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35章 流れに揺蕩う
紡ぐ歌かは
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唐突に戦と武技を降ろして、武国に関する情報が、オユキが行動を決めるのに必要な情報が得られた。神を都合よく使う、その事実を流石に今更どうこう考える事は無い。ただ、何処までに報告をするのか、それがやはり難しい。
「一先ず、公爵様と、王妃様、でしょうか」
「流石に、私が父上と連絡を取るまで」
「いえ、それは無理です。どの程度の期間が必要になるかもわかりませんし、正直な所既に混ざっているだろうと思える以上は、危険しかありません」
戦と武技から与えられた小太刀、守り刀としてトモエに常々懐に入れておくようにと言われて身に付けていたもの。それを、一先ずヴァレリーに渡して。勿論、取り返す意思はある。だが、それはあくまで代替品と言えばいいのだろうか、戦と武技から一応言質を取っているのだが、ヴァレリーが少なくとも闘技大会までに相応の数魔物を打倒したうえで、奉納舞までをきちんと行うことが出来たならと、言われている。
だからこそ、今はアベルとオユキが座って眺める先、庭に用意されている四阿の先に見える場で、トモエに徹底的に構え方を叩き込まれているのを眺めながら。
「内政干渉となるでしょうから、さじ加減が難しいといいますか、私から何かを行えはしないのですよね」
「そういいながらも」
「私が出来ないだけですから、できる方に報告をするのは当然でしょう。アベルさんは、こちらに来た中にどの程度混ざっていると考えますか」
「月と安息の結界がある。それを考えれば、明確に不調を覚えるはずだ。しかし、そうか、門にははじく機能は無いのか」
「あるはずですが、程度によってはと言う所なのでしょう。以前にフスカ様のなさりようをアベルさんも見たのでは」
「確かに、どちらかといえば能動的か。トモエも、いや失言だったな」
アベルの言葉に、手紙をさて用意しようかと向かっているオユキが苛立つ。そして、その気配を機敏に察したのだろう。アベルがオユキに謝った上で、改めてお茶に口をつける。時間としては、かなり早いだろうがそれでも客人を席を移して改めてとなる以上は、用意しないわけにもいかない。オユキはオユキで、きちんと食事として用意されたものを全て食べないうちはと、トモエが許さなかったこともあり既に何かを口に運ぼうなどとは思えない。それでも、用意した側のマナーとして口をつけなければいけないため、かなり量を減らしてどうにか。
オユキ用にと作り置きされている、今となってはセツナにもかなりの量を提供していると聞いているが、氷菓を用意されているのだがそれもオユキが全てを口にする前にしっかりと融ける事だろう。
「細かい流れは、任せてしまいましょうか。私が考えなければならないのは、彼女をどうやって、それだけになるでしょうから」
「連れ出せると、本気で」
「少なくとも、こうして当家に一人でとできているわけですから。私は、てっきり」
「一応は、武国の公爵家にも連なる立場にあるからな」
「ニーナ様、でしたか、あの方はそういえば。いえ、近衛の方でしたね」
アベルが、自重を目いっぱいに顔に浮かべて口にする。オユキとしては、是非ともその公爵当人にこちらに過剰に厄介を押し付けるなと、そう言いたいものだ。というよりも、アベルに預けた手紙に、それに類することをかなり婉曲に書き上げた言葉、分かるものが読めば、本気で困っていると分かる手紙を預けてもいる。神殿からかなり距離がある以上は、時間がかかるというのを理解はできる。間違いなく、手紙の往復には相応以上の時間がかかると、それも理解はできる。
だからこそ、武国から仕えている人物、その人物を借り受けられないかとオユキは口にするのだが、考えてみればその人物は王家の近衛。
「ニーナか。一応、縁者の幾人かは今もユニエスの屋敷を任せているが」
「プチクレールの方であれば、武国との折衝もできるのではといいますか、扱いにもなれているかと思いますが」
「だが、父上の立場もある。私が勝手にと言う訳には」
「こちらでは、ユニエス公爵家の当主である以上、同格なのでは」
一段、オユキの視線から熱が抜ける。
アベルに対して、散々に思っていることではある。あの巫女に対してもかけた言葉、それをこの男にも告げなければならないのかと。
「そのような目で見てくれるな。兄上もいる以上は、私もやはり色々と難しいのだ。ただでさえこちらで生まれたわけでもない、だというのに公爵等と言う重たい肩書を持ってしまっているからな」
実際には、騎士になる時にもかなり問題があったのだと、そうアベルが零す。こちらはこちらで、色々と問題があるのは理解が出来る、しがらみが多いのは人の世の常ではある。そうしたことに、理解もお呼びはするのだがだからと言って、その面倒までをオユキが引き受けるのはと考えてしまう。何よりも、アベルの言葉に、トモエには聞こえていないには違いなかろうが、それでもオユキの背筋に冷たい物が走る程度にはオユキの気配を察して圧をかけてきていることもある。オユキとしては、正直な所気が気ではない。
何やら、食後にこうして外に出てくるにあたって、トモエが侍女たちに目線を向けていたこともある。
余りに長引くようであれば、それこそセツナだけでなくカナリアも外に出てくることだろう。実際には、アベルが何やらやけに気にかけている、もう少し時間を置けば、これまでの事を考えれば間違いなく引き返す心算が無くなるだろうといった算段もあるため、アイリスを屋敷に引き留めておくようにとそうした話をしただけなのだが。
「それよりも、オユキ、その方で以前のように」
「いえ、正直に申し上げて、あの席でアベルさんもおられたかと思いますが」
アベルの言いたい事は分かる。だが、彼が異邦から流れてきた悪意の塊、それを切りおおせたときには相応に長い時間の問答が必要になったのだ。それと同じことを、今こちらに来ている武国からの者達すべてに対して行うのかと。
「纏めて、というのは」
「いえ、ああした論理の破綻した手合いであれば、数人纏めて論戦を繰り広げても引けを取る事は無いでしょうが、私一人で百人以上を相手にとするのは」
「人数で、そこまで変わるようには」
「いえ、私も人数で気が引けたりと言う事は無いのですが、その人数で騒がれたときに、私一人では声が通りませんよ」
「それも、そうか」
百人以上の人物が声を上げて、それに対してかつてのように音を増幅する道具もない以上は、オユキの声など簡単にかき消される。寧ろ、論戦を繰り広げるとしたときに相手の論理の全てを塗りつぶすというのは戦略の一つでもある。相手が何を言ったところで、どころではない。何も言わせないというのは、一つの極致ではある。そもそも、オユキとしてもそこまで人数差を作れれば基本としてそれを選ぶ。
「トモエさんに頼むのも、また難しいですし」
「それは」
「サキさんの時には、峰で打って消せたとのことですが」
「まぁ、それこそあいつらの思う所だろうな」
「闘技大会への参加、それに対しても私としては遠慮をして頂きたい手合いとなりますし。いえ、こちらでのこれまでを考えれば、闘技大会のような神事としての場であれば」
汚染を広げる、ただそれだけを考えている手合い。軽度とはいえ、強化された月と安息の守りの中でも一応は活動できる者たち。戦と武技から保証されている、敵対者に対しての印を与えられていない者たち。勿論、さじ加減とでもいえばいいのだろうか、明確に敵対の意志を持っているかどうか、何に対してその意識を持つのか、そうした部分はオユキには分からないが。
「何にせよ、私たちの手に余る事ですし、トモエさんが今ああしていることですら」
「そればかりは、私としても思う所があるのだがな」
「今後を考えたときに、あまりああした前例は作りたくないのですよね」
「私から、そのあたりは」
「アベルさんに、そのあたりは期待できそうにないので」
立場を決められぬ相手に、そうした政治的な交渉などオユキは任せる心算も無い。だからこそ、今こうして手紙を用意しているというのに。
「一先ず、トモエさんにも聞かなければなりませんが、今後、例えば数日でひと段落とできるのであれば、そのあとはアイリスさんであったりに任せようと考えていますし」
「アイリス、か」
「ええ。アベルさんの伴侶となるのでしょう、一先ずは。と、言いますか、それにしてもどの程度まで話が進んでいるのか」
セラフィーナとも仲良くしているというのは聞いている。ただ、オユキがアイリスにトモエとオユキの式が新年あけてすぐに、としている。そこに、参加はするのだろうかと、オユキが何とはなしに尋ねてはいる。だが、それについては流石にアイリスも己の国許に許可を取らねばならぬと、そうした話をされてはいる。
その許可を取るために必要な事、それをアイリスが暗にアベルも必要だとそうした様子を見せているのだが。
「テトラポダに、たどり着いたのでしたか」
「その話か、一応向かった騎士たちには戻るときに門を使うようにと話しているからな」
であれば、そのあたりはすぐに分かると言う事であるらしい。
「おや、何かあったようですね」
「ああ、珍しいな」
屋敷から、剣呑な気配が沸き上がる。今屋敷にいる者たちは、客人ばかり。そちらで、何か接触が、それこそセツナとクレドによって翼人種に向けられないとも限らないのだが、そうでは無い。ラズリアが、それが当然とばかりに唐突に、そんなところに出入口はあったかとオユキは首をかしげてしまうのだが、突然に出てきたかと思えば慌てながらも、一応は節度を守って。寧ろ屋外に出たからこそなのだろう。滑る様に、裾を乱さぬ様に。しかし、ありえない速度で。
「オユキ様」
「何がありました」
「武国の無法者どもが、我が国の者たちに狼藉を。オユキ様と話す場を求めるために、トモエ様と相対する場を求めるためにと幾人かの狩猟者と市民を捕らえようとしたと」
「そうですか。そして、その話を私たちにするという事は」
そう、それが事実だとして、対応するのはオユキでは無いはずなのだ。だが、その話が回ってきたと言う事は。
「私たちの知人、狩猟者というのであれば、あの子達、ですか」
「一先ず、公爵様と、王妃様、でしょうか」
「流石に、私が父上と連絡を取るまで」
「いえ、それは無理です。どの程度の期間が必要になるかもわかりませんし、正直な所既に混ざっているだろうと思える以上は、危険しかありません」
戦と武技から与えられた小太刀、守り刀としてトモエに常々懐に入れておくようにと言われて身に付けていたもの。それを、一先ずヴァレリーに渡して。勿論、取り返す意思はある。だが、それはあくまで代替品と言えばいいのだろうか、戦と武技から一応言質を取っているのだが、ヴァレリーが少なくとも闘技大会までに相応の数魔物を打倒したうえで、奉納舞までをきちんと行うことが出来たならと、言われている。
だからこそ、今はアベルとオユキが座って眺める先、庭に用意されている四阿の先に見える場で、トモエに徹底的に構え方を叩き込まれているのを眺めながら。
「内政干渉となるでしょうから、さじ加減が難しいといいますか、私から何かを行えはしないのですよね」
「そういいながらも」
「私が出来ないだけですから、できる方に報告をするのは当然でしょう。アベルさんは、こちらに来た中にどの程度混ざっていると考えますか」
「月と安息の結界がある。それを考えれば、明確に不調を覚えるはずだ。しかし、そうか、門にははじく機能は無いのか」
「あるはずですが、程度によってはと言う所なのでしょう。以前にフスカ様のなさりようをアベルさんも見たのでは」
「確かに、どちらかといえば能動的か。トモエも、いや失言だったな」
アベルの言葉に、手紙をさて用意しようかと向かっているオユキが苛立つ。そして、その気配を機敏に察したのだろう。アベルがオユキに謝った上で、改めてお茶に口をつける。時間としては、かなり早いだろうがそれでも客人を席を移して改めてとなる以上は、用意しないわけにもいかない。オユキはオユキで、きちんと食事として用意されたものを全て食べないうちはと、トモエが許さなかったこともあり既に何かを口に運ぼうなどとは思えない。それでも、用意した側のマナーとして口をつけなければいけないため、かなり量を減らしてどうにか。
オユキ用にと作り置きされている、今となってはセツナにもかなりの量を提供していると聞いているが、氷菓を用意されているのだがそれもオユキが全てを口にする前にしっかりと融ける事だろう。
「細かい流れは、任せてしまいましょうか。私が考えなければならないのは、彼女をどうやって、それだけになるでしょうから」
「連れ出せると、本気で」
「少なくとも、こうして当家に一人でとできているわけですから。私は、てっきり」
「一応は、武国の公爵家にも連なる立場にあるからな」
「ニーナ様、でしたか、あの方はそういえば。いえ、近衛の方でしたね」
アベルが、自重を目いっぱいに顔に浮かべて口にする。オユキとしては、是非ともその公爵当人にこちらに過剰に厄介を押し付けるなと、そう言いたいものだ。というよりも、アベルに預けた手紙に、それに類することをかなり婉曲に書き上げた言葉、分かるものが読めば、本気で困っていると分かる手紙を預けてもいる。神殿からかなり距離がある以上は、時間がかかるというのを理解はできる。間違いなく、手紙の往復には相応以上の時間がかかると、それも理解はできる。
だからこそ、武国から仕えている人物、その人物を借り受けられないかとオユキは口にするのだが、考えてみればその人物は王家の近衛。
「ニーナか。一応、縁者の幾人かは今もユニエスの屋敷を任せているが」
「プチクレールの方であれば、武国との折衝もできるのではといいますか、扱いにもなれているかと思いますが」
「だが、父上の立場もある。私が勝手にと言う訳には」
「こちらでは、ユニエス公爵家の当主である以上、同格なのでは」
一段、オユキの視線から熱が抜ける。
アベルに対して、散々に思っていることではある。あの巫女に対してもかけた言葉、それをこの男にも告げなければならないのかと。
「そのような目で見てくれるな。兄上もいる以上は、私もやはり色々と難しいのだ。ただでさえこちらで生まれたわけでもない、だというのに公爵等と言う重たい肩書を持ってしまっているからな」
実際には、騎士になる時にもかなり問題があったのだと、そうアベルが零す。こちらはこちらで、色々と問題があるのは理解が出来る、しがらみが多いのは人の世の常ではある。そうしたことに、理解もお呼びはするのだがだからと言って、その面倒までをオユキが引き受けるのはと考えてしまう。何よりも、アベルの言葉に、トモエには聞こえていないには違いなかろうが、それでもオユキの背筋に冷たい物が走る程度にはオユキの気配を察して圧をかけてきていることもある。オユキとしては、正直な所気が気ではない。
何やら、食後にこうして外に出てくるにあたって、トモエが侍女たちに目線を向けていたこともある。
余りに長引くようであれば、それこそセツナだけでなくカナリアも外に出てくることだろう。実際には、アベルが何やらやけに気にかけている、もう少し時間を置けば、これまでの事を考えれば間違いなく引き返す心算が無くなるだろうといった算段もあるため、アイリスを屋敷に引き留めておくようにとそうした話をしただけなのだが。
「それよりも、オユキ、その方で以前のように」
「いえ、正直に申し上げて、あの席でアベルさんもおられたかと思いますが」
アベルの言いたい事は分かる。だが、彼が異邦から流れてきた悪意の塊、それを切りおおせたときには相応に長い時間の問答が必要になったのだ。それと同じことを、今こちらに来ている武国からの者達すべてに対して行うのかと。
「纏めて、というのは」
「いえ、ああした論理の破綻した手合いであれば、数人纏めて論戦を繰り広げても引けを取る事は無いでしょうが、私一人で百人以上を相手にとするのは」
「人数で、そこまで変わるようには」
「いえ、私も人数で気が引けたりと言う事は無いのですが、その人数で騒がれたときに、私一人では声が通りませんよ」
「それも、そうか」
百人以上の人物が声を上げて、それに対してかつてのように音を増幅する道具もない以上は、オユキの声など簡単にかき消される。寧ろ、論戦を繰り広げるとしたときに相手の論理の全てを塗りつぶすというのは戦略の一つでもある。相手が何を言ったところで、どころではない。何も言わせないというのは、一つの極致ではある。そもそも、オユキとしてもそこまで人数差を作れれば基本としてそれを選ぶ。
「トモエさんに頼むのも、また難しいですし」
「それは」
「サキさんの時には、峰で打って消せたとのことですが」
「まぁ、それこそあいつらの思う所だろうな」
「闘技大会への参加、それに対しても私としては遠慮をして頂きたい手合いとなりますし。いえ、こちらでのこれまでを考えれば、闘技大会のような神事としての場であれば」
汚染を広げる、ただそれだけを考えている手合い。軽度とはいえ、強化された月と安息の守りの中でも一応は活動できる者たち。戦と武技から保証されている、敵対者に対しての印を与えられていない者たち。勿論、さじ加減とでもいえばいいのだろうか、明確に敵対の意志を持っているかどうか、何に対してその意識を持つのか、そうした部分はオユキには分からないが。
「何にせよ、私たちの手に余る事ですし、トモエさんが今ああしていることですら」
「そればかりは、私としても思う所があるのだがな」
「今後を考えたときに、あまりああした前例は作りたくないのですよね」
「私から、そのあたりは」
「アベルさんに、そのあたりは期待できそうにないので」
立場を決められぬ相手に、そうした政治的な交渉などオユキは任せる心算も無い。だからこそ、今こうして手紙を用意しているというのに。
「一先ず、トモエさんにも聞かなければなりませんが、今後、例えば数日でひと段落とできるのであれば、そのあとはアイリスさんであったりに任せようと考えていますし」
「アイリス、か」
「ええ。アベルさんの伴侶となるのでしょう、一先ずは。と、言いますか、それにしてもどの程度まで話が進んでいるのか」
セラフィーナとも仲良くしているというのは聞いている。ただ、オユキがアイリスにトモエとオユキの式が新年あけてすぐに、としている。そこに、参加はするのだろうかと、オユキが何とはなしに尋ねてはいる。だが、それについては流石にアイリスも己の国許に許可を取らねばならぬと、そうした話をされてはいる。
その許可を取るために必要な事、それをアイリスが暗にアベルも必要だとそうした様子を見せているのだが。
「テトラポダに、たどり着いたのでしたか」
「その話か、一応向かった騎士たちには戻るときに門を使うようにと話しているからな」
であれば、そのあたりはすぐに分かると言う事であるらしい。
「おや、何かあったようですね」
「ああ、珍しいな」
屋敷から、剣呑な気配が沸き上がる。今屋敷にいる者たちは、客人ばかり。そちらで、何か接触が、それこそセツナとクレドによって翼人種に向けられないとも限らないのだが、そうでは無い。ラズリアが、それが当然とばかりに唐突に、そんなところに出入口はあったかとオユキは首をかしげてしまうのだが、突然に出てきたかと思えば慌てながらも、一応は節度を守って。寧ろ屋外に出たからこそなのだろう。滑る様に、裾を乱さぬ様に。しかし、ありえない速度で。
「オユキ様」
「何がありました」
「武国の無法者どもが、我が国の者たちに狼藉を。オユキ様と話す場を求めるために、トモエ様と相対する場を求めるためにと幾人かの狩猟者と市民を捕らえようとしたと」
「そうですか。そして、その話を私たちにするという事は」
そう、それが事実だとして、対応するのはオユキでは無いはずなのだ。だが、その話が回ってきたと言う事は。
「私たちの知人、狩猟者というのであれば、あの子達、ですか」
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