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扉を抜けた先には、何があると思うかな。
特にこれまでが通路だったんだから、両開きの大きな扉があったから、こう、他の。なんとなく大きな空間があるとか、そんな想像した僕はも違ってはいないと思う。
ただ、実際にその扉を、見た目は気だったから押すなり退くなりするかと思えば、見慣れた自動ドアのように、両側にスライドして開いた。そしてその先には通路が続いていた。
代り映えがしない、と言う事は流石に無いけど、こう、なんだろう。らしいと言えばらしいんだろうか。
テーマパークなら確かに、広い場所をつかうだろうし。こう、時間制限でもつけて、提示されてないけど、歩き回らせてとか。そんな事をしても、まぁ不思議じゃない。
見た目は、僕がこれまで歩いていた場所とは、大きく変わっている。
これまでが、まだ明るいというか、人がいたとそういった見た目だったのに対して、扉の先は、病院の廊下や学校の廊下。そんなものを思い出させる見た目になっている。
「で、結局また歩くわけだ。良いけどさ。」
そんな事を口にでも出さないと、正直やってられない。
ゲームに参加した記憶もないし、クリア条件も分からない。こういった作りだって言うなら、それこそ歩き回って探さなきゃいけない類、もうそれに決まりだろう。
部屋に戻って、制限時間が切れるまで待つ。正直それもありかなとは思うけど。
だってそうじゃないかな。僕はこのゲームに対して、クリアする、その理由が無いんだから。
「そういった意味では、失敗作だよね。」
そう、これほどの。それこそ、未だにぼんやりと自分がこうだったというのは思い出せるけど、そこにある具体的な事は思い出せない。そんな状態にできるんだ。もっと、こう。何かすごい事とか、面白いものとか、そう言った物に使えた気がする。この場所にしても。
さっきの通路もそうだったし、この通路にしてもそうだ。掃除が隅々までされているのは一目で分かるし、明るく照らされているから、歩くのだって気分がいい。
「あー、お化け屋敷とか、そっちの方が人気が出たかもね。」
そう、ここまでできるなら、ここまで準備が出来るなら。むしろそっちの方が人気が出そうなものだ。
先ほど僕が部屋で目を覚ましたその時に、それこそゾンビらしき特殊メイクでもした誰かが、側に窓でもあって、そこを叩いていれば、さぞ慌てふためいて部屋から駆け出しただろう。
余裕があったから、落ち着くまで時間があったから、こうしてベッドに置いてあったカードまできちんと回収して出てきたのだから。
「でも、流石に何もないと難しすぎるかな。いや、今にしたってろくにヒントは。」
何となく心細さを感じているから、独り言も多くなる。さっさと友人、顔も思い出せないその相手を見つけて、ここから出たい。きっと顔を見ればお互い思い出しはするだろう。
それから、まぁ、一体誰がこんな所を見つけて誘ったのか、そんな話をすればいい。
そんな事を考えながら、ぶつぶつと、思いつくことを口にしながら歩いていると、壁際にそっけないプレートがかかっているのに気が付く。
「えっと、まっすぐ行けば研究棟で、戻れば倉庫。って、僕は倉庫に寝かされたってこと。」
なんというか、それが、こう。このゲームの参加者への扱いかとか、そんな不満を覚えてしまう。
倉庫だからあんな打ちっぱなしの、むき出しのコンクリートだったのかとか、納得できることはあるけど。ベッド以外何もない部屋、それの何処が倉庫だとか。うん、まぁ色々と言いたいこともある。
ただ、改めて考えれば、僕は通路の一方向、突き当りが近いほうにしか歩いてないわけだし。
その間に他の部屋は見つけられなかったけど、もしかしたら、他にも部屋があって、そこには色々あったのかもしれない。かといって、戻る気にもなれない。なんというか、戻った先に何もなくて行き止まりとかだったら、面倒だし。
そう考えて、そっちにしか続いていないけど、研究棟、そっち向かって進んでいく。
一体何の研究をしているんだろう。そんな好奇心もあるから。
そして、少し進めば、また扉がある。さっきとは違って、木目があるわけでは無い。なんというか、こう。映画とかで見る様な金属製の。カードリーダーとか、生体認証のパネルがついていれば、まさにそれだと思うような、そんな扉だ。
さっきまでの通路は、いよいよただの通路で、特に他に部屋があるわけでもない一本道。何の気なしにそこを進もうとすると。
気が付けば、進んだはずの道を戻っていた。
何が起きたのかはよく分からない。正直、戻ったと言っているのも、合っているかどうかわからない。
なんというか、後ろに向かって突き飛ばされた、そんな気がするだけだ。
どうにも何かにぶつかられたような、そんな感覚。そして、体がなんだかうまく動かないし、視界もおかしい。やけに霞んでいる。自分が息をしているのかも、よくわからない。
ただ、それでもやけにはっきりと、誰かの足音と、叫び声は聞こえた。
それから、ぼやけた視界、そこにつった、如何にも運動、これから走ってきます。そんなランニングウェアに身を包んだ男が、こちらに向かってきて、こぶしを振り下ろす。
直ぐ近くから、やけに湿った、雨の日に、ぬかるんだ道を走るような、そんな音が少しの間聞こえた。
特にこれまでが通路だったんだから、両開きの大きな扉があったから、こう、他の。なんとなく大きな空間があるとか、そんな想像した僕はも違ってはいないと思う。
ただ、実際にその扉を、見た目は気だったから押すなり退くなりするかと思えば、見慣れた自動ドアのように、両側にスライドして開いた。そしてその先には通路が続いていた。
代り映えがしない、と言う事は流石に無いけど、こう、なんだろう。らしいと言えばらしいんだろうか。
テーマパークなら確かに、広い場所をつかうだろうし。こう、時間制限でもつけて、提示されてないけど、歩き回らせてとか。そんな事をしても、まぁ不思議じゃない。
見た目は、僕がこれまで歩いていた場所とは、大きく変わっている。
これまでが、まだ明るいというか、人がいたとそういった見た目だったのに対して、扉の先は、病院の廊下や学校の廊下。そんなものを思い出させる見た目になっている。
「で、結局また歩くわけだ。良いけどさ。」
そんな事を口にでも出さないと、正直やってられない。
ゲームに参加した記憶もないし、クリア条件も分からない。こういった作りだって言うなら、それこそ歩き回って探さなきゃいけない類、もうそれに決まりだろう。
部屋に戻って、制限時間が切れるまで待つ。正直それもありかなとは思うけど。
だってそうじゃないかな。僕はこのゲームに対して、クリアする、その理由が無いんだから。
「そういった意味では、失敗作だよね。」
そう、これほどの。それこそ、未だにぼんやりと自分がこうだったというのは思い出せるけど、そこにある具体的な事は思い出せない。そんな状態にできるんだ。もっと、こう。何かすごい事とか、面白いものとか、そう言った物に使えた気がする。この場所にしても。
さっきの通路もそうだったし、この通路にしてもそうだ。掃除が隅々までされているのは一目で分かるし、明るく照らされているから、歩くのだって気分がいい。
「あー、お化け屋敷とか、そっちの方が人気が出たかもね。」
そう、ここまでできるなら、ここまで準備が出来るなら。むしろそっちの方が人気が出そうなものだ。
先ほど僕が部屋で目を覚ましたその時に、それこそゾンビらしき特殊メイクでもした誰かが、側に窓でもあって、そこを叩いていれば、さぞ慌てふためいて部屋から駆け出しただろう。
余裕があったから、落ち着くまで時間があったから、こうしてベッドに置いてあったカードまできちんと回収して出てきたのだから。
「でも、流石に何もないと難しすぎるかな。いや、今にしたってろくにヒントは。」
何となく心細さを感じているから、独り言も多くなる。さっさと友人、顔も思い出せないその相手を見つけて、ここから出たい。きっと顔を見ればお互い思い出しはするだろう。
それから、まぁ、一体誰がこんな所を見つけて誘ったのか、そんな話をすればいい。
そんな事を考えながら、ぶつぶつと、思いつくことを口にしながら歩いていると、壁際にそっけないプレートがかかっているのに気が付く。
「えっと、まっすぐ行けば研究棟で、戻れば倉庫。って、僕は倉庫に寝かされたってこと。」
なんというか、それが、こう。このゲームの参加者への扱いかとか、そんな不満を覚えてしまう。
倉庫だからあんな打ちっぱなしの、むき出しのコンクリートだったのかとか、納得できることはあるけど。ベッド以外何もない部屋、それの何処が倉庫だとか。うん、まぁ色々と言いたいこともある。
ただ、改めて考えれば、僕は通路の一方向、突き当りが近いほうにしか歩いてないわけだし。
その間に他の部屋は見つけられなかったけど、もしかしたら、他にも部屋があって、そこには色々あったのかもしれない。かといって、戻る気にもなれない。なんというか、戻った先に何もなくて行き止まりとかだったら、面倒だし。
そう考えて、そっちにしか続いていないけど、研究棟、そっち向かって進んでいく。
一体何の研究をしているんだろう。そんな好奇心もあるから。
そして、少し進めば、また扉がある。さっきとは違って、木目があるわけでは無い。なんというか、こう。映画とかで見る様な金属製の。カードリーダーとか、生体認証のパネルがついていれば、まさにそれだと思うような、そんな扉だ。
さっきまでの通路は、いよいよただの通路で、特に他に部屋があるわけでもない一本道。何の気なしにそこを進もうとすると。
気が付けば、進んだはずの道を戻っていた。
何が起きたのかはよく分からない。正直、戻ったと言っているのも、合っているかどうかわからない。
なんというか、後ろに向かって突き飛ばされた、そんな気がするだけだ。
どうにも何かにぶつかられたような、そんな感覚。そして、体がなんだかうまく動かないし、視界もおかしい。やけに霞んでいる。自分が息をしているのかも、よくわからない。
ただ、それでもやけにはっきりと、誰かの足音と、叫び声は聞こえた。
それから、ぼやけた視界、そこにつった、如何にも運動、これから走ってきます。そんなランニングウェアに身を包んだ男が、こちらに向かってきて、こぶしを振り下ろす。
直ぐ近くから、やけに湿った、雨の日に、ぬかるんだ道を走るような、そんな音が少しの間聞こえた。
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