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35章 流れに揺蕩う
讃えども
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「私の責なのです。私が、あまりにもふがいなく、いと貴き戦と武技の神により、久方ぶりに王家よりお選びいただいたといいますのに。周囲を説得する事も叶わず、私もただ黙していいようにされて。頂いた位を、彼の神にお返しさせて頂けばよいのだと、それは理解しております。ですが、王家の者としてそれも許されず」
「その、御身の悩みは理解できましたので」
トモエとエステールに整えられて、改めて戦と武技の巫女を迎えてみれば。席に着き、まずは軽く挨拶をとそうオユキが口にするよりも先に、これまた怒涛のように謝罪の言葉を述べられて。
未だに、名前の交換すらしておらず、彼女の隣に座るアベルにしても困った様子。
そんな二人を前に、オユキも何とはなしにアイリスが早々にファンタズマ子爵として借り受けている屋敷に逃げてきた理由に思い至る。確かに、彼女にしてもここまで自罰的な相手がおり、同じく巫女としての位を持っているアイリスにこのように延々と謝罪の言葉を涙ながらに述べられるというのは、困ったことなのだろう。
目には涙を浮かべ、滔々と続けられる言葉にオユキとしてもなすすべがないとでもいえばいいのだろうか。さらに困ったことには、同じ巫女とはいえ相手は他国の王女でもあるのだ。王家に仕える近衛であるシェリアとタルヤにしてもはっきりと困ったといわんばかりの空気を湛えている。そして、視線が向かう先は同じく王家の血を引き公爵家の当主でもあるアベルになるのだが、そのアベルにしてももはや術がないとでも言わんばかりの表情を返してくるばかり。
彼にしてみれば、同じ巫女としてどうか話を聞いてくれと、そう言いたのだろう。
「その、トモエさん」
「私は、流石に言葉を挟むつもりは」
「いえ、いっそのこと」
「オユキさん、体調が少しは回復してきているとはいえ」
「ですが、このままでは埒が明かないのでは」
オユキは、隣に座るトモエに対して割と真剣に。
そもそも、目の前に座る相手にしても、見た目通りというのならばトモエとほとんど変わらない年齢だろう。そんな人物が、勿論かつての基準に照らし合わせれば未成年ではある。だが、王族としての教育を受けたはずの人物が何故ここまでと、オユキにしても甚だ疑問を覚える程なのだ。
かつての、王弟、武国の公爵であり今も目の前に座っているアベルの父親。その人物が仕込んでいったことを、オユキとしては考えてしまう。オユキでは、間違いなくオユキでは届かない視座を持つ人物。今回の事にしても、あのアダムという存在が引き起こした事には違いない。今後の事を考えたときに、国交が閉ざされることをあの人物が望むなどとは考えられない。
神国に利するために、それが行動の基底に存在していることは間違いが無いのだ。
狩猟者ギルド、王家にというよりも今は無きサグレダ公爵家からの人員だろう者、それを置いておくにしても武国に対して配慮を見せる者たちが多い。此処までの間で、特別利益が無いだろうというのに。
オユキの想定としては、処罰を行いたいと考えている者たち。あの人物が、改めて武国での発言権を確保するために政敵とまではいわないが、それに類する人物たちを送り込んできたのだろうと、その程度の事は確かに考えている。だが、前回の事もありそれだけでは無いのではと、どうしても疑わずにはいられないのだ。それすらも、そうしてオユキが考えることが、悩むことこそが目的なのだったとしても。
オユキの脳裏に、どうしてもミズキリの影がちらつくこともある。
「オユキさんは、どうしたいのですか」
「私が、ですか」
目の前では、最早面会を申し出たというのに、トモエとオユキではない何かを見ながら己の事を話す巫女。成程、そうなるだけの理由がある事は、オユキも理解した。トモエにしても、これまでに出会った相手と比べて目の前の巫女は、戦と武技の巫女であるにもかかわらず陸に武器も持っていない、鍛錬も重ねていないというのは理解が及んでいる。そこに来て、武国における決闘法等と言うものの存在を聞いたこともある。
巫女としての正しさを示すためには、あちらの国では神が降ろせないのならば己の刃を持ってと言われることだろう。振り返ってみれば、オユキにしても疑われたときに、戦勝しているのではないかと言われた時には任せてみたものだ。
「さて、武国よりこうして私どもを訪ねてくださった、貴き御方、神殿にて同じ神を奉じ、異邦から来た故ではなく貴国での奉仕を認められたが故位を得たお方」
一度吐き出させた方が、そんな事を確かに一度は考えたのだが流石にこうして己の事ばかりを口にされてしまうと、オユキとしても気が滅入る。
鍛錬の不足、己が望もうともそれよりもと言われる多くの事。
それに関してはオユキも同じ問題を抱えてはいるのだが、やはりオユキがそれを口にするのは限られたときにだけ。本当にどうしようもなく疲れてしまったときに、トモエにそっと頭を預けて。眠る時に、寝台で頭を並べるのではなく、トモエの方に己の頭を預けて少しといった程度。
「どうか、そこまで己を卑下なされませぬよう、私からもお願い申し上げます。然しながら、御身がそこまで思いつめておられる、鍛錬をと望まれているというのに、その理由の一端でもお聞かせ願えれば私から献策させて頂けることがあるのではないかと」
未だに名前も知らない、いや、手紙やアベルから一応オユキは聞かされてはいるのだが、互いに自己紹介もしていない現状では、名前を呼ぶこともできない。最終手段、それについては、一応トモエから何を求めた上で行うのか、逸れさえ決まったのならば問題はなかろうと、許可を得られたこともある。
だが、オユキとしては、目の前の人物が何を求めるのか、それを聞いたうえでとしても良いとは思うのだ。
鍛錬を行う、それをするときにはオユキはトモエに頼まねばならない。そうなってしまえば、戦と武技の巫女にトモエが教えるのはこれで三人目。確かに、彼の神から伝道者としての位を与えても良いとそう言われてはいる。だが、そうなってしまえば他にも巫女がいるのならば、トモエの下に一度預けなければとそうした流れとて生まれてしまう。
オユキにとっては、許しがたい流れが。
一度、トモエの意見を退けているから、勿論それもある。だが、最も大きいところは、巫女なのだ。
すっかりと自覚が生まれてしまった事でもあるのだが、オユキは叶うならそうした者たちをトモエに近づけたくはないのだ。こちらの国でそれが望まれていないのは、権力にものを言わせてとなっていないのは一応理由付けの出来る事。だが、その理由を持つ相手であればその限りではないのだと理解が出来てしまうからこそ。
なんとなれば、トモエには是非とも席を外していて欲しいというのに。
「巫女様」
「同じ位を持つ方に、そのように呼ばれてしまうと私としても困ってしまうのですが」
「これは、失礼しました。改めまして、ヴァレリーと申します」
「ヴァレリー様、私は異邦からの者でオユキと」
家名を名乗らないのは、神殿に入る時に名乗らぬと決めたのか。
これまで、オユキが出会ってきた相手にしても、巫女は確かに己の名前だけを名乗っていた。勿論、相手によっては神から与えられる使えるものとしての名を間に、位を家名代わりにしている者たちもいたのだが。
「ソーサレス、でしたか。巫女に与えられる位としての物は」
「はい。私もかの神より名乗ることをお許しいただいております。祭祀の際には、そのように呼ばわれる身であることも事実なのですが」
「祭祀の時には、ですか」
「巫女たるこの身ではありますが、真摯にお勤めをなさる方々に比べて、私は」
「ああ、いえ、その、責めているわけではなく、単純に疑問として、何分異邦からこちらに来た身の上ですので」
何を切欠に、また彼女がつらつらと己の想いを述べ始めるかわからないために、瞳が、気配が揺れたとオユキが感じた段で早々に割って入る。
オユキとしても、己よりも遥かに高位の相手に対してそのような振る舞いを行うというのは、少々精神をすり減らす振る舞いではあるのだが、行わないよりは良いとして。
そもそも、王族が何故ここまで己を責める言葉を繰り返すほどに追い込まれているのか。どうにも、今回の事は、ヴィルヘルミナが己を巫女とする神に願い、戦と武技が言葉を伝えたという以上の物があるには違いない。
此処までにも、鬱屈とするだけの事があり、それ故だろうと考えている。だからこそ、それを少しでもとオユキは考えているのだ。
トモエに言われて、改めて考えた今回の決着。
戦と武技の神を、降ろして望むのだとすれば。
それは、この手弱女に対してかつてオユキが行った方法。任命したのだから、その柱に対して正統を示すことを求める。それ以外の決着を考えていない。
だが、どうにも、話を聞く限りでは、目の前の巫女では無理なのだろうとその予想もある。
「ヴァレリー様は、戦と武技の巫女として、そう考えても」
「オユキ様、それはいったいどのような」
「いえ、王族としての責務と巫女としての責務、これが相反するものだとしたときに」
まずは、オユキは確認しなければならないことがあるのだ。
何故、この目の前の少女がそれを行えないのか。オユキだけではない。アイリスも、種族が違う、保有しているマナの量が違う。だとしても、巫女であれば祭祀の際に、行えることなのだ。行わなければならない事だと、聞いていることなのだ。
「どちらを選ぶのでしょうか」
だが、目の前の相手、ヴァレリーと名乗るこの人物。その人物を見ても、オユキにはその気配が感じられないといえばいいのだろうか。
巫女として、歌と踊りを与えられるはずなのだ。オユキとアイリスに関しては、トモエもいるために剣舞としての動きをトモエから習っている。だが、身の回りでいえば、未だにそのように呼ばれていないアナですら月と安息から舞としての動きを与えられている。本人に自覚が無いというのに。
それがないこの目の前の人物。巫女と名乗り、それを咎められることがない以上は、確かにそうなのだろう。勿論、咎めたてされる事は無いのかもしれないのだが、確かにオユキは己に、アイリスに共通するものがありそうだとそれは感じている。
だが、同時に疑念を覚えるのだ、目の前の相手に。
「その、御身の悩みは理解できましたので」
トモエとエステールに整えられて、改めて戦と武技の巫女を迎えてみれば。席に着き、まずは軽く挨拶をとそうオユキが口にするよりも先に、これまた怒涛のように謝罪の言葉を述べられて。
未だに、名前の交換すらしておらず、彼女の隣に座るアベルにしても困った様子。
そんな二人を前に、オユキも何とはなしにアイリスが早々にファンタズマ子爵として借り受けている屋敷に逃げてきた理由に思い至る。確かに、彼女にしてもここまで自罰的な相手がおり、同じく巫女としての位を持っているアイリスにこのように延々と謝罪の言葉を涙ながらに述べられるというのは、困ったことなのだろう。
目には涙を浮かべ、滔々と続けられる言葉にオユキとしてもなすすべがないとでもいえばいいのだろうか。さらに困ったことには、同じ巫女とはいえ相手は他国の王女でもあるのだ。王家に仕える近衛であるシェリアとタルヤにしてもはっきりと困ったといわんばかりの空気を湛えている。そして、視線が向かう先は同じく王家の血を引き公爵家の当主でもあるアベルになるのだが、そのアベルにしてももはや術がないとでも言わんばかりの表情を返してくるばかり。
彼にしてみれば、同じ巫女としてどうか話を聞いてくれと、そう言いたのだろう。
「その、トモエさん」
「私は、流石に言葉を挟むつもりは」
「いえ、いっそのこと」
「オユキさん、体調が少しは回復してきているとはいえ」
「ですが、このままでは埒が明かないのでは」
オユキは、隣に座るトモエに対して割と真剣に。
そもそも、目の前に座る相手にしても、見た目通りというのならばトモエとほとんど変わらない年齢だろう。そんな人物が、勿論かつての基準に照らし合わせれば未成年ではある。だが、王族としての教育を受けたはずの人物が何故ここまでと、オユキにしても甚だ疑問を覚える程なのだ。
かつての、王弟、武国の公爵であり今も目の前に座っているアベルの父親。その人物が仕込んでいったことを、オユキとしては考えてしまう。オユキでは、間違いなくオユキでは届かない視座を持つ人物。今回の事にしても、あのアダムという存在が引き起こした事には違いない。今後の事を考えたときに、国交が閉ざされることをあの人物が望むなどとは考えられない。
神国に利するために、それが行動の基底に存在していることは間違いが無いのだ。
狩猟者ギルド、王家にというよりも今は無きサグレダ公爵家からの人員だろう者、それを置いておくにしても武国に対して配慮を見せる者たちが多い。此処までの間で、特別利益が無いだろうというのに。
オユキの想定としては、処罰を行いたいと考えている者たち。あの人物が、改めて武国での発言権を確保するために政敵とまではいわないが、それに類する人物たちを送り込んできたのだろうと、その程度の事は確かに考えている。だが、前回の事もありそれだけでは無いのではと、どうしても疑わずにはいられないのだ。それすらも、そうしてオユキが考えることが、悩むことこそが目的なのだったとしても。
オユキの脳裏に、どうしてもミズキリの影がちらつくこともある。
「オユキさんは、どうしたいのですか」
「私が、ですか」
目の前では、最早面会を申し出たというのに、トモエとオユキではない何かを見ながら己の事を話す巫女。成程、そうなるだけの理由がある事は、オユキも理解した。トモエにしても、これまでに出会った相手と比べて目の前の巫女は、戦と武技の巫女であるにもかかわらず陸に武器も持っていない、鍛錬も重ねていないというのは理解が及んでいる。そこに来て、武国における決闘法等と言うものの存在を聞いたこともある。
巫女としての正しさを示すためには、あちらの国では神が降ろせないのならば己の刃を持ってと言われることだろう。振り返ってみれば、オユキにしても疑われたときに、戦勝しているのではないかと言われた時には任せてみたものだ。
「さて、武国よりこうして私どもを訪ねてくださった、貴き御方、神殿にて同じ神を奉じ、異邦から来た故ではなく貴国での奉仕を認められたが故位を得たお方」
一度吐き出させた方が、そんな事を確かに一度は考えたのだが流石にこうして己の事ばかりを口にされてしまうと、オユキとしても気が滅入る。
鍛錬の不足、己が望もうともそれよりもと言われる多くの事。
それに関してはオユキも同じ問題を抱えてはいるのだが、やはりオユキがそれを口にするのは限られたときにだけ。本当にどうしようもなく疲れてしまったときに、トモエにそっと頭を預けて。眠る時に、寝台で頭を並べるのではなく、トモエの方に己の頭を預けて少しといった程度。
「どうか、そこまで己を卑下なされませぬよう、私からもお願い申し上げます。然しながら、御身がそこまで思いつめておられる、鍛錬をと望まれているというのに、その理由の一端でもお聞かせ願えれば私から献策させて頂けることがあるのではないかと」
未だに名前も知らない、いや、手紙やアベルから一応オユキは聞かされてはいるのだが、互いに自己紹介もしていない現状では、名前を呼ぶこともできない。最終手段、それについては、一応トモエから何を求めた上で行うのか、逸れさえ決まったのならば問題はなかろうと、許可を得られたこともある。
だが、オユキとしては、目の前の人物が何を求めるのか、それを聞いたうえでとしても良いとは思うのだ。
鍛錬を行う、それをするときにはオユキはトモエに頼まねばならない。そうなってしまえば、戦と武技の巫女にトモエが教えるのはこれで三人目。確かに、彼の神から伝道者としての位を与えても良いとそう言われてはいる。だが、そうなってしまえば他にも巫女がいるのならば、トモエの下に一度預けなければとそうした流れとて生まれてしまう。
オユキにとっては、許しがたい流れが。
一度、トモエの意見を退けているから、勿論それもある。だが、最も大きいところは、巫女なのだ。
すっかりと自覚が生まれてしまった事でもあるのだが、オユキは叶うならそうした者たちをトモエに近づけたくはないのだ。こちらの国でそれが望まれていないのは、権力にものを言わせてとなっていないのは一応理由付けの出来る事。だが、その理由を持つ相手であればその限りではないのだと理解が出来てしまうからこそ。
なんとなれば、トモエには是非とも席を外していて欲しいというのに。
「巫女様」
「同じ位を持つ方に、そのように呼ばれてしまうと私としても困ってしまうのですが」
「これは、失礼しました。改めまして、ヴァレリーと申します」
「ヴァレリー様、私は異邦からの者でオユキと」
家名を名乗らないのは、神殿に入る時に名乗らぬと決めたのか。
これまで、オユキが出会ってきた相手にしても、巫女は確かに己の名前だけを名乗っていた。勿論、相手によっては神から与えられる使えるものとしての名を間に、位を家名代わりにしている者たちもいたのだが。
「ソーサレス、でしたか。巫女に与えられる位としての物は」
「はい。私もかの神より名乗ることをお許しいただいております。祭祀の際には、そのように呼ばわれる身であることも事実なのですが」
「祭祀の時には、ですか」
「巫女たるこの身ではありますが、真摯にお勤めをなさる方々に比べて、私は」
「ああ、いえ、その、責めているわけではなく、単純に疑問として、何分異邦からこちらに来た身の上ですので」
何を切欠に、また彼女がつらつらと己の想いを述べ始めるかわからないために、瞳が、気配が揺れたとオユキが感じた段で早々に割って入る。
オユキとしても、己よりも遥かに高位の相手に対してそのような振る舞いを行うというのは、少々精神をすり減らす振る舞いではあるのだが、行わないよりは良いとして。
そもそも、王族が何故ここまで己を責める言葉を繰り返すほどに追い込まれているのか。どうにも、今回の事は、ヴィルヘルミナが己を巫女とする神に願い、戦と武技が言葉を伝えたという以上の物があるには違いない。
此処までにも、鬱屈とするだけの事があり、それ故だろうと考えている。だからこそ、それを少しでもとオユキは考えているのだ。
トモエに言われて、改めて考えた今回の決着。
戦と武技の神を、降ろして望むのだとすれば。
それは、この手弱女に対してかつてオユキが行った方法。任命したのだから、その柱に対して正統を示すことを求める。それ以外の決着を考えていない。
だが、どうにも、話を聞く限りでは、目の前の巫女では無理なのだろうとその予想もある。
「ヴァレリー様は、戦と武技の巫女として、そう考えても」
「オユキ様、それはいったいどのような」
「いえ、王族としての責務と巫女としての責務、これが相反するものだとしたときに」
まずは、オユキは確認しなければならないことがあるのだ。
何故、この目の前の少女がそれを行えないのか。オユキだけではない。アイリスも、種族が違う、保有しているマナの量が違う。だとしても、巫女であれば祭祀の際に、行えることなのだ。行わなければならない事だと、聞いていることなのだ。
「どちらを選ぶのでしょうか」
だが、目の前の相手、ヴァレリーと名乗るこの人物。その人物を見ても、オユキにはその気配が感じられないといえばいいのだろうか。
巫女として、歌と踊りを与えられるはずなのだ。オユキとアイリスに関しては、トモエもいるために剣舞としての動きをトモエから習っている。だが、身の回りでいえば、未だにそのように呼ばれていないアナですら月と安息から舞としての動きを与えられている。本人に自覚が無いというのに。
それがないこの目の前の人物。巫女と名乗り、それを咎められることがない以上は、確かにそうなのだろう。勿論、咎めたてされる事は無いのかもしれないのだが、確かにオユキは己に、アイリスに共通するものがありそうだとそれは感じている。
だが、同時に疑念を覚えるのだ、目の前の相手に。
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