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20章 かつてのように
疑念とも違う
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さて、こうした事態に際して創造神の印を掲げる事が出来る代官とはいえ町の長。戦と武技の神から位を与えられ、他の神々からも覚えがめでたいと外から見える巫女。
そんな二人が揃ってかけた号令だ。ここで名を上げたいものなど、それこそいくらでもいる。それだけを考えた者達は、試練を受けるには能わずと切り捨てられたが、それ以外の者たちにしてもやはり比率が違うだけで考えているには違いない。
「少々、思惑とずれた方も居られるでしょうし、メイ様が少々大変そうですね。」
絶対的な守護者として名高い存在、それと共に必ず描かれる物を司る伝承を含む神性を祖に持つ、翼人種の長が悪徳を全て焼き払った。ここにいる誰もが、もはや情けも容赦もないのだが、あくまで与えられた恩恵、加護によってしか汚染の度合い、神々に敵対しているかどうかわからぬ者達。存在としての規模の違いとでもいえばいいのか、尺度の違いとでもいえばいいのか。そんな存在が激高した結果、一片の金焔が触れればたちまちに選別が行われた。
「幾人かは捕らえる事を望まれていた、そう考えているのですが。」
「已むをえん。幾人か、軽度な者だろうが残っているようではある。」
触れれば、虐げられていただけだと分かる者については、少々の火傷はありそうだが何も起こっていない。しかし、そうでない者達は今となっては灰になり、炎熱の巻き起こす気流で吹き散らされている。その灰すらも残っているのか疑問があるあたり、何とも言えぬ終わりを迎えたものだ。
ローレンツの言うように、残っている者達もいるが軽傷と呼んでもいいのかとトモエが尋ねられれば、疑問を返すだろう。片腕が炭化している者、皮膚が炎熱にあぶられ爛れている者。このまま放置すれば、結果は一つではとそう思うような有様の者ばかり。こうしてトモエにしても、他の者達にしても悠長に話はしているが凡そ煩悩を抱えぬ者はいない。それを徹底的に排する存在は、やはり人とはもはや異なる。敵味方の区別なく、一切を断ずる焔は当然その場に居合わせた物を等しく問いただした。
虐げられていた者達が傷をほとんど追わずに済んでいるのは、それすら考えられぬ状況であったからだろう。もしくは、命を奪う程では無い者達に対しては、加減が働いているのか量刑としてそういった余裕も加味されているのか。
「翼人種、ほとんど見る事も無かったのだが。」
「よもやこれほどとは。」
戦場の中心で、特にオユキが気にするからだろう。一先ず側にいる相手に対して、簡単な確認などを行ってくれたりしている。トモエにしてもまぁしっかりと巻き込まれて、軽く痛みを覚える程度には怪我を負っている。
「さて、困りましたね。」
トモエが感じるのは、掌と右腕。何が言いたいのかは、まぁ、心当たりもあるため何とも言えぬ心持。ただ、それより気になる事がある。痛みの原因でもあるが。
「事は終わったわけですし、どうやって戻りましょうか。」
元凶は焼き尽くされた。無論極一部とすら呼べぬ程度であろうが。であれば、トモエは早々に戻ろうと考える。ここに残っても、森を切り開く手伝い程度は出来るがそれにしてもというものだ。
「そうですね。トモエ様には早くお戻り頂かねばオユキ様が心配ですし。」
「ふむ。それほどか。任せたならばとも思うが。」
「愛情深い方ですから。こうした判断をする程に。」
オユキが関与しなければ、追い払う事を主眼に置いた作戦が通ったであろう。何となれば犠牲を前提として、こうして今は助けられている者達を連れて行こうと、己の手に入れた娯楽を手放すまいとするところを切り取っていくという、実にらしいものになったであろう。それを頑なにオユキは許しはしなかった。
時間を掛ければ、それだけで生まれる犠牲がある。しかし、その方がまだ少ないと、希望らしきものが見えぬ方がまだ良いと、実に頑なであった。それが結果として、サキからわずかながらの情報を手に入れてから今まで時間を使った理由でもある。他に取りうる手段というのは、実際にはあったのだから。尤もらしい理屈を掲げ、それもそうだろう人を説得するために使っているのだから、周囲がそれを望んでいるというのに許さなかった。
「その辺りは、まぁ、その通りですが。」
「はい。それを一身に受けるトモエ様が戻るのに時間を掛ければ。」
トモエが危険な場に赴く、それに己が同行しない。たったそれだけの事で、オユキよりもよほど優れた人物が守りにつくというのに、血を流すほどに懊悩するのだ。徒に時間を掛ければ、それこそ激発した所で何もおかしくない。そして、縁を得た柱がともすれば後押しをする。
トモエとしては、実に嬉しい事ではあるが、まぁ、そこはやはり十人十色。
「戻るとして、一応あちらから来たとは思うのですが。」
既に花精達によって開かれた道は閉ざされている。フスカにしても後からついてきたわけでは無い。では、空からかと言えば、トモエも正直何時隣に現れたのか、それは今一つ理解が出来ていない。近づいてくる、その気配を感じる事は無く、ただ突然いると認識が出来た相手。
「さて、確かに向こうから来はしたのだが。」
「ええ。真っ直ぐであったのか、それも正直。」
曰く、森に道を開くというのは、通れる道を作るという事であるのだとか。それが直線で挽かれているという保証もなければ、移動した距離と実際のそれが同じであるかすら怪しいものだ。
「ご心配なく。色々と、良い思いを私たちもしましたから、この者くらいは運びましょう。」
「では、お願いいたします。」
それに対しては、運び手が存在し請け負ってくれるというのだから、解決とすればよい。オユキがそう望む様に、トモエとて早々に戻れるというのなら否は無い。
「お二人も、なるべく早く。」
「ええ、勿論です。」
「フスカ殿には、許されるなら町の方向だけでも、そう考えてしまいますが。」
生憎と全く土地勘もない広大な森の中。そこにポツンとという訳でもないが飲み込まれて戻るべき道を直ぐに見いだせる様な技能は、基本的に持ち合わせていない。それこそ単身で国から国へと移動を叶えたらしいアイリスでもいれば、問題ないのかもしれないが同じく獣の特徴を持つ者達にしてもここでの会話は聞こえているだろうに話に入ってこないのだ。何処ろか、何故そのように気楽に話して居られるのかと周囲からの視線が厳しくなっている。急ぎですべてを片付けると決めたため、森の中で長く過ごす用意など一切ないのだから。
「おや、その辺り共有されていませんか。」
そうした見落としを、オユキはしないであろうと考えていたトモエは、実に不思議と首をかしげる。ただ、そのトモエの様子に、間違いなく立案段階から参加していたであろうローレンツも分からぬといった様子。
「となると、メイ様に許可を取っていないのでしょうか。」
「その、トモエ様。」
「いえ、オユキさんはこの跡地を新しい町とするつもりでしたから。」
そのために商人ギルドにも声を掛けていた。他にも、色々と手を考えているとトモエは考えていた。戦力を集めるにしても、周囲への配慮という名目で過剰とも呼べる数を揃えた。サキに知らせないようにと言いながらも、しかし動き自体は派手であった。汚染の元凶がいた場、そのまま放置するよりも何か手を加えたほうがいいと御いう考えがあったのか、今後の事を考えた上で布石としておきたかったのか。そこまでトモエの考えが及ぶ事は無いが。
「では、戻りましょうか。目印代わりに木を一つ焼くとしましょう。その方角が町です。」
「あの、トモエ様。少し伺いたいのですが。」
フスカに言っても無駄と、早々に見切りをつけたのかトモエにシェリアが話しを振ってくるがそのトモエにしても既に何かに捕まれて地面から足が浮いている。直接体に触れさせなどさせるはずもないが、それでもしっかりとした安定感でフスカが翼を広げればそれにつられて。
移動を止める気もなければ、あまり多くを語る猶予も無いだろう。
「私が戻れば、町からこちらに向けての動きも生まれるでしょう。オユキさんは、此処に新しく拠点をと考えていますから。」
「あの、それは。」
それこそオユキに余裕があれば、事前に相談なり計画なりを立てていたのだろうが、今度ばかりはそれもなかった。トモエが早々にオユキは絶対にこの場に居合わせる事を許さぬと、そうした構えを見せたから。思い詰める、追い詰められる原因は今回に関してはトモエにあるが、それを言い出せばトモエに選択させるオユキにもある。
いよいよどちらもどちら。互いにとっては最善であるが、外から見ればまぁ色々と言いたいこともあるだろうと、それはトモエ自身も思うところではある。まぁ、それを評価されている部分も多いようでもある。人の機微は分からぬが、それに対して神々からあれやこれやとある以上は、そちらからは間違いなく。
「ですから、私が戻れば、オユキさんも人を動かすでしょう。」
「オユキ様が動かせる手勢というのは。」
「何も己を抱えている相手ばかりではなく、他の者達を動かせますよ。」
トモエにしては珍しく、実際に距離が明け始めているため仕方が無いのだが、声を張り上げてとなっている。シェリアは既に諦め、今は代わりにローレンツが。
「口を開けていると、危ないですよ。」
「時間は頂ける、その程度の配慮を見せて下さる程度には買って頂いているのですね。」
フスカからの忠告は一度流し。
「それと、問題はなさそうですからオユキさんもこちらに足を運びますので。」
そうトモエが告げれば、何やらシェリアとローレンツが慌て始めている。まぁ、それもそうだろう。
立つ鳥に連れられ、後を散々に濁して、片付けが出来る人間を連れて来る。まぁ、どうした所で急に決まった、急に決めた事ばかり。整えた後には見られる結果として残るだろうが、それまでの間というのは、やはりそのような物。
「オユキさん、心配しているでしょうね。」
「熱量は申し分ありませんが、私たちの好む物とは尽く合いませんね、あの者は。」
トモエから思わずと零れた言葉には、実に明快な感想が返ってくる。
そんな二人が揃ってかけた号令だ。ここで名を上げたいものなど、それこそいくらでもいる。それだけを考えた者達は、試練を受けるには能わずと切り捨てられたが、それ以外の者たちにしてもやはり比率が違うだけで考えているには違いない。
「少々、思惑とずれた方も居られるでしょうし、メイ様が少々大変そうですね。」
絶対的な守護者として名高い存在、それと共に必ず描かれる物を司る伝承を含む神性を祖に持つ、翼人種の長が悪徳を全て焼き払った。ここにいる誰もが、もはや情けも容赦もないのだが、あくまで与えられた恩恵、加護によってしか汚染の度合い、神々に敵対しているかどうかわからぬ者達。存在としての規模の違いとでもいえばいいのか、尺度の違いとでもいえばいいのか。そんな存在が激高した結果、一片の金焔が触れればたちまちに選別が行われた。
「幾人かは捕らえる事を望まれていた、そう考えているのですが。」
「已むをえん。幾人か、軽度な者だろうが残っているようではある。」
触れれば、虐げられていただけだと分かる者については、少々の火傷はありそうだが何も起こっていない。しかし、そうでない者達は今となっては灰になり、炎熱の巻き起こす気流で吹き散らされている。その灰すらも残っているのか疑問があるあたり、何とも言えぬ終わりを迎えたものだ。
ローレンツの言うように、残っている者達もいるが軽傷と呼んでもいいのかとトモエが尋ねられれば、疑問を返すだろう。片腕が炭化している者、皮膚が炎熱にあぶられ爛れている者。このまま放置すれば、結果は一つではとそう思うような有様の者ばかり。こうしてトモエにしても、他の者達にしても悠長に話はしているが凡そ煩悩を抱えぬ者はいない。それを徹底的に排する存在は、やはり人とはもはや異なる。敵味方の区別なく、一切を断ずる焔は当然その場に居合わせた物を等しく問いただした。
虐げられていた者達が傷をほとんど追わずに済んでいるのは、それすら考えられぬ状況であったからだろう。もしくは、命を奪う程では無い者達に対しては、加減が働いているのか量刑としてそういった余裕も加味されているのか。
「翼人種、ほとんど見る事も無かったのだが。」
「よもやこれほどとは。」
戦場の中心で、特にオユキが気にするからだろう。一先ず側にいる相手に対して、簡単な確認などを行ってくれたりしている。トモエにしてもまぁしっかりと巻き込まれて、軽く痛みを覚える程度には怪我を負っている。
「さて、困りましたね。」
トモエが感じるのは、掌と右腕。何が言いたいのかは、まぁ、心当たりもあるため何とも言えぬ心持。ただ、それより気になる事がある。痛みの原因でもあるが。
「事は終わったわけですし、どうやって戻りましょうか。」
元凶は焼き尽くされた。無論極一部とすら呼べぬ程度であろうが。であれば、トモエは早々に戻ろうと考える。ここに残っても、森を切り開く手伝い程度は出来るがそれにしてもというものだ。
「そうですね。トモエ様には早くお戻り頂かねばオユキ様が心配ですし。」
「ふむ。それほどか。任せたならばとも思うが。」
「愛情深い方ですから。こうした判断をする程に。」
オユキが関与しなければ、追い払う事を主眼に置いた作戦が通ったであろう。何となれば犠牲を前提として、こうして今は助けられている者達を連れて行こうと、己の手に入れた娯楽を手放すまいとするところを切り取っていくという、実にらしいものになったであろう。それを頑なにオユキは許しはしなかった。
時間を掛ければ、それだけで生まれる犠牲がある。しかし、その方がまだ少ないと、希望らしきものが見えぬ方がまだ良いと、実に頑なであった。それが結果として、サキからわずかながらの情報を手に入れてから今まで時間を使った理由でもある。他に取りうる手段というのは、実際にはあったのだから。尤もらしい理屈を掲げ、それもそうだろう人を説得するために使っているのだから、周囲がそれを望んでいるというのに許さなかった。
「その辺りは、まぁ、その通りですが。」
「はい。それを一身に受けるトモエ様が戻るのに時間を掛ければ。」
トモエが危険な場に赴く、それに己が同行しない。たったそれだけの事で、オユキよりもよほど優れた人物が守りにつくというのに、血を流すほどに懊悩するのだ。徒に時間を掛ければ、それこそ激発した所で何もおかしくない。そして、縁を得た柱がともすれば後押しをする。
トモエとしては、実に嬉しい事ではあるが、まぁ、そこはやはり十人十色。
「戻るとして、一応あちらから来たとは思うのですが。」
既に花精達によって開かれた道は閉ざされている。フスカにしても後からついてきたわけでは無い。では、空からかと言えば、トモエも正直何時隣に現れたのか、それは今一つ理解が出来ていない。近づいてくる、その気配を感じる事は無く、ただ突然いると認識が出来た相手。
「さて、確かに向こうから来はしたのだが。」
「ええ。真っ直ぐであったのか、それも正直。」
曰く、森に道を開くというのは、通れる道を作るという事であるのだとか。それが直線で挽かれているという保証もなければ、移動した距離と実際のそれが同じであるかすら怪しいものだ。
「ご心配なく。色々と、良い思いを私たちもしましたから、この者くらいは運びましょう。」
「では、お願いいたします。」
それに対しては、運び手が存在し請け負ってくれるというのだから、解決とすればよい。オユキがそう望む様に、トモエとて早々に戻れるというのなら否は無い。
「お二人も、なるべく早く。」
「ええ、勿論です。」
「フスカ殿には、許されるなら町の方向だけでも、そう考えてしまいますが。」
生憎と全く土地勘もない広大な森の中。そこにポツンとという訳でもないが飲み込まれて戻るべき道を直ぐに見いだせる様な技能は、基本的に持ち合わせていない。それこそ単身で国から国へと移動を叶えたらしいアイリスでもいれば、問題ないのかもしれないが同じく獣の特徴を持つ者達にしてもここでの会話は聞こえているだろうに話に入ってこないのだ。何処ろか、何故そのように気楽に話して居られるのかと周囲からの視線が厳しくなっている。急ぎですべてを片付けると決めたため、森の中で長く過ごす用意など一切ないのだから。
「おや、その辺り共有されていませんか。」
そうした見落としを、オユキはしないであろうと考えていたトモエは、実に不思議と首をかしげる。ただ、そのトモエの様子に、間違いなく立案段階から参加していたであろうローレンツも分からぬといった様子。
「となると、メイ様に許可を取っていないのでしょうか。」
「その、トモエ様。」
「いえ、オユキさんはこの跡地を新しい町とするつもりでしたから。」
そのために商人ギルドにも声を掛けていた。他にも、色々と手を考えているとトモエは考えていた。戦力を集めるにしても、周囲への配慮という名目で過剰とも呼べる数を揃えた。サキに知らせないようにと言いながらも、しかし動き自体は派手であった。汚染の元凶がいた場、そのまま放置するよりも何か手を加えたほうがいいと御いう考えがあったのか、今後の事を考えた上で布石としておきたかったのか。そこまでトモエの考えが及ぶ事は無いが。
「では、戻りましょうか。目印代わりに木を一つ焼くとしましょう。その方角が町です。」
「あの、トモエ様。少し伺いたいのですが。」
フスカに言っても無駄と、早々に見切りをつけたのかトモエにシェリアが話しを振ってくるがそのトモエにしても既に何かに捕まれて地面から足が浮いている。直接体に触れさせなどさせるはずもないが、それでもしっかりとした安定感でフスカが翼を広げればそれにつられて。
移動を止める気もなければ、あまり多くを語る猶予も無いだろう。
「私が戻れば、町からこちらに向けての動きも生まれるでしょう。オユキさんは、此処に新しく拠点をと考えていますから。」
「あの、それは。」
それこそオユキに余裕があれば、事前に相談なり計画なりを立てていたのだろうが、今度ばかりはそれもなかった。トモエが早々にオユキは絶対にこの場に居合わせる事を許さぬと、そうした構えを見せたから。思い詰める、追い詰められる原因は今回に関してはトモエにあるが、それを言い出せばトモエに選択させるオユキにもある。
いよいよどちらもどちら。互いにとっては最善であるが、外から見ればまぁ色々と言いたいこともあるだろうと、それはトモエ自身も思うところではある。まぁ、それを評価されている部分も多いようでもある。人の機微は分からぬが、それに対して神々からあれやこれやとある以上は、そちらからは間違いなく。
「ですから、私が戻れば、オユキさんも人を動かすでしょう。」
「オユキ様が動かせる手勢というのは。」
「何も己を抱えている相手ばかりではなく、他の者達を動かせますよ。」
トモエにしては珍しく、実際に距離が明け始めているため仕方が無いのだが、声を張り上げてとなっている。シェリアは既に諦め、今は代わりにローレンツが。
「口を開けていると、危ないですよ。」
「時間は頂ける、その程度の配慮を見せて下さる程度には買って頂いているのですね。」
フスカからの忠告は一度流し。
「それと、問題はなさそうですからオユキさんもこちらに足を運びますので。」
そうトモエが告げれば、何やらシェリアとローレンツが慌て始めている。まぁ、それもそうだろう。
立つ鳥に連れられ、後を散々に濁して、片付けが出来る人間を連れて来る。まぁ、どうした所で急に決まった、急に決めた事ばかり。整えた後には見られる結果として残るだろうが、それまでの間というのは、やはりそのような物。
「オユキさん、心配しているでしょうね。」
「熱量は申し分ありませんが、私たちの好む物とは尽く合いませんね、あの者は。」
トモエから思わずと零れた言葉には、実に明快な感想が返ってくる。
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