上がったおっさんがそのように気張っている姿は正直キモイ。
「ええ、そうですね常務、これは売れます。売って、売って、売りまくりましょう!」
 長身のかっこいいオヤジの木島氏も同調する。サラリーマンとしてはやむを得ないが、20代の部下は少し引き気味である。

「さて、それはそうと、新垣君、その分離水の塩分も測ってほしい」
 村崎常務が言い、新垣が従う。
「はい。………。ええと、大体9.9%ですね。ここらの塩分濃度3.5%ですから、これはええっと……」

「1.1m3と0.6m3の水量比からすると理論通りの濃度ですね」
 ちゃっちゃと、スマホの電卓機能で計算した黒田が答えを出す。流石に名門K大の院生であるが、僕は暗算で答えを出していたから、まだまだだね、と思ったのは内緒だ。

「ふーん。塩を作るときは、海の水を逆浸透設備で7~8倍に濃縮してそれを煮詰めているんです。だから、分離水をその濃度まで上げることができれば、その逆浸透の部分をWPCで代用できる。そして、それは海水中から有用成分を取り出すことに繋がる。うーんやってみたい。だけど第一優先は海水の淡水化だ。しかし、塩分の濃縮も実験を進めよう」

 村崎常務が顎に手を当てて悩まし気に言うが、さすがに視野が広い。1時間ほど経っても、処理状況が変わらないことを確認した村崎氏は、クライアントの名波市に連絡し、さらに県の水道部に連絡するように木島に指示した。木島はクライアントの担当部局の課長以下よく知っており、県の水道課も課長以下何度も視察に来ているので面識がある。

 塩分除去のWPCが出来た。そして名波市の実験装置で毎分1m3の処理をしている、という木島からの連絡に両方とも課長が係員数人引き連れてやってきた。そして、彼らは全員が処理水を舐めてみて、なおかつ塩分計の数値を確認して興奮している。

 まずは名波市の水道課長具志堅氏が言う。
「いやあ。これはすごいわ。WPCの話は聞いていたけど水にも使えるのだね。単純にパイプにWPCを取り付けるだけなら、建設費も運転費も大幅に下がるよね?どっちも高すぎるって議会で揉めているんだよ。そこのところはどうなの、村崎常務さん?」

「ええ、どちらもRO設備の代替になりますから、大幅に下がることは間違いないですね。多分都市用水設備としては、WPC式脱塩装置に濾過器があればいいと思います。濾過器も脱塩した後で処理すればいいので、特別な防食が必要ありませんから、鋼鈑製でいいでしょう。特に運転費は実質的にポンプとWPCの動力費のみです。
 浅香さん。WPCの動力ってどのくらいですか?」
 村崎氏は僕に話を振ってくる。

「うーんと、その処理水の必要量はどのくらいですか?」
「今の計画は3千m3/日ですが、コストがうんと下がるなら1万m3位欲しいですな」
 水道課長が答える。

「1万m3/日と言えば大体400㎜の管か、小さいですね」
「わずかなものですね。ポンプは大体30~40kW位です」

「ROは3千m3/日で300kW時位だったよね。1万m3でそれなら問題ないな。それに沖縄電力の電気料金も、発電機がWPC方式に一部変わってすでに20%下がったし、2年後にはさらに40%下がるって言っているし、まさにWPCさ
 まさまだね。これはすぐに予算は成立するな。建設費は国の特別補助があるからそれほど問題ではなかったんだ。兎に角問題だったのは莫大な電気料と膜の交換費用それに薬品代だったんだ」
 具志堅課長はまくしたてたが、一旦言葉を切って言う。
「ところで、塩分は海に返してもいいよね?」

「ええ、塩分については排水基準はありませんので、除去した塩分は海に返せます」
「うん、そうだったな。それから、お願いがあるんだ。日量1500m3もあるなら、この処理水をうちの浄水場の原水に入れてよ。工事はこっちでやるから。今水が足りなくて困っているんだ。浄水に入れるのは流石にまずいけど原水だったらいいだろう。ねえ、宮城課長さん、課長さんもご存じでしょう?うちの水道水がすごく足りないのは」

 具志堅課長は県の宮城水道課長に迫る。迫られた宮城は困りながらも応じる。
「う、ううーん。す、水道の取水源は届け出をしているので、それに反する水源に俺がうんとは言えないな。まあ、少なくとも毒性はないだろうけど、まかり間違って処理しない水が入ると大変なことになるよ。まあ、県としては知らんけど、市が自分の裁量で独自にやるとなると、問題が起きなきゃあいいんじゃないかな。
 だけど、少なくとも数日は様子を見ての方がいいと思うぞ。それに、モニタリングが要るな」

 その返事をした県の宮城課長は、村崎常務に向きなおって、自分の言いたかったことを言い始める。
「ところで、村崎常務さん、知っての通り沖縄は全て離島で、最大の本島でも水は不足しています。だけど小さい島については淡水の水源は雨水による天水しかなく、日照りが続くとどうにもなりません。その場合には本島から運んだりしていますがね。

 それが、今見せて頂いている程度の設備で淡水がとれるなら、生活用水のみでなく多分農業用水にも使えるでしょう?そうすれば島の生活もずっと豊かになります。実は、電気については、もうかなりWPC方式の発電設備が離島に入っていて、燃料要らず、メンテナンス要らずで大変重宝しています。
 それにWPC方式で海水から取れる水が加われば、貧しさと不便さにどんどん人口が減っている離島でも、快適でより豊かな生活が送れるようになります。どうか、早急に海水を原水とする水道施設として標準化し、来年からでも導入できるようにお願いします」
 そう言って深々と頭を下げる。

「いや、いや、課長さん、頭をあげてください。私どももこのWPC方式の脱塩設備は大変なものだと思っております。そして、この沖縄県のみならず全国の島嶼、さらに世界中の同様なところの人々が待ち望んでいたものだと思っています。ですから、わが社も総力を挙げて実用化と標準化を進めます。
 しかし、WPCを使った水処理技術は、こちらに居られるK大の衛生工学研究室のご指導に沿っている訳です。そして、WPCそのものは、こちらの浅香オサムさんの知識と能力がないとどうにもならないのです。ですから、ぜひお二方にも……」
 村崎常務はそう言って、手を広げて峯田助教授と僕を指す。

『うわ!このおっさん、人にすりつけたよ』
 そう思ったけど、県の課長で頭の高い人も多い中で、この人の真摯な姿勢には好感をもった。峯田助教授に対してはともかく、どう見ても少年の僕にも頭を下げる宮城課長に、今後も協力することを約束するしかなかった。

 K大から来た僕らは、沖縄にその後2泊したが、その間県の職員がずっと付き添って昼食、夕食を奢ってくれて、慶良間諸島。宮城島、伊江島などの離島にも連れて行ってくれた。
 勿論『水道をちゃんとやってね』という下心があってのことだけど、それらの島が水に困っているのは良く分かったし、沖縄の美しい海を堪能した。
 沖縄の離島に家を買って、冬はそこに住もうかなと思った旅だった。

    ―*―*―*―*―*―*―*―

 その後、S社は京都に社員を5人送り込み、K大の構内にある技術研究所のまだ空いている部屋を確保して、100m3/日から1万m3/日までの能力の、脱塩(DS:DeSalting)-WPCを組み込んだ海水を原水とする浄水施設の標準化を行った。
 僕は10種類のWPCを10台ずつ、回路を描いて活性化したが、S社から頼まれて1万m3/のものについては100台作ってやった。S社が払う金額はWPC製造㈱との交渉次第だけど、僕には最大のもので1台10万円程度払うんだろうな。回路を描いておけば、活性化は他の人でも出来るけど、結構複雑なので、出来る人は少ないだろう。

 ちなみに、名波市の水道課長は実験装置が5日間問題なく動いたのを確認して、処理水を浄水場の流入水槽に混入して、上水道の水源とした。このことで、浄水場が2万m3/日あるのに、大体1万m3しか原水が入ってこないため、たびたび断水を起こしていたのが、断水を起こさなくなったということで市民から大変喜ばれたらしい。

 しかし、地元紙から承認なしで、しかもWPCを使った新しい方式の実験装置から出てくる水を水道に使ったと叩かれたらしい。しかし、市長が自分の承認の上だと断固として庇ったことと、市民から市長に同意の声が殺到した。その上に、他紙が水道課長の決断を評価する記事が出たこと、さらに離島から期待する声が続出したことから、結局はWPC方式の広報になった形だ。

 そして、沖縄の離島についてはS社が頑張って標準化資料をそろえ、宮城課長が動いて予算化したので、次の年にはほぼ必要なところには全て海水淡水化の浄水施設が設置された。これらは鋼板製のパッケージになっているため、設置は極めて早い。

 この実績から政府も緊急的な計画を立ち上げて、その翌年には海沿いの水不足の地域には一斉にこのパッケージ設備が入った。日本だけで総数は211基になったからS社は随分儲けたね。
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