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魔法省へ大量の料理を送り、それが終われば牛丼と親子丼を大量コピー。牛丼と親子丼をワゴンに乗せ持っていくと、先ほどとは打って変わって人が少なくなっていた。レオポール兄様もドミニク様もいないし、お母様と皇后陛下もいない。
「さっき討伐に向かったよ。母上たちは別の部屋で休憩している」
フランツ兄様から討伐と聞いて、思い知る。そうだ、これは単なる食事会ではなかったのだ。お兄様は魔物を倒しに向かってしまった。出る前に会っておきたかった。
「大丈夫だよ、兄上はああ見えて馬鹿みたいに強いからね」
フランツ兄様に頭を撫でられ、心配しても仕方ないと思い直す。今は無事を祈るしかない。
「みんないなくなって寂しくなったんだね」
お兄様の頭なでなでの様子がおかしいぞ。いつの間にか抱きしめられている。
「よしよし、大丈夫だからね」
話し方も子どもをあやすみたいな感じだ。お兄様、どうしちゃった?
「マリは今日は早起きしたから、おネムじゃないかな? 少しお昼寝する?」
そう言って、お兄様は私を子どものように抱き上げた。
「に、兄様、やめてください」
「ん?おうちではいつもこうだろ?お外だから恥ずかしくなった?」
兄様の顔は笑顔だ。どうしようと考えていたら、視線を感じた。そりゃそうだろう。と、見てみたら。
殿下だった。殿下はものすごい形相で私たちを見ている。兄様はニヤッと笑った。
「結婚まで5年あるからね。毎日こうやってマリを抱っこしてあげるからね」
そう言いながら子供を寝かすように背中をトントンと優しく叩いてくれる。レオポール兄様たちが魔物を退治してくれている最中に何してるんだ。
「ククク・・。殿下の顔、見ものだな。マリを奪おうとする奴なんか、一生あんな顔して暮らせばいいんだ」
フランツ兄様の顔が悪役になっている。殿下の顔は怖いままだ。私も恥ずかしくて目を逸らす。
「どうしたんだ?」
そこにお父様が近づいてきた。険しい顔つきだ。当たり前である。魔物が突然現れているのだ。ふざけてる場合ではない。
「マリアンヌがぐずっているのか?」
中身は32歳で外身は12歳ですが?ぐずる年ではありませんが?お父様、何をおっしゃるのですか?
「そうなんですよ、今日は早起きしてるし、昼寝させないと」
「そうだな、よし、部屋を用意しよう」
2人は真顔だ。まるで幼稚園児のような扱われ方である。
「どれ、私が運ぼう」
お父様に抱っこが代わり、私たちは別室に行くことになる。あまり広くない応接間のような部屋だ。お父様は私をソファに下ろした。
「お父様、私なら大丈夫です。子ども扱いしないでください」
立ち上がって抗議する。殿下だって見ていた。我が家は変だと思われたくない。
「わかってるよ。でもこうでもしないと、ずっと料理を作り続けるだろう。確かに助かっているが、このままではこき使われる」
「あればあるだけ食べちゃうからね。なければ食べないんだから、少しくらいほっといていいよ」
2人に言われ、気持ちが少し落ち着いた。料理を作ることは苦ではない。むしろ今は何かをしていたい。そうでないと不安になる。
「何もしないでただ待つと言うことも王族は必要なんだよ。皇后様もお休みになっている。大丈夫だからここにいなさい。何かあれば呼ぶから」
待つことも王族には必要。確かに、状況を聞いて自分が直接行きたいと思っても簡単には動けない。陛下や殿下が出向くのは最終手段になるのかもしれない。
「フランツ、あとは任せたよ」
お父様はそう言い置いて部屋を出ていった。
「マリ、2人きりだね」
フランツ兄様はニコニコと笑っている。
「兄様のお膝に座る?それともネンネする?」
なぜか兄様はイキイキと目を輝せるのであった。
「さっき討伐に向かったよ。母上たちは別の部屋で休憩している」
フランツ兄様から討伐と聞いて、思い知る。そうだ、これは単なる食事会ではなかったのだ。お兄様は魔物を倒しに向かってしまった。出る前に会っておきたかった。
「大丈夫だよ、兄上はああ見えて馬鹿みたいに強いからね」
フランツ兄様に頭を撫でられ、心配しても仕方ないと思い直す。今は無事を祈るしかない。
「みんないなくなって寂しくなったんだね」
お兄様の頭なでなでの様子がおかしいぞ。いつの間にか抱きしめられている。
「よしよし、大丈夫だからね」
話し方も子どもをあやすみたいな感じだ。お兄様、どうしちゃった?
「マリは今日は早起きしたから、おネムじゃないかな? 少しお昼寝する?」
そう言って、お兄様は私を子どものように抱き上げた。
「に、兄様、やめてください」
「ん?おうちではいつもこうだろ?お外だから恥ずかしくなった?」
兄様の顔は笑顔だ。どうしようと考えていたら、視線を感じた。そりゃそうだろう。と、見てみたら。
殿下だった。殿下はものすごい形相で私たちを見ている。兄様はニヤッと笑った。
「結婚まで5年あるからね。毎日こうやってマリを抱っこしてあげるからね」
そう言いながら子供を寝かすように背中をトントンと優しく叩いてくれる。レオポール兄様たちが魔物を退治してくれている最中に何してるんだ。
「ククク・・。殿下の顔、見ものだな。マリを奪おうとする奴なんか、一生あんな顔して暮らせばいいんだ」
フランツ兄様の顔が悪役になっている。殿下の顔は怖いままだ。私も恥ずかしくて目を逸らす。
「どうしたんだ?」
そこにお父様が近づいてきた。険しい顔つきだ。当たり前である。魔物が突然現れているのだ。ふざけてる場合ではない。
「マリアンヌがぐずっているのか?」
中身は32歳で外身は12歳ですが?ぐずる年ではありませんが?お父様、何をおっしゃるのですか?
「そうなんですよ、今日は早起きしてるし、昼寝させないと」
「そうだな、よし、部屋を用意しよう」
2人は真顔だ。まるで幼稚園児のような扱われ方である。
「どれ、私が運ぼう」
お父様に抱っこが代わり、私たちは別室に行くことになる。あまり広くない応接間のような部屋だ。お父様は私をソファに下ろした。
「お父様、私なら大丈夫です。子ども扱いしないでください」
立ち上がって抗議する。殿下だって見ていた。我が家は変だと思われたくない。
「わかってるよ。でもこうでもしないと、ずっと料理を作り続けるだろう。確かに助かっているが、このままではこき使われる」
「あればあるだけ食べちゃうからね。なければ食べないんだから、少しくらいほっといていいよ」
2人に言われ、気持ちが少し落ち着いた。料理を作ることは苦ではない。むしろ今は何かをしていたい。そうでないと不安になる。
「何もしないでただ待つと言うことも王族は必要なんだよ。皇后様もお休みになっている。大丈夫だからここにいなさい。何かあれば呼ぶから」
待つことも王族には必要。確かに、状況を聞いて自分が直接行きたいと思っても簡単には動けない。陛下や殿下が出向くのは最終手段になるのかもしれない。
「フランツ、あとは任せたよ」
お父様はそう言い置いて部屋を出ていった。
「マリ、2人きりだね」
フランツ兄様はニコニコと笑っている。
「兄様のお膝に座る?それともネンネする?」
なぜか兄様はイキイキと目を輝せるのであった。
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