39 / 50
第39話 ジャガー獣人族長コーサカ
しおりを挟む
フカクオ公爵居城執務室。
執務机前のソファーにふんぞり返るフカクオ公爵。
「牧場の奴隷兵はまだ来ないのか?」
ソファーの横に立ち公爵の問に答える宰相。
「はい。呼びに行った者も戻りません。それどころか斥候や確認に行った者も戻らない始末です。」
「何が起こってるんだ。」
「分かりかねます。しかし、商人の行き来は以前と同様に出来る様です。」
「商人に間者を紛れ込ませれば良かろう。」
「紛れ込ませたのですが、間者だけ牧場に向かう途中で死にます。」
「し、死ぬ?」
「はい。しかも原因不明の死因です。」
「うぬぬ。商人達から話は聞いたのか?」
「はい。通常と変わらぬ応対だったと聞いております。しかし、購入する量が極端に増えたとの事。牧場で働く者も増えている様子。」
「むむ、謀反の兆しだな。」
「そう判断するしか無いかと。」
「くぅ、聖騎士リンだけでも、手がいっぱいなのに・・・。」
「はい。」
「寄子の騎士達が到着次第、息子のアキラを旗頭に牧場を制圧させよう。」
「畏まりました。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
その頃牧場には、続々と獣人や亜人が集まって来ていた。
その中でジャガー獣人の族長が、俺に面会を申し入れして来た。
ジャガー獣人の族長と言えば、ノワの母ミズキの親だ。
ノワの祖父か祖母に当たるはず。
俺達は牧場の応接室でジャガー獣人の族長と合う事にした。
ミズキの案内で応接室に入って来たのは、偉丈夫なジャガー獣人の男。
身長は2m弱のノワより大きい。2m超のリンよりも大きいか?
落ち着いた眼をしている壮年に差し掛かった年齢、しかし威圧感が半端ない。
右にノワの母ミズキと、左に同じくジャガー獣人の男を従えていた。
3人は俺に跪く。
「ジャガー獣人族長のコーサカで御座います。隣は息子でミズキの兄のキョータカで御座います。この度は、我々獣人と亜人の為に色々とご尽力いただき有難う御座います。」
お、強そうだけど、腰は低いんだね。
キョータカも強そうだ。
「タクミです。宜しくお願いします。
俺は王族ではないので、跪かなくて結構です。どうぞお掛け下さい。」
「はい。お言葉に甘えさせていただきます。」
そう言ってコーサカが俺の対面のソファーに腰を降ろすと、ミズキとキョータカはコーサカの背後に立つ。
「ジャガー獣人は森の王者と聞いておりますので、森の勢力を纏めていただく事を期待しております。」
「はい。心得ております。小さな森ですが、森の住民達は何時でも戦える体勢を取りました。」
「おお、良いですね。では、牧場の武器と防具で使えそうな物をお渡ししますので、装備を整えて下さい。」
「承知しました。」
さて、オクオ達の亜人部隊と、ジャガー獣人が率いる森の勢力が揃ったら、男爵の領地に攻め込もう。
執務机前のソファーにふんぞり返るフカクオ公爵。
「牧場の奴隷兵はまだ来ないのか?」
ソファーの横に立ち公爵の問に答える宰相。
「はい。呼びに行った者も戻りません。それどころか斥候や確認に行った者も戻らない始末です。」
「何が起こってるんだ。」
「分かりかねます。しかし、商人の行き来は以前と同様に出来る様です。」
「商人に間者を紛れ込ませれば良かろう。」
「紛れ込ませたのですが、間者だけ牧場に向かう途中で死にます。」
「し、死ぬ?」
「はい。しかも原因不明の死因です。」
「うぬぬ。商人達から話は聞いたのか?」
「はい。通常と変わらぬ応対だったと聞いております。しかし、購入する量が極端に増えたとの事。牧場で働く者も増えている様子。」
「むむ、謀反の兆しだな。」
「そう判断するしか無いかと。」
「くぅ、聖騎士リンだけでも、手がいっぱいなのに・・・。」
「はい。」
「寄子の騎士達が到着次第、息子のアキラを旗頭に牧場を制圧させよう。」
「畏まりました。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
その頃牧場には、続々と獣人や亜人が集まって来ていた。
その中でジャガー獣人の族長が、俺に面会を申し入れして来た。
ジャガー獣人の族長と言えば、ノワの母ミズキの親だ。
ノワの祖父か祖母に当たるはず。
俺達は牧場の応接室でジャガー獣人の族長と合う事にした。
ミズキの案内で応接室に入って来たのは、偉丈夫なジャガー獣人の男。
身長は2m弱のノワより大きい。2m超のリンよりも大きいか?
落ち着いた眼をしている壮年に差し掛かった年齢、しかし威圧感が半端ない。
右にノワの母ミズキと、左に同じくジャガー獣人の男を従えていた。
3人は俺に跪く。
「ジャガー獣人族長のコーサカで御座います。隣は息子でミズキの兄のキョータカで御座います。この度は、我々獣人と亜人の為に色々とご尽力いただき有難う御座います。」
お、強そうだけど、腰は低いんだね。
キョータカも強そうだ。
「タクミです。宜しくお願いします。
俺は王族ではないので、跪かなくて結構です。どうぞお掛け下さい。」
「はい。お言葉に甘えさせていただきます。」
そう言ってコーサカが俺の対面のソファーに腰を降ろすと、ミズキとキョータカはコーサカの背後に立つ。
「ジャガー獣人は森の王者と聞いておりますので、森の勢力を纏めていただく事を期待しております。」
「はい。心得ております。小さな森ですが、森の住民達は何時でも戦える体勢を取りました。」
「おお、良いですね。では、牧場の武器と防具で使えそうな物をお渡ししますので、装備を整えて下さい。」
「承知しました。」
さて、オクオ達の亜人部隊と、ジャガー獣人が率いる森の勢力が揃ったら、男爵の領地に攻め込もう。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら
みおな
恋愛
子爵令嬢のクロエ・ルーベンスは今日も《おひとり様》で夜会に参加する。
公爵家を継ぐ予定の婚約者がいながら、だ。
クロエの婚約者、クライヴ・コンラッド公爵令息は、婚約が決まった時から一度も婚約者としての義務を果たしていない。
クライヴは、ずっと義妹のファンティーヌを優先するからだ。
「ファンティーヌが熱を出したから、出かけられない」
「ファンティーヌが行きたいと言っているから、エスコートは出来ない」
「ファンティーヌが」
「ファンティーヌが」
だからクロエは、学園卒業式のパーティーで顔を合わせたクライヴに、にっこりと微笑んで伝える。
「私のことはお気になさらず」
【完結】悪役令息の従者に転職しました
*
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
本編完結しました。
おまけのお話を更新したりします。
多産を見込まれて嫁いだ辺境伯家でしたが旦那様が閨に来ません。どうしたらいいのでしょう?
あとさん♪
恋愛
「俺の愛は、期待しないでくれ」
結婚式当日の晩、つまり初夜に、旦那様は私にそう言いました。
それはそれは苦渋に満ち満ちたお顔で。そして呆然とする私を残して、部屋を出て行った旦那様は、私が寝た後に私の上に伸し掛かって来まして。
不器用な年上旦那さまと割と飄々とした年下妻のじれじれラブ(を、目指しました)
※序盤、主人公が大切にされていない表現が続きます。ご気分を害された場合、速やかにブラウザバックして下さい。ご自分のメンタルはご自分で守って下さい。
※小説家になろうにも掲載しております
結婚して5年、初めて口を利きました
宮野 楓
恋愛
―――出会って、結婚して5年。一度も口を聞いたことがない。
ミリエルと旦那様であるロイスの政略結婚が他と違う点を挙げよ、と言えばこれに尽きるだろう。
その二人が5年の月日を経て邂逅するとき
【完結】後妻に入ったら、夫のむすめが……でした
仲村 嘉高
恋愛
「むすめの世話をして欲しい」
夫からの求婚の言葉は、愛の言葉では無かったけれど、幼い娘を大切にする誠実な人だと思い、受け入れる事にした。
結婚前の顔合わせを「疲れて出かけたくないと言われた」や「今日はベッドから起きられないようだ」と、何度も反故にされた。
それでも、本当に申し訳なさそうに謝るので、「体が弱いならしょうがないわよ」と許してしまった。
結婚式は、お互いの親戚のみ。
なぜならお互い再婚だから。
そして、結婚式が終わり、新居へ……?
一緒に馬車に乗ったその方は誰ですか?
現代にモンスターが湧きましたが、予めレベル上げしていたので無双しますね。
えぬおー
ファンタジー
なんの取り柄もないおっさんが偶然拾ったネックレスのおかげで無双しちゃう
平 信之は、会社内で「MOBゆき」と陰口を言われるくらい取り柄もない窓際社員。人生はなんて面白くないのだろうと嘆いて帰路に着いている中、信之は異常な輝きを放つネックレスを拾う。そのネックレスは、経験値の間に行くことが出来る特殊なネックレスだった。
経験値の間に行けるようになった信之はどんどんレベルを上げ、無双し、知名度を上げていく。
もう、MOBゆきとは呼ばせないっ!!
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる