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32章 闘技大会を控えて
他方では
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オユキが、冬と眠りに加えて異空と流離、知識と魔といった柱たちと話し込んでいる一方で。肉を主体として好む者たち、食の嗜好がいよいよもって異なる者たちの席では、一度それぞれに食欲を満たした後に漸くとでもいえばいいのか。
「少し、難しいのだ。そればかりは」
そして、何が真っ先に話題に上がるのかといえば、アイリスの願いとカリンの願い。戦と武技が目をかけている二人が、切に望んでいる事。近々、それこそあとひと月と半分もする頃には、開催される闘技大会。今こうしてそれを語る神の名のもとに開かれる、加護を排し磨き上げた己という存在だけで競う舞台。そこで、オユキが一体どういった形で参加するのかとそれに尽きる。
「神々は、人の自由な意思を、ですか。しかしながら、神よ、我が祖の父たる御方よ」
「言いたい事は分かる。しかし、既に判断がなされた。その判断は、我では無いのだ。法と裁きが、各々の肉体が、物質としてこちらに存在した時を容赦なく測る。精神というものを、心というものを、魂というものを我らが移せぬ様にと定めたこともあり、それは一つの明確な指標なのだ」
「魂ではなく、魄の歳月を計ってと言う事ですか。ですが、それを持たぬ種族もこちらには」
「確かにおるのだが、それらの種族は我の作る舞台にはたてぬ」
どうやら、例外とでもいえばいいのか。そうした種族もきちんと存在しているらしい。トモエとしても、話を聞いた時に間違いなく人よりも遥かに長い時を過ごすアイリスに真っ先に視線を移した事もある。トモエからの視線に関しては、すっかりとオユキから学んだらしい何ら問題が無いと前回は舞台に立てた以上は問題が無いとそうした様子。オユキの悪癖と呼べるようなものではなく、ミズキリから言われた処世術の類ではあるのだが、それをアイリスも学んでいる物であるらしい。トモエとしては、これでまた身近に厄介が増えたと考えてしまうものだが。
「ですが、御身が改めて言葉をとすれば」
「それを真に望むのであれば、我よりも先に説き伏せるべき者が居る。確かに、我は人の自由を認めておる。我の心に適わぬからと、望む者が多ければ良しとする。だが、此度ばかりはそうでは無い」
そして、戦と武技の視線が、オユキの参加を良しとしない相手に、己の教えを広める事を位として与えても良いと考えているのだとそう話す人物に向く。
「皆さん、気が付いていなかったのですか」
だが、トモエとしては、心底不思議だと首をかしげるしかない。
「闘技大会の開催にあたって、形式に関してというのは勿論私に相談があったものですが」
そう、トモエにも、初回の大会における勝者に勿論相談というのは来ている。そして、体格ではなく、年齢で分ける事を勧めたのはトモエだ。オユキの年齢、ギルドに登録されたときにオユキにははっきりと明示されたはずの年齢。それよりも先に、互いに互いの姿をと話したときに、トモエが決めた姿なのだ。いくつにしたかなど、トモエは当然知っている。自覚して行った事だ。だから、今回年齢で分けるとしたときに、こちらでの成人が一体幾つからかを知った時に、トモエははっきりと決めたことがある。今後にしても、どうにかオユキを説得する事の筆頭として決めたことが。
「オユキさんと死合を望むのは結構。ですが、その前には当然私を超えてもらわねば困ります。せっかくの機会です、私からそれを奪うつもりだというのならば、ええ、私を是非とも下してからとして頂けますか」
トモエは、はっきりと意識をして威を放つ。
今この瞬間というよりも、オユキがはっきりとトモエを望む得難い機会なのだ。それを何故、他の者たちに与えなければならないのか。練習の場、トモエに向かうための踏み台として使う事はある。所詮はその程度の相手だと、今のオユキにとっては程よい相手だとしかトモエには感じられない二人。そんな者たちが、何故トモエから機会を取り上げようなどと考えるのか。そして、もう一人。前回オユキに打ち破られた、それを今回は等と考えている愚かな男に対しても。
「お前は、オユキを飾る花と」
「はっきりと申し上げておきますが、オユキさんは前回にしても私と向き合う場ではやはり万全ではありませんでした」
「それは、いや、言わんとすることは分かるのだが」
そして、前回の形式とでもいえばいいのだろうか。年齢制限が無い状況で開かれる大会では、オユキにとって、今のオユキにとってやはり過剰なのだ。本人はそんな事は無いと、何時かカリンが語った様にその場における自分は万全であったと語るだろう。だが、トモエから見れば、やはり根深い疲労がそこにはあったのだ。ただでさえ、そこまでの間にオユキからは相応にマナなどが奪われていたのだ。食事にしても、こちらに来てからというもの顕在化はしていなかったが、それでもかなりの不足はあったのだ。
今に至っては、はっきりと自覚が出てしまったために、己の万全という状態もはっきりと自覚が及んでいることだろう。それこそ、こちらに来たばかり。トモエと並んで歩くのではなく、少なくともトモエの前を歩いていられた時がオユキにとって万全であったのだ。そこから、いきなり足をくじき、食事も陸に取れず。それで日々弱っていくことは確かになかったのだが、覿面に動きが少し鈍くなったというものだ。
トモエは、オユキの願いを知っている。
トモエこそ、オユキの未練を誰よりも知っている。
過去に、散々にトモエに対して語った言葉もあり、見せた態度もある。それにしても、あくまでわずかな物とするだけの矜持をもって、トモエとトモエの父の為にと心を砕いた姿を知っている。
今、そうした者を両親が間違いなくかかわっていたことだからと、こちらの世界に足しても向けているのだという理解はトモエもしている。だが、それ以上に。
「オユキさんにも、少しは楽しみがあっても良いかとは考えています。ですが」
そう、トモエとしてもオユキがこちらを選ぶだろうとは考えていた。そして、独りでこちらにとしてしまったときにはどうなるかなどと考えたときに、陸でも無い結末しか思いつきはしなかった。そして、トモエがいる事で僅かに解消が出来ていたはずの事が、最早そうでは無い。ならば、やはり別でオユキのために必要な事、オユキがこちらで楽しめる事というのがやはり必要になってくる。
そして、オユキを求める者たちに対して、ただただお前たちでは全くもって足りないのだと。トモエの放つ威圧に対して、あまりにも鮮烈な殺気に対して抵抗しようとはするものの揃いも揃ってトモエに威を返すこともできていない。三者三様に、額に汗を浮かべてとその程度。
「覚悟が足りていない、決意も無い。そんな相手に、私が私の連理を預けるなどと本気でお思いか」
それでは、まるで。
トモエだけでなく、オユキまでもがその想いを愚弄されているようではないかと。
「そこまでにしておけ。流石に、そこまで剣呑な気配というのは、この席にはそぐわぬだろう」
「そう、ね。私も、自分が目をかけている子については、あなたも想像している子については結局はそちらの道ではないからこそ、私の子として選んでいるのだもの」
華と恋にそう評されて、何やら歯噛みしている相手をしり目に。
「そちらのお二方も、オユキさんを求めるというのであれば、私以上にオユキさんを楽しませられるのだと、最低限その程度は見せて頂かねば」
かつてのアベルとの戦いは、オユキが振り変える事は無かった。つまりは、オユキにとっては義務以外の何物でもない、トモエとの場に足を進めるために已む無くとして行ったことでしかない。
今回、オユキが納得せざるを得ない言い訳というのは、確かにトモエが用意した。では翌年以降は如何にするのかといえば。
「今回を飛ばせば、オユキさんの種族、その中でも長と呼べる方がいます。カナリアさんもいます。運ぶこと、風翼の礎を得たとして、それを自分ではなく、他の方に任せる事を今はオユキさんも納得しています」
つまりは、それが無かったとしても、トモエはそこまでにオユキの体調を戻すことを考えてはいた。そのために、アルノーと協力して、色々と料理に関しても考えた。オユキでも食べられるだろう、苦手を覚えないだろう食材を異邦からの二人に頼んで集めても貰った。こちらの世界では、まだそこまで活用されていないというよりも、魔物から得られるものでは無く、人が己で作らなければならない者であるため、相応の金額になる食材たち。だからこそ、神国では加工をあまり考えず、そのままのほうが良いなどとされていた食材。僅かでも、一縷の望みだとしても。トモエが、オユキの為にと行わない理由が無いのだ。
「ええ、一年もあれば、少々のことがあったとして、氷の乙女なる種族の協力が無かったとして。何事も無ければ、成長に合わせて、体力の回復も望めたでしょう。何より、今の時分に、肉体的には成長期ですから」
中身はともかく、この時期に食べない事をオユキが常としてしまえば、そこで実にはっきりと問題も起こるというものだ。
「少なくとも、今回に関しては、私はオユキさんが参加する事にも否定的です」
そもそも、とでもいえばいいのだろうか。トモエは、既にオユキに伝えているのだ。当日までに万全とならないのであれば、参加も認めないと。そして、トモエの認める万全な状態というのは、こちらに来た時。加えて、此処までの間に見た少年たちの成長文までを含めた物をオユキが得られればという話だ。勿論、オユキが少年たちと全く同じではない、他の事を目指している。そうしたことも考慮したうえで判断を行いはするのだが、それにしてもトモエよりもはっきりと判定を行える存在がいる。夢で遊んだことで、それについては認めさせてもいる。
そして、戦と武技が、今回はトモエの意見を優先としている以上は、トモエの判断が覆る事は無い。そして、戦と武技にしても、人の意志を認めるが故に、オユキが己をトモエに預ける以上は、今回の結果となるのだ。
「ですから、皆さんも、あまりオユキさんに無理を言わないでくださいね」
遊ぶくらいであれば、認めてあげますよと。トモエからは、はっきりと牽制を送った上で。
「少し、難しいのだ。そればかりは」
そして、何が真っ先に話題に上がるのかといえば、アイリスの願いとカリンの願い。戦と武技が目をかけている二人が、切に望んでいる事。近々、それこそあとひと月と半分もする頃には、開催される闘技大会。今こうしてそれを語る神の名のもとに開かれる、加護を排し磨き上げた己という存在だけで競う舞台。そこで、オユキが一体どういった形で参加するのかとそれに尽きる。
「神々は、人の自由な意思を、ですか。しかしながら、神よ、我が祖の父たる御方よ」
「言いたい事は分かる。しかし、既に判断がなされた。その判断は、我では無いのだ。法と裁きが、各々の肉体が、物質としてこちらに存在した時を容赦なく測る。精神というものを、心というものを、魂というものを我らが移せぬ様にと定めたこともあり、それは一つの明確な指標なのだ」
「魂ではなく、魄の歳月を計ってと言う事ですか。ですが、それを持たぬ種族もこちらには」
「確かにおるのだが、それらの種族は我の作る舞台にはたてぬ」
どうやら、例外とでもいえばいいのか。そうした種族もきちんと存在しているらしい。トモエとしても、話を聞いた時に間違いなく人よりも遥かに長い時を過ごすアイリスに真っ先に視線を移した事もある。トモエからの視線に関しては、すっかりとオユキから学んだらしい何ら問題が無いと前回は舞台に立てた以上は問題が無いとそうした様子。オユキの悪癖と呼べるようなものではなく、ミズキリから言われた処世術の類ではあるのだが、それをアイリスも学んでいる物であるらしい。トモエとしては、これでまた身近に厄介が増えたと考えてしまうものだが。
「ですが、御身が改めて言葉をとすれば」
「それを真に望むのであれば、我よりも先に説き伏せるべき者が居る。確かに、我は人の自由を認めておる。我の心に適わぬからと、望む者が多ければ良しとする。だが、此度ばかりはそうでは無い」
そして、戦と武技の視線が、オユキの参加を良しとしない相手に、己の教えを広める事を位として与えても良いと考えているのだとそう話す人物に向く。
「皆さん、気が付いていなかったのですか」
だが、トモエとしては、心底不思議だと首をかしげるしかない。
「闘技大会の開催にあたって、形式に関してというのは勿論私に相談があったものですが」
そう、トモエにも、初回の大会における勝者に勿論相談というのは来ている。そして、体格ではなく、年齢で分ける事を勧めたのはトモエだ。オユキの年齢、ギルドに登録されたときにオユキにははっきりと明示されたはずの年齢。それよりも先に、互いに互いの姿をと話したときに、トモエが決めた姿なのだ。いくつにしたかなど、トモエは当然知っている。自覚して行った事だ。だから、今回年齢で分けるとしたときに、こちらでの成人が一体幾つからかを知った時に、トモエははっきりと決めたことがある。今後にしても、どうにかオユキを説得する事の筆頭として決めたことが。
「オユキさんと死合を望むのは結構。ですが、その前には当然私を超えてもらわねば困ります。せっかくの機会です、私からそれを奪うつもりだというのならば、ええ、私を是非とも下してからとして頂けますか」
トモエは、はっきりと意識をして威を放つ。
今この瞬間というよりも、オユキがはっきりとトモエを望む得難い機会なのだ。それを何故、他の者たちに与えなければならないのか。練習の場、トモエに向かうための踏み台として使う事はある。所詮はその程度の相手だと、今のオユキにとっては程よい相手だとしかトモエには感じられない二人。そんな者たちが、何故トモエから機会を取り上げようなどと考えるのか。そして、もう一人。前回オユキに打ち破られた、それを今回は等と考えている愚かな男に対しても。
「お前は、オユキを飾る花と」
「はっきりと申し上げておきますが、オユキさんは前回にしても私と向き合う場ではやはり万全ではありませんでした」
「それは、いや、言わんとすることは分かるのだが」
そして、前回の形式とでもいえばいいのだろうか。年齢制限が無い状況で開かれる大会では、オユキにとって、今のオユキにとってやはり過剰なのだ。本人はそんな事は無いと、何時かカリンが語った様にその場における自分は万全であったと語るだろう。だが、トモエから見れば、やはり根深い疲労がそこにはあったのだ。ただでさえ、そこまでの間にオユキからは相応にマナなどが奪われていたのだ。食事にしても、こちらに来てからというもの顕在化はしていなかったが、それでもかなりの不足はあったのだ。
今に至っては、はっきりと自覚が出てしまったために、己の万全という状態もはっきりと自覚が及んでいることだろう。それこそ、こちらに来たばかり。トモエと並んで歩くのではなく、少なくともトモエの前を歩いていられた時がオユキにとって万全であったのだ。そこから、いきなり足をくじき、食事も陸に取れず。それで日々弱っていくことは確かになかったのだが、覿面に動きが少し鈍くなったというものだ。
トモエは、オユキの願いを知っている。
トモエこそ、オユキの未練を誰よりも知っている。
過去に、散々にトモエに対して語った言葉もあり、見せた態度もある。それにしても、あくまでわずかな物とするだけの矜持をもって、トモエとトモエの父の為にと心を砕いた姿を知っている。
今、そうした者を両親が間違いなくかかわっていたことだからと、こちらの世界に足しても向けているのだという理解はトモエもしている。だが、それ以上に。
「オユキさんにも、少しは楽しみがあっても良いかとは考えています。ですが」
そう、トモエとしてもオユキがこちらを選ぶだろうとは考えていた。そして、独りでこちらにとしてしまったときにはどうなるかなどと考えたときに、陸でも無い結末しか思いつきはしなかった。そして、トモエがいる事で僅かに解消が出来ていたはずの事が、最早そうでは無い。ならば、やはり別でオユキのために必要な事、オユキがこちらで楽しめる事というのがやはり必要になってくる。
そして、オユキを求める者たちに対して、ただただお前たちでは全くもって足りないのだと。トモエの放つ威圧に対して、あまりにも鮮烈な殺気に対して抵抗しようとはするものの揃いも揃ってトモエに威を返すこともできていない。三者三様に、額に汗を浮かべてとその程度。
「覚悟が足りていない、決意も無い。そんな相手に、私が私の連理を預けるなどと本気でお思いか」
それでは、まるで。
トモエだけでなく、オユキまでもがその想いを愚弄されているようではないかと。
「そこまでにしておけ。流石に、そこまで剣呑な気配というのは、この席にはそぐわぬだろう」
「そう、ね。私も、自分が目をかけている子については、あなたも想像している子については結局はそちらの道ではないからこそ、私の子として選んでいるのだもの」
華と恋にそう評されて、何やら歯噛みしている相手をしり目に。
「そちらのお二方も、オユキさんを求めるというのであれば、私以上にオユキさんを楽しませられるのだと、最低限その程度は見せて頂かねば」
かつてのアベルとの戦いは、オユキが振り変える事は無かった。つまりは、オユキにとっては義務以外の何物でもない、トモエとの場に足を進めるために已む無くとして行ったことでしかない。
今回、オユキが納得せざるを得ない言い訳というのは、確かにトモエが用意した。では翌年以降は如何にするのかといえば。
「今回を飛ばせば、オユキさんの種族、その中でも長と呼べる方がいます。カナリアさんもいます。運ぶこと、風翼の礎を得たとして、それを自分ではなく、他の方に任せる事を今はオユキさんも納得しています」
つまりは、それが無かったとしても、トモエはそこまでにオユキの体調を戻すことを考えてはいた。そのために、アルノーと協力して、色々と料理に関しても考えた。オユキでも食べられるだろう、苦手を覚えないだろう食材を異邦からの二人に頼んで集めても貰った。こちらの世界では、まだそこまで活用されていないというよりも、魔物から得られるものでは無く、人が己で作らなければならない者であるため、相応の金額になる食材たち。だからこそ、神国では加工をあまり考えず、そのままのほうが良いなどとされていた食材。僅かでも、一縷の望みだとしても。トモエが、オユキの為にと行わない理由が無いのだ。
「ええ、一年もあれば、少々のことがあったとして、氷の乙女なる種族の協力が無かったとして。何事も無ければ、成長に合わせて、体力の回復も望めたでしょう。何より、今の時分に、肉体的には成長期ですから」
中身はともかく、この時期に食べない事をオユキが常としてしまえば、そこで実にはっきりと問題も起こるというものだ。
「少なくとも、今回に関しては、私はオユキさんが参加する事にも否定的です」
そもそも、とでもいえばいいのだろうか。トモエは、既にオユキに伝えているのだ。当日までに万全とならないのであれば、参加も認めないと。そして、トモエの認める万全な状態というのは、こちらに来た時。加えて、此処までの間に見た少年たちの成長文までを含めた物をオユキが得られればという話だ。勿論、オユキが少年たちと全く同じではない、他の事を目指している。そうしたことも考慮したうえで判断を行いはするのだが、それにしてもトモエよりもはっきりと判定を行える存在がいる。夢で遊んだことで、それについては認めさせてもいる。
そして、戦と武技が、今回はトモエの意見を優先としている以上は、トモエの判断が覆る事は無い。そして、戦と武技にしても、人の意志を認めるが故に、オユキが己をトモエに預ける以上は、今回の結果となるのだ。
「ですから、皆さんも、あまりオユキさんに無理を言わないでくださいね」
遊ぶくらいであれば、認めてあげますよと。トモエからは、はっきりと牽制を送った上で。
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