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23章 ようやく少し観光を
セグレ子爵夫人
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オユキとしては、納得がいくことではある。つまるところローレンツが子爵家に入ったらしいという事、フォキナというのが彼が子爵家に嫁ぐ前に持っていた家名である事、ミドルネーム迄変わった理由はどうにも分からないが、まぁ、そこにも何か理屈があったのだろうと。
「あの人は、遂にと言いますか。」
「ええ。タルヤ様の方でも憎からず思っていたようで。」
そこに、内心に抱えている感情は実に複雑なのだろうが、それでもセグレ夫人はローレンツの身に起きた事を喜んでいる。トモエが言うには、そうしたことの一切を飲み込んだうえでこれまでの人生を過ごしてきた相手だ。今となっては何を考えているのか。それについては、いよいよ彼女の物ではあるだろう。
此処にトモエがいれば、もう少し気のきいたセリフもあるのだろうが生憎彼女を迎えるのはオユキだけ。
今朝がた、やはり目を覚ましてみればオユキがそこまで回復していない、しいて言えばさらに体調を崩したと見えたため、今はトモエが話をしてくるからと公爵邸に向かっている。そちらでは、まぁどう言えばいいのか。揃って随分と果断な振る舞いをしてくることだろう。正直、こうして話すべき相手が目の前にいるというのに、気が気ではない。
「まぁ。あの方らしい。」
「セグレ夫人は、タルヤ様と面識が。」
「そうですね。城に見習いとして上がっていたときに、教育係を担当して頂いたこともありますし、それからはしばらくの間、同僚として。」
どうにも、この夫人とローレンツにしても職場恋愛と言えばいいのか。出会うだけの場があったらしい。とすると。
「そうですね。御推察の通り、私の方から。」
「その、随分と情熱的と言いますか。」
「夫からの手紙には、オユキ様もそのようであるとお伺いしておりますよ。」
「確かに、人の事を言えた義理ではありませんね。」
まぁ、オユキにしてもトモエに向けている感情の熱量は、否定するような物でもない。
こうして、嫋やかにほほ笑むセグレ子爵夫人。見た目に関しては正直な所なかなかローレンツとは差があると、そう分かる相手だ。流石にオユキと同じ年頃、メイと同じ年頃などという事は無いが、それでも王太子妃よりはいくらか年嵩、中年を超えてとその程度にしか見えないのだ。
万が一もあるため、流石に見た目を理由にオユキが口を出したりはしないのだが、先ほどまでの言葉を考えればなかなか思い切ったことをした人物には違いない。今こうして、何処かのんびりとした空気を纏っているのは確かにこれまでローレンツが彼女に対して確かな物を返していた証とでも言えばいいのだろうか。
「それにしても、まさか既に子供までとは。」
「やはり、ご存知では無かったのですね。」
「それは、ええ、流石に長い歴史をこの国が持っているとはいえ、異なる種族の事まで詳細にという訳ではありませんから。」
「何と言いましょうか、側にいた私からはつくづくでたらめなとしか言えぬ様子でした。」
既に彼女にも一体始まりの町で何があったのかは、正しく伝わっている。
「夫が変わらず思っている相手ですもの。その子を一度くらいは抱いて、祝福をと思っていたのですが。」
「それは、良い心掛けとは思いますが。」
「そうですね。流石にこの後巫女様について移動しても、叶わぬのでしょう。」
赤子を、己の伴侶とたとえ別の相手との間であれ、それでも祝福をと願うこの人物。こうした人物と時間を使うのは、オユキとしても実に心地よいものだ。ローレンツからの手紙にも、何か申し送りのような物が書かれていたのだろう。未だに間に合っていない作法、メイからも度々視線で注意されるそれがあるにもかかわらず、ただにこやかに。内心では、まぁ、流石に気にはしているに違いないが、それを表に出さない事が出来る相手。現にオユキとしては、ナザレアからの視線は感じているものではある。
「一応、もう少し成長すれば緩やかになるとか、そういった話は伺っていますので。」
「見知らぬ相手に、さて、いきなり抱き上げさせてくれるのかしら。」
「その辺りは、難しそうな所ですね。」
タルヤがと言えばいいのか、種族としてと言えばいいのか。己の足で歩き始めた時点で、基本的に放任している。そこで問題が起きるのかと言えば、言葉もどうにも妖しく、基本的には日向でただのんびりとしているだけ。それで問題が起きるはずもない為、オユキとしても放置している。トモエからは、タルヤに対してもう少しどうにかといった、子供の事なのだから少しくらいはといった視線を向ける事も度々。それにもかかわらず、ああしてのびのびとしているさまというのは、なかなか難しい種族だとそう思わざるを得ない。
「共存を考えれば、勿論叶うのでしょうが。」
「オユキ様から見ても、そのように。」
「そうですね。異邦の身からすれば、やはりあちらにはいない種族の方々ですから。」
こちらの世界の人々にとっては、異邦というのがいよいよ神話に近い世界なのだろうが、生憎とそちらは人でまとまった世界。ここまで理屈が通らぬ相手など。
「いえ、そもそも理などと言っても、成程。」
勝手に観測をして、分かっている範囲。それをして科学による法則の発見とされていたのだ。そうした、既存の物理法則が通らぬ事が過去からオユキが生きていた頃にまでさてどれほど存在していたのか。すぐ隣の惑星は、どうにか探査機が降りてから世紀が一つは進んでいたのだが、反対側、より恒星が近いほうは終ぞ話を聞くことも無かった。加えていないとされていたはずの存在に、こちらに来るにあたって声を掛けられた。
「無知を知る、成程。」
世には己の分からぬ事などいくらでもある。そうした理解はしていたつもりではあったし、常々戒めとして持っていたはず。だからこそ、常に最悪を想定してとそうした振る舞いを崩しはしない。だというのに、少し嬉しい事と言えばいいのか、万が一起こってくれれば良いと考える事、それが現実であると示されてもこうして心中には波が立つ。
「失礼しました。いくつになっても治らぬ、悪癖でして。」
ナザレアから少しどころでは無い圧が掛けられて、そこでようやく客人の存在をオユキも思い出す。
「いいえ。構いませんとも。私もこうしてお時間を頂ける事を嬉しく思っています。何分、既に子供も家を出てしまい、屋敷では暇を持て余しております。」
「その、失礼かとは存じますが。」
「ええ。こどもはフォキナの性を。セグレ子爵家は、残念ではありますが、続けるには養子を取らねば存続できないでしょうね。」
それはまた何とも。つまり、この人物としてはそこまでの事は考えず。家督を持っているはずの両親にしても、既に他界しているという事なのだろう。
「タルヤ様の子を、望みますか。」
「正直な所、セグレ子爵家は無くなっても良いと、既にそう考えています。」
「その、領地であったりは。」
「数代を遡っても、法衣ですから。」
ここで、回りまわってという事らしい。
ローレンツらしいと言えばいいのだろうか、彼に入れ知恵をした人間が誰なのかそれも思いつきそうなものだが、こうした手を打つかというのが、オユキとしては納得がいくような、行かないような。
「では、そうですね。今後の事は、色々とローレンツ卿が行ってくれるのでしょう。」
「オユキ様は、察しが良いのですね。」
「私から口にしたことです。そして、ローレンツ卿が頼りにしてくれるというのであれば喜んで応えましょう。」
どのみち、人手が足りているわけでもない。侍女役としてシェリアが今は付いてくれているのだが、生憎と彼女にしても己の心に定めた事がはっきりとある。今回隣国に向かう旅路についてくるとそう言っているのも、そちらに向けた物であるには違いない。確認はしていないのだが、まぁそれこそ向かった先で色々と動く事だろう。
「では、お願いしますね。夫は、やはり間違いなく私より先に儚くなってしまうでしょう。その後も生きて行かねばならぬというのならば、やはり生きて行くための理由は求めてしまいますから。」
「お気持ちは、そうですね痛いほどに。」
「オユキ様の生前は、トモエ卿が先にと聞きました。」
ローレンツにも、そうした流れをどこかの機会で話した事もある。そこまでを手紙に書いていたのかと、そんな事をオユキとしては意外に感じてしまうものだが、確かに契約書か仕様書化という程の分厚さはあったのだ。シェリアに頼んでから今日まで、まぁ、夜通し読んだとしてとても目を通せるような量ではない。重要な所を、彼女なりに選択しているのか、それともローレンツが封筒の中にさらに別で入れたものがあったのか。
「改めて、エステール・デュラン・セグレ。どうぞ今後ともお引き立てのほどを。」
最も、こう名乗るのはこの場が最後でしょうが、そう薄く微笑んで。
彼女としても、ローレンツを繋ぎとめたはずの者が消えるのは何処か寂しさを覚えているのだろう。
ローレンツにしても、かなり無理をした結果だとここまで色々と名乗りが違うとこからも、よくわかる。トモエが言うには、アベルよりも研鑽が見て取れたとそう評していたのだ。加護を含めてであれば、勿論アベルの方が上であることに違いは無いのだろうが、それでもと。明確な事実として、トモエが行使できる奇跡、恐らく魔術の分類では無いだろう力を使って、ローレンツはアベルと比べても実に平然としていたらしいのだから。後は、タルヤに己の想いを示す為にと、アベルが無しえなかったことを確かに成し遂げて見せたらしい。
「ええ。今後とも良しなに。」
さて、では今後の手続きはどうなるのだろうかと思いを巡らせるのだが、それについてはそれこそローレンツが居らねば始まらない物でもある。
「それにしても、今回ローレンツに頼んだのは、早まりましたかね。」
「いいえ、構わないでしょう。長く、セグレの名を頼んでいましたから。今回夫が得られる功績は、そのままフォキナ家に。」
「しかし、実利としてはという事ですか。」
名より実を取るのだと、また何とも分かりやすい手を打ってくるものだ。であれば、セグレ子爵家の去就ですらフォキナ家がどうにかするのだろう。
「あの人は、遂にと言いますか。」
「ええ。タルヤ様の方でも憎からず思っていたようで。」
そこに、内心に抱えている感情は実に複雑なのだろうが、それでもセグレ夫人はローレンツの身に起きた事を喜んでいる。トモエが言うには、そうしたことの一切を飲み込んだうえでこれまでの人生を過ごしてきた相手だ。今となっては何を考えているのか。それについては、いよいよ彼女の物ではあるだろう。
此処にトモエがいれば、もう少し気のきいたセリフもあるのだろうが生憎彼女を迎えるのはオユキだけ。
今朝がた、やはり目を覚ましてみればオユキがそこまで回復していない、しいて言えばさらに体調を崩したと見えたため、今はトモエが話をしてくるからと公爵邸に向かっている。そちらでは、まぁどう言えばいいのか。揃って随分と果断な振る舞いをしてくることだろう。正直、こうして話すべき相手が目の前にいるというのに、気が気ではない。
「まぁ。あの方らしい。」
「セグレ夫人は、タルヤ様と面識が。」
「そうですね。城に見習いとして上がっていたときに、教育係を担当して頂いたこともありますし、それからはしばらくの間、同僚として。」
どうにも、この夫人とローレンツにしても職場恋愛と言えばいいのか。出会うだけの場があったらしい。とすると。
「そうですね。御推察の通り、私の方から。」
「その、随分と情熱的と言いますか。」
「夫からの手紙には、オユキ様もそのようであるとお伺いしておりますよ。」
「確かに、人の事を言えた義理ではありませんね。」
まぁ、オユキにしてもトモエに向けている感情の熱量は、否定するような物でもない。
こうして、嫋やかにほほ笑むセグレ子爵夫人。見た目に関しては正直な所なかなかローレンツとは差があると、そう分かる相手だ。流石にオユキと同じ年頃、メイと同じ年頃などという事は無いが、それでも王太子妃よりはいくらか年嵩、中年を超えてとその程度にしか見えないのだ。
万が一もあるため、流石に見た目を理由にオユキが口を出したりはしないのだが、先ほどまでの言葉を考えればなかなか思い切ったことをした人物には違いない。今こうして、何処かのんびりとした空気を纏っているのは確かにこれまでローレンツが彼女に対して確かな物を返していた証とでも言えばいいのだろうか。
「それにしても、まさか既に子供までとは。」
「やはり、ご存知では無かったのですね。」
「それは、ええ、流石に長い歴史をこの国が持っているとはいえ、異なる種族の事まで詳細にという訳ではありませんから。」
「何と言いましょうか、側にいた私からはつくづくでたらめなとしか言えぬ様子でした。」
既に彼女にも一体始まりの町で何があったのかは、正しく伝わっている。
「夫が変わらず思っている相手ですもの。その子を一度くらいは抱いて、祝福をと思っていたのですが。」
「それは、良い心掛けとは思いますが。」
「そうですね。流石にこの後巫女様について移動しても、叶わぬのでしょう。」
赤子を、己の伴侶とたとえ別の相手との間であれ、それでも祝福をと願うこの人物。こうした人物と時間を使うのは、オユキとしても実に心地よいものだ。ローレンツからの手紙にも、何か申し送りのような物が書かれていたのだろう。未だに間に合っていない作法、メイからも度々視線で注意されるそれがあるにもかかわらず、ただにこやかに。内心では、まぁ、流石に気にはしているに違いないが、それを表に出さない事が出来る相手。現にオユキとしては、ナザレアからの視線は感じているものではある。
「一応、もう少し成長すれば緩やかになるとか、そういった話は伺っていますので。」
「見知らぬ相手に、さて、いきなり抱き上げさせてくれるのかしら。」
「その辺りは、難しそうな所ですね。」
タルヤがと言えばいいのか、種族としてと言えばいいのか。己の足で歩き始めた時点で、基本的に放任している。そこで問題が起きるのかと言えば、言葉もどうにも妖しく、基本的には日向でただのんびりとしているだけ。それで問題が起きるはずもない為、オユキとしても放置している。トモエからは、タルヤに対してもう少しどうにかといった、子供の事なのだから少しくらいはといった視線を向ける事も度々。それにもかかわらず、ああしてのびのびとしているさまというのは、なかなか難しい種族だとそう思わざるを得ない。
「共存を考えれば、勿論叶うのでしょうが。」
「オユキ様から見ても、そのように。」
「そうですね。異邦の身からすれば、やはりあちらにはいない種族の方々ですから。」
こちらの世界の人々にとっては、異邦というのがいよいよ神話に近い世界なのだろうが、生憎とそちらは人でまとまった世界。ここまで理屈が通らぬ相手など。
「いえ、そもそも理などと言っても、成程。」
勝手に観測をして、分かっている範囲。それをして科学による法則の発見とされていたのだ。そうした、既存の物理法則が通らぬ事が過去からオユキが生きていた頃にまでさてどれほど存在していたのか。すぐ隣の惑星は、どうにか探査機が降りてから世紀が一つは進んでいたのだが、反対側、より恒星が近いほうは終ぞ話を聞くことも無かった。加えていないとされていたはずの存在に、こちらに来るにあたって声を掛けられた。
「無知を知る、成程。」
世には己の分からぬ事などいくらでもある。そうした理解はしていたつもりではあったし、常々戒めとして持っていたはず。だからこそ、常に最悪を想定してとそうした振る舞いを崩しはしない。だというのに、少し嬉しい事と言えばいいのか、万が一起こってくれれば良いと考える事、それが現実であると示されてもこうして心中には波が立つ。
「失礼しました。いくつになっても治らぬ、悪癖でして。」
ナザレアから少しどころでは無い圧が掛けられて、そこでようやく客人の存在をオユキも思い出す。
「いいえ。構いませんとも。私もこうしてお時間を頂ける事を嬉しく思っています。何分、既に子供も家を出てしまい、屋敷では暇を持て余しております。」
「その、失礼かとは存じますが。」
「ええ。こどもはフォキナの性を。セグレ子爵家は、残念ではありますが、続けるには養子を取らねば存続できないでしょうね。」
それはまた何とも。つまり、この人物としてはそこまでの事は考えず。家督を持っているはずの両親にしても、既に他界しているという事なのだろう。
「タルヤ様の子を、望みますか。」
「正直な所、セグレ子爵家は無くなっても良いと、既にそう考えています。」
「その、領地であったりは。」
「数代を遡っても、法衣ですから。」
ここで、回りまわってという事らしい。
ローレンツらしいと言えばいいのだろうか、彼に入れ知恵をした人間が誰なのかそれも思いつきそうなものだが、こうした手を打つかというのが、オユキとしては納得がいくような、行かないような。
「では、そうですね。今後の事は、色々とローレンツ卿が行ってくれるのでしょう。」
「オユキ様は、察しが良いのですね。」
「私から口にしたことです。そして、ローレンツ卿が頼りにしてくれるというのであれば喜んで応えましょう。」
どのみち、人手が足りているわけでもない。侍女役としてシェリアが今は付いてくれているのだが、生憎と彼女にしても己の心に定めた事がはっきりとある。今回隣国に向かう旅路についてくるとそう言っているのも、そちらに向けた物であるには違いない。確認はしていないのだが、まぁそれこそ向かった先で色々と動く事だろう。
「では、お願いしますね。夫は、やはり間違いなく私より先に儚くなってしまうでしょう。その後も生きて行かねばならぬというのならば、やはり生きて行くための理由は求めてしまいますから。」
「お気持ちは、そうですね痛いほどに。」
「オユキ様の生前は、トモエ卿が先にと聞きました。」
ローレンツにも、そうした流れをどこかの機会で話した事もある。そこまでを手紙に書いていたのかと、そんな事をオユキとしては意外に感じてしまうものだが、確かに契約書か仕様書化という程の分厚さはあったのだ。シェリアに頼んでから今日まで、まぁ、夜通し読んだとしてとても目を通せるような量ではない。重要な所を、彼女なりに選択しているのか、それともローレンツが封筒の中にさらに別で入れたものがあったのか。
「改めて、エステール・デュラン・セグレ。どうぞ今後ともお引き立てのほどを。」
最も、こう名乗るのはこの場が最後でしょうが、そう薄く微笑んで。
彼女としても、ローレンツを繋ぎとめたはずの者が消えるのは何処か寂しさを覚えているのだろう。
ローレンツにしても、かなり無理をした結果だとここまで色々と名乗りが違うとこからも、よくわかる。トモエが言うには、アベルよりも研鑽が見て取れたとそう評していたのだ。加護を含めてであれば、勿論アベルの方が上であることに違いは無いのだろうが、それでもと。明確な事実として、トモエが行使できる奇跡、恐らく魔術の分類では無いだろう力を使って、ローレンツはアベルと比べても実に平然としていたらしいのだから。後は、タルヤに己の想いを示す為にと、アベルが無しえなかったことを確かに成し遂げて見せたらしい。
「ええ。今後とも良しなに。」
さて、では今後の手続きはどうなるのだろうかと思いを巡らせるのだが、それについてはそれこそローレンツが居らねば始まらない物でもある。
「それにしても、今回ローレンツに頼んだのは、早まりましたかね。」
「いいえ、構わないでしょう。長く、セグレの名を頼んでいましたから。今回夫が得られる功績は、そのままフォキナ家に。」
「しかし、実利としてはという事ですか。」
名より実を取るのだと、また何とも分かりやすい手を打ってくるものだ。であれば、セグレ子爵家の去就ですらフォキナ家がどうにかするのだろう。
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