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第49話 ギルドマスタードンゴル
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俺が第三王子レクに迫っていると。
「そこまでだああああ!」
ギルドの奥より迫力のある声が聞こえた。
レク達はホッとした顔をしている。
許す気は全くないんだけどなぁ。
振り向くと、坊主頭で髭面の体格の良い男が立っていた。
俺とレク達の戦いを、呆然と見ていた冒険者達が、その男の為に道をあけて割れて下がる。
その中を悠々と歩いて来る男。
「その勝負は俺が預かる!」
自信ありげに胸を張る男。
「断る!」
俺は即答した。
誰だこいつ、名前も告げないで偉そうに、俺のツレに卑猥な想像をして、失礼な言動をした奴等を、名前も知らないオヤジの一言で許すつもりは無い!
「はあ?俺はこの町のギルドマスターのドンゴルだ。四の五の言う様なら冒険者資格を取り消すぞ!」
「ほう、取り消してみろ。泣いて冒険者になって下さいって言うまで殴ってやろうか?」
「な、なにいいい。」
まさか冒険者資格を取り消す処置に対して、真っ向から否定されるとは思っていなかったドンゴルは、怒りモードになった。
「大体、冒険者が暴力を受けてるときに隠れて出て来ないで、今更出て来て王家に媚びでも売ろうって腹か?冒険者の味方をしないギルドマスターなんて不要だろう。物理的にギルドマスターが出来ない身体にしてやろうか!」
「ぐぬぬ・・・。」
反論出来ず歯軋りのドンゴル。
「さあ、掛かって来い!」
俺はドンゴルを挑発した。
「くっ。」
ドンゴルは護衛隊長をチラ見した。
心が折れて白目をむいて泡を吹きながら、謝り続ける護衛隊長を・・・。
護衛隊長は、ドンゴルより強い歴戦の猛者である事を思い出し、このままでは二の舞になる事を改めて認識し、今更になって焦り始めるドンゴル。
「どうした?口先だけか?俺に大口を叩いたんだ、こいつの様になりたいんだろう?」
俺は顎で護衛隊長を差す。
「いや、戦いを挑んでる訳では無いんだよ・・・。」
両手の手の平を前に出して、急にトーンダウンしたドンゴル。
「じゃあ、黙って見てろ。」
俺はレク達を振り返る。
ドンゴルに助けて貰えると思い、ホッとしていたレク達は状況が変わらない事を知り、冷や汗をかいて悲しい眼になっていた。
「お前は何が望みだ!」
ドンゴルは背後から俺に声を掛けた。
「お前?」
俺は再度ドンゴルを向いて睨む。
「お前呼ばわりされる覚えは無いぞ。上から目線だな。」
「な、名前を知らないんだ、しょ、しょうが無いだろう・・・。」
まさかお前に反応されるとは思ってもいなかったので、動揺するドンゴル。
「ふ~ん。あんたは名前を知らない王や貴族をお前呼ばわりするのか?少なくとも、自分との身分差を知らない、そして自分より強い者に対する言葉ではないだろう。あんたはそんなことも分からない馬鹿なのか?やっぱりギルドマスターに相応しくないな。ギルドマスターなんて止めちまえ。止めさせてやろうか?」
「うっ・・・。」
二の句が継げないドンゴル。
「引っ込んでろ!」
「は、はい・・・。」
自信たっぷりに出て来た割には、何も出来ずに立ち尽くすドンゴル。
「おい、レク、この落とし前をどうつけるんだ。」
「な、何をお望みでしょうか?」
レクが恐る恐る上目遣いで聞く。
さあ、此奴らどうして遣ろうか。
「そこまでだああああ!」
ギルドの奥より迫力のある声が聞こえた。
レク達はホッとした顔をしている。
許す気は全くないんだけどなぁ。
振り向くと、坊主頭で髭面の体格の良い男が立っていた。
俺とレク達の戦いを、呆然と見ていた冒険者達が、その男の為に道をあけて割れて下がる。
その中を悠々と歩いて来る男。
「その勝負は俺が預かる!」
自信ありげに胸を張る男。
「断る!」
俺は即答した。
誰だこいつ、名前も告げないで偉そうに、俺のツレに卑猥な想像をして、失礼な言動をした奴等を、名前も知らないオヤジの一言で許すつもりは無い!
「はあ?俺はこの町のギルドマスターのドンゴルだ。四の五の言う様なら冒険者資格を取り消すぞ!」
「ほう、取り消してみろ。泣いて冒険者になって下さいって言うまで殴ってやろうか?」
「な、なにいいい。」
まさか冒険者資格を取り消す処置に対して、真っ向から否定されるとは思っていなかったドンゴルは、怒りモードになった。
「大体、冒険者が暴力を受けてるときに隠れて出て来ないで、今更出て来て王家に媚びでも売ろうって腹か?冒険者の味方をしないギルドマスターなんて不要だろう。物理的にギルドマスターが出来ない身体にしてやろうか!」
「ぐぬぬ・・・。」
反論出来ず歯軋りのドンゴル。
「さあ、掛かって来い!」
俺はドンゴルを挑発した。
「くっ。」
ドンゴルは護衛隊長をチラ見した。
心が折れて白目をむいて泡を吹きながら、謝り続ける護衛隊長を・・・。
護衛隊長は、ドンゴルより強い歴戦の猛者である事を思い出し、このままでは二の舞になる事を改めて認識し、今更になって焦り始めるドンゴル。
「どうした?口先だけか?俺に大口を叩いたんだ、こいつの様になりたいんだろう?」
俺は顎で護衛隊長を差す。
「いや、戦いを挑んでる訳では無いんだよ・・・。」
両手の手の平を前に出して、急にトーンダウンしたドンゴル。
「じゃあ、黙って見てろ。」
俺はレク達を振り返る。
ドンゴルに助けて貰えると思い、ホッとしていたレク達は状況が変わらない事を知り、冷や汗をかいて悲しい眼になっていた。
「お前は何が望みだ!」
ドンゴルは背後から俺に声を掛けた。
「お前?」
俺は再度ドンゴルを向いて睨む。
「お前呼ばわりされる覚えは無いぞ。上から目線だな。」
「な、名前を知らないんだ、しょ、しょうが無いだろう・・・。」
まさかお前に反応されるとは思ってもいなかったので、動揺するドンゴル。
「ふ~ん。あんたは名前を知らない王や貴族をお前呼ばわりするのか?少なくとも、自分との身分差を知らない、そして自分より強い者に対する言葉ではないだろう。あんたはそんなことも分からない馬鹿なのか?やっぱりギルドマスターに相応しくないな。ギルドマスターなんて止めちまえ。止めさせてやろうか?」
「うっ・・・。」
二の句が継げないドンゴル。
「引っ込んでろ!」
「は、はい・・・。」
自信たっぷりに出て来た割には、何も出来ずに立ち尽くすドンゴル。
「おい、レク、この落とし前をどうつけるんだ。」
「な、何をお望みでしょうか?」
レクが恐る恐る上目遣いで聞く。
さあ、此奴らどうして遣ろうか。
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