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猫の王国
第19話 転生者ってお得
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猫の王国、王都キャルベルにいる。
王都1番のニャルマル商会で鑑定防止の魔道具を注文し、魔物の素材を売った後、宿を紹介して貰った。
『猫が安らぐ宿』と言う名の・・・。
超豪華高級ホテル!
何故、こんなところに・・・。
一緒にいるケット・シーの黒猫ペロは無言。言葉を失う程驚き、余りもの豪華さにオドオドする始末。
部屋付きの執事とメイドがいるホテルって、どんだけぇ~。
しかもお代は全て商会持ち。
何か裏があるよね。絶対。
夕食はレストランで食べる気力が無いので、部屋に持って来て貰った。
応接室の他に食事をする部屋まであるスイートルーム。
給仕がワゴンで夕食を持って来た。
釣り鐘型の銀色の蓋《クロシュ》を被せている。
食事中は給仕が控えていて、最適なタイミングでワインクーラーで適度に冷やされたワインを勧める。
そんな様子も高級感を醸し出す。
豪華な夕食を食べて、高級ワインで酔った。部屋のお風呂に入り、今日は寝る事にした。
ふっかふかの寝具、硬めのベッド。
寝心地が悪いはずが無い。
エアコンがあるかの様に部屋は最適な温度が保たれていた。
旅の疲れとアルコールであっという間に寝てしまった。
翌日、バイキングの朝食を食べた後、ニャルマル商会へ行く事にした。
この待遇の理由を聞かないと落ち着かないよ。
「う~。怖いにゃ~。」
ペロはすっかりビビってる。
昨日行ったニャルマル商会の道具屋に着いた。
シャルさんを呼んで貰おうと思い、店員に声を掛けようとしたら、先に声を掛けられた。
「ショータ様、
お早う御座いますにゃ。
シャル様がお待ちしておりますにゃ。
こちらにどうぞにゃ。」
「は、はぁ。」
出鼻を挫《くじ》かれて、言われるがままに店員に付いて行く。
ニャルマル商会の2階応接室。
副商会長のシャルさんが満面の笑みで出迎えた。
「ようこそ、お出でいただき有難う御座いますにゃ。」
シャルさんに促《うなが》されてソファーに座る俺とペロ。
店員が紅茶とお菓子をテーブルに置いて部屋の外に出て行くの見計《みはか》らい、シャルさんが話し始めた。
「宿の待遇に付いて理由を尋ねに来られたのでしょうにゃ。」
「そうです。あの宿は高級過ぎですし、お支払いを全て商会で持って貰う理由が分かりません。」
「うふふ、先行投資にゃ。基本的に昨日言った通り、今後ともお付き合いいただきたいと言うことですにゃ。
とは言っても納得出来ないと思いますので、種明かししますにゃ。
私が副商会長に成れた最大の理由は、高位の鑑定魔法が使えるからにゃ。
ショータ様が転生者である事は、商会に入った時点で分かりましたにゃ。
転生者との知古は、商人にとって何事にも代えられない、喉から手が出るほどのものにゃ。
異世界の文化や情報そして発想、この世界では得られない物を持っている転生者は、時に大きな利益を生むにゃ。
出来れば囲い込みたいにゃ。でも不用意な行動は嫌悪感持たれるにゃ。
その為、初めに大きな貸しを作らせて貰いましたにゃ。えへ。
断り難くなったでしょうにゃ。
あの宿は何時でも何時までも自由にご利用下さいにゃ。
そして何かあればいつでもご相談にのりますにゃ。」
王都1番のニャルマル商会で鑑定防止の魔道具を注文し、魔物の素材を売った後、宿を紹介して貰った。
『猫が安らぐ宿』と言う名の・・・。
超豪華高級ホテル!
何故、こんなところに・・・。
一緒にいるケット・シーの黒猫ペロは無言。言葉を失う程驚き、余りもの豪華さにオドオドする始末。
部屋付きの執事とメイドがいるホテルって、どんだけぇ~。
しかもお代は全て商会持ち。
何か裏があるよね。絶対。
夕食はレストランで食べる気力が無いので、部屋に持って来て貰った。
応接室の他に食事をする部屋まであるスイートルーム。
給仕がワゴンで夕食を持って来た。
釣り鐘型の銀色の蓋《クロシュ》を被せている。
食事中は給仕が控えていて、最適なタイミングでワインクーラーで適度に冷やされたワインを勧める。
そんな様子も高級感を醸し出す。
豪華な夕食を食べて、高級ワインで酔った。部屋のお風呂に入り、今日は寝る事にした。
ふっかふかの寝具、硬めのベッド。
寝心地が悪いはずが無い。
エアコンがあるかの様に部屋は最適な温度が保たれていた。
旅の疲れとアルコールであっという間に寝てしまった。
翌日、バイキングの朝食を食べた後、ニャルマル商会へ行く事にした。
この待遇の理由を聞かないと落ち着かないよ。
「う~。怖いにゃ~。」
ペロはすっかりビビってる。
昨日行ったニャルマル商会の道具屋に着いた。
シャルさんを呼んで貰おうと思い、店員に声を掛けようとしたら、先に声を掛けられた。
「ショータ様、
お早う御座いますにゃ。
シャル様がお待ちしておりますにゃ。
こちらにどうぞにゃ。」
「は、はぁ。」
出鼻を挫《くじ》かれて、言われるがままに店員に付いて行く。
ニャルマル商会の2階応接室。
副商会長のシャルさんが満面の笑みで出迎えた。
「ようこそ、お出でいただき有難う御座いますにゃ。」
シャルさんに促《うなが》されてソファーに座る俺とペロ。
店員が紅茶とお菓子をテーブルに置いて部屋の外に出て行くの見計《みはか》らい、シャルさんが話し始めた。
「宿の待遇に付いて理由を尋ねに来られたのでしょうにゃ。」
「そうです。あの宿は高級過ぎですし、お支払いを全て商会で持って貰う理由が分かりません。」
「うふふ、先行投資にゃ。基本的に昨日言った通り、今後ともお付き合いいただきたいと言うことですにゃ。
とは言っても納得出来ないと思いますので、種明かししますにゃ。
私が副商会長に成れた最大の理由は、高位の鑑定魔法が使えるからにゃ。
ショータ様が転生者である事は、商会に入った時点で分かりましたにゃ。
転生者との知古は、商人にとって何事にも代えられない、喉から手が出るほどのものにゃ。
異世界の文化や情報そして発想、この世界では得られない物を持っている転生者は、時に大きな利益を生むにゃ。
出来れば囲い込みたいにゃ。でも不用意な行動は嫌悪感持たれるにゃ。
その為、初めに大きな貸しを作らせて貰いましたにゃ。えへ。
断り難くなったでしょうにゃ。
あの宿は何時でも何時までも自由にご利用下さいにゃ。
そして何かあればいつでもご相談にのりますにゃ。」
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