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22話 領民達の反応

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「魔物に手伝ってもらうって……一体どうするんだ? 流石にこいつらだけじゃ手伝ってもらえたとしてもわずかだろ?」

ラウルの言うことはもっともだ。

「中々難しい問題ですよね……。なんとか結果を出さないと領地の評判も上がりませんから」

サーニャもよく現実を見ることが出来ていた。
13歳なのにもう領地の現状を理解している様子だ。
一通り領地を見て回ったが、食糧の確保に追われてあまり開拓作業が進んでいない様子だった。

これを解決しなければ、領地を発展させることは厳しい。
そのための魔物だ。

「これだけの魔物なら確かに何も出来ない。だから俺は牧場を作ろうと思っているんだ」

多くの魔物を牧場に住ませ、領地の仕事を手伝ってもらえれば、問題は簡単に解決する。

「ぼ、牧場!? こりゃまた大きく出たなぁ……」

「アルマさんなら作ってしまいそうですね……。でも牧場を作る前にお父さん達に相談してもらえませんか?」

「もちろん、無断で作ったりはしないから安心してよ」

「アルマさん達はお姉ちゃんが連れてきた人なので、そこら辺の心配はしていませんよ」

サーニャはそう言って微笑んだ。
なんだかんだサーニャはソニアを尊敬しているんだろうな。
そうじゃなきゃこんなセリフは出てこない。

「あ、そうだ。この魔物達をみんなに見せてあげましょう。じゃないと驚いて魔物に攻撃してしまう人が出てくるかもしれません」

「確かにその通りだな……。悩んでいたサイモンさんには一応伝えていたけど、反応は少し不安そうだったもんね」

「まぁ仕方ありませんよ。私、みんなに一度見てもらうように伝えて来ます」

「ありがとう、サーニャ。助かるよ」

「これぐらい普通ですよ! お礼を言うのは私達の方ですから」

そう言ってサーニャは笑顔で駆けて行った。

サーニャの呼びかけで初めにやってきたのは悩んでいた張本人、サイモンさんだった。

「まさか本当に魔物が懐くとはね……。いやー、凄いなぁ」

「この魔物に農作業も手伝ってもらう予定です」

「……流石にそれは厳しいんじゃないかな?」

「今の状態じゃ少し厳しいですね。だけど、近いうちに何とかします」

「アハハ、君なら本当にやってしまいそうだね」

サイモンはこの魔物達が畑を荒らさないか心配しているだったけど、しばらく様子を見てくれるようだ。
それでちゃんと荒らさないと分かれば、魔物達にも是非農作業を手伝ってもらいたいと言っていた。

魔物を飼うことに領民達が受け入れてくれるか心配だったが、サーニャのおかげで領民達の反応はまずまず良好だった。

怖がる人もいたけど、魔物を撫でてみて襲うことが無いと分かるとホッとしていた。
幼い子供達は、魔物達を既に好いてくれているようだった。

よし、これなら魔物達の方も次のステップに進められそうだな。
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