ヒト嫌いの果て

五味

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一章 新世界にて

そして世界は彼女を休ませる

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オレイザードの執務室から出た後は、ここまで来た時と同じように、アマルディアの後をついて歩く。
色々と初めて聞く話を一度にされたからだろうか。
理解の外にあることが主題だったからだろうか。

ここへ向かって歩いた時に比べ、やけに体が、足が重く感じる。
前の世界で感じた疲労感とはどこか違うものが、確かに私を苛む。
歩いた時間など、モノの20分ほどだというのに。
こちらに来る前に、大量に血を流したからその影響なのだろうか。

アマルディアにゆっくりと歩いてくれということはできず。
どうにかペースを変えることなく歩く。
そうしているうちにまた少し、貧血のように。
視界が上から少し暗くなって。

気分を変えるために、アマルディアに話しかける。
きっとより疲れるのだとはわかっているのだけれど。

「アマルディア、オレイザード様の言っていた古き友とは、あなた達の造物主様のことなのでしょうか?」

「いいえ、御子様。
 あのものと偉大なるお方との間には友と呼べる繋がりはありません。
 あのものの言う古き友とは、この世界を4つに割った神座にある神の一つです。」

どうやら、私をこの世界に送り出してくれたあの老人は並々ならぬ方々と知り合いらしい。
それもそうか。
私の知ることができる世界の外側から、複数の世界を観測して、あまつさえただの人を移動させることができるのだから。

「その、たまに出てくる、神座とは何でしょう?
 私の知る神という言葉で考えると、そこにいる方が神と呼ばれる、つまり高位の方はみなそこにおられると、そう感じるのですが。」

前の世界では神と呼ばれるものはいろいろだった。
それでも人より行為にあるすべてのもの、くらいの意味合いで使われていたように思う。
宗教によっては一人だけと決めていたようだけれど、世界を作ったものというのは共通していたはず。
では、すでにあるものを4つに分けた人が神と呼ばれる、というのは理解が難しい。

「御子様この世界における神座というのは、文字通り座席にすぎません。
 座ることを望む者もいれば、望まぬ者もいます。
 加えてその神座はこの一つの世界における座席なのです。
 複数の世界を管理する方は、もともとその責を得ることはありません。」

要は世界というシステムの管理者ということなのだろうか。

「また、神座は複数ございます。
 今この世界では、42ほどがその座についております。
 空席というものはなく、一定の力を持ち、その場を認識できるものであれば、基本的に誰でもその座に就くことできます。
 それこそオレイザードも望めばその座に就くことはできるでしょう。」

そのオレイザードより力があるらしい、アマルディアたち姉妹は言うまでもないということだろうか。
神に等しき力を持つ王様。
そんな人物へ敬うそぶりも、畏れるそぶりも見せないのだから。

「最も座において同じものを管理することはできませんので、すでに管理者がいる事象の座を望むのであれば争う必要がありますが。」

神々の争い。
それはとても大きなものになりそうだ。

話しているうちに、感じていた疲労感はますます募っていく。
今この場で一人なら、廊下の壁にもたれるなり、座り込むなり、そういった選択をしている。
このあたりは前の世界で取り繕い続けてきた経験が生きている。
たとえそれが非常に後ろ向きな内容でも、前の世界へ感謝することが一つ増えた。
これから先、この世界で。
心安らかな日を得るうちに、あの思い出そうとすら思えない日々を笑って思い返せる日が来るのだろうか。

脳裏にあの世界がよぎったせいか、足取りはより一層重くなる。

「ありがとうございます。アマルディア。
 あなた方の造物主様は神座にあるのでしょうか?」

「いいえ、御子様。
 偉大なるかの方はこの世界の枠組みの外側におられます。
 御子様でしたら、いつかお会いされる日も訪れるでしょう。」

神様よりもすごい人に作られたというアマルディアたち。
なるほど、それならば確かにこの世界で並ぶ者はいないのかもしれない。
本人にしてみればいくつか制限はあるとのことではあるけれど。

「この身は神座に座主資格を有することはありませんが、あの者共がかかる火の粉となるならば、打ち払うことは問題にもなりません。 
 それこそ一度に神座にいるものすべてが牙をむいたところで、我ら姉妹、この界において御身を守ることにいかほどの痛痒を感じることもございません。」

過保護だな。
そんなことを思いながらとてもありがたく思ってしまう。
それといきかえりの間のアマルディアとの会話と、オレイザード様との会話を思い返し少し思いつくことがある。
アマルディアの説明は、非常にシンプルで。
オレイザード様の説明は、理屈が付随している。

彼女の誇るものを端的に語るアマルディア。
一から十を順番に説明してくれるオレイザード様。
確かに、学ぶのなら後者からがいいように思う。

そうして話しているうちにアマルディアが一つの扉の前で足を止める。
歩いてきた中でいくつもある同じ扉の一つとしか思えないのだけれど、ここが私の客室なのだろう。
二かい同じ道を歩いたはずなのに、私一人では目的地に行くことも、戻ってくることもできそうにない。

「ディネマ。ただいま戻りました。
 さぁ、御子様どうぞ中へ。」

扉を開けながらそう声をかけ、私を招き入れる。
部屋の入口の傍らにまるでそうあるのが自然であるとでもいうかのようにディネマが控えている。

「ディネマ。今戻りました。
 アマルディアも付き添いありがとうございます。」

今日初めて訪れた部屋だというのに、自分の居場所に戻ってこれたともうと、妙にほっとする。
少し、気が抜けたせいか。
また、足元が重く。
視界は薄暗く、少し揺れて。

側にいたアマルディアよりも早く、ディネマがそばで支えてくれる。

「御子様、お疲れのようですが、大丈夫ですか?
 やはり粗忽ものにだけ任せず、わたくしもご一緒させてもらうべきでした。」

一度支えられば、改めて力を入れて立つことは難しく。
ディネマに、自分の肩よりも低い位置にある頭にもたれる形となってしまう。
ディネマはこちらへの心配を口にし。
こちらに来て初めて聞くような、棘のある調子で、アルマディアへと。

「御子様はお疲れのご様子であると、伝えておいたでしょう、アルマディア。
 お側に控えておきながら、ここまでの負担をかけるとは、情けない。」

アマルディアは、こちらを見てとても驚いているようで。
とても悲しそうで。
ああ、そんな顔はしてほしくないなと。
初めて大きく動いた彼女の表情がこんなことで。
間違えてしまったと。
そう思う。

「ディネマ。どうかアマルディアを責めないでください。
 私が気取られぬように努めたこともあるのです。
 アマルディアも、どうか気にしないでください。
 私自身、この程度のことで、どうしてここまで疲れているのか、よくわかっていないのです。」

そう告げても、アマルディアの表情が元に戻ることはなく。
ディネマもどこかとげとげしい空気のままで。

「御子様。御身は世界を渡られたばかり。
 今は御身の魂が、この世界の形に合わせるように。
 以前のいびつに抑えられていた形から、正しい形へと戻ろうとされているのです。
 落ち着くまでは、ただこの世界にある、それだけで大きな負担を感じることとなるでしょう。」

どうやら私はリハビリ中だということらしい。

「そう、なのですか?
 なんだかとても疲れると、それ以外の時間はないのですが。」

こうして自分の足で立つことすら難しいほどの疲労感を感じるものの。
それ以外に自分がどうなっているとも感じられない。
自分の何かが変わっているのに、それが分からない。
なんだかそれが、少し怖く感じる。

「ええ、今しばらくは、どうぞご自愛を。
 残念ながら私ではいつ安定するかはわかりませんが、徐々に疲労を感じる度合いは落ち着いてくることでしょう。
 さぁ、今はひとまず休息を。
 入浴は如何なさいますか?」

「いえ、いいです。
 なんだか戻ってきたと思ったら、ひどく疲れました。」

今は一刻も早く横になりたい。
お風呂に入るのも、ベッドの中もそう違いはないかもしれないけれど。
そのまま寝てしまえる分、ベッドのほうが心惹かれる。

「ええ、わかりました。
 そのほうが、よろしいでしょう。
 それでは失礼します。」

そう言ったディレマに抱き上げられ、運ばれる。
確実に痩せすぎと呼ばれる身ではあるものの、ここまで小さな少女に抱えられるほど軽くはないはずだ。
単純な物理の問題として。
きっとそういった前の世界では当たり前とされていたルールすらもこの世界では通用しないのだろう。
それを考えると意思疎通ができているのは本当に幸運なことなのだろう。

これからこうして一つずつ違いを、新しいことを覚えていくのだろう。

「それと、アマルディア今日はありがとうございました。
 どうぞ、これからもよろしくお願いします。」

この場はディレマが取り仕切るのだろう。
運ばれる私についてくることなく、扉の前で私を見送るアマルディアに声をかける。
ディレマにとっては、彼女は確かに大きなミスを犯したのかもしれないけれど。
私にとって目が覚めてから今までの間。
最も多くのものを与えてくれたのは間違いなく彼女なのだから。

「かしこまりました。御子様。
 この身に変えましても。」

きっと彼女の感じる罪悪感のようなもののほとんどは、彼女の崇拝する造物主の命令にこたえることができなかったからなのだとは思う。
それでもどこかほっとした様子で応えてくれるアルマディアに、私も少しホッとする。

そしてこの短いやり取りの間にも、疲労感は徐々に強くなってくる。
もはや手足を動かすのもおっくうで。
着替えたときと同じように、ディレマのなされるがままにベッドへと。

「ディルマも、ありがとうございます。
 これからあなたにも多くの迷惑をかけるでしょう。
 今日のように、あなたにとってはあきれるしかないことをするかもしれません。
 それでもどうか、これからもよろしくお願いします。」

きっと彼女はアマルディアだけでなく。
自分の不調を伝えなかった私にも、思うところはあるのだろうから。
慣れていない。
慣れなくてはいけない。
これまで可能な限り距離をとってきたけれど、彼女たちはむしろ側にいてほしい。
力があるといわれているからだろうか。
なぜか、側にいてくれると安心する。

「もちろんですとも御子様。
 どうか私共に申し付けることを迷惑だなどと思わないでください。
 我らはお役に立てることこそを喜ぶのですから。」

私をベッドへと寝かしつけ、ディルマはそのままベッドサイドに控える。

「直に遠方に出ていた姉妹たちも戻ってまいります。
 全機ではなく申し訳ございませんが、半数はお側に控えさせていただく予定です。」

確かアマルディアは18人姉妹だと言っていたので、あと7人の彼女たちの姉妹がこの場に来るのだろう。
それは、なんとも賑やかになりそうで。

「では、その時に、また紹介してください。」

「かしこまりました。」

からだは確かに疲労を訴えてはいるけれど。
目を開けているのも確かに労力がいるのだけれど。
まだ、眠りたくないなと、そう思う。

「ねぇ、ディルマ。
 この世界について、聞かせてもらってもいいですか?」

まるで、寝物語をねだる子供のような言葉に。
やはりディルマは微笑んで。

「かしこまりました御子様。
 それでは寝物語にこの世界の成り立ちを。
 ただ、どうぞ最後まで聞こうと思わず、いつでもお休みくださいませ。
 お望みとあれば、いつでもお話しさせていただきますので。」

そう言って、彼女は語りだす。
私は柔らかなベッドに横たわり、不思議な安心感とともに目を閉じる。
そしてディルマの語るこの世界をぼんやりと耳にする。

― この世界の成り立ちを語るには、そもそもの始まり。原初にありし一なる方から如何にして他が分かたれたか。それを語るところから始めましょう。
 始まりの一。呼ぶ名もなく、姿を語るものもなきそのお方は、原初にありて、己をまず二つに割られました。
 原初の時代、己以外の何物もいないことを退屈に思われて。
 己の半身だけでは退屈に変わりはなく、さらに半身を砕きました。
 その中でもやはりかけらには大小がありました。
 己の半身を砕いたお方は、綺羅星のごとく舞うかけらを前に、いろいろな在り方が生まれることを望み、かけらたちが自由にふるまうことで、これから、その振る舞いを眺めて満足を得られるだろうと、喜ばれました。
 その中でも大きな欠片は舞台を支える基礎に。
 小さな欠片はさらに己を砕き、より小さな欠片に。
 その小さな小さな欠片たちが、大きな欠片の上に、”世界”を生んでいきました。
 生まれた世界は原初にとても良く似ていて、それでも生まれるという志向性を持っているという点で、大きく異なっていました。
 いつしか世界の中には新しい命が、小さな欠片が世界の中に散り散りとなり、それを核として、全く異なるありようを持った生命が生まれていったのです。
 その彼ら ―

そうして、語られる物語を聞きながら。

いつのまにか私は意識を手放していました。

他人が自分のそばで何か話している。

眠る自分のすぐそばに他人がいる。

ただ、その事実がなぜかとても安心できて。

これまでとはまるで逆の感情で。

戸惑うよりもうれしくて。

せめて、おやすみなさいと、ディルマと、アマルディアに伝えればよかったと。

そんなことを夢うつつに思ったことだけは覚えていました。
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