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24話 ルナの部屋

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【まえがき】
ストックが数万文字ほどあるので、しばらくは毎日更新できると思います!




「……べ、別に忘れていた訳ではないんだよ? そ、そのなんていうかタイミングとか合わなくて……あはは……」

 ルナからの言葉に俺は戸惑いながらそう答えた。
 忘れてたなんて言うわけにもいかないし……。

「本当?」

 真っすぐな目でルナは俺を見つめてくる。

「あ、ああ……本当だとも! それじゃあいつ教えればいい? 暇なときとかあるか?」

 強引に押し通そう。
 何事も勢いが大事だ。
 俺がこうして本題に移せば、ルナはそれに答えるしかない。

「今」

「……今?」

 もう夕食も済んで、そろそろ眠りに着くであろう時間だ。

「こんな時間にやらなくても起きてからでいいんじゃない?」

 俺がそう言うと、ルナは小さく首を横に振った。

「今がいい。今から教えて」

「……わ、分かりました」

 俺は笑顔を崩さないように努力しながら、そう言った。
 今の俺にルナの申し出を断るすべはない。

「じゃあ私の部屋にいこう」

「ああ、分かった」

 自分の部屋に歩き出したルナの後を俺はついて行く。
 ルナが扉を開けて、部屋に入ったので俺も続く。

 部屋の床には沢山の本が散らかっていた。
 本棚を見ると、チラホラと抜けているところが見られる。

 本で散らかってる以外には目立ったものは無い。
 ベッドと机があって、窓からは満月が見える。

「この散らかっている本は?」

「魔導書」

「へぇ~、結構魔法を勉強しているんだ」

「うん。実は《賢者》のギフトを貰う前から魔法の勉強をしてた」

「ほほう。それは珍しいな」

「曾祖父が高名な魔法使いで屋敷には多くの魔導書があって、子供の頃から私は魔法を学ぶのが好きだった」

 曾祖父が高名な魔法使い、か……。
 ならばルナが《賢者》のギフトを貰ったのは隔世遺伝かもしれなな。

「屋敷? 失礼かもしれんが、流石にこの家じゃないよな」

 コクリ、とルナはうなずく。

「もともと私は王都で暮らしていた。だけど我が家の地位は没落し、5年前にこの領地にやってきた」

「……なるほどな、ルナも結構苦労しているんだな」

「そうでもない。私は魔法で遊んでいただけだから……」

 表情に変化のないルナだが、少しだけ目を伏せているように見えた。

「んーまぁとにかくルナは魔法が好きだってことは凄く伝わってきたよ。だから早速【アイテムボックス】の取得方法を教えよう」

 ウンウン、とルナは何度も首を縦に振った。

 なんだこいつ。
 可愛いな。



【あとがき】

新作を投稿しました。

『戦闘力のないハズレ才能【翻訳】で古代魔導書を読み漁っていたら実は世界最強になってました』

《以下URL》

https://www.alphapolis.co.jp/novel/160642939/974506381

翻訳無双ファンタジー!
面白いので気になる方は是非読んでみてください!
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感想 25

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