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気を取り直し、朝食を再開した。申し訳なくなったので、私はフルーツの上にヨーグルトをかけお父様とお兄様と自分の分を用意した。この世界ではヨーグルトも普通に存在する。
「これは?」
「ヨーグルトです」
「よーぐると?」
ぎこちない言い方なのであまり流通していなかったのか、もしくは名前を知らないのかもしれない。食べるだけの人なら料理名とか食品の名前とか知らずに済むのだろう。特にこの世界では食べたいものがいつでも食べられたわけではないようだし。
お兄様がスプーンの先に少しだけ乗せて口に運んだ。お父様の目はその様子を探っている。問題なければ自分も食べようと思っているのか。まずくはなくても好みがあるから無理しなくていいのだが。
「んっ。酸っぱいですが美味しいです」
「そうか」
お父様は安心したように自分も口に入れる。
「確かに酸味があるが、これはクセになるな」
良かった。気に入っていただいたようである。私も口にする。少し酸っぱいが美味しい。さっぱりしている。甘みが足りなければ蜂蜜を足してもいい。
「旦那様、エイアール様がご挨拶にいらしています」
セバスチャンの方を見るとドアの向こう側にエイアール様、ベルナルト様、その後ろにステファニー様とダニエル様が見えた。ダニエル様が小さく手を振って、それをステファニー様に嗜められている。
「おはようございます。昨日はご迷惑をおかけし、申し訳ございません」
深々と頭を下げてくれるエイアール様。その横でベルナルト様も頭を下げている。
「気にしなくても良い」
お父様はそう言ってセバスチャンに彼らの席も用意させる。私は窓の方にテーブルを用意するようにお願いした。
「ステファニー様とダニエル様と私はこちらの席で頂きましょう。殿方のお話に割り込むのは無粋でしょう」
彼らはおそらく仕事の話をするであろう。ダニエル様の耳に入れていい話ではないだろう。
「畏まりました」
セバスチャンは笑顔で返事をし、すぐに用意してくれた。ダニエル様用にもフルーツとヨーグルトを用意する。私とダニエル様はすでに食べているが、ステファニー様はまだだ。昨日に比べたらステファニー様の顔色も良くなったが、でも元気になったとは言い切れない。
「昨日はぐっすり眠ることができました。久しぶりに気持ちの良い朝を迎えましたの」
ステファニー様はそう言って微笑む。
「あのお花はマリアンヌ様がご用意くださったとのこと。本当にありがとうございます」
ステファニー様は少し涙ぐまれている。
「マリアンヌ様は女神様なのです」
ダニエル様が何故だか得意げに言う。
「僕は決めました。マリアンヌ様をお守りする騎士になります!」
立ち上がり気合を入れるかのように右手をグーにして突き上げる。
「よく言いました。ダニエル」
ステファニー様がダニエル様を誇らしげに見上げた。
「私の実家は騎士の家系なのです。父や兄はダニエルを養子にして騎士にしたいと常々言っておりました。エイアールは文官の家系なのでダニエルも文官になるかと思っておりましたが、このように自ら決心をしてくれたのなら安心です」
「母上。こちらにお世話になれる間にレオポール様に騎士について学ぼうと思います」
「ダニエル。それでは騎士養成団に推薦しよう」
「レオポール様、ありがとうございます」
「これでエイアール家も安泰だな」
「ありがとうございます。宰相様」
話を聞いたお兄様やエイアール様たちも輪に加わり、ダニエル様の決意を喜んでいる。8歳の子の将来の夢なんてすぐに変わるんじゃないの、と思うのだが、全員が嬉しそうにしているので何も言わないことにした。
「これもマリアンヌ様のおかげです」
「マリアンヌ様はやはり女神様ですね」
私は関係ないと言いたいが、言っても無駄なことを知っている。ただ黙って微笑んでいた。
「これは?」
「ヨーグルトです」
「よーぐると?」
ぎこちない言い方なのであまり流通していなかったのか、もしくは名前を知らないのかもしれない。食べるだけの人なら料理名とか食品の名前とか知らずに済むのだろう。特にこの世界では食べたいものがいつでも食べられたわけではないようだし。
お兄様がスプーンの先に少しだけ乗せて口に運んだ。お父様の目はその様子を探っている。問題なければ自分も食べようと思っているのか。まずくはなくても好みがあるから無理しなくていいのだが。
「んっ。酸っぱいですが美味しいです」
「そうか」
お父様は安心したように自分も口に入れる。
「確かに酸味があるが、これはクセになるな」
良かった。気に入っていただいたようである。私も口にする。少し酸っぱいが美味しい。さっぱりしている。甘みが足りなければ蜂蜜を足してもいい。
「旦那様、エイアール様がご挨拶にいらしています」
セバスチャンの方を見るとドアの向こう側にエイアール様、ベルナルト様、その後ろにステファニー様とダニエル様が見えた。ダニエル様が小さく手を振って、それをステファニー様に嗜められている。
「おはようございます。昨日はご迷惑をおかけし、申し訳ございません」
深々と頭を下げてくれるエイアール様。その横でベルナルト様も頭を下げている。
「気にしなくても良い」
お父様はそう言ってセバスチャンに彼らの席も用意させる。私は窓の方にテーブルを用意するようにお願いした。
「ステファニー様とダニエル様と私はこちらの席で頂きましょう。殿方のお話に割り込むのは無粋でしょう」
彼らはおそらく仕事の話をするであろう。ダニエル様の耳に入れていい話ではないだろう。
「畏まりました」
セバスチャンは笑顔で返事をし、すぐに用意してくれた。ダニエル様用にもフルーツとヨーグルトを用意する。私とダニエル様はすでに食べているが、ステファニー様はまだだ。昨日に比べたらステファニー様の顔色も良くなったが、でも元気になったとは言い切れない。
「昨日はぐっすり眠ることができました。久しぶりに気持ちの良い朝を迎えましたの」
ステファニー様はそう言って微笑む。
「あのお花はマリアンヌ様がご用意くださったとのこと。本当にありがとうございます」
ステファニー様は少し涙ぐまれている。
「マリアンヌ様は女神様なのです」
ダニエル様が何故だか得意げに言う。
「僕は決めました。マリアンヌ様をお守りする騎士になります!」
立ち上がり気合を入れるかのように右手をグーにして突き上げる。
「よく言いました。ダニエル」
ステファニー様がダニエル様を誇らしげに見上げた。
「私の実家は騎士の家系なのです。父や兄はダニエルを養子にして騎士にしたいと常々言っておりました。エイアールは文官の家系なのでダニエルも文官になるかと思っておりましたが、このように自ら決心をしてくれたのなら安心です」
「母上。こちらにお世話になれる間にレオポール様に騎士について学ぼうと思います」
「ダニエル。それでは騎士養成団に推薦しよう」
「レオポール様、ありがとうございます」
「これでエイアール家も安泰だな」
「ありがとうございます。宰相様」
話を聞いたお兄様やエイアール様たちも輪に加わり、ダニエル様の決意を喜んでいる。8歳の子の将来の夢なんてすぐに変わるんじゃないの、と思うのだが、全員が嬉しそうにしているので何も言わないことにした。
「これもマリアンヌ様のおかげです」
「マリアンヌ様はやはり女神様ですね」
私は関係ないと言いたいが、言っても無駄なことを知っている。ただ黙って微笑んでいた。
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