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4:滞在編
豊彦サイド
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月の低重力でも設計通りの製造能力が得られる様になった。地球用の装置の改良で解決できないと分かってから随分と時間を費やしてしまったと思った。しかし、月での作業は予定より早く終わったのは嬉しい誤算だった。確かに効率は三倍だった。
豊彦はセキュリティーゲートで言われた事を思い出していた。
~・~・~
牽引船から切り離されたシャトルは、月周回軌道に移動すると徐々に高度を下げていった。豊彦は二度目の無重力に感動するより、シートベルトで身体を固定して瞑想をしながら着陸の時を待っていた。
シャトルは月面基地から少し離れた場所に着陸した。シャトルの重さで沈み込む感じがヒヤリとなった。ボーディングリフトがシャトルとドッキングする時の衝突音もヒヤリとなった。外の状況が分からないのは不安でしかなかった。
シャトルから這い出すようにボーディングリフトに移ると作業員兼セキュリティーの係員が待ち構えていた。基地まで移動する間に入場手続きを行うためだ。
「おつかれさま。まずセキュリティーブレスレットをここに翳して」
係員の表情が変わった。
「水海道豊彦さんだね、月基地にようこそ。沢山データを運んでくれたね、全職員を代表してお礼を言うよ」
係員は住居エリアや食料の割り当てを確認していた。
「短期滞在なのでゲストルームだね。お金がないから好きなものを好きなだけ食べられるけど、おかずを分け合うのは禁止だよ。健康管理と生産計画のために摂取量は全て計測されているよ。あと、これ胸ポケットにつけておくように。空気抜けは文字通り命取りだから」
身分証を兼ねた気圧計を渡された。
「他に、注意事項はありますか?」
しばらく考えた後に、
「重力に戸惑うぐらいかな?・・・ あと、ここでは仕事の効率が地球の三倍になるからスピードに遅れないように」
豊彦はそう言う話を聞いた事がなかった。生理的に能力が上がるとも思えなかった。
「なぜですか? 会議やメールがないからですか?」
「そのうち分かるよ」
意味深に言うと次の乗客の入場手続きに行ってしまった。
~・~・~
当初、漠然と遠心力で人工重力を造れば良いと反応槽の部分を遠心装置と入れ替えただけだった。装置の直径が小さい分は回転数で補えば反応速度が維持できると思っていた。しかし、間違いだった。直径が小さい分だけ反応に適した重力範囲が狭かった。重力が弱いと反応後の対流が起きない。重力が強いと分離して反応が起きない。更に回転速度を微調整できない。簡単に出張作業が出来ない月だから実績のある装置を改良し重量を抑える事に縛られてしまった結果だった。
これを解決するために月の重力も活用した大型の遠心装置を造った。さらに連続反応させるために内部に斜めに仕切りを入れた。今度は重くなり組付けの難易度が高くなった。
月に着く前の豊彦の不安は、組み立て時にはなくなっていた。支える人数は少なく済み微調整も少し押せば出来た。重さが六分の一だけではない作業のしやすさが効率三倍と頷けた。
もう一つの課題に予定より早く取り組めた。この問題も低重力が原因でナノマシンを介した化学反応が不安定で遅かった。製造能力は遠心装置で解決できたが、建設現場で使うナノマシンに遠心装置はつけられない。更に複数のナノマシンが連携して処理を進めるのでボトルネックがあると効率が落ちる。ナノマシン間のバランスを取るのも大事だった。
ナノマシンの問題に周りの職員の関心も高かった。工期が短縮できれば広い空間が早く出来る。人工重力下でフィットネスが出来る。なにより娯楽が増えるのは職員全員の希望だった。
豊彦の周りには好奇心旺盛な職員が入れ代わり立ち代わり訪れた。手空きの時間にアシスタントを申し出る職員もいた。その中にシャトルで一緒だった農学博士スザンナ・クリーグがいた。
「ナノマシンの特徴は、水を使わずに化学合成をする事ですね?」
クリーグ博士はナノマシンガイダンスをテーブルに戻すと言った。
「はい、月基地建設に採用されたポイントです。原子サイズで見れば反応に必要な距離に分子を近づけ、他の反応の邪魔にならないようにする環境を作れれば水は必要ないですから」
「でも、重力問題はナノマシンにも及んでいる?」
「そこですね問題は、数種類のナノマシンの連携が崩れ反応が安定しなかった。原因は対流でした。反応の遅れは、物量でカバー出来るはずだけど、ナノマシンも改造できれば工期短縮ができます」
豊彦はふと思った。人の身体には強制的に体液を循環する心臓があるが植物にはない。葉野菜や根菜は月で栽培している・・・
「植物は、月でもちゃんとに生長して収穫出来ていますよね。どうしてですか?」
クリーグ博士は、暫く考えた。
「月では、ちゃんとには生長できないよ」
豊彦は空き時間に調理の手伝いをしている。違ったメニューを提供するのが一番喜ばれると思ったからだ。料理する上での注意事項も理解していた。茹でる時には対流の代わりに攪拌し続ける事。フライは水蒸気爆発の心配から禁止されている事があった。でも、食材に違和感はなかった。
「レタスも玉ねぎも、代わり映えしないですよ?」
「月でも収穫できる品種に辿り着いたから。でも地球での姿と比べると小さくて上には伸びていない」
豊彦は料理をしながら背丈の低い植物は重力の影響を受けないと思っていた。
「植物は、重力より浸透圧の影響が大きいと思っていました」
クリーグ博士は、豊彦の意見について考えた。
「それは、切り花を寝かして鮮度を保つ話では?」
「そうです。萎れかけた時に切り口を水に漬けて横にする話です」
「茎が上に伸びるのも根が下に伸びるのも細胞内のアミロプラストが偏在する事が刺激になっているから。でも、月では刺激が十分ではない」
クリーグ博士は重力屈性の分子メカニズムを図示した。
「私はね、低重力で栽培できるように品種改良を続けている。その成果が毎食のお皿の上に表れている」
豊彦は厨房を思い返していた。ペースト状の主食、加工品の果物、歯応えがない培養肉、新鮮なサラダ・・・
「トマト、パプリカ、イチゴ。月で栽培していますね?」
「イチゴは簡単だった。上に伸びないから。トマトは代を重ねる事に環境適応した」
豊彦はトマトが重力に敏感に反応するように変化したメカニズムが分かればナノマシンに活かせると思った。
「短期間で進化ですか?」
クリーグ博士は残念そうに首を振った。
「退化だった。栽培環境では適切な間隔で光は上から風で倒れる心配もない。ただ真っ直ぐ伸びれば良いだけ。重力屈性も光屈性も退化した。調べたら地上での温室栽培の時から退化が始まっていた」
「使わない能力は衰えていくのは人間と同じですね・・・・」
感慨深げに言った。
豊彦の研究室ではナノマシンを触媒や酵素の延長線上で考えて開発を進めていた。特に土木や建設で使うナノマシンは現場で手に入る砂を溶解し水と反応させセメント化していく触媒だと思っていた。
クリーグ博士の話を聞いていると、植物は有機物と無機物の違いはあっても化学反応の連鎖をコントロールして問題の解決を図っている。複数の種類のナノマシンがセル単位で連携している。しかも、自己増殖する。製造装置の代わりにナノマシンに直接材料と電子を供給すれば増殖するならポケットサイズに出来る。種サイズでも出来る。でも、何処かでストップを掛けないと反応が止まらなくなる。死のプログラムが必要となるとナノマシンと生物の境界がなくなってしまう・・・
「水海道さん、どうしました?」
沈黙の時間が長かったらしい。
「クリーグ博士の話を聞いていて、ナノマシンに多機能や連携を求めるならセルでパッケージ化するのもありだと思いました」
クリーグ博士は少し驚きながら、
「私は水海道さんの話を聞き、補完する酵素やナノマシンが解決に繋がる? と思いました」
二人は当面の課題のナノマシンの効率を上げる改良を続けた。
豊彦はセキュリティーゲートで言われた事を思い出していた。
~・~・~
牽引船から切り離されたシャトルは、月周回軌道に移動すると徐々に高度を下げていった。豊彦は二度目の無重力に感動するより、シートベルトで身体を固定して瞑想をしながら着陸の時を待っていた。
シャトルは月面基地から少し離れた場所に着陸した。シャトルの重さで沈み込む感じがヒヤリとなった。ボーディングリフトがシャトルとドッキングする時の衝突音もヒヤリとなった。外の状況が分からないのは不安でしかなかった。
シャトルから這い出すようにボーディングリフトに移ると作業員兼セキュリティーの係員が待ち構えていた。基地まで移動する間に入場手続きを行うためだ。
「おつかれさま。まずセキュリティーブレスレットをここに翳して」
係員の表情が変わった。
「水海道豊彦さんだね、月基地にようこそ。沢山データを運んでくれたね、全職員を代表してお礼を言うよ」
係員は住居エリアや食料の割り当てを確認していた。
「短期滞在なのでゲストルームだね。お金がないから好きなものを好きなだけ食べられるけど、おかずを分け合うのは禁止だよ。健康管理と生産計画のために摂取量は全て計測されているよ。あと、これ胸ポケットにつけておくように。空気抜けは文字通り命取りだから」
身分証を兼ねた気圧計を渡された。
「他に、注意事項はありますか?」
しばらく考えた後に、
「重力に戸惑うぐらいかな?・・・ あと、ここでは仕事の効率が地球の三倍になるからスピードに遅れないように」
豊彦はそう言う話を聞いた事がなかった。生理的に能力が上がるとも思えなかった。
「なぜですか? 会議やメールがないからですか?」
「そのうち分かるよ」
意味深に言うと次の乗客の入場手続きに行ってしまった。
~・~・~
当初、漠然と遠心力で人工重力を造れば良いと反応槽の部分を遠心装置と入れ替えただけだった。装置の直径が小さい分は回転数で補えば反応速度が維持できると思っていた。しかし、間違いだった。直径が小さい分だけ反応に適した重力範囲が狭かった。重力が弱いと反応後の対流が起きない。重力が強いと分離して反応が起きない。更に回転速度を微調整できない。簡単に出張作業が出来ない月だから実績のある装置を改良し重量を抑える事に縛られてしまった結果だった。
これを解決するために月の重力も活用した大型の遠心装置を造った。さらに連続反応させるために内部に斜めに仕切りを入れた。今度は重くなり組付けの難易度が高くなった。
月に着く前の豊彦の不安は、組み立て時にはなくなっていた。支える人数は少なく済み微調整も少し押せば出来た。重さが六分の一だけではない作業のしやすさが効率三倍と頷けた。
もう一つの課題に予定より早く取り組めた。この問題も低重力が原因でナノマシンを介した化学反応が不安定で遅かった。製造能力は遠心装置で解決できたが、建設現場で使うナノマシンに遠心装置はつけられない。更に複数のナノマシンが連携して処理を進めるのでボトルネックがあると効率が落ちる。ナノマシン間のバランスを取るのも大事だった。
ナノマシンの問題に周りの職員の関心も高かった。工期が短縮できれば広い空間が早く出来る。人工重力下でフィットネスが出来る。なにより娯楽が増えるのは職員全員の希望だった。
豊彦の周りには好奇心旺盛な職員が入れ代わり立ち代わり訪れた。手空きの時間にアシスタントを申し出る職員もいた。その中にシャトルで一緒だった農学博士スザンナ・クリーグがいた。
「ナノマシンの特徴は、水を使わずに化学合成をする事ですね?」
クリーグ博士はナノマシンガイダンスをテーブルに戻すと言った。
「はい、月基地建設に採用されたポイントです。原子サイズで見れば反応に必要な距離に分子を近づけ、他の反応の邪魔にならないようにする環境を作れれば水は必要ないですから」
「でも、重力問題はナノマシンにも及んでいる?」
「そこですね問題は、数種類のナノマシンの連携が崩れ反応が安定しなかった。原因は対流でした。反応の遅れは、物量でカバー出来るはずだけど、ナノマシンも改造できれば工期短縮ができます」
豊彦はふと思った。人の身体には強制的に体液を循環する心臓があるが植物にはない。葉野菜や根菜は月で栽培している・・・
「植物は、月でもちゃんとに生長して収穫出来ていますよね。どうしてですか?」
クリーグ博士は、暫く考えた。
「月では、ちゃんとには生長できないよ」
豊彦は空き時間に調理の手伝いをしている。違ったメニューを提供するのが一番喜ばれると思ったからだ。料理する上での注意事項も理解していた。茹でる時には対流の代わりに攪拌し続ける事。フライは水蒸気爆発の心配から禁止されている事があった。でも、食材に違和感はなかった。
「レタスも玉ねぎも、代わり映えしないですよ?」
「月でも収穫できる品種に辿り着いたから。でも地球での姿と比べると小さくて上には伸びていない」
豊彦は料理をしながら背丈の低い植物は重力の影響を受けないと思っていた。
「植物は、重力より浸透圧の影響が大きいと思っていました」
クリーグ博士は、豊彦の意見について考えた。
「それは、切り花を寝かして鮮度を保つ話では?」
「そうです。萎れかけた時に切り口を水に漬けて横にする話です」
「茎が上に伸びるのも根が下に伸びるのも細胞内のアミロプラストが偏在する事が刺激になっているから。でも、月では刺激が十分ではない」
クリーグ博士は重力屈性の分子メカニズムを図示した。
「私はね、低重力で栽培できるように品種改良を続けている。その成果が毎食のお皿の上に表れている」
豊彦は厨房を思い返していた。ペースト状の主食、加工品の果物、歯応えがない培養肉、新鮮なサラダ・・・
「トマト、パプリカ、イチゴ。月で栽培していますね?」
「イチゴは簡単だった。上に伸びないから。トマトは代を重ねる事に環境適応した」
豊彦はトマトが重力に敏感に反応するように変化したメカニズムが分かればナノマシンに活かせると思った。
「短期間で進化ですか?」
クリーグ博士は残念そうに首を振った。
「退化だった。栽培環境では適切な間隔で光は上から風で倒れる心配もない。ただ真っ直ぐ伸びれば良いだけ。重力屈性も光屈性も退化した。調べたら地上での温室栽培の時から退化が始まっていた」
「使わない能力は衰えていくのは人間と同じですね・・・・」
感慨深げに言った。
豊彦の研究室ではナノマシンを触媒や酵素の延長線上で考えて開発を進めていた。特に土木や建設で使うナノマシンは現場で手に入る砂を溶解し水と反応させセメント化していく触媒だと思っていた。
クリーグ博士の話を聞いていると、植物は有機物と無機物の違いはあっても化学反応の連鎖をコントロールして問題の解決を図っている。複数の種類のナノマシンがセル単位で連携している。しかも、自己増殖する。製造装置の代わりにナノマシンに直接材料と電子を供給すれば増殖するならポケットサイズに出来る。種サイズでも出来る。でも、何処かでストップを掛けないと反応が止まらなくなる。死のプログラムが必要となるとナノマシンと生物の境界がなくなってしまう・・・
「水海道さん、どうしました?」
沈黙の時間が長かったらしい。
「クリーグ博士の話を聞いていて、ナノマシンに多機能や連携を求めるならセルでパッケージ化するのもありだと思いました」
クリーグ博士は少し驚きながら、
「私は水海道さんの話を聞き、補完する酵素やナノマシンが解決に繋がる? と思いました」
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