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31章 祭りの後は
朝食を食べに
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朝からゆっくりと湯船につかり、そこでしっかりと話し合いの場を一度持って。オユキとしては、トモエの許可が得られたのならと、トモエ自身がそれを望むのならと今後は体調の回復に併せて門を望むことを決めた。何よりも、神殿を訪うのはトモエの目的でもあったのだが、オユキ自身両親を探すためには各神殿に遺されている両親からの手紙を集める必要があるからと。
「互いの目的が同じになった、それを喜ぶ心はあるのですが」
「トモエさんの不安は、私も分かります。だからこそ」
「既にある物と、新しく用意する物、その差はどうなのでしょうか」
長いオユキの髪を洗いながら、トモエは今思いつく己の不安をまずはとばかりに口にする。こちらに来てからという物、オユキの髪の手入れはすっかりとトモエの仕事になっている。不思議な事と言えばいいのだろうか。これまでは、疑問ではあったのだが氷の乙女とセツナが己を呼び、オユキを幼子と呼ぶからようやく得心の言ったこともある。発現形質が人だと言われているというのに、オユキの髪の長さが一定であった事、それがようやくトモエの中でも腑に落ちた。整えるために、長すぎるために、オユキ自身が頓着しないために、降ろしている間に椅子に座ることもあり、その度に毛先が地面を擦る。そうしていたんだ毛先を、トモエが整えてとしていたのだが、それ以外で長さを変えていないのだ。だというのに、たまにオユキの髪をそうして切った時にばかり元の長さに戻っていた。トモエのほうは、しっかりと日々伸びているというのに。
「公爵様が既に手に入れている、その事実がありますから」
「巫女としてではない、それを当てにしますか」
「悲観をすれば、それこそどうにもならない事ですから。私としても、正直な所」
「オユキさんとしては、翼人種との交流の結果として、そう考えているのですね」
オユキのほうでは、マリーア公爵が既に得た門というのは、そうしてもたらされたのだと考えているらしい。大量に、それこそ食事が別に必要ないなどと嘯く種族に対して娯楽としての食糧を、他の装飾などをどの程度贈ったのかもわからない。いくら一つの家として考えたときに過剰な金銭を持っている等と言ったところで、広大な領地を持つ公爵家に叶うはずもないと、それくらいの事はオユキも理解しているには違いない。だというのに、そこに活路を見出す程度にはオユキ自身はっきりとこれまでの事に対して辟易としているらしい。
それでも、トモエが望むならとこれまで無理を重ねてきたのだろう。それについては、トモエははっきりと喜びを覚える。それほどに、己がすいている相手が己の為にと行ってくれるのだ。それを喜ばずに、何を喜びとするのかとトモエははっきりとそう応えるだろう。
「どうしましょうか、オユキさんが難しいようでしたら」
「その、私はと言いますか」
「そのあたりは、難しい物ですよね」
オユキは、あまりにも明確に嫌われている。我欲がと言われてはいるのだが、それを失ってしまえば間違いなく種族としてどうにもならないのが氷の乙女という物であるらしい。木精達が相しているように、クレドにしてもセツナに見初められることでかなり寿命を延ばしている気配をトモエは感じている。感情の薄さと言えばいいのだろうか。長く生きたが故の、起伏の少なさとでもいえばいいのだろうか。そうした、己の老境に至るまでの過程にあった、未知が既知に変わることで積もっていた無感動。そうした物をクレドからは強く感じるのだ。感情が動くのは、それこそ己の伴侶が喜びを得たときくらい。もしくは、己の係累がたまに顔を見せて、もしくは常に新鮮な驚きをくれる幼い孫が、その先が己の下を訪れたときに。
「では、私が少し話してみましょう」
「切欠は、話の流れについては私からカナリアさんにお尋ねしてみますので」
「私からは、フスカ様でしょうか、それとも」
「パロティア様も、恐らくは長老と呼ばれる方々の内の一人かとは思うのですが」
実際のところ、そのあたりの話もまだ終わっていない。カナリアは確かにこちらに既に着ているのだが、その後見というよりも、種族としての事を伝える役割を持っているパロティアはまだ魔国には来ていない。神国で、どのような用意があるのかは分からないのだが、案外ととトモエが思う事はあるのだ。
そうして話しながらも、オユキの髪の手入れが終わったからと、何処か気持ちよさそうに嬉しそうにオユキがするものだから、甘やかしていると分かりながらも、トモエとしても楽しい時間が終わりを迎えたので、互いに浴槽にしっかりと体を入れて肩を寄せる。最も、かなりの慎重さがあるために事前にオユキ用に浴槽に椅子を入れなければいけないのが、また難しいところではあるのだが。
「トモエさんが、良しとしてくれている、それだけで私としても嬉しい事ですから」
「オユキさんは、このあたりの事は」
「はじめて、両親からの手紙を得たときには流石に。そのあと、幾度も読み返しているうちに、でしょうか」
「であれば、オユキさん」
トモエとしても、このあたりの話に関しては、正直な所オユキを整える前に済ませておきたい事ではあるのだ。
「ええ。今後は、任せてしまいましょう。今度の事、その結果を見なければなりませんが」
「華と恋、そちらには既に出発してくれているのでしょう。他となれば、ローレンツ様にと」
「あまり、子供がいる方を遠方にというのは」
「その、花精の方々はどうにも私達とは感性が違いすぎると言いますか」
まさに産めよ増やせよ、そういった種族。
「魂の総量でしたか」
「木々や花に連なる方々については、どうにも別の理屈と言いますか」
「いえ、己を分けてと言う事であれば、それこそ私たちにしても変わらない思いではあるはずです」
かつての事をトモエは想い、オユキの考えを切り捨てる。だが、オユキとしても言い分というのはあるのだ。
「ええ、それを汲んだ結果というのを、私たちは見ているはずです」
「それは、いえ、確かにそうした理屈もありますか。ですが」
「はい。度し難いと、私自身もそう思いますが」
互いに、明確な怒りがはっきりと向かい始めている、そんな自覚はある。彼らにしても、言い分というのはあるのだろう。オユキが聞いたという話にしても、それに関してはまさに話にならないとそういった状況だったとは聞いている。だが、過去から変わらぬ敬虔な信仰を持つ者たちが、この世界ではっきりとその存在を否定されて。それでもあきらめることなくと、そうあるのであれば。トモエも、オユキも。かつては緩い信仰しか持たなかった者達ではあるのだが、こちらで少年たちと、他の者たちと触れる中で与えられるもの以上に大切にしているのだとそれを改めて思い知らされている。だからこそ、そうした物に慣用にはなっているのだ。彼らが抱く想い、それにも理解を覚えている。ただ一柱の神を認めて、こちらにいる他を一切認めない。そちらに対して攻撃を行うというのであれば、それは神が直接対応する話。神々では無くて、人に恨みを向けるのであれば、そちらに対してはやはり容赦が出来ないといった話でもある。
それこそ、融和といった形ではないが、人の想念で神々が生まれるとそうした話が否定されているわけでもない。それを糧に、改めてこちらの世界でとしてもらう分にはトモエもオユキも気にはしない。寧ろ、望まれるのであれば後押しをとくらいには思うのだ。かつての世界で、一体どれだけ信仰をもとに作られた美術品を楽しんできたのか。建造物に、ため息を漏らしてきたのか。今となっては、懐かしさすら覚えるそれら。遠い世界、当時はやはり理解が及ばなかった数々の美しい物。それらを生み出す動機となったというだけで、トモエにも、オユキにも。手伝うには十分すぎる程の理由にはなるのだから。
「では、そろそろ食事にしましょうか」
「そうですね」
「オユキさんは、夕べ口にしていませんし、その分今朝も少し多めにとしたいところですが」
トモエに言われて、オユキは改めて己の体に対して意識を向けてみる。
「ええと」
「オユキさん」
「いえ、理解はしているのですが」
オユキにしてみれば、はっきりと言えることが一つある。
この世界に来てからというもの、オユキは空腹を覚えると言う事がなくなっている。食べなければどうなるのか、それを確かめてみたいという欲求も僅かにあるのだが、トモエがいる以上はそれが許される事は無い。
「どうにも、空腹を覚えることが減っていると言いましょうか」
「全くないと、そう言いたげなのは気になりますが、無理にでも食べねばなりませんよ」
トモエにしてみれば、食事にしても鍛錬の一環。再三にわたって、オユキに伝えていたこともあるし、惨憺たるオユキの過去に対して苦言を呈したのもトモエ。だからこそ、こちらでもそれを許すつもりはない。トモエの眼から見て、問題として挙げられることと言えばいいのだろうか。すっかりと部屋が整っていることもあり、寧ろ食事を抜いたことで調子がいいのだと、オユキがそうした誤解を生んでしまう事が気がかりではある。
「わかってはいるのですが」
湯船から、オユキを引き上げながらも、気乗りしないとそう言わんばかりの様子にトモエとしても内心で溜息を一つ。この辺りは、本当に昔と変わらない、そんな事をやはりトモエは思うのだ。トモエの作る物は喜んで口にしたものだが、それ以外は必要な栄養価が確保できればそれでよいとばかりに興味を持たなかったのだ。こちらに来てから、少年たちの手前、近衛たちの視線の圧に負けてオユキは口に運んでいる。
トモエとしても、オユキの好きな物をとくらいには考えるのだがトモエの手から離れて久しい事もある。こちらにきてからというもの、料理の機会は減っており、ここ暫くはどうにか一食分、夜眠る前の食事だけはとしていた。そこまでを考えて、トモエとしてはなるほどと思えるところもある。昨夜、トモエがオユキを無理に寝かしつけた、そこでトモエが作った料理を口にする時間が無かったから、今こうして少し拗ねて見せているのだなと。
「今日の夜は、また少し、私も時間をとって色々と作る事にしましょうか」
そして、気が付いたからには解決策をトモエは口にするのだ。
「互いの目的が同じになった、それを喜ぶ心はあるのですが」
「トモエさんの不安は、私も分かります。だからこそ」
「既にある物と、新しく用意する物、その差はどうなのでしょうか」
長いオユキの髪を洗いながら、トモエは今思いつく己の不安をまずはとばかりに口にする。こちらに来てからという物、オユキの髪の手入れはすっかりとトモエの仕事になっている。不思議な事と言えばいいのだろうか。これまでは、疑問ではあったのだが氷の乙女とセツナが己を呼び、オユキを幼子と呼ぶからようやく得心の言ったこともある。発現形質が人だと言われているというのに、オユキの髪の長さが一定であった事、それがようやくトモエの中でも腑に落ちた。整えるために、長すぎるために、オユキ自身が頓着しないために、降ろしている間に椅子に座ることもあり、その度に毛先が地面を擦る。そうしていたんだ毛先を、トモエが整えてとしていたのだが、それ以外で長さを変えていないのだ。だというのに、たまにオユキの髪をそうして切った時にばかり元の長さに戻っていた。トモエのほうは、しっかりと日々伸びているというのに。
「公爵様が既に手に入れている、その事実がありますから」
「巫女としてではない、それを当てにしますか」
「悲観をすれば、それこそどうにもならない事ですから。私としても、正直な所」
「オユキさんとしては、翼人種との交流の結果として、そう考えているのですね」
オユキのほうでは、マリーア公爵が既に得た門というのは、そうしてもたらされたのだと考えているらしい。大量に、それこそ食事が別に必要ないなどと嘯く種族に対して娯楽としての食糧を、他の装飾などをどの程度贈ったのかもわからない。いくら一つの家として考えたときに過剰な金銭を持っている等と言ったところで、広大な領地を持つ公爵家に叶うはずもないと、それくらいの事はオユキも理解しているには違いない。だというのに、そこに活路を見出す程度にはオユキ自身はっきりとこれまでの事に対して辟易としているらしい。
それでも、トモエが望むならとこれまで無理を重ねてきたのだろう。それについては、トモエははっきりと喜びを覚える。それほどに、己がすいている相手が己の為にと行ってくれるのだ。それを喜ばずに、何を喜びとするのかとトモエははっきりとそう応えるだろう。
「どうしましょうか、オユキさんが難しいようでしたら」
「その、私はと言いますか」
「そのあたりは、難しい物ですよね」
オユキは、あまりにも明確に嫌われている。我欲がと言われてはいるのだが、それを失ってしまえば間違いなく種族としてどうにもならないのが氷の乙女という物であるらしい。木精達が相しているように、クレドにしてもセツナに見初められることでかなり寿命を延ばしている気配をトモエは感じている。感情の薄さと言えばいいのだろうか。長く生きたが故の、起伏の少なさとでもいえばいいのだろうか。そうした、己の老境に至るまでの過程にあった、未知が既知に変わることで積もっていた無感動。そうした物をクレドからは強く感じるのだ。感情が動くのは、それこそ己の伴侶が喜びを得たときくらい。もしくは、己の係累がたまに顔を見せて、もしくは常に新鮮な驚きをくれる幼い孫が、その先が己の下を訪れたときに。
「では、私が少し話してみましょう」
「切欠は、話の流れについては私からカナリアさんにお尋ねしてみますので」
「私からは、フスカ様でしょうか、それとも」
「パロティア様も、恐らくは長老と呼ばれる方々の内の一人かとは思うのですが」
実際のところ、そのあたりの話もまだ終わっていない。カナリアは確かにこちらに既に着ているのだが、その後見というよりも、種族としての事を伝える役割を持っているパロティアはまだ魔国には来ていない。神国で、どのような用意があるのかは分からないのだが、案外ととトモエが思う事はあるのだ。
そうして話しながらも、オユキの髪の手入れが終わったからと、何処か気持ちよさそうに嬉しそうにオユキがするものだから、甘やかしていると分かりながらも、トモエとしても楽しい時間が終わりを迎えたので、互いに浴槽にしっかりと体を入れて肩を寄せる。最も、かなりの慎重さがあるために事前にオユキ用に浴槽に椅子を入れなければいけないのが、また難しいところではあるのだが。
「トモエさんが、良しとしてくれている、それだけで私としても嬉しい事ですから」
「オユキさんは、このあたりの事は」
「はじめて、両親からの手紙を得たときには流石に。そのあと、幾度も読み返しているうちに、でしょうか」
「であれば、オユキさん」
トモエとしても、このあたりの話に関しては、正直な所オユキを整える前に済ませておきたい事ではあるのだ。
「ええ。今後は、任せてしまいましょう。今度の事、その結果を見なければなりませんが」
「華と恋、そちらには既に出発してくれているのでしょう。他となれば、ローレンツ様にと」
「あまり、子供がいる方を遠方にというのは」
「その、花精の方々はどうにも私達とは感性が違いすぎると言いますか」
まさに産めよ増やせよ、そういった種族。
「魂の総量でしたか」
「木々や花に連なる方々については、どうにも別の理屈と言いますか」
「いえ、己を分けてと言う事であれば、それこそ私たちにしても変わらない思いではあるはずです」
かつての事をトモエは想い、オユキの考えを切り捨てる。だが、オユキとしても言い分というのはあるのだ。
「ええ、それを汲んだ結果というのを、私たちは見ているはずです」
「それは、いえ、確かにそうした理屈もありますか。ですが」
「はい。度し難いと、私自身もそう思いますが」
互いに、明確な怒りがはっきりと向かい始めている、そんな自覚はある。彼らにしても、言い分というのはあるのだろう。オユキが聞いたという話にしても、それに関してはまさに話にならないとそういった状況だったとは聞いている。だが、過去から変わらぬ敬虔な信仰を持つ者たちが、この世界ではっきりとその存在を否定されて。それでもあきらめることなくと、そうあるのであれば。トモエも、オユキも。かつては緩い信仰しか持たなかった者達ではあるのだが、こちらで少年たちと、他の者たちと触れる中で与えられるもの以上に大切にしているのだとそれを改めて思い知らされている。だからこそ、そうした物に慣用にはなっているのだ。彼らが抱く想い、それにも理解を覚えている。ただ一柱の神を認めて、こちらにいる他を一切認めない。そちらに対して攻撃を行うというのであれば、それは神が直接対応する話。神々では無くて、人に恨みを向けるのであれば、そちらに対してはやはり容赦が出来ないといった話でもある。
それこそ、融和といった形ではないが、人の想念で神々が生まれるとそうした話が否定されているわけでもない。それを糧に、改めてこちらの世界でとしてもらう分にはトモエもオユキも気にはしない。寧ろ、望まれるのであれば後押しをとくらいには思うのだ。かつての世界で、一体どれだけ信仰をもとに作られた美術品を楽しんできたのか。建造物に、ため息を漏らしてきたのか。今となっては、懐かしさすら覚えるそれら。遠い世界、当時はやはり理解が及ばなかった数々の美しい物。それらを生み出す動機となったというだけで、トモエにも、オユキにも。手伝うには十分すぎる程の理由にはなるのだから。
「では、そろそろ食事にしましょうか」
「そうですね」
「オユキさんは、夕べ口にしていませんし、その分今朝も少し多めにとしたいところですが」
トモエに言われて、オユキは改めて己の体に対して意識を向けてみる。
「ええと」
「オユキさん」
「いえ、理解はしているのですが」
オユキにしてみれば、はっきりと言えることが一つある。
この世界に来てからというもの、オユキは空腹を覚えると言う事がなくなっている。食べなければどうなるのか、それを確かめてみたいという欲求も僅かにあるのだが、トモエがいる以上はそれが許される事は無い。
「どうにも、空腹を覚えることが減っていると言いましょうか」
「全くないと、そう言いたげなのは気になりますが、無理にでも食べねばなりませんよ」
トモエにしてみれば、食事にしても鍛錬の一環。再三にわたって、オユキに伝えていたこともあるし、惨憺たるオユキの過去に対して苦言を呈したのもトモエ。だからこそ、こちらでもそれを許すつもりはない。トモエの眼から見て、問題として挙げられることと言えばいいのだろうか。すっかりと部屋が整っていることもあり、寧ろ食事を抜いたことで調子がいいのだと、オユキがそうした誤解を生んでしまう事が気がかりではある。
「わかってはいるのですが」
湯船から、オユキを引き上げながらも、気乗りしないとそう言わんばかりの様子にトモエとしても内心で溜息を一つ。この辺りは、本当に昔と変わらない、そんな事をやはりトモエは思うのだ。トモエの作る物は喜んで口にしたものだが、それ以外は必要な栄養価が確保できればそれでよいとばかりに興味を持たなかったのだ。こちらに来てから、少年たちの手前、近衛たちの視線の圧に負けてオユキは口に運んでいる。
トモエとしても、オユキの好きな物をとくらいには考えるのだがトモエの手から離れて久しい事もある。こちらにきてからというもの、料理の機会は減っており、ここ暫くはどうにか一食分、夜眠る前の食事だけはとしていた。そこまでを考えて、トモエとしてはなるほどと思えるところもある。昨夜、トモエがオユキを無理に寝かしつけた、そこでトモエが作った料理を口にする時間が無かったから、今こうして少し拗ねて見せているのだなと。
「今日の夜は、また少し、私も時間をとって色々と作る事にしましょうか」
そして、気が付いたからには解決策をトモエは口にするのだ。
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