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26章 魔国へ
ドルチェに手を付けながら
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流石に時間がなかったと言う事だろうか。アルノーが用意した皿、この後にディジェスティーヴォが間違いなく控えているのだろうが、フォルマッジィとドルチェを合わせたものとして用意されている。イタリアでは代表的と言えばいいのだろうか。サヴォイアルディをエスプレッソに浸して。そこにサバイオーネと合わせたクリームをベースにしたうえで、マスカルポーネを使った物も併せて用意されたドルチェ。二層構造のそれは、フォークを軽く当てればするりと通る部分とまだ硬さを残した部分がはっきりと手に感触として返ってくる。口に運んでしまえば、淡く溶けるようなほろ苦さを残して。
「本当に、よくもとは思うわね」
「フランスでは、パティシエと名乗るにはベーカリーの資格は必須と聞いていたけれど」
「ええ。サキさんがパティシエールに興味が、そのように話したときにアルノーさんもそう仰られていましたね」
本当に、頭が下がることに。アルノーはそれが当然とばかりにパティスリーの資格も当然とばかりに持っている。それを隠しもしないあたり、トモエがそうであったように真摯に打ち込んでいたらしい。
「マイスターには、本当に素晴らしいですね」
「ヴィルヘルミナさんも、マイスターリンと呼ばれていたかとは思いますが」
「私に対する呼称は、制度としての物ではないのでまた異なりますもの」
どうにも、そのあたりに対して全く詳しくないお国柄の者たちと言えばいいのだろうか。いったい何が違うのかと、揃って首をかしげる東洋の三人に向けてヴィルヘルミナが簡単に制度の説明を行う。言ってしまえば、学士号の取得でゲゼレを得られて、その先にあるのがマイスター、マイストリン号なのだと。そして、歌唱などの芸術分野に用いられるものではなく、工業・手工業にもっぱら用いられる号でありそれ以外に対しては、匹敵するほどの位の意味合いで用いられるのだと。
「それは、また」
「ええ、当方も無い研鑽、勿論私も負けるつもりはありませんが、長い時間を積み重ねて。過去の先人たちの定めた基準に恥じぬと、そう認められた方々ですもの」
「先人たちに敬意を、認められた者たちに祝福をと言う事ですか」
「国が違えど、制度が違えど。やはり、そうして認められる方、それほどの研鑽を積んだと誰もが認めるだけの方については、さぞ素晴らしいのでしょうと」
己が得られぬこと、それに対して思う所があるのだとそれを隠す気はないようで。つまりは、そう呼ばれる者たちに対しては己が費やした時間以上を、もしくは認めざるを得ない程の物を示してほしいのだと。それは驕りでもなんでもなく。
「ええ、そうあってほしいと、私はそう願うばかりです」
「どうでしょう。私はともかく」
「ええ。トモエさんと、カリン。この二人は、確かにと私が見ても思うほどです。オユキ、貴女にしても」
ヴィルヘルミナ、門外漢の彼女からしてもオユキは現状トモエにも、カリンにも及ばないのだとはっきりと。そう評価されるのも仕方が無いと、オユキとして考えていることは事実だとしても、やはり門外漢から見てもそうなのかと思えば。
「どうかしら、ミーナの見方はやはり優美さに依っている物」
「それは、そうよ。私が評価できるのは私が美しいと思う物だけ」
「美しさばかりが武の道ではないのだと、そう何度も言っているでしょうに」
「私にわからない言葉で語られても、私の判断基準は変わらないわ」
しかし、異なる評価と言えばいいのだろうか。助け舟はカリンから。カリンの言葉に、トモエのほうでも考えることがあるようで、何やらドルチェを口に運ぶ手求めて少し考えこむ様子。トモエのほうでも考えることがあるのかと思えば、カリンの言葉にしても正しいのだろうとオユキとしては己を改めて慰めて。
ただ、事ここに至るまでに散々に言われた言葉。今もエステールに散々に絞られていることを思えば、確かにそうした振る舞いにしても必要になってくるには違いないのだろう。トモエは、かつての己の振る舞い、女性であったころに加えて今の体でできることを追求して。結果として、オユキではやはり及びそうにない域に既に足を踏み出している。翻って、オユキのほうはどうかと言えば、やはりトモエに言われたように今の己に対して違和感ばかりが付きまとい、そこから足を進められてもいない。現状トモエがオユキに対して課している物。それが明らかに、今のオユキの体に合わせたものと分かっていながらも。
話してみれば、色々と考えるべきことを言われるものだ。
つくづく身につまされることだと、用意されたドルチェを口に運びながらオユキはそんなことを考える。確かに、この世界には困難が多い。正直、既に己が折れたとその自覚もある。だが、悪辣なばかりではない。そんなはずは無いとオユキが語ったことそのままに。この世界にはオユキの助けになる物が、多く用意されている。
急な予定の変更、ミズキリが建てていた予定。それを覆すだけの事が、要はオユキの助けになる様にとそう排されていたのではないかと。都合のいい妄想、そんなはずも無かろうとオユキの冷静な部分がしっかりと否定はするのだが。
「オユキさん」
そんなオユキに、何処かトモエから不安げな声がかかる。それもそのはず。いい加減に、今の己を受け入れろとそうはっきりと告げたのはつい最近の事。かつての己、かつてのオユキ。生前にこの世界を、ゲームを散々に楽しんでいた今はトモエの体ではなく、かつてのオユキがどこか夢見た姿を今求めるのではなく。トモエの責任でもある、今の姿から、もはや逃れる事は叶わぬのだとそう告げて。そこで、オユキが随分と心を乱したものではあるし、その原因と言うのが結局はトモエにそれを言わせてしまったという公開によるとはわかっているのだが。
トモエにとっては、己の些細な思い付きが。過去に失ってしまった物をこちらに来る以上は。己の生を一度は全うした夢のような時間だからと望んだことが。今はオユキにとって、ただ重くのしかかっている。オユキとの会話の中で、現実として受け入れるためにとそんな自分自身が信じられもしない理屈を口にして。オユキからも、少々強めに確認されたときには頷いて見せたというのに。
つまらぬ自我だとはわかっている。互いに、己に非があるのだとやはり考えてしまう。
オユキは、己が至らぬからこそと。
トモエは、己の決断だからこそと。
意地の張り合い。昔から変わらぬ、互いに互いを大事だと思うからこそ、存在している平行線。オユキは、ミズキリとばかり抱えているなどと言い放っているのだが。人である以上は、比翼連理と創造神に評されようともやはりトモエとオユキの間にもあるのだ。明確に。
「ええ。思う所は、ないでもありません。しかし、それを選んだ以上はと言う事なのでしょう」
そして、ここでようやくオユキとしても改めて少しは受け入れてみようと。
こうして、いつまでも足踏みをしたままでは、やはり決断の時までにトモエに届くことなどないというのは既に理解が出来ている。理解してしまっている。ここに至るまでに、思い知ったのだと。そうして、繰り返し己に言い聞かせてみてはいるものの、上手くいくはずも無い事を。
「これからは、意識して暮らしてみましょう。それが、常となる様に」
「オユキさん」
「トモエさんは、既にそうされていますし。私も、遅まきながら」
そう。トモエは既に己の振る舞いを正している。口調ばかりは、やはりこれまで培ってきたものがある以上、早々変わる物でもないのだが。それでも、常の動き。半年ほど前からは、その質もかなり変わり始めている。
習うべき相手は、やはり周囲に多い。過去のオユキを思い出しながらとしているのも、オユキから見ればよく分かる。歩き方、己の新しいからだが持っている重心の位置。記憶にある、慣れとしてこれまで維持していたものから、きちんと切り替え始めているのがトモエ。それが出来ていないのが、やはりオユキ。
「ええ、それがいいと思うわよ。やはり、今の体では前までの物は行き詰るでしょう」
「加護があれば、それも甘えなのでしょうね」
「甘えと言うよりも、できる事とできない事、その認識の問題ではないかしら」
「と言いますと」
カリンからはそれが良いのだと、すぐに言われるものだがやはりヴィルヘルミナのほうは異なる観点を持っているものであるらしい。
「前までの物、これまでの事。否定してしまうのは、全く意味が無かったのだとそう考えるのは悲しい事ではないかしら」
ヴィルヘルミナの言葉に、カリンがしかし。
「ミーナそうは言うけれど、わかっているのでしょう」
「ええ。もとはトモエさんだったのでしょう。だけれど、そちらでの経験が役に立たないかといわれれば、そうとも限らないでしょうに。」
そして、ヴィルヘルミナがさらに続ける。
「私は幸いなことにそうした事は無かったけれど、それでも喉を割いて、やむを得ぬ事情でそうせざるを得なかった人とも会ったもの」
「それは」
「ええ。その人達が揃って口にしたのは、やはりこれまで通りは無理だと。だけれども」
そう。だけれども。
「これまでに培った物、それを下地としてさらに上をと考えていたわよ。その結果を、私は見て来たわ」
「歌と言う分野であれば、そうなのかもしれないけれど」
「あら。カリンは詳しくないのかもしれないけれど、歌を謳うにも体のいろんなところを使うのよ」
最後に音色を奏でるのは、音を作るのは声帯なのだとしても。そこに至るまでの空気の通り道、呼吸法。肺を、横隔膜を動かすためにはやはり体の他の部分を色々と連動させなければならない。何も、武の道に生きる物だけが己の体の正業に重きを置く訳では無い。寧ろ、武としての型を持たぬからこそ、磨かれるものもある。
「だから、あまり悲観することは無いと思うわよ。あなた達も気が付いているのでしょう」
そう、なんだかんだと今の体を受け入れられぬなどと言っているオユキが、そう考えているオユキが。
「前に比べれば、今の体に馴染んでいるのだもの。勿論、このままではまだまだ時間はかかりそうだけれど」
そう。これまでオユキが凝らしてきた工夫。以前のままの振る舞いばかりではなく、今の己にできることを考えて動いてきた結果。それをヴィルヘルミナは評価しているのだと口にして。
「本当に、よくもとは思うわね」
「フランスでは、パティシエと名乗るにはベーカリーの資格は必須と聞いていたけれど」
「ええ。サキさんがパティシエールに興味が、そのように話したときにアルノーさんもそう仰られていましたね」
本当に、頭が下がることに。アルノーはそれが当然とばかりにパティスリーの資格も当然とばかりに持っている。それを隠しもしないあたり、トモエがそうであったように真摯に打ち込んでいたらしい。
「マイスターには、本当に素晴らしいですね」
「ヴィルヘルミナさんも、マイスターリンと呼ばれていたかとは思いますが」
「私に対する呼称は、制度としての物ではないのでまた異なりますもの」
どうにも、そのあたりに対して全く詳しくないお国柄の者たちと言えばいいのだろうか。いったい何が違うのかと、揃って首をかしげる東洋の三人に向けてヴィルヘルミナが簡単に制度の説明を行う。言ってしまえば、学士号の取得でゲゼレを得られて、その先にあるのがマイスター、マイストリン号なのだと。そして、歌唱などの芸術分野に用いられるものではなく、工業・手工業にもっぱら用いられる号でありそれ以外に対しては、匹敵するほどの位の意味合いで用いられるのだと。
「それは、また」
「ええ、当方も無い研鑽、勿論私も負けるつもりはありませんが、長い時間を積み重ねて。過去の先人たちの定めた基準に恥じぬと、そう認められた方々ですもの」
「先人たちに敬意を、認められた者たちに祝福をと言う事ですか」
「国が違えど、制度が違えど。やはり、そうして認められる方、それほどの研鑽を積んだと誰もが認めるだけの方については、さぞ素晴らしいのでしょうと」
己が得られぬこと、それに対して思う所があるのだとそれを隠す気はないようで。つまりは、そう呼ばれる者たちに対しては己が費やした時間以上を、もしくは認めざるを得ない程の物を示してほしいのだと。それは驕りでもなんでもなく。
「ええ、そうあってほしいと、私はそう願うばかりです」
「どうでしょう。私はともかく」
「ええ。トモエさんと、カリン。この二人は、確かにと私が見ても思うほどです。オユキ、貴女にしても」
ヴィルヘルミナ、門外漢の彼女からしてもオユキは現状トモエにも、カリンにも及ばないのだとはっきりと。そう評価されるのも仕方が無いと、オユキとして考えていることは事実だとしても、やはり門外漢から見てもそうなのかと思えば。
「どうかしら、ミーナの見方はやはり優美さに依っている物」
「それは、そうよ。私が評価できるのは私が美しいと思う物だけ」
「美しさばかりが武の道ではないのだと、そう何度も言っているでしょうに」
「私にわからない言葉で語られても、私の判断基準は変わらないわ」
しかし、異なる評価と言えばいいのだろうか。助け舟はカリンから。カリンの言葉に、トモエのほうでも考えることがあるようで、何やらドルチェを口に運ぶ手求めて少し考えこむ様子。トモエのほうでも考えることがあるのかと思えば、カリンの言葉にしても正しいのだろうとオユキとしては己を改めて慰めて。
ただ、事ここに至るまでに散々に言われた言葉。今もエステールに散々に絞られていることを思えば、確かにそうした振る舞いにしても必要になってくるには違いないのだろう。トモエは、かつての己の振る舞い、女性であったころに加えて今の体でできることを追求して。結果として、オユキではやはり及びそうにない域に既に足を踏み出している。翻って、オユキのほうはどうかと言えば、やはりトモエに言われたように今の己に対して違和感ばかりが付きまとい、そこから足を進められてもいない。現状トモエがオユキに対して課している物。それが明らかに、今のオユキの体に合わせたものと分かっていながらも。
話してみれば、色々と考えるべきことを言われるものだ。
つくづく身につまされることだと、用意されたドルチェを口に運びながらオユキはそんなことを考える。確かに、この世界には困難が多い。正直、既に己が折れたとその自覚もある。だが、悪辣なばかりではない。そんなはずは無いとオユキが語ったことそのままに。この世界にはオユキの助けになる物が、多く用意されている。
急な予定の変更、ミズキリが建てていた予定。それを覆すだけの事が、要はオユキの助けになる様にとそう排されていたのではないかと。都合のいい妄想、そんなはずも無かろうとオユキの冷静な部分がしっかりと否定はするのだが。
「オユキさん」
そんなオユキに、何処かトモエから不安げな声がかかる。それもそのはず。いい加減に、今の己を受け入れろとそうはっきりと告げたのはつい最近の事。かつての己、かつてのオユキ。生前にこの世界を、ゲームを散々に楽しんでいた今はトモエの体ではなく、かつてのオユキがどこか夢見た姿を今求めるのではなく。トモエの責任でもある、今の姿から、もはや逃れる事は叶わぬのだとそう告げて。そこで、オユキが随分と心を乱したものではあるし、その原因と言うのが結局はトモエにそれを言わせてしまったという公開によるとはわかっているのだが。
トモエにとっては、己の些細な思い付きが。過去に失ってしまった物をこちらに来る以上は。己の生を一度は全うした夢のような時間だからと望んだことが。今はオユキにとって、ただ重くのしかかっている。オユキとの会話の中で、現実として受け入れるためにとそんな自分自身が信じられもしない理屈を口にして。オユキからも、少々強めに確認されたときには頷いて見せたというのに。
つまらぬ自我だとはわかっている。互いに、己に非があるのだとやはり考えてしまう。
オユキは、己が至らぬからこそと。
トモエは、己の決断だからこそと。
意地の張り合い。昔から変わらぬ、互いに互いを大事だと思うからこそ、存在している平行線。オユキは、ミズキリとばかり抱えているなどと言い放っているのだが。人である以上は、比翼連理と創造神に評されようともやはりトモエとオユキの間にもあるのだ。明確に。
「ええ。思う所は、ないでもありません。しかし、それを選んだ以上はと言う事なのでしょう」
そして、ここでようやくオユキとしても改めて少しは受け入れてみようと。
こうして、いつまでも足踏みをしたままでは、やはり決断の時までにトモエに届くことなどないというのは既に理解が出来ている。理解してしまっている。ここに至るまでに、思い知ったのだと。そうして、繰り返し己に言い聞かせてみてはいるものの、上手くいくはずも無い事を。
「これからは、意識して暮らしてみましょう。それが、常となる様に」
「オユキさん」
「トモエさんは、既にそうされていますし。私も、遅まきながら」
そう。トモエは既に己の振る舞いを正している。口調ばかりは、やはりこれまで培ってきたものがある以上、早々変わる物でもないのだが。それでも、常の動き。半年ほど前からは、その質もかなり変わり始めている。
習うべき相手は、やはり周囲に多い。過去のオユキを思い出しながらとしているのも、オユキから見ればよく分かる。歩き方、己の新しいからだが持っている重心の位置。記憶にある、慣れとしてこれまで維持していたものから、きちんと切り替え始めているのがトモエ。それが出来ていないのが、やはりオユキ。
「ええ、それがいいと思うわよ。やはり、今の体では前までの物は行き詰るでしょう」
「加護があれば、それも甘えなのでしょうね」
「甘えと言うよりも、できる事とできない事、その認識の問題ではないかしら」
「と言いますと」
カリンからはそれが良いのだと、すぐに言われるものだがやはりヴィルヘルミナのほうは異なる観点を持っているものであるらしい。
「前までの物、これまでの事。否定してしまうのは、全く意味が無かったのだとそう考えるのは悲しい事ではないかしら」
ヴィルヘルミナの言葉に、カリンがしかし。
「ミーナそうは言うけれど、わかっているのでしょう」
「ええ。もとはトモエさんだったのでしょう。だけれど、そちらでの経験が役に立たないかといわれれば、そうとも限らないでしょうに。」
そして、ヴィルヘルミナがさらに続ける。
「私は幸いなことにそうした事は無かったけれど、それでも喉を割いて、やむを得ぬ事情でそうせざるを得なかった人とも会ったもの」
「それは」
「ええ。その人達が揃って口にしたのは、やはりこれまで通りは無理だと。だけれども」
そう。だけれども。
「これまでに培った物、それを下地としてさらに上をと考えていたわよ。その結果を、私は見て来たわ」
「歌と言う分野であれば、そうなのかもしれないけれど」
「あら。カリンは詳しくないのかもしれないけれど、歌を謳うにも体のいろんなところを使うのよ」
最後に音色を奏でるのは、音を作るのは声帯なのだとしても。そこに至るまでの空気の通り道、呼吸法。肺を、横隔膜を動かすためにはやはり体の他の部分を色々と連動させなければならない。何も、武の道に生きる物だけが己の体の正業に重きを置く訳では無い。寧ろ、武としての型を持たぬからこそ、磨かれるものもある。
「だから、あまり悲観することは無いと思うわよ。あなた達も気が付いているのでしょう」
そう、なんだかんだと今の体を受け入れられぬなどと言っているオユキが、そう考えているオユキが。
「前に比べれば、今の体に馴染んでいるのだもの。勿論、このままではまだまだ時間はかかりそうだけれど」
そう。これまでオユキが凝らしてきた工夫。以前のままの振る舞いばかりではなく、今の己にできることを考えて動いてきた結果。それをヴィルヘルミナは評価しているのだと口にして。
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