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35章 流れに揺蕩う
喜びよりも
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オユキの言葉に、ヴァレリーははっきりと返答に詰まる。
オユキにとっては、貴族としての位と巫女という位。この二つが、実際には不可分に見えるのだろうが、選択をしろと言われれば真っ先に子爵と言う位を切り捨てる。アイリスにしても、実際のところは同様。祖霊から与えられている役割こそが最も重要であり、戦と武技の巫女というのは彼女にとっては追加された物でしかない。
いつぞやに、水と癒しの巫女に言われたことが、そのままなのだ。
最も大事なものは何か、それ以外はなくしても構いはしないのだと。
更に言うのであれば、オユキにとって最も大事な事柄というのは、トモエ。万が一戦と武技の神とトモエとの間で意見が食い違う事でもあろうものなら、オユキは何のためらいもなくトモエを選ぶ。勿論、妥当かどうかを判断したうえでとなるのはなるが。
ヴァレリーにとっては、どうなのだろうかと。そう尋ねてみる。
「私は、巫女を、優先したいと、優先するべきだと」
「本当でしょうか」
「疑いになるのは、仕方のない事かと」
「いえ、それを、あちらで明確に示された事はあるのでしょうか」
確かに、疑ってはいる。言われたところで、オユキは信じてはいない。
だが、何より気になっているのは、彼女が武国での立場が明確になっているか。彼女の願いを、口にする言葉を、どれほどの数が信じるのかどうか。
「こう、端的に申し上げるのであれば、御身は王家の姫でもあるわけです。例えば、今後の話であったり、ですね。そうした物が存在した時に、どちらを選択されるのかと」
そう、王家の姫として婚姻を当然求められることだろう。それに対して、娶ることもあるだろう、降嫁させるのかもしれない。そのどちらの場合においても、配偶者が理解をしない相手であればどうなるのであろうか。政略の一環として、国外にとなった時に彼女は果たして。
そういった疑問を、オユキは軽く言葉を加えながら。
「それは」
「私はどうなのかと、そういった話をされるのであればトモエさんは理解を示してくださいます」
そして、同じ位を頂いているとはいえ、環境の違うオユキはやはり目の前の人物が参考にすべきものではないのだ。
「アベル様」
「過去に例があったのかという意味では、一度も無い。前例がないからこそ、ではあるのだろう」
「私は、私を形作るものは」
「いえ、切り離せないというのは理解が有ります。正直な所、位を得たのがいつなのかという話でもありますし」
「六年前、そこから、私の環境は。リゴドー公の事もあり、私はそれまでの間は」
リゴドー公と呼ばれている人物がだれかと、オユキがアベルに視線で問えば。
「父上だ」
「あちらでの家名が、リゴドーですか。それこそ、変わらず」
「それを行ってしまえば、問題になるからな」
「それ以上の物が引き起こされているようにも、思いますが、いえ、そちらは置いておきましょう。それにしても、お勤めを始めてから六年ですか。武国でも、神国のように行儀見習いと言えばいいのでしょうか」
「こちらに比べれば、割合としては多いな。あちらには、学び舎が王都に存在しない代わりに教会がそのあたりを担う事になっている」
「そういう事もありますか」
だとすれば、地域差が神国よりも大きなものになっていそうだなと、そんな事を考えながら。
此処で考えるべき事、とでもいえばいいのだろうか。
どうにも、こうして今もすっかりとふさぎ込んでいるのだが、ここまでに与えられた教育による物だろう。そうしたことを表に分かるほどに出してしまっているのだが、それほどの事ではあるのだとそういった証左でもあるのだろう。なにやら、アベルの視線にしっかりと乗っている憐憫とでもいえばいいのだろうか。
「邪推だ」
「そうであることを願っています」
オユキの疑惑の視線に気が付いたのだろう、きちんと釘を刺されはするがトモエに視線を向けてみれば、どうやら可能性は高そうだとそう返ってくる。今後の事を考えれば、オユキは一切この状態の巫女をトモエに近づける気が無いため、事がアベルの側で運んでくれればとしか考えていないこともある。そして、トモエにしても、オユキのそうした気持ちを理解しているのだろう。
「さておき、その、ヴァレリー様が私たちに求める事とは何でしょうか。お望みとあらば、私はここに私たちに位をお与えくださった神を降ろす、それも選択しても構わないと考えていますが」
トモエとの間で、少なくとも、今最もオユキが心乱す事柄に関しては、トモエにその意思が無いのだとそれが分かったから。オユキは、少々この場に臨む余裕も改めて。
「オユキ様」
ヴァレリーが、オユキの言葉に、これまでどうにも定まらず茫洋としていたその瞳を向ける。
「オユキ様は、それが当然とできるのですね」
「異邦からこちらに、それがありますから」
「羨んでも、私にと望んでも、どうにもならぬ事なのでしょう」
そして、異邦からの者だと告げて。そこにある差に対しては、深い諦念が浮かぶ。
こればかりは、いよいよどうにもならないのだ。ヴァレリーが、他の巫女達がどれほど望んだとして。トモエが、どれほど願ったとして。そこにある差異は、どうにもならない。
「しかし、それを願うと言う事はよもや」
「はい。私が行えるのは、祭祀として司祭様にお手伝いを頂かなければ」
「神降ろしも含めて、ですか。どうにも、位に合わせてと言う訳ではなさそうですね」
「オユキ、その方そのあたりについては」
「私が、教会で学ぶ時間があったとでも」
「マリーア公は、その、前回のエリーザであったか」
「打診はお願いしていますし、先方も時間が空けばとご返答頂いています」
王都に来て真っ先にエリーザ助祭、マルタ司祭に手紙は出しているのだ。だが、闘技大会が近い事もあり今は教会も忙しい。さらに悪い事に、武国からの者たちが神国に来ているために、そちらの対応でも手がかかっていると言う事。
だからこそ、武国からの者たちというのが今回頭痛の種であり、改善を方々から求められている。
そして、オユキに対して学習が不十分ではないかと暗に示したアベルが、そうした諸々を思い出したのだろう。加えて、トモエが少々剣呑な空気を纏ったからだろう。軽く頭を下げた上で、彼の失言に一言謝罪を口に乗せて。
「神職にしても、同じ位を頂いているとはいえ、そこには個人の差がある。貴族位と変わらんな、そのあたりは」
「確かに、なったばかりの者と、次の位に進むきっかけを待つ物、その間には大きな隔たりもあるのは事実でしょう。ですが、巫女というのは」
オユキがここまでの間に顔を合わせた巫女、水と癒しに関しては随分と飄々としていた人物。いよいよ見習いどころではない、予定のアナ。どちらも思い浮かべては見るのだが、共通項等と言うものはいよいよ見つかりはしない。
人の断りなど放っておいて、己はただ神に従えと語る人物に対して魔物との戦いの中で舞を授けられながら専任の老巫女に色々と習う少女。一応は、同業者とでもいえばいいのだろう相手、その相手に何某かの助言をしようにも、オユキではやはり色々と足りていないのだ。知っている巫女、その数があまりにも少なすぎる。後の一人は、いよいよ種族も違えば基礎が全くもって異なる相手でもある。
兼任が出来ないと、それはかつての彼女の祖霊、三狐神が語った言葉で後を継げないと、己の後を任せる心算であったがという言葉を思えば、それにしてもやはり怪しいのだ。アイリスに理屈を尋ねれば、祭祀と役職は異なるのだとそうした話は返ってくるのだろうが。
「ヴァレリー様も、狩猟に向かわれますか」
「オユキ」
「いえ、極端な話、彼女の罪悪感や巫女としての在り方を考えたときに、最も早い解決策などというのは」
「オユキさん、彼女を連れ出すとなると、王都の周りでは少し難しいですよ」
「それほど、ですか」
「始まりの町が最も良いと思いますが、それが難しいようでしたらこちらであれば連れ出す前に最低限の鍛錬を行わせなければなりません」
「そこは、アベルさんに責任を持ってもらうしかないかと」
トモエの言葉に、オユキはすぐに、考えるよりも先に、言い訳時見た言葉が口をついて。
「そうですね。戦と武技を名乗る以上は、私も最低限があるかと思います。ご本人も、そのあたりで己の責を感じておられるようです。であれば、改善を行うというのならば、それは武国の方々の責任、為すべき事かと」
「ええ、そうでしょうとも」
理屈を考えていなかったオユキに変わり、トモエがらしいものをきちんと付け加えてくれる。何処か笑いながらかけられた言葉に、オユキがすぐさま追従を。そうしてみれば、トモエをはじめ、この席を整えている侍女たちにも何やら微笑ましい物を見るような視線を向けられる。だが、余裕のない武国の巫女、アベルにはそのあたりが伝わっていない。
「茶会の席ではありませんが、用意させている物もあります。自信をもって進められる品でもありますから、まずはそちらを互いにとしてからとしませんか、此処からの話は」
少々の気恥ずかしさを覚えて、オユキはそのように口にする。
用意させているお茶に口をつけてもいないし、それから並べる予定の茶菓にしても未だにワゴンの上に載っている。そろそろ、オユキにしてもそちらに乗っている氷菓が融けてしまうのではないかと少々気になってもいる。トモエにしても、オユキにそろそろ一度食事を摂る様にと、既に昼も近づいてきている。オユキが食事を抜く事、一食であっても。近頃のトモエは、どうにもそれを許す心算が無いらしい。
少なくとも、何か、軽食でもいいから口に入れろと先ほどから視線の圧が増しているのだから。
「時間も時間ですから、あれらは一度下げて軽食を用意していただきましょうか。とはいっても、温めて出すだけで用意ができるものからとなりますが」
事前にアルノーに話して、キッシュの用意は終わっている。加えて、久しぶりにオユキが好んでいるガレットを合わせて出そうと、そういった話も事前にトモエからアルノーに通してある。
オユキにとっては、貴族としての位と巫女という位。この二つが、実際には不可分に見えるのだろうが、選択をしろと言われれば真っ先に子爵と言う位を切り捨てる。アイリスにしても、実際のところは同様。祖霊から与えられている役割こそが最も重要であり、戦と武技の巫女というのは彼女にとっては追加された物でしかない。
いつぞやに、水と癒しの巫女に言われたことが、そのままなのだ。
最も大事なものは何か、それ以外はなくしても構いはしないのだと。
更に言うのであれば、オユキにとって最も大事な事柄というのは、トモエ。万が一戦と武技の神とトモエとの間で意見が食い違う事でもあろうものなら、オユキは何のためらいもなくトモエを選ぶ。勿論、妥当かどうかを判断したうえでとなるのはなるが。
ヴァレリーにとっては、どうなのだろうかと。そう尋ねてみる。
「私は、巫女を、優先したいと、優先するべきだと」
「本当でしょうか」
「疑いになるのは、仕方のない事かと」
「いえ、それを、あちらで明確に示された事はあるのでしょうか」
確かに、疑ってはいる。言われたところで、オユキは信じてはいない。
だが、何より気になっているのは、彼女が武国での立場が明確になっているか。彼女の願いを、口にする言葉を、どれほどの数が信じるのかどうか。
「こう、端的に申し上げるのであれば、御身は王家の姫でもあるわけです。例えば、今後の話であったり、ですね。そうした物が存在した時に、どちらを選択されるのかと」
そう、王家の姫として婚姻を当然求められることだろう。それに対して、娶ることもあるだろう、降嫁させるのかもしれない。そのどちらの場合においても、配偶者が理解をしない相手であればどうなるのであろうか。政略の一環として、国外にとなった時に彼女は果たして。
そういった疑問を、オユキは軽く言葉を加えながら。
「それは」
「私はどうなのかと、そういった話をされるのであればトモエさんは理解を示してくださいます」
そして、同じ位を頂いているとはいえ、環境の違うオユキはやはり目の前の人物が参考にすべきものではないのだ。
「アベル様」
「過去に例があったのかという意味では、一度も無い。前例がないからこそ、ではあるのだろう」
「私は、私を形作るものは」
「いえ、切り離せないというのは理解が有ります。正直な所、位を得たのがいつなのかという話でもありますし」
「六年前、そこから、私の環境は。リゴドー公の事もあり、私はそれまでの間は」
リゴドー公と呼ばれている人物がだれかと、オユキがアベルに視線で問えば。
「父上だ」
「あちらでの家名が、リゴドーですか。それこそ、変わらず」
「それを行ってしまえば、問題になるからな」
「それ以上の物が引き起こされているようにも、思いますが、いえ、そちらは置いておきましょう。それにしても、お勤めを始めてから六年ですか。武国でも、神国のように行儀見習いと言えばいいのでしょうか」
「こちらに比べれば、割合としては多いな。あちらには、学び舎が王都に存在しない代わりに教会がそのあたりを担う事になっている」
「そういう事もありますか」
だとすれば、地域差が神国よりも大きなものになっていそうだなと、そんな事を考えながら。
此処で考えるべき事、とでもいえばいいのだろうか。
どうにも、こうして今もすっかりとふさぎ込んでいるのだが、ここまでに与えられた教育による物だろう。そうしたことを表に分かるほどに出してしまっているのだが、それほどの事ではあるのだとそういった証左でもあるのだろう。なにやら、アベルの視線にしっかりと乗っている憐憫とでもいえばいいのだろうか。
「邪推だ」
「そうであることを願っています」
オユキの疑惑の視線に気が付いたのだろう、きちんと釘を刺されはするがトモエに視線を向けてみれば、どうやら可能性は高そうだとそう返ってくる。今後の事を考えれば、オユキは一切この状態の巫女をトモエに近づける気が無いため、事がアベルの側で運んでくれればとしか考えていないこともある。そして、トモエにしても、オユキのそうした気持ちを理解しているのだろう。
「さておき、その、ヴァレリー様が私たちに求める事とは何でしょうか。お望みとあらば、私はここに私たちに位をお与えくださった神を降ろす、それも選択しても構わないと考えていますが」
トモエとの間で、少なくとも、今最もオユキが心乱す事柄に関しては、トモエにその意思が無いのだとそれが分かったから。オユキは、少々この場に臨む余裕も改めて。
「オユキ様」
ヴァレリーが、オユキの言葉に、これまでどうにも定まらず茫洋としていたその瞳を向ける。
「オユキ様は、それが当然とできるのですね」
「異邦からこちらに、それがありますから」
「羨んでも、私にと望んでも、どうにもならぬ事なのでしょう」
そして、異邦からの者だと告げて。そこにある差に対しては、深い諦念が浮かぶ。
こればかりは、いよいよどうにもならないのだ。ヴァレリーが、他の巫女達がどれほど望んだとして。トモエが、どれほど願ったとして。そこにある差異は、どうにもならない。
「しかし、それを願うと言う事はよもや」
「はい。私が行えるのは、祭祀として司祭様にお手伝いを頂かなければ」
「神降ろしも含めて、ですか。どうにも、位に合わせてと言う訳ではなさそうですね」
「オユキ、その方そのあたりについては」
「私が、教会で学ぶ時間があったとでも」
「マリーア公は、その、前回のエリーザであったか」
「打診はお願いしていますし、先方も時間が空けばとご返答頂いています」
王都に来て真っ先にエリーザ助祭、マルタ司祭に手紙は出しているのだ。だが、闘技大会が近い事もあり今は教会も忙しい。さらに悪い事に、武国からの者たちが神国に来ているために、そちらの対応でも手がかかっていると言う事。
だからこそ、武国からの者たちというのが今回頭痛の種であり、改善を方々から求められている。
そして、オユキに対して学習が不十分ではないかと暗に示したアベルが、そうした諸々を思い出したのだろう。加えて、トモエが少々剣呑な空気を纏ったからだろう。軽く頭を下げた上で、彼の失言に一言謝罪を口に乗せて。
「神職にしても、同じ位を頂いているとはいえ、そこには個人の差がある。貴族位と変わらんな、そのあたりは」
「確かに、なったばかりの者と、次の位に進むきっかけを待つ物、その間には大きな隔たりもあるのは事実でしょう。ですが、巫女というのは」
オユキがここまでの間に顔を合わせた巫女、水と癒しに関しては随分と飄々としていた人物。いよいよ見習いどころではない、予定のアナ。どちらも思い浮かべては見るのだが、共通項等と言うものはいよいよ見つかりはしない。
人の断りなど放っておいて、己はただ神に従えと語る人物に対して魔物との戦いの中で舞を授けられながら専任の老巫女に色々と習う少女。一応は、同業者とでもいえばいいのだろう相手、その相手に何某かの助言をしようにも、オユキではやはり色々と足りていないのだ。知っている巫女、その数があまりにも少なすぎる。後の一人は、いよいよ種族も違えば基礎が全くもって異なる相手でもある。
兼任が出来ないと、それはかつての彼女の祖霊、三狐神が語った言葉で後を継げないと、己の後を任せる心算であったがという言葉を思えば、それにしてもやはり怪しいのだ。アイリスに理屈を尋ねれば、祭祀と役職は異なるのだとそうした話は返ってくるのだろうが。
「ヴァレリー様も、狩猟に向かわれますか」
「オユキ」
「いえ、極端な話、彼女の罪悪感や巫女としての在り方を考えたときに、最も早い解決策などというのは」
「オユキさん、彼女を連れ出すとなると、王都の周りでは少し難しいですよ」
「それほど、ですか」
「始まりの町が最も良いと思いますが、それが難しいようでしたらこちらであれば連れ出す前に最低限の鍛錬を行わせなければなりません」
「そこは、アベルさんに責任を持ってもらうしかないかと」
トモエの言葉に、オユキはすぐに、考えるよりも先に、言い訳時見た言葉が口をついて。
「そうですね。戦と武技を名乗る以上は、私も最低限があるかと思います。ご本人も、そのあたりで己の責を感じておられるようです。であれば、改善を行うというのならば、それは武国の方々の責任、為すべき事かと」
「ええ、そうでしょうとも」
理屈を考えていなかったオユキに変わり、トモエがらしいものをきちんと付け加えてくれる。何処か笑いながらかけられた言葉に、オユキがすぐさま追従を。そうしてみれば、トモエをはじめ、この席を整えている侍女たちにも何やら微笑ましい物を見るような視線を向けられる。だが、余裕のない武国の巫女、アベルにはそのあたりが伝わっていない。
「茶会の席ではありませんが、用意させている物もあります。自信をもって進められる品でもありますから、まずはそちらを互いにとしてからとしませんか、此処からの話は」
少々の気恥ずかしさを覚えて、オユキはそのように口にする。
用意させているお茶に口をつけてもいないし、それから並べる予定の茶菓にしても未だにワゴンの上に載っている。そろそろ、オユキにしてもそちらに乗っている氷菓が融けてしまうのではないかと少々気になってもいる。トモエにしても、オユキにそろそろ一度食事を摂る様にと、既に昼も近づいてきている。オユキが食事を抜く事、一食であっても。近頃のトモエは、どうにもそれを許す心算が無いらしい。
少なくとも、何か、軽食でもいいから口に入れろと先ほどから視線の圧が増しているのだから。
「時間も時間ですから、あれらは一度下げて軽食を用意していただきましょうか。とはいっても、温めて出すだけで用意ができるものからとなりますが」
事前にアルノーに話して、キッシュの用意は終わっている。加えて、久しぶりにオユキが好んでいるガレットを合わせて出そうと、そういった話も事前にトモエからアルノーに通してある。
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