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35章 流れに揺蕩う
名月を
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セシリアの両親、というよりも父親とその夫人の面会。セシリアはかなりの緊張を覚えていたものだが、実際にはある程度和やかに進むことになった。
というものの、夫の不貞を疑ってというよりも他との間に生まれた子供、それを一切認知していなかったことがとにかく問題なのであり。それこそ、両親の庇護下ではなく孤児院で暮らすことになった、暮らしていたと言う事をただただ男爵夫人が問題視していた。
孤児院を下に見ている、それもあっての事ではあろう。確かに、寄付を主体に運営される組織と言う事もあるし、始まりの町と領都しか知らぬが、運営を行う人員の人数と暮らしている孤児の数を考えればかなり難しい物もあるだろう。さらには、教会で、神々の膝元で価値観が形成されるためにいよいよ一般からずれてしまうと言う事もある。貴族社会、そこで本来得るべき権利、それに伴う義務が無いとはいえ、得られたはずの権利を享受できていないと言う事、それを問題視するというのもよく分かる。
だからと言って、それを補填したいという申し手にオユキからは頷けるものではないし、引き取らせてくれと言う事であれば本人と相談のうえでとしてくれとしか言えない。
「その、私どもの庇護下にある、それに関しては間違いないのですが。既に、彼女は一人で、いえ、実際には他の子たちも含めてですが生計を立てている狩猟者ですから」
「狩猟者、ですか。ここ暫くは、改善しているとは聞いていますが」
「ええ。ご覧いただけていますように、彼女に関してはこうして公爵様の別邸にて」
「ですが、それは、そこまではごく一部なのでしょう」
「確かに、例外を提示してとは思いますが、少なくとも彼女に関しては」
「それは、確かにそうなのですが、あなた。あなたからも何か」
これでは、まるでセシリアを己が手放したくないようではないかと、そんな事をオユキは考えながら。ただ、引き取りたいといわれて、それも血縁ではない夫人からの言葉にオユキとしてもすぐに頷ける訳も無く。セシリアに関しては、己についての話が進んでいるというのにいよいよ乗り気ではないといわんばかりに。
「セシリアさんは、今後といいますか、今回こうしてお父上からの話が来ているわけですが」
「ええと、父親何だろうなとはわかるんですけど、それ以上がとくには」
「それは、突然の事ですし、本来であれば自覚も無いかとは思うのですがこちらではあるのでしょうね」
「はい。こう、他人と自分に近い相手はやっぱりなんとなく」
「そういえば、セシリアさんは、ルーリエラさんに言われたことも早々に信じていましたしね」
オユキが、男爵夫人の相手をしているところで、セシリアとトモエは何やらのんびりと他の話と言う訳でもないが、それでも牽制のしあいに入ってこない。
結局のところ、オユキはセシリアが決めなければそれ以上の判断はできない。
男爵夫人としては、何をおいても手元に置きたい。
今、男爵夫人が話している内容というのは、あくまでも建前だ。オユキのほうが、ファンタズマ子爵家という明確な家格があり、巫女という神職としての位も持っている人物。それに対して、男爵夫人でしかない人物が己の意を通そうとするならば、それ以外に確かにあるまい。一つの事実として、現状においても貴族家にとっては己の係累というのは重要なのだ。さらには、その人物が今目の前にいるオユキにとって覚えがめでたく、聞けば伯爵子息とも今は一緒に働くことがあるのだと聞けば尚の事。
そのあたりに関しては、当然の事とオユキは考えている。それこそ、貴族家の義務というものに、次代になんとしてでも家を継がなければならないというこの世界ではあまりにも困難だったことに対しての意識。それを確かに、オユキも理解している。だが、問題として、セシリアにその理解が無い。本人は、何やら突然現れた父親と、その伴侶が己に対して何かを言っているとその態度を崩していない。
トモエが、婉曲に説明を重ねてくれているのだろうが、どうにも本人にしてみればというもの。
オユキとしては、本人の希望をさっさと聞いておきたいものだが、それが決まるのはまだ先の事になるだろう。ならば、この場でオユキが為すべきはやはりただただ時間を使ってとするほかない。ため息の一つも、漏らしたくなるものだが、やはりそれも叶わず。
「では、その子と私達だけで会う機会を」
「そればかりは、否定する物ではありません。後日、改めてご招待いただけるようでしたら、セシリアさんをはじめ、他の子供たちや教会の方々と相談して返答をさせて頂く事でしょう」
「私たちから、己の娘へとするものですが」
「先ほど、御身も口にされていたかと。育ての親と、言ってしまえば兄弟のように暮らしていた子達ですから」
「兄弟、ですか」
「実態については、流石に私も分かりませんが」
「分からないというのは」
「異邦からこちらに来た身の上ですので。御息女とお会いさせていただいて、一年と半年ほど。その程度で、相手の事をよく分かるなどとはとてもとても」
オユキにしても、我ながら一体どうしてこのような振る舞いに慣れてしまっているのか、経験を積んでしまったのかと少々倦厭もするのだが。それでも、セシリアが決めるまでは、どうにかと。オユキの思う保護者の姿、それを崩しはしないと、己に懸けて。
「再三、繰り返すことになりますが、今回の席というのは確認のためだったと、そう記憶していますが」
「それは、そうですけれど」
「男爵様は」
「ああ、その。こうして側にいて、向かい合ってみれば疑いようも無い。それは、そちらの子、セシリアにしても同様だろう。だが、この期に及んでと言われるだろうが」
「そのあたりは、以前にも簡単に口にさせて頂きましたが、彼女には木精の血が流れていると花精の方から言われています。近縁種であるため、間違えるはずがないという言葉に合わせて」
そして、男爵夫人への説明も兼ねて、オユキが改めて人ではない者たちの、というよりも植物を祖とする相手のあまりにも独特な在り方に関して説明を行う。人が必要とする行為、そのような物を必要とせずに増える。そも、原初に、この世界に生命を満ちさせよと言わんばかりに特性を与えられている種族。それが如何なるものか、その理不尽がどの程度か。人程度と、そう言い切れるだけの能力を持つ者たちの一端でしかない、そのような物について。
「ですが、いよいよ身に覚えが無いといいましょうか。髪の一本からでもと言われましても」
「それこそ、例えば御身が貴族の責務として討伐に出られた折に、それこそ街中ですれ違ったときに。機会など、いくらでもあるかと」
「私としては、そこまで見境の無い種族などとは」
「それについては、同意もしますが、できないわけではないのだと、それを無視するべきではないかと」
出来るのだという事実、それをオユキは無視するべきではないと考える。たとえ、それが不貞とでもいえばいいのだろうか、この目の前にいる少し年かさの人物が、見た目だけでいえば四十を超えたあたりだろう気の弱そうな人物が受け入れられないのだとしても。
そして、この人物の態度から考えれば、オユキが今は取り合わぬと決めている夫人にしてもただただ愛情深いだけなのだろう。こうして、己は己の心に決めた相手だけだと、そうまっすぐに信じている人物。目の前にいる己の娘、それをこちらの世界ならではの感覚で理解が出来たとして、信じたくないとでも言うように目を逸らす彼にしてみれば。
オユキのというよりも、トモエの予想として、乗り気なのは、過去の良人の不貞に対する補填に積極的なのは夫人のほうなのだ。結局、この男爵に関しては己に娘がいる、それも己の知らぬどこかでそんな相手がいる。その事実を未だに受け入れられていないのだから。そして、そんな情けの無い男を、背中を押してどころか、けりだしているのが夫人なのだ。困ったことに、トモエとオユキでも実のところ意見が割れている。
オユキは、まずは男爵夫妻の間で意識の統一を行ってもらわなければ、話し合いもできないと。
トモエは、問答無用で現実を突きつけるためにも母親を探さねばならぬだろうと。
トモエにしてみれば、それはトモエの意見が実行された後にこそ行われる物であり、実のところオユキにしてもそれが事実であるには違いないと考えている。だが、問題として木精を探すとなれば、そこにある困難を思えば遠慮したい類の事なのだ。トモエの考えを実行するには、それこそ木々と狩猟の神にでも諮らねば、この広すぎる世界でたった一人の人間を探すなど、と。
だから、まぁ、今は。
女性同士だけで伝わる、こちらの世界で女性が茶会で用いる合図。それを習っていてよかったと、そう考えながらも。男爵夫人から、己の良人を説得するためにというよりも、こうして彼自身が己の娘だと感じる存在がいるのだと、その現実を突きつけるために協力せよと。そこまで具体的にわかるほどには、細かく合図を送ってくるのだ。こうして話す言葉、その内のどこからが本音というか、聞かせたい言葉でありそうでないものはどれだと。それに従ってみれば、成程。ファンタズマ子爵家、そこからもこの男爵に対して現実を、事実彼の知らぬところであろうが娘がいるのだという事実を示してくれと。
それこそ、彼の認知の有無それはもはや手遅れになっている。この男爵の、何が迂闊といえば、枚挙にいとまがないのは事実。それこそ、この場にいるのがファンタズマ子爵家の側に、寄り親であるマリーア公爵の縁者ばかりだけではないという事柄を認識できていない。彼からの話を、果たしてどれだけの相手が聞いているのか。セシリアにしても、特段オユキから口止めをする気もない以上は、彼女にしても誰彼にと相談していることだろう。筆頭は少年たちではあるのだが、マリーア伯爵令息、ファルコ。彼が周囲にと頼んだ人物たちも、今は続々と王都に来ていると聞いている。オユキにも、面会の申し込みが少年たち経由で届けられているのだから。
「本日のところは、互いに改めて確認ができた、それ以上を求めるのは」
「それは、そうかもしれませんが」
「セシリアさんにしても、時間が必要になるでしょう。それがどの程度かは分かりません、彼女にまた個人的に、それを私たちが止めることもないでしょうから」
というものの、夫の不貞を疑ってというよりも他との間に生まれた子供、それを一切認知していなかったことがとにかく問題なのであり。それこそ、両親の庇護下ではなく孤児院で暮らすことになった、暮らしていたと言う事をただただ男爵夫人が問題視していた。
孤児院を下に見ている、それもあっての事ではあろう。確かに、寄付を主体に運営される組織と言う事もあるし、始まりの町と領都しか知らぬが、運営を行う人員の人数と暮らしている孤児の数を考えればかなり難しい物もあるだろう。さらには、教会で、神々の膝元で価値観が形成されるためにいよいよ一般からずれてしまうと言う事もある。貴族社会、そこで本来得るべき権利、それに伴う義務が無いとはいえ、得られたはずの権利を享受できていないと言う事、それを問題視するというのもよく分かる。
だからと言って、それを補填したいという申し手にオユキからは頷けるものではないし、引き取らせてくれと言う事であれば本人と相談のうえでとしてくれとしか言えない。
「その、私どもの庇護下にある、それに関しては間違いないのですが。既に、彼女は一人で、いえ、実際には他の子たちも含めてですが生計を立てている狩猟者ですから」
「狩猟者、ですか。ここ暫くは、改善しているとは聞いていますが」
「ええ。ご覧いただけていますように、彼女に関してはこうして公爵様の別邸にて」
「ですが、それは、そこまではごく一部なのでしょう」
「確かに、例外を提示してとは思いますが、少なくとも彼女に関しては」
「それは、確かにそうなのですが、あなた。あなたからも何か」
これでは、まるでセシリアを己が手放したくないようではないかと、そんな事をオユキは考えながら。ただ、引き取りたいといわれて、それも血縁ではない夫人からの言葉にオユキとしてもすぐに頷ける訳も無く。セシリアに関しては、己についての話が進んでいるというのにいよいよ乗り気ではないといわんばかりに。
「セシリアさんは、今後といいますか、今回こうしてお父上からの話が来ているわけですが」
「ええと、父親何だろうなとはわかるんですけど、それ以上がとくには」
「それは、突然の事ですし、本来であれば自覚も無いかとは思うのですがこちらではあるのでしょうね」
「はい。こう、他人と自分に近い相手はやっぱりなんとなく」
「そういえば、セシリアさんは、ルーリエラさんに言われたことも早々に信じていましたしね」
オユキが、男爵夫人の相手をしているところで、セシリアとトモエは何やらのんびりと他の話と言う訳でもないが、それでも牽制のしあいに入ってこない。
結局のところ、オユキはセシリアが決めなければそれ以上の判断はできない。
男爵夫人としては、何をおいても手元に置きたい。
今、男爵夫人が話している内容というのは、あくまでも建前だ。オユキのほうが、ファンタズマ子爵家という明確な家格があり、巫女という神職としての位も持っている人物。それに対して、男爵夫人でしかない人物が己の意を通そうとするならば、それ以外に確かにあるまい。一つの事実として、現状においても貴族家にとっては己の係累というのは重要なのだ。さらには、その人物が今目の前にいるオユキにとって覚えがめでたく、聞けば伯爵子息とも今は一緒に働くことがあるのだと聞けば尚の事。
そのあたりに関しては、当然の事とオユキは考えている。それこそ、貴族家の義務というものに、次代になんとしてでも家を継がなければならないというこの世界ではあまりにも困難だったことに対しての意識。それを確かに、オユキも理解している。だが、問題として、セシリアにその理解が無い。本人は、何やら突然現れた父親と、その伴侶が己に対して何かを言っているとその態度を崩していない。
トモエが、婉曲に説明を重ねてくれているのだろうが、どうにも本人にしてみればというもの。
オユキとしては、本人の希望をさっさと聞いておきたいものだが、それが決まるのはまだ先の事になるだろう。ならば、この場でオユキが為すべきはやはりただただ時間を使ってとするほかない。ため息の一つも、漏らしたくなるものだが、やはりそれも叶わず。
「では、その子と私達だけで会う機会を」
「そればかりは、否定する物ではありません。後日、改めてご招待いただけるようでしたら、セシリアさんをはじめ、他の子供たちや教会の方々と相談して返答をさせて頂く事でしょう」
「私たちから、己の娘へとするものですが」
「先ほど、御身も口にされていたかと。育ての親と、言ってしまえば兄弟のように暮らしていた子達ですから」
「兄弟、ですか」
「実態については、流石に私も分かりませんが」
「分からないというのは」
「異邦からこちらに来た身の上ですので。御息女とお会いさせていただいて、一年と半年ほど。その程度で、相手の事をよく分かるなどとはとてもとても」
オユキにしても、我ながら一体どうしてこのような振る舞いに慣れてしまっているのか、経験を積んでしまったのかと少々倦厭もするのだが。それでも、セシリアが決めるまでは、どうにかと。オユキの思う保護者の姿、それを崩しはしないと、己に懸けて。
「再三、繰り返すことになりますが、今回の席というのは確認のためだったと、そう記憶していますが」
「それは、そうですけれど」
「男爵様は」
「ああ、その。こうして側にいて、向かい合ってみれば疑いようも無い。それは、そちらの子、セシリアにしても同様だろう。だが、この期に及んでと言われるだろうが」
「そのあたりは、以前にも簡単に口にさせて頂きましたが、彼女には木精の血が流れていると花精の方から言われています。近縁種であるため、間違えるはずがないという言葉に合わせて」
そして、男爵夫人への説明も兼ねて、オユキが改めて人ではない者たちの、というよりも植物を祖とする相手のあまりにも独特な在り方に関して説明を行う。人が必要とする行為、そのような物を必要とせずに増える。そも、原初に、この世界に生命を満ちさせよと言わんばかりに特性を与えられている種族。それが如何なるものか、その理不尽がどの程度か。人程度と、そう言い切れるだけの能力を持つ者たちの一端でしかない、そのような物について。
「ですが、いよいよ身に覚えが無いといいましょうか。髪の一本からでもと言われましても」
「それこそ、例えば御身が貴族の責務として討伐に出られた折に、それこそ街中ですれ違ったときに。機会など、いくらでもあるかと」
「私としては、そこまで見境の無い種族などとは」
「それについては、同意もしますが、できないわけではないのだと、それを無視するべきではないかと」
出来るのだという事実、それをオユキは無視するべきではないと考える。たとえ、それが不貞とでもいえばいいのだろうか、この目の前にいる少し年かさの人物が、見た目だけでいえば四十を超えたあたりだろう気の弱そうな人物が受け入れられないのだとしても。
そして、この人物の態度から考えれば、オユキが今は取り合わぬと決めている夫人にしてもただただ愛情深いだけなのだろう。こうして、己は己の心に決めた相手だけだと、そうまっすぐに信じている人物。目の前にいる己の娘、それをこちらの世界ならではの感覚で理解が出来たとして、信じたくないとでも言うように目を逸らす彼にしてみれば。
オユキのというよりも、トモエの予想として、乗り気なのは、過去の良人の不貞に対する補填に積極的なのは夫人のほうなのだ。結局、この男爵に関しては己に娘がいる、それも己の知らぬどこかでそんな相手がいる。その事実を未だに受け入れられていないのだから。そして、そんな情けの無い男を、背中を押してどころか、けりだしているのが夫人なのだ。困ったことに、トモエとオユキでも実のところ意見が割れている。
オユキは、まずは男爵夫妻の間で意識の統一を行ってもらわなければ、話し合いもできないと。
トモエは、問答無用で現実を突きつけるためにも母親を探さねばならぬだろうと。
トモエにしてみれば、それはトモエの意見が実行された後にこそ行われる物であり、実のところオユキにしてもそれが事実であるには違いないと考えている。だが、問題として木精を探すとなれば、そこにある困難を思えば遠慮したい類の事なのだ。トモエの考えを実行するには、それこそ木々と狩猟の神にでも諮らねば、この広すぎる世界でたった一人の人間を探すなど、と。
だから、まぁ、今は。
女性同士だけで伝わる、こちらの世界で女性が茶会で用いる合図。それを習っていてよかったと、そう考えながらも。男爵夫人から、己の良人を説得するためにというよりも、こうして彼自身が己の娘だと感じる存在がいるのだと、その現実を突きつけるために協力せよと。そこまで具体的にわかるほどには、細かく合図を送ってくるのだ。こうして話す言葉、その内のどこからが本音というか、聞かせたい言葉でありそうでないものはどれだと。それに従ってみれば、成程。ファンタズマ子爵家、そこからもこの男爵に対して現実を、事実彼の知らぬところであろうが娘がいるのだという事実を示してくれと。
それこそ、彼の認知の有無それはもはや手遅れになっている。この男爵の、何が迂闊といえば、枚挙にいとまがないのは事実。それこそ、この場にいるのがファンタズマ子爵家の側に、寄り親であるマリーア公爵の縁者ばかりだけではないという事柄を認識できていない。彼からの話を、果たしてどれだけの相手が聞いているのか。セシリアにしても、特段オユキから口止めをする気もない以上は、彼女にしても誰彼にと相談していることだろう。筆頭は少年たちではあるのだが、マリーア伯爵令息、ファルコ。彼が周囲にと頼んだ人物たちも、今は続々と王都に来ていると聞いている。オユキにも、面会の申し込みが少年たち経由で届けられているのだから。
「本日のところは、互いに改めて確認ができた、それ以上を求めるのは」
「それは、そうかもしれませんが」
「セシリアさんにしても、時間が必要になるでしょう。それがどの程度かは分かりません、彼女にまた個人的に、それを私たちが止めることもないでしょうから」
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