上 下
47 / 179
第5章 5年が過ぎた

5.10 大地震その後、富士山大噴火!

しおりを挟む
 関東地震が終わった翌朝、篠山首相のテレビによるお見舞いの言葉があった。
「内閣総理大臣の篠山誠司です。今回被災された皆さんには、大変なご苦労をお見舞い申しあげます。皆さんもすでに報道でご存知のように、東海地震、東南海地震、さらに昨日の関東地震と、いずれも大地震と呼べる地震が3回に分けて渡って我が国を襲いました。
 しかし、この大災害には、地震の日時、各地の震度、津波の波高まで予測できていたという面で、今までの災害と大幅に違っている点がありました。そのため、高い確率で大体いつごろに大地震が起きるという見込みのもとに、様々な準備ができました。

 さらに、具体的な予測がでた約1週間前からの準備によってより現実的な準備ができました。この点は、地震学に関わる方々のご努力のお陰であり、これに対して心からの敬意を表します。加えて、忘れてはならないのは、過去20年以上に渡る、国を挙げての耐震補強、建て替え、さらに防潮堤の建設などの様々な耐震対策であります。
 そのことで、人命に関してももちろんですが、皆さんの財産についても大幅に被害を減らせております。このように、我々政府及び自治体、消防、警察、自衛隊、さらに皆さん自身が万全の体制を取ったつもりでした。

 ですが、残念ながら相当な数の方が、倒壊した建物に残っておられて亡くなっているようです。どのくらいの数の方々が亡くなってしまったかは、自主的に建物に残った方々なので、なおも調査中です。さらに、やはり相当な数の建物の崩壊あるいは電気・水道などのインフラの停止によって、東海地方で25万人、関東地方では、何と250万人の方が今現在避難所生活をおくられております。
 しかしながら、東海地方については、数日中に15万人、関東地方については2週間の内には、200万人の方が自宅に帰れる見込みです。これは避難対象の場所や建物であっても、壊れず残っている建物、さらにインフラの復旧によって帰れるようになるわけです。従って、最終的に避難所に残られる方は60万人程度になるものと考えています」

 篠山は、言葉を切ってカメラを見つめる。東海地方では、非常に強い揺れに襲われた震度7及び6+の地区が比較的少なかったこともあって、揺れによる建物の崩壊が2万棟程度と比較的少なかった。さらに、何といっても防潮堤によって津波の害を大きく削げたことが功を奏して、家が丸ごと流されたものは、防潮堤に守られていなかった1万棟程度に収まったことが大きかった。

 しかし、関東地方については、東京湾という沿岸が日本で最も人口密度の高いど真ん中が震源であり、しかも日本有数の軟弱地盤地域ということが災いして、耐震済みの建物が多かったにも拘わらず、10万棟余が倒壊している。
 中でも、軟弱地盤上に建つ150mを超える超高層ビル62棟の内、11棟が倒壊し、12棟が大きく傾いたのは建築関係者にショックを与えた。この点は、耐震基準を満たしていても、軟弱地盤上の長い杭を用いた建物について、避難命令を出した篠山の決断が正しかったことを裏付けるものとなった。

 なお、関東地方の現状の最大の問題点の一つは、地盤の液状化によって道路そのもの及び地下インフラである水道管、ガス管、下水道管が大被害を受けたことであり、仮復旧に2週間を見込んでいるが怪しいと見られている。同じく地下インフラの電線、電話・光ケーブルは比較的早く1週間以内に復旧すると見られている。とりわけ、水道管、ガス管、下水道管は機能を回復しないと家で暮せないのだ。

 篠山首相が続ける。
「こうして避難所に残る方は、家を失われた方ですが、賃貸住宅に住まわれていた方は別の住宅を見つけるべく、自治体から斡旋させて頂きます。自宅を失われた方は、まずは公営住宅などの空き家をお考えいただきたいと思います。
 さらに、仮設住宅についても、すでに、10万所帯分の敷地の準備と資材の準備は出来ておりますので、2週間以内には住めるようになります。そのような措置を総合して、出来れば2週間、遅くとも3週間以内には皆さんの避難所生活を解消したいと思っています」

 首相は、再度言葉を切って一息置いてカメラを再度正面から見て続ける。
「しかし、残念ながらこれで終わりではないのです。予測では、5日後の21日に富士山の噴火が起きる見込みです。この爆発は、江戸時代に起きた大噴火の規模を超えるのではないかと心配されております。その場合の直接の被害は、まず火山弾が飛び散ること、火砕流が噴き出すこと、周辺地区の熱い火山灰と広範囲の火山灰の降灰です。
 従いまして、富士山頂から5㎞の範囲は火砕流と火山弾の恐れがあり、風向きにもよりますが15~25kmの範囲は熱い灰が降ります。火山灰については、半径30㎞で平均40cm、東京で5cm、仙台で1cm、大阪ですら1cm程度積もる可能性があります。こうした降灰は、無論最初の数日に集中しますが、1週間ほどは続くでしょう。

 ですから、富士山周辺の主として観光用の施設は火山弾が振り、火砕流に巻き込まれる可能性が強いので立ち入り禁止としますし、おおむね半径10㎞の範囲は立ち入り禁止、半径15㎞の範囲は避難勧告を出します。また、富士周辺の原生林においては広範囲の山火事になると考えられますので、周辺の消防隊の動員を要請しています。
 さらに、こうした降灰による被害は、成長期を迎えている稲を始めとした、農作物に甚大な被害をもたらします。さらには、近代社会において最も重要なインフラである通信を大きく妨害するほかに、その灰そのものの莫大な量が大きな問題をもたらします。

 鹿児島市の、たびたび起きる降灰の害に苦しんでいる例を挙げるまでもなく、満遍なく積もる灰は皆さん自身の家にも積りその莫大な量の処分の問題が生じます。いずれにせよ、我が国は、今後1年間は、これらの地震、及び富士山の爆発の後始末に忙殺されるでしょう」
 篠山首相は再度カメラを正面から見て一息いれて続ける。

「しかし、皆さん、皆さんもよくご存知のように、我が国は過去5年余、歴史上かってない発展を遂げてきましたし、それは今後も続きます。それはなぜか。我が国は、世界で唯一すでに適性のあるものすべてに魔法の処方を終わらせ、身体強化、知力増強を成し遂げているのです。
 その結果、今回の震災においても、その体力及び知力をいかんなく発揮して被害を最小限に抑えております。今回の、まだ後に続く富士山の噴火という事態があっても、こうした国民で構成されている我が国がめげることは全くないと私は信じています。皆さん。今後のおそらく1年間、災害で被害を受けた隣人の皆さんのためにその力を貸してください」
 篠山首相は頭を下げてその話を終えた。

 ハヤトは、社員とその家族に自分のマンションを使わせて、自分は親と一緒の家に住んでいる。震災後、空けられる家のある人は、出来るだけ被災した人に使わせるように呼びかけがあり、特に自分の部屋に住む必要のないハヤトは、社員で親の家が被災した一家に格安で貸している。

 さらに、会社の処方用の部屋も、当分は海外からの受け入れが中止ということで間仕切りをして20人ほどを住まわせている。日本の東海の空港、羽田及び成田空港は国際・国内線ともに、7月14日東海地震の予知日から当面半月の予定で運行を停止しているのだ。

 ちなみに、東海道新幹線・東海道線は7月14日の朝から運行を停止し、東名高速は7月14日の午前10時で名古屋から東京まで閉鎖している。その後、7月20日現在、まだ開通していないが、これらの仮補修は殆ど終わっているものの富士山の噴火待ちである。これらのインフラは、津波による被害は実質的になかったが、揺れによって架橋3か所が変形し、トンネルの出入口で小規模な崩壊があったものの、仮補修により5日で使えるようにしている。

 7月21日が明けた。前日から細かい地震が起き始め、うっすらと山頂から蒸気が出ており誰の目にも危険な兆候が見えている。すでに、前々日に立ち入り禁止区域からの人は避難し終わっており、仮に今爆発が起きても人的被害はないはずだ。

 午前11時33分、富士市において振動がどんどん激しくなり、突然山頂が吹き飛んで火が見え噴煙が噴き出した。その吹き飛んだ山頂がばらばらになった大きな塊が山麓に降り積もるなか、噴煙はどんどん高く吹きあがり、何かの赤いものが飛び散っている。

 さらに、煙のようなものが山麓を滑り下りている。あれは火山弾と火砕流だ。火山弾が山麓の樹林に落ちて、赤い火が燃えあがり、さらに煙のような火砕流が樹林に到達して、煙がもうもうと巻き上げてやがて火の帯ができる。その中でも噴煙はぐんぐん吹き上がっており、すでに5千mには登っているだろう。一方で、噴煙は水平方向にも広がりだんだん高度を下げつつある。あれが降って来ると火山灰になるのだが、近い位置に降ったものは熱い灰になる。

 ハヤトはニノミヤ・カンパニーのオフィスのテレビで、浅井みどりや森川裕子他のスタッフとそれを見ている。「富士樹海はこのままだと全滅ね。あの噴煙が結局全部降ってくるのね。だけど、幸い風向きが海を向いているようだから、このまま風が続くといいのだけど」
 みどりが画面を見ながら言うのに、ハヤトが応じる。

「まあ、そううまくはいかんだろうね。しかし、この灰は薄くはなるが、日本の半分を覆うようになって電波を遮るから、灰が舞っている間、電波による携帯網は使えなくなるな。しかし、昨日、光ファイバー網が復活したということなので、それを通じて通信は一応できるだろう。しかし、膨大な量の灰の始末を考えると、ぞっとするな。
 仮に1000k㎡に降ったら5千万㎥か、東京湾をまた埋め立てられるな」

 それに対して、裕子がハヤトに向かって指を立ててそれを振って言う。
「ハヤトさん、わかっていないわね。そんな簡単なものじゃないわ。東京湾に限らず海には漁業権というものがあってね。すべからく、漁協と交渉してその海域の漁業権を買い取らなくてはいけないのよ。まあ、少なくとも10年仕事ね」

「ああ、そういうのもあったな。でも、埋め立て中のものもあるだろうし。何とかなるのじゃないか。それでも、結構大変だな」
 ハヤトはなるほどという顔で言う。少なくとも、予測できている火山の爆発では死者はでないので、のんきなものだが、数十㎝の灰に埋まる地域を考えると冗談ごとではない。

 結局、富士山の爆発によっては、ほぼ山頂から5㎞の範囲の樹海が燃え上がったが、麓の各自治体の消防の奮闘と、自衛隊のヘリによる消火剤の投下の効果もあり、麓の街に広がることはなかった。だが、その範囲にあった100軒ほどの観光施設などが焼け落ちた。

 火山灰は5日間降り続き、富士市で35cm、甲府で20cm、東京には3cm降り積もったが、3日目頃から折よく降り始めた雨に叩かれて、全国に広がることはなかった。なお、富士市については、膨大な降灰は東海地震とのダブルパンチになった。

 このように、降り積もって処分が必要な火山灰は、合計で2億㎥にもなり、処理に要した期間は5年間であった。大部分は一旦様々な場所に仮置きされて最終的には海面埋め立てに使われた。こうして、この火山灰によりできた土地は20k㎡にもなり、その売却益によって、最終的には処分費をペイできた。

 また、富士山は最初の爆発で、山頂の高さ50mほどが吹き飛ばされて、その形がいびつになり心配されたが、大量に噴出した溶岩がそのあとを埋めた結果、高さは却って10mほど高くなり、形も殆どもとの均整のとれた形を取り戻した。これは、日本国内のみならず世界の富士山ファンを大いに安心させることになった。

 最終的に、東海道の新幹線、在来線、東名高速道路、国道は火山灰の処理もあって約1ヵ月の後に順次開通したが、第2東名、中央自動車道、富士山の噴火から6日後に開通したリニア新幹線等が、不通になっている路線も代替を十分こなすことになった。都心の地下インフラの仮復旧には約20日を要した。

 しかし、あくまでこれは仮復旧で、人々を住むことができるようにするためであり、東京を始めとした都市が、壊れた建物などの瓦礫を処分して、さらに道路等が復旧して、もともとの整然とした姿を取り戻すには1年を要した。 しかし、そこでは大量のビルの建設が始まっている。なお、深い軟弱層上の超高層ビルについては、杭の打ち込みに周辺地盤の地盤改良を加えることで安全になることが確認されて、その工法で建設が進んでいる。

 2023年の日本のGDPは、これらの大災害によって落ち込むと諸外国に予想されたが、実際は臨時予算による50兆円の国費投入もあって、建設投資が前年度の50兆円から120兆円にも膨らんで殆ど前年と変わらない成長率12%を記録した。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~

夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。 しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。 とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。 エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。 スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。 *小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み

異世界でネットショッピングをして商いをしました。

ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。 それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。 これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ) よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m hotランキング23位(18日11時時点) 本当にありがとうございます 誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

最難関ダンジョンで裏切られ切り捨てられたが、スキル【神眼】によってすべてを視ることが出来るようになった冒険者はざまぁする

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
【第15回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作】 僕のスキル【神眼】は隠しアイテムや隠し通路、隠しトラップを見破る力がある。 そんな元奴隷の僕をレオナルドたちは冒険者仲間に迎え入れてくれた。 でもダンジョン内でピンチになった時、彼らは僕を追放した。 死に追いやられた僕は世界樹の精に出会い、【神眼】のスキルを極限まで高めてもらう。 そして三年の修行を経て、僕は世界最強へと至るのだった。

異世界帰りの俺は、スキル『ゲート』で現実世界を楽しむ

十本スイ
ファンタジー
ある日、唐突にバスジャック犯に殺されてしまった少年――同本日六(どうもとひろく)。しかし目が覚めると、目の前には神と名乗る男がいて、『日本に戻してもらう』ことを条件に、異世界を救うことになった。そして二年後、見事条件をクリアした日六は、神の力で日本への帰還を果たした。しかし目の前には、日六を殺そうとするバスジャック犯が。しかし異世界で培った尋常ではないハイスペックな身体のお蔭で、今度は難なく取り押さえることができたのである。そうして日六は、待ち望んでいた平和な世界を堪能するのだが……。それまで自分が生きていた世界と、この世界の概念がおかしいことに気づく。そのきっかけは、友人である夜疋(やびき)しおんと、二人で下校していた時だった。突如見知らぬ連中に拉致され、その行き先が何故かしおんの自宅。そこで明かされるしおんの……いや、夜疋家の正体。そしてこの世界には、俺が知らなかった真実があることを知った時、再び神が俺の前に降臨し、すべての謎を紐解いてくれたのである。ここは……この世界は――――並行世界(パラレルワールド)だったのだ。

異世界の大賢者が僕に取り憑いた件

黄昏人
ファンタジー
中学1年生の僕の頭に、異世界の大賢者と自称する霊?が住み着いてしまった。彼は魔法文明が栄える世界で最も尊敬されていた人物だという。しかし、考えを共有する形になった僕は、深く広い知識は認めるけど彼がそんな高尚な人物には思えない。とは言え、偉人と言われた人々もそんなものかもしれないけどね。 僕は彼に鍛えられて、ぽっちゃりだった体は引き締まったし、勉強も含めて能力は上がっていったし、そして魔法を使えるようになった。だけど、重要なのはそこでなくて、魔法に目覚めるための“処方”であり、異世界で使っている魔道具なんだよ。 “処方”によって、人は賢くなる。そして、魔道具によって機械はずっと効率が良くなるんだ。例えば、発電所は電子を引き出す魔道具でいわば永久機関として働く。自動車は電気を動力として回転の魔道具で動くのだ。これを、賢くなった人々が作り、使うわけだから、地球上の温暖化とエネルギーの問題も解決するよね。 そして、日本がさらに世界の仕組みがどんどん変わっていくのだけど、その中心に大賢者が取り憑いた僕がいるんだよ。僕はもう少しのんびりしたいのだけどね。

Another World〜自衛隊 まだ見ぬ世界へ〜

華厳 秋
ファンタジー
───2025年1月1日  この日、日本国は大きな歴史の転換点を迎えた。  札幌、渋谷、博多の3箇所に突如として『異界への門』──アナザーゲート──が出現した。  渋谷に現れた『門』から、異界の軍勢が押し寄せ、無抵抗の民間人を虐殺。緊急出動した自衛隊が到着した頃には、敵軍の姿はもうなく、スクランブル交差点は無惨に殺された民間人の亡骸と血で赤く染まっていた。  この緊急事態に、日本政府は『門』内部を調査するべく自衛隊を『異界』──アナザーワールド──へと派遣する事となった。  一方地球では、日本の急激な軍備拡大や『異界』内部の資源を巡って、極東での緊張感は日に日に増して行く。  そして、自衛隊は国や国民の安全のため『門』内外問わず奮闘するのであった。 この作品は、小説家になろう様カクヨム様にも投稿しています。 この作品はフィクションです。 実在する国、団体、人物とは関係ありません。ご注意ください。

処理中です...