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31章 祭りの後は
結局
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魔国の神殿。知識と魔を冠する神のお膝元。
そこには、間違いなくオユキの望む者が納められているには違いない。事実、何やら心惹かれるとばかりにあちらこちらに視線を向けていたのだ。だからこそ、神国では許されなかったというよりも、結果として難しくなったことが、観光を楽しむのだと言う事が、オユキも趣味の時間を持つのだという流れが作れるはずではあったのだ。
だが、結果として、オユキにそれが出来なくなった。少年たちの手前、オユキは隠そうとしたのだが、それも叶わず。そして、オユキが無理になったとすぐに判断したトモエが、非礼を承知でその場を去ることを決めた。この神殿に向かうにあたって、一台の馬車で来ることとなったため迎えの馬車はよこすからと。
大司教が、教示の奇跡を使えるとはトモエも考えてはいない。分御霊がそもそも奇跡を使って等と言う事を、期待などしていなかった。しかし、相応に経験を積み、魔国の王妃によって行使された奇跡、与えられ、増えた知識もあるため神話を、少年たちとサキが揃って聞いて来いと言われたのだというそれを、トモエもオユキも楽しみにはしていた。
しかし、神殿から少し踏み入れた先。掲げられていた肖像画。それを見たときに、オユキがダメになった。
間の悪い事にと言えばいいのだろうか、つい昨日にパウとその両親との再会を見ていたことがある。幼い時分に生き別れ、だというのに互いにであったときに、変わったはずの見た目ですら当然だと言わんばかりに、互いに名前を呼んで目から涙をこぼした親子を見てしまっていた。
掲げられた肖像画には、オユキの両親とされる人物が当たり前のように描かれていた。いや、かつての世界で起きた事故。人間の脳に対して作用を与える機会が暴走した結果として、記憶が焼かれ、それだけではすまず顔に加えて機器を接続していた頭部全体に、筋肉にしても損傷を与えた結果として変わった姿がそこには描かれていた。オユキの過去の両親、その名前を表題としたうえで。
何よりもまずかったのは、生前にオユキがその二人に出会ってしまっていたこと。
つまりは、パウと、パウの両親と。そこで起きた出来事の記憶が鮮烈なうちに、結果として己の両親がこちらに来ていたと聞いて、どこかにいるだろうそんな相手を探そうとしていたというのに。その相手は、かつての世界で出会っていたのだと、互いに気が付くことが無かったのだと、残酷な事実をオユキはただ突き付けられて。
それこそ、飾られていた肖像画を下げて置け等と言うのは、トモエ自身理不尽な話だというのは理解している。別の通り道を、無いのだとしても大司教なり、司教なりが相をずらせるというのは少年たちも知っていることなのだからやってくれ等と言うのも筋違いな怒りだと、トモエはそんなことも分かっている。そうした全てを飲み込むために、突然判明した事実に打ちひしがれているオユキを、人に見せるべきではないと、きちんと悲しめる時間を持たなければいよいよ自暴自棄になると考えて、あらゆる理屈を無視して、非礼だと分かっていてもその場から離れたのは間違いではないと、そこだけを信じている。
今もトモエに抱き着いて、ただただ涙を流しながらトモエの胸元に顔を埋めるオユキを、トモエもそっと背中に手を回して。
「まさかと、ええ、本当に」
トモエも、言葉をかけようとそんな意識ばかりが先に立って。どうにも、どんな言葉を選ぶべきかが浮かんでこない。トモエ自身も驚いたのだと、そんな話をただオユキに対して行うだけ。トモエの正気を保っているのは、思考をどうにかつなぎとめているのは、理性をつなぎとめているのは己の背に食い込むばかりの細く短い指の感触。
「トモエさん」
「ええ、ご心配なく。私は、今もここに」
「トモエさん」
そこにいてくれと、隣にいてくれと縋る様に己の名を呼ぶ伴侶に対して。確かに、トモエ自身己の父がその生を終えたときには、こうした心境を僅かに覚えた。孫の一人が、どうにもならぬことで早くも儚くなった時には、互いに似た心持で寄り添った。過去に、トモエにしても己の流派は、亡き父から継いだはずの物が、最後の門下生もいなくなった時には、確かに同じようにかつてのオユキに甘えてみたりもしたものだ。
本当に、こちらに来てからという物、つくづく過去とは立場が逆になることが多い。確かに、トモエはこの世界に関してはオユキから聞いていただけ。だからこそ、納得がいくものでもある。オユキ程の思い入れが無い。この世界を、ただ新しい場所として捉えて、そこで楽しみを見出している。オユキの様に、かつてと比較するものが無いため、確かに楽なのだ。
「そうですか。確かに、手紙で容貌が変わったとそれは知っていましたが」
そして、肖像画で見たオユキの両親は、かつてオユキが大事にしていた写真とは全く違う見た目になっていた。それこそ、怪我でもあれば、傷跡でも残っていれば。トモエにしても、そんな事を考えてはいけないと分かっていながらも、オユキがもしかしてとそう考えるきっかけが欲しかったと思わずにはいられない。
ただただ、全くの別人だったのだ。そして、記憶にも大きく影響があった以上は、過去のオユキの記憶にあったは餡仕方とも大きく異なっただろう。というよりも、研究者としてあったというのならば、そこにあったのは己の子供に向けて話す姿では無かったに違いない。
「あそこまでとは、私も考えていませんでした。オユキさんにしても、それと知らずに出会っての事だったのでしょう」
「ですが」
「パウ君は、ご両親の見た目は、そのままです。記憶についても、問題が無かったのでしょう」
「ですが」
この世界は、どうしてこうもオユキにとって嘆きの原因となる物が多いのだろうか。トモエは、ついついそんな事を考えてしまう。あまりにも劇的な反応があったからだろう。ついてきたエステールも、シェリアすらもオユキの様子に目を見張っている。つまりは、それほどまでにここまでの間に外に見せていなかった姿ではある。これでも、抑えているのだとトモエにはわかる。薄い布一枚隔てた向こう、そこにいる相手にそれでもオユキは意識を向けて。少年たちの手前、年長者として振る舞おうなどという考えは既にない。だが、それでも他人が側に居ると、そうした意識が働いている。我慢の結果とでもいえばいいのだろうか。そのあたりは、トモエの背中に食い込むオユキの指が結果を示すだろうが。
「そこには、差がありますから」
繰り返す言葉では、慰めにもならないのだとトモエも分かっていながら。
トモエのかける言葉にしても、オユキはそんな事は既に理解しているのだ。預かった手紙、そこにあまりにもはっきりと滲んでいたオユキの両親の後悔。それを見れば、否が応でも理解が出来ていたはずの物なのだ。それでも、ここまでの嘆きを抱えるというのは、トモエにとっては想定内の事でもあった。だが、今でなくても良いのではないかと、どうしてもそんな事を考えてしまう。
「出会ったときに、ご両親に会えた時に、そこでであれば違ったかもしれません」
トモエとしては、オユキにしても。姿形が変わっていたと、そう書かれていた以上。もしも会うことが出来たときには、その時には相応の覚悟を持てたはずだ。その時ばかりと考えていた。両親に対して、その時にははっきりとオユキも色々と言えたはずなのだ。今も変わらず、オユキの中にある過去の経験。そこから抜け出せていない、いつまでも変わらぬ子供のようなオユキが。子供のままのオユキが、己の両親に対して、多くの事を言えたはずなのだ。
「今はまだ、オユキさんの想いは伝える事は叶わないでしょうから」
「そう、ですね。そう、ですが」
「是非とも、探さねばならないでしょう。心当たりは、オユキさんには」
「あります」
トモエには、思い当たるところが無い。だが、オユキは、オユキが何か気が付いたと言わんばかりに、両親の手紙を何度も読み返していたことから、任せようと決めていた。それを、今この場で改めて確認しようとトモエが決めて。そして、オユキの反応はあまりにもはっきりとしている。余程の自信が無ければ断言などしないというのに。
「どうしますか」
「今は、無理です。足りないものが、ありますから」
「では、そちらを先にというのは」
「そのためには、かなりの無理をしなければなりません」
かつては、正直こんな事は無かった。オユキが、此処まではっきりと涙を流して、トモエを見返すことなどというのは。それこそ、トモエの父に、失った家族を重ねていたために、しかしトモエにしても既に追い越したとはいえ、かつては追いかけた背中が失われたときに。トモエにとっては、二度目の事。そして、一度目とは違って、覚悟をする時間がしっかりとあった。
散々に、話をしたこともある。流派の教えを受ける中で、どうにもならぬものがあるのだと多くを学んだ。皆伝を得る時に、加減が成立するぎりぎりを超えたことがある。そうしたトモエですら己の子供たちや、孫たちが居なければと思った出来事ではあった。方や、オユキのほうではこれまた見事に狼狽しながら、かつては、当時のトモエは気あg付かなかったものだが少しして気が付くほどに、オユキも嘆きを己の内にため込んでいた。
そうした姿を、その伝承となった姿に重ねて。もしも、トモエの母が、身ごもった妹と共に儚くなったトモエの母。それと、もしも自分に妹が生まれていたのであったらと、そんな姿を重ねてトモエが作り出した見た目が、今はまるでトモエを責めるようだとそんな事を考えてしまう。
由来が、トモエが込めた願いが、もしやこうしてオユキが己の内にただ悲しみを募らせる原因になっているのではないかと。オユキの警告が、トモエの無理を聞き入れてしまったオユキの決断が。ここに来るときに、叶うならと願ったことが。オユキが、己が過去に遺した物にこうして苦しめられるように。
「オユキさんの中で、道はあるのですね」
「はい」
「では、それを行いますか」
トモエは、自分でも酷だと思う質問を、オユキに投げかける。
そこには、間違いなくオユキの望む者が納められているには違いない。事実、何やら心惹かれるとばかりにあちらこちらに視線を向けていたのだ。だからこそ、神国では許されなかったというよりも、結果として難しくなったことが、観光を楽しむのだと言う事が、オユキも趣味の時間を持つのだという流れが作れるはずではあったのだ。
だが、結果として、オユキにそれが出来なくなった。少年たちの手前、オユキは隠そうとしたのだが、それも叶わず。そして、オユキが無理になったとすぐに判断したトモエが、非礼を承知でその場を去ることを決めた。この神殿に向かうにあたって、一台の馬車で来ることとなったため迎えの馬車はよこすからと。
大司教が、教示の奇跡を使えるとはトモエも考えてはいない。分御霊がそもそも奇跡を使って等と言う事を、期待などしていなかった。しかし、相応に経験を積み、魔国の王妃によって行使された奇跡、与えられ、増えた知識もあるため神話を、少年たちとサキが揃って聞いて来いと言われたのだというそれを、トモエもオユキも楽しみにはしていた。
しかし、神殿から少し踏み入れた先。掲げられていた肖像画。それを見たときに、オユキがダメになった。
間の悪い事にと言えばいいのだろうか、つい昨日にパウとその両親との再会を見ていたことがある。幼い時分に生き別れ、だというのに互いにであったときに、変わったはずの見た目ですら当然だと言わんばかりに、互いに名前を呼んで目から涙をこぼした親子を見てしまっていた。
掲げられた肖像画には、オユキの両親とされる人物が当たり前のように描かれていた。いや、かつての世界で起きた事故。人間の脳に対して作用を与える機会が暴走した結果として、記憶が焼かれ、それだけではすまず顔に加えて機器を接続していた頭部全体に、筋肉にしても損傷を与えた結果として変わった姿がそこには描かれていた。オユキの過去の両親、その名前を表題としたうえで。
何よりもまずかったのは、生前にオユキがその二人に出会ってしまっていたこと。
つまりは、パウと、パウの両親と。そこで起きた出来事の記憶が鮮烈なうちに、結果として己の両親がこちらに来ていたと聞いて、どこかにいるだろうそんな相手を探そうとしていたというのに。その相手は、かつての世界で出会っていたのだと、互いに気が付くことが無かったのだと、残酷な事実をオユキはただ突き付けられて。
それこそ、飾られていた肖像画を下げて置け等と言うのは、トモエ自身理不尽な話だというのは理解している。別の通り道を、無いのだとしても大司教なり、司教なりが相をずらせるというのは少年たちも知っていることなのだからやってくれ等と言うのも筋違いな怒りだと、トモエはそんなことも分かっている。そうした全てを飲み込むために、突然判明した事実に打ちひしがれているオユキを、人に見せるべきではないと、きちんと悲しめる時間を持たなければいよいよ自暴自棄になると考えて、あらゆる理屈を無視して、非礼だと分かっていてもその場から離れたのは間違いではないと、そこだけを信じている。
今もトモエに抱き着いて、ただただ涙を流しながらトモエの胸元に顔を埋めるオユキを、トモエもそっと背中に手を回して。
「まさかと、ええ、本当に」
トモエも、言葉をかけようとそんな意識ばかりが先に立って。どうにも、どんな言葉を選ぶべきかが浮かんでこない。トモエ自身も驚いたのだと、そんな話をただオユキに対して行うだけ。トモエの正気を保っているのは、思考をどうにかつなぎとめているのは、理性をつなぎとめているのは己の背に食い込むばかりの細く短い指の感触。
「トモエさん」
「ええ、ご心配なく。私は、今もここに」
「トモエさん」
そこにいてくれと、隣にいてくれと縋る様に己の名を呼ぶ伴侶に対して。確かに、トモエ自身己の父がその生を終えたときには、こうした心境を僅かに覚えた。孫の一人が、どうにもならぬことで早くも儚くなった時には、互いに似た心持で寄り添った。過去に、トモエにしても己の流派は、亡き父から継いだはずの物が、最後の門下生もいなくなった時には、確かに同じようにかつてのオユキに甘えてみたりもしたものだ。
本当に、こちらに来てからという物、つくづく過去とは立場が逆になることが多い。確かに、トモエはこの世界に関してはオユキから聞いていただけ。だからこそ、納得がいくものでもある。オユキ程の思い入れが無い。この世界を、ただ新しい場所として捉えて、そこで楽しみを見出している。オユキの様に、かつてと比較するものが無いため、確かに楽なのだ。
「そうですか。確かに、手紙で容貌が変わったとそれは知っていましたが」
そして、肖像画で見たオユキの両親は、かつてオユキが大事にしていた写真とは全く違う見た目になっていた。それこそ、怪我でもあれば、傷跡でも残っていれば。トモエにしても、そんな事を考えてはいけないと分かっていながらも、オユキがもしかしてとそう考えるきっかけが欲しかったと思わずにはいられない。
ただただ、全くの別人だったのだ。そして、記憶にも大きく影響があった以上は、過去のオユキの記憶にあったは餡仕方とも大きく異なっただろう。というよりも、研究者としてあったというのならば、そこにあったのは己の子供に向けて話す姿では無かったに違いない。
「あそこまでとは、私も考えていませんでした。オユキさんにしても、それと知らずに出会っての事だったのでしょう」
「ですが」
「パウ君は、ご両親の見た目は、そのままです。記憶についても、問題が無かったのでしょう」
「ですが」
この世界は、どうしてこうもオユキにとって嘆きの原因となる物が多いのだろうか。トモエは、ついついそんな事を考えてしまう。あまりにも劇的な反応があったからだろう。ついてきたエステールも、シェリアすらもオユキの様子に目を見張っている。つまりは、それほどまでにここまでの間に外に見せていなかった姿ではある。これでも、抑えているのだとトモエにはわかる。薄い布一枚隔てた向こう、そこにいる相手にそれでもオユキは意識を向けて。少年たちの手前、年長者として振る舞おうなどという考えは既にない。だが、それでも他人が側に居ると、そうした意識が働いている。我慢の結果とでもいえばいいのだろうか。そのあたりは、トモエの背中に食い込むオユキの指が結果を示すだろうが。
「そこには、差がありますから」
繰り返す言葉では、慰めにもならないのだとトモエも分かっていながら。
トモエのかける言葉にしても、オユキはそんな事は既に理解しているのだ。預かった手紙、そこにあまりにもはっきりと滲んでいたオユキの両親の後悔。それを見れば、否が応でも理解が出来ていたはずの物なのだ。それでも、ここまでの嘆きを抱えるというのは、トモエにとっては想定内の事でもあった。だが、今でなくても良いのではないかと、どうしてもそんな事を考えてしまう。
「出会ったときに、ご両親に会えた時に、そこでであれば違ったかもしれません」
トモエとしては、オユキにしても。姿形が変わっていたと、そう書かれていた以上。もしも会うことが出来たときには、その時には相応の覚悟を持てたはずだ。その時ばかりと考えていた。両親に対して、その時にははっきりとオユキも色々と言えたはずなのだ。今も変わらず、オユキの中にある過去の経験。そこから抜け出せていない、いつまでも変わらぬ子供のようなオユキが。子供のままのオユキが、己の両親に対して、多くの事を言えたはずなのだ。
「今はまだ、オユキさんの想いは伝える事は叶わないでしょうから」
「そう、ですね。そう、ですが」
「是非とも、探さねばならないでしょう。心当たりは、オユキさんには」
「あります」
トモエには、思い当たるところが無い。だが、オユキは、オユキが何か気が付いたと言わんばかりに、両親の手紙を何度も読み返していたことから、任せようと決めていた。それを、今この場で改めて確認しようとトモエが決めて。そして、オユキの反応はあまりにもはっきりとしている。余程の自信が無ければ断言などしないというのに。
「どうしますか」
「今は、無理です。足りないものが、ありますから」
「では、そちらを先にというのは」
「そのためには、かなりの無理をしなければなりません」
かつては、正直こんな事は無かった。オユキが、此処まではっきりと涙を流して、トモエを見返すことなどというのは。それこそ、トモエの父に、失った家族を重ねていたために、しかしトモエにしても既に追い越したとはいえ、かつては追いかけた背中が失われたときに。トモエにとっては、二度目の事。そして、一度目とは違って、覚悟をする時間がしっかりとあった。
散々に、話をしたこともある。流派の教えを受ける中で、どうにもならぬものがあるのだと多くを学んだ。皆伝を得る時に、加減が成立するぎりぎりを超えたことがある。そうしたトモエですら己の子供たちや、孫たちが居なければと思った出来事ではあった。方や、オユキのほうではこれまた見事に狼狽しながら、かつては、当時のトモエは気あg付かなかったものだが少しして気が付くほどに、オユキも嘆きを己の内にため込んでいた。
そうした姿を、その伝承となった姿に重ねて。もしも、トモエの母が、身ごもった妹と共に儚くなったトモエの母。それと、もしも自分に妹が生まれていたのであったらと、そんな姿を重ねてトモエが作り出した見た目が、今はまるでトモエを責めるようだとそんな事を考えてしまう。
由来が、トモエが込めた願いが、もしやこうしてオユキが己の内にただ悲しみを募らせる原因になっているのではないかと。オユキの警告が、トモエの無理を聞き入れてしまったオユキの決断が。ここに来るときに、叶うならと願ったことが。オユキが、己が過去に遺した物にこうして苦しめられるように。
「オユキさんの中で、道はあるのですね」
「はい」
「では、それを行いますか」
トモエは、自分でも酷だと思う質問を、オユキに投げかける。
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