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19章 久しぶりの日々
それぞれの休日
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朝食を終えれば、後はいつもの事。
今後を踏まえた上でのことなど、流石にその日のうちに直ぐにという訳にもいかない。勿論、それを望んでいる相手が多くいるのも理解は出来るのだが、準備はそれぞれに必要になる。カリンとヴィルヘルミナに衣装の相談をしようにも、まずはリース伯爵子女が催す会にファンタズマ子爵家として参加するのであれば、使える布はどれなのか。そこからであり、そのような物は異邦で暮らす者達が分かる範囲を超えている。最低限をすでに伝えているため、後は期間の報告で駆け回っているカレンが選ぶのを待つのみだ。
午前中は、トモエとオユキは揃って武器を手に持ち楽しく時間を過ごした後でそれぞれに。
「珍しいと、そう感じてしまいますね。」
「トモエさんと私では、やはり違いもありますから。」
そしてシェリアを側に置いて、オユキはローレンツが約束通り手配をしてくれた書籍の検分などを行っている。
要望通りという訳ではなく、書見台も据えられた少々仰々しい室内。相変わらず防衛の観点からだろうが窓もなく証明も無いというのに明るい室内でまずは言語に合わせて書籍を選り分けていく。
「互いに尊重されていますし、久しぶりの休日ですから。」
「ああ。」
シェリアとしては、以前にも付き合わせているように揃って出かけて、そう考えていたらしい。
「今度ばかりはトモエさんも寝ている期間が長かったようですから、町歩きは後日ですね。」
体調に問題が無い、少なくとも少しある位でどうなるものではないと午前中の鍛錬で理解はある。しかし、オユキだけでなくトモエも意気が上がる程度には、やはり疲労が根深い。ならば、そのような相手に負担を知るのはどちらも好まぬ振る舞いだ。
「なるべく早く、河沿いの町にも足を延ばす予定ですから。」
「畏まりました。それから、今後はウニルと。」
「町の名前も決まりましたか。意識して口にするようにしなければいけませんね。」
ウニル、そのまま合流という意味。捻りが無い当たり、レジス侯爵家が武門らしい武骨さを見せた物だと少々笑いもオユキから零れそうになる。
「趣に欠けますわ。」
「仕方のない物でしょう。魔国にとっても分かりやすい名前でなければなりませんから。それに急に決めよと言われたでしょうから。」
「陛下にも困ったものです。オユキ様とトモエ様から、改めてあの子供たちを誉めておいてください。」
何やらオユキの想像よりも国王陛下に構われていたらしい。
「ええ。そうしましょうとも。暫くは同行してもらいますから。」
「それは。」
言われてオユキは少し考え、やはり告げてしまう事とする。話すなと言われているのは、あくまで本人に向けて。
「アナさんが、月と安息から年若い巫女が出来そうだと、そのように。」
軽く息をのむ音が聞こえたのは、やはりオユキが思うよりもこちらではその位が重たいものであるからなのだろう。
「だからこそ、現在の巫女様が己の終の住処とした場所を離れ時間を使ってくださっているわけですから。」
「それは、どなたまで。」
「思えば、あまり吹聴していませんでしたね。本人も余り周囲から仰々しく扱われれば練習に身も入らないでしょうから。彼の神よりは、本人には未だ伝えぬようにと、それだけです。こうして話して伝わったという事は、そう言う事ですから。」
オユキの発言に、シェリアが重いため息を。
「オユキ様、お忘れですか。」
そして何故シェリアがオユキの側に付けられることになったのか、その話を改めてされる。巫女に対して護衛を付ける事は、国法に定められている。
「ですが、今は未だ持祭ですから。」
「しかし、神々より直々に指名されているのですから。」
その辺りは、さてどうなる事だろうとオユキは考えるがこればかりは考えても分かる事ではないと、早々に匙を投げる。より身近な責任者がいるのだ、そちらに任せてしまえば良いと。
「司教様にお伺いするのが良いでしょう。」
「それしかありませんか。しかし、オユキ様からも報告だけは。」
「ええ。正直忘れていたといいますか、既に知っている方も居られるのだろうと。」
実際に、現職の巫女は理解しているのだ。教会に勤めオユキよりもよほど敬虔な信徒であり、高位の位を持つ相手は知っていても不思議ではないだろうと、どうした所でそう考えてしまう。アナが相応しいかどうか、位を示すものを与えるのはロザリア司教に一任されていることもある。
「となると、暫く一緒にという事は。」
「そうですね。アナさんは必ず。そうなれば他の子たちもとなるでしょう。」
別けられた書籍はそれなりの量に及んでおり、仕分けにも一仕事。スペイン語も口語で最低限の単語は分かるとはいえ文章が読めるほどではない。どうにも、そちらにも少々後ろ髪が引かれる物だが仕方ない。蔵書の割合として圧倒的にそちらが多いのだとしても。そうしてオユキが分けていればシェリアもある程度気が付くようで、そちらでも仕分けを進めてくれる。そうなれば役割分担も出来、オユキの方ではすっかりと一先ず読もうと思う本と、後に回そうと考えるものとを己からほど近い本棚へと収める作業に。それこそ、本来であれば使用人に任せるべき内容かもしれないが、整理の方法も分からぬ現状では手を出せる物でもない。一先ず並んだそれを見て、今後は集めた物を頼んでいくことになるだろう。
「一度計画を見直さねばなりませんね。」
「そう言えば、次の移動はどなたが。」
「ユリアが、今王都で。」
「王太子妃様自らですか。ご令息を外に出すのは、流石に早いと思いますが。」
汚染から守る手立てがない。本来であれば、ある程度は耐性があるのだが、生まれたばかりの王族にはそれが無いと言われたに等しい守りの内で暮らさなければならない子供だ。
「月と安息の教会から、オユキ様の得られた安息の奇跡を簡易的にするものを使えばとの事です。」
「理屈は分かりますが、そこで危険を。いえ、それが必要になると考えるに足る情報は確かに。」
安息の内に守られているばかり、それでは加護が伸びない。そう考えるに足る情報を集め、報告書として仕立てたのはオユキだ。ならばそれを目にした相手が、危険を飲んで事を起こすかどうかだ。
「オユキ様とトモエ様の周囲では汚染が広がらない、その報告も。」
「となると、タルヤ様もこちらですか。」
「ええ。今は王都に新たに齎されたアイリス様の祖霊に依る加護、それの定着の為に大地に詳しく力の方向も合うからと。」
「後はこちらでの花精との関係、それが定まってからでなければという事なのでしょう。」
そちらもシグルド相手に一先ず請け負って、先延ばしとなっている。
「流石にそちらは、アイリスさんがいない間にという訳にも行きませんから。」
ただ、事がアイリスによるもの。当の本人がおらぬ場で決められる物でもない。
「そう言えば、何故アイリスさんと言いますかアベルさんはそこまで急いで河沿いのウニルへ。」
「陛下が王都へと戻る前に、アベル様に。」
「成程。勅命ばかりはどうなる物でもありませんか。」
現地の検分を行い、改めて詳細を報告せよとそう命を受けたらしい。これまでを考えれば、オユキとトモエが目を覚ますのを待った上で、同行をとなったであろう。だとすれば、アベルの方でも以前王都で話した時に少々零していたがそれに向けて動き出しており、試されるべきことが多々あるという事なのだろう。ともすれば、今いる戦力を連れて、実際に橋がどうなっているのか、それを簡単に試すことまで含まれている事だろう。実際に渡り切るのではなく、出入りと、内部がどうなっているのか。調べるべきことはいくらでもある。特に魔国からも強く求められるであろうそういった情報は、速やかに調べるに越した事は無い。
「休むと決めても、相も変わらず難しい事ですね。」
「今度はこうして多くを任かせて頂いています。以前に比べれば、ゆっくりと時間を過ごして頂けるかと。」
「それも、そうですね。」
話ながらも手を動かしていれば、一先ずオユキがすぐに読むことができる書物の整理も終わる。題名がある物ばかりではなく、どれから読むかを選ぶためにも数行づつしか目を通していないが、やはり興味を引くものが多かった。そうであるなら、久しぶりの休日。数日前にようやく意識が戻った相手を訪うような無礼者は、門を固める者達が容赦なく追い返してくれるだろう。ならば、今からオユキが同時間を過ごすかなど決まっている。
「印刷技術がある、これは喜ぶ事ですね。」
「知識と魔の神が、世界の成り立ちと共に美と芸術の女神と共に人に与えた道具ですね。」
「文字、活字であれば確かに美意識も働きますか。だとすると、手習いとして写本などもありそうですね。」
「はい。勿論私たちも皆幼少の頃より。」
だとすると、如何にも活版印刷と見える本の中のいくつかは人の手によるものかもしれない。
そうなるといよいよ面白いものだと、オユキはそう考えながらもまずは早速とばかりに一つの書籍を書見台に置く。気になるものは多かったのだが、特に気になった一冊。王都の歴史を読み解くにはこれ以上無いだろう史料。流石に消したと断言された歴史は記載されていないだろうが、ヒメネス家当主が王都に於いて与えられた、新しい区画の建設計画書。公文書だからこそ英語で記されたそれを広げる。生憎と、娯楽として親しまれる物のほとんどは神国で使われているスペイン語によるものだ。休日に楽しむのなら、そういった物も良いだろうと思わないでもないが、事オユキにとっては、これすらも娯楽の内。
「シェリア、紙と筆記具の用意を。」
「畏まりました。後程お茶の用意もしましょう。」
「書斎では、どうかとも思いますが。」
後は習いとして、読みながら気になった部分、己の中で改めて整理したい箇所を書き出すための用具を求めれば、休憩なのだからとそう言った提案もある。そこからは、休日らしいかと言われれば、さて人に依っては首を傾げられそうなものだが、紙をめくる音、筆記具が机を擦る音それらを共に、時にはシェリアに疑問をぶつけて。
今後を踏まえた上でのことなど、流石にその日のうちに直ぐにという訳にもいかない。勿論、それを望んでいる相手が多くいるのも理解は出来るのだが、準備はそれぞれに必要になる。カリンとヴィルヘルミナに衣装の相談をしようにも、まずはリース伯爵子女が催す会にファンタズマ子爵家として参加するのであれば、使える布はどれなのか。そこからであり、そのような物は異邦で暮らす者達が分かる範囲を超えている。最低限をすでに伝えているため、後は期間の報告で駆け回っているカレンが選ぶのを待つのみだ。
午前中は、トモエとオユキは揃って武器を手に持ち楽しく時間を過ごした後でそれぞれに。
「珍しいと、そう感じてしまいますね。」
「トモエさんと私では、やはり違いもありますから。」
そしてシェリアを側に置いて、オユキはローレンツが約束通り手配をしてくれた書籍の検分などを行っている。
要望通りという訳ではなく、書見台も据えられた少々仰々しい室内。相変わらず防衛の観点からだろうが窓もなく証明も無いというのに明るい室内でまずは言語に合わせて書籍を選り分けていく。
「互いに尊重されていますし、久しぶりの休日ですから。」
「ああ。」
シェリアとしては、以前にも付き合わせているように揃って出かけて、そう考えていたらしい。
「今度ばかりはトモエさんも寝ている期間が長かったようですから、町歩きは後日ですね。」
体調に問題が無い、少なくとも少しある位でどうなるものではないと午前中の鍛錬で理解はある。しかし、オユキだけでなくトモエも意気が上がる程度には、やはり疲労が根深い。ならば、そのような相手に負担を知るのはどちらも好まぬ振る舞いだ。
「なるべく早く、河沿いの町にも足を延ばす予定ですから。」
「畏まりました。それから、今後はウニルと。」
「町の名前も決まりましたか。意識して口にするようにしなければいけませんね。」
ウニル、そのまま合流という意味。捻りが無い当たり、レジス侯爵家が武門らしい武骨さを見せた物だと少々笑いもオユキから零れそうになる。
「趣に欠けますわ。」
「仕方のない物でしょう。魔国にとっても分かりやすい名前でなければなりませんから。それに急に決めよと言われたでしょうから。」
「陛下にも困ったものです。オユキ様とトモエ様から、改めてあの子供たちを誉めておいてください。」
何やらオユキの想像よりも国王陛下に構われていたらしい。
「ええ。そうしましょうとも。暫くは同行してもらいますから。」
「それは。」
言われてオユキは少し考え、やはり告げてしまう事とする。話すなと言われているのは、あくまで本人に向けて。
「アナさんが、月と安息から年若い巫女が出来そうだと、そのように。」
軽く息をのむ音が聞こえたのは、やはりオユキが思うよりもこちらではその位が重たいものであるからなのだろう。
「だからこそ、現在の巫女様が己の終の住処とした場所を離れ時間を使ってくださっているわけですから。」
「それは、どなたまで。」
「思えば、あまり吹聴していませんでしたね。本人も余り周囲から仰々しく扱われれば練習に身も入らないでしょうから。彼の神よりは、本人には未だ伝えぬようにと、それだけです。こうして話して伝わったという事は、そう言う事ですから。」
オユキの発言に、シェリアが重いため息を。
「オユキ様、お忘れですか。」
そして何故シェリアがオユキの側に付けられることになったのか、その話を改めてされる。巫女に対して護衛を付ける事は、国法に定められている。
「ですが、今は未だ持祭ですから。」
「しかし、神々より直々に指名されているのですから。」
その辺りは、さてどうなる事だろうとオユキは考えるがこればかりは考えても分かる事ではないと、早々に匙を投げる。より身近な責任者がいるのだ、そちらに任せてしまえば良いと。
「司教様にお伺いするのが良いでしょう。」
「それしかありませんか。しかし、オユキ様からも報告だけは。」
「ええ。正直忘れていたといいますか、既に知っている方も居られるのだろうと。」
実際に、現職の巫女は理解しているのだ。教会に勤めオユキよりもよほど敬虔な信徒であり、高位の位を持つ相手は知っていても不思議ではないだろうと、どうした所でそう考えてしまう。アナが相応しいかどうか、位を示すものを与えるのはロザリア司教に一任されていることもある。
「となると、暫く一緒にという事は。」
「そうですね。アナさんは必ず。そうなれば他の子たちもとなるでしょう。」
別けられた書籍はそれなりの量に及んでおり、仕分けにも一仕事。スペイン語も口語で最低限の単語は分かるとはいえ文章が読めるほどではない。どうにも、そちらにも少々後ろ髪が引かれる物だが仕方ない。蔵書の割合として圧倒的にそちらが多いのだとしても。そうしてオユキが分けていればシェリアもある程度気が付くようで、そちらでも仕分けを進めてくれる。そうなれば役割分担も出来、オユキの方ではすっかりと一先ず読もうと思う本と、後に回そうと考えるものとを己からほど近い本棚へと収める作業に。それこそ、本来であれば使用人に任せるべき内容かもしれないが、整理の方法も分からぬ現状では手を出せる物でもない。一先ず並んだそれを見て、今後は集めた物を頼んでいくことになるだろう。
「一度計画を見直さねばなりませんね。」
「そう言えば、次の移動はどなたが。」
「ユリアが、今王都で。」
「王太子妃様自らですか。ご令息を外に出すのは、流石に早いと思いますが。」
汚染から守る手立てがない。本来であれば、ある程度は耐性があるのだが、生まれたばかりの王族にはそれが無いと言われたに等しい守りの内で暮らさなければならない子供だ。
「月と安息の教会から、オユキ様の得られた安息の奇跡を簡易的にするものを使えばとの事です。」
「理屈は分かりますが、そこで危険を。いえ、それが必要になると考えるに足る情報は確かに。」
安息の内に守られているばかり、それでは加護が伸びない。そう考えるに足る情報を集め、報告書として仕立てたのはオユキだ。ならばそれを目にした相手が、危険を飲んで事を起こすかどうかだ。
「オユキ様とトモエ様の周囲では汚染が広がらない、その報告も。」
「となると、タルヤ様もこちらですか。」
「ええ。今は王都に新たに齎されたアイリス様の祖霊に依る加護、それの定着の為に大地に詳しく力の方向も合うからと。」
「後はこちらでの花精との関係、それが定まってからでなければという事なのでしょう。」
そちらもシグルド相手に一先ず請け負って、先延ばしとなっている。
「流石にそちらは、アイリスさんがいない間にという訳にも行きませんから。」
ただ、事がアイリスによるもの。当の本人がおらぬ場で決められる物でもない。
「そう言えば、何故アイリスさんと言いますかアベルさんはそこまで急いで河沿いのウニルへ。」
「陛下が王都へと戻る前に、アベル様に。」
「成程。勅命ばかりはどうなる物でもありませんか。」
現地の検分を行い、改めて詳細を報告せよとそう命を受けたらしい。これまでを考えれば、オユキとトモエが目を覚ますのを待った上で、同行をとなったであろう。だとすれば、アベルの方でも以前王都で話した時に少々零していたがそれに向けて動き出しており、試されるべきことが多々あるという事なのだろう。ともすれば、今いる戦力を連れて、実際に橋がどうなっているのか、それを簡単に試すことまで含まれている事だろう。実際に渡り切るのではなく、出入りと、内部がどうなっているのか。調べるべきことはいくらでもある。特に魔国からも強く求められるであろうそういった情報は、速やかに調べるに越した事は無い。
「休むと決めても、相も変わらず難しい事ですね。」
「今度はこうして多くを任かせて頂いています。以前に比べれば、ゆっくりと時間を過ごして頂けるかと。」
「それも、そうですね。」
話ながらも手を動かしていれば、一先ずオユキがすぐに読むことができる書物の整理も終わる。題名がある物ばかりではなく、どれから読むかを選ぶためにも数行づつしか目を通していないが、やはり興味を引くものが多かった。そうであるなら、久しぶりの休日。数日前にようやく意識が戻った相手を訪うような無礼者は、門を固める者達が容赦なく追い返してくれるだろう。ならば、今からオユキが同時間を過ごすかなど決まっている。
「印刷技術がある、これは喜ぶ事ですね。」
「知識と魔の神が、世界の成り立ちと共に美と芸術の女神と共に人に与えた道具ですね。」
「文字、活字であれば確かに美意識も働きますか。だとすると、手習いとして写本などもありそうですね。」
「はい。勿論私たちも皆幼少の頃より。」
だとすると、如何にも活版印刷と見える本の中のいくつかは人の手によるものかもしれない。
そうなるといよいよ面白いものだと、オユキはそう考えながらもまずは早速とばかりに一つの書籍を書見台に置く。気になるものは多かったのだが、特に気になった一冊。王都の歴史を読み解くにはこれ以上無いだろう史料。流石に消したと断言された歴史は記載されていないだろうが、ヒメネス家当主が王都に於いて与えられた、新しい区画の建設計画書。公文書だからこそ英語で記されたそれを広げる。生憎と、娯楽として親しまれる物のほとんどは神国で使われているスペイン語によるものだ。休日に楽しむのなら、そういった物も良いだろうと思わないでもないが、事オユキにとっては、これすらも娯楽の内。
「シェリア、紙と筆記具の用意を。」
「畏まりました。後程お茶の用意もしましょう。」
「書斎では、どうかとも思いますが。」
後は習いとして、読みながら気になった部分、己の中で改めて整理したい箇所を書き出すための用具を求めれば、休憩なのだからとそう言った提案もある。そこからは、休日らしいかと言われれば、さて人に依っては首を傾げられそうなものだが、紙をめくる音、筆記具が机を擦る音それらを共に、時にはシェリアに疑問をぶつけて。
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