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17章 次なる旅は
境を超えて
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実際の所国境というものはとうに超えていたわけではある。しかし、そこは別に他と隣接しているわけでもなく、ましてや栄えているわけでもない。過去を振り返ってみても、県境というのは凡そ長閑な場所であることがほとんどであったわけだし、国境にしてもそうだ。一部例外のように国境付近が栄えている国もあるにはあったが。
ただ、それと比べるにしても、無法地帯であることには変わりない。オユキだけが受けているわけでは無いが、同じ種族から受けた襲撃の報告などもある。それらの相手に対して、これまでは足を延ばしただけの相手かもしれない、その懸念が拭えなかったらしいが、今回は違う為非常に楽だったとそういった報告も含めて。どうにも、これまではそういった加護はこちらの世界に無かったらしい。
後に回したのか、それとも、与えるに足りなかったのか。
考えたところで答えがあるものではない。それこそ神意を問い質さねばならぬ様な、まさにそれだ。
元々存在しなかった機能ではある。便宜上レッドネーム、他のゲームから持ち込んだ概念としてそう呼称はしたものだが、見てわかるようなものではない、それが事実そこにはあった。
オユキの予想としては、烙印という仕組みですらミズキリによって齎されているとなる。
機能として存在しなかった物、それは人の望みに応えて、試練を与える事で。それを踏まえた上で、思考を巡らせばミズキリの思惑というのも、オユキに少しは見えて来る。試練、使命、何も個人に与えるばかりではない。ミズキリという人間は、そもそも個人で何かを為すことを考える様な人間でもない。そうであれば、神々の立てる計画に大いに関わっているように、それに合わせてという事なのであろう。分かりやすい功績を、いくつか前倒しにしたと、そう言い切っていたこともある。そこまでを考えれば、一体何処までが掌の上か。それを考えずにいられない。ミズキリという人間が考える、この世界の着地点。何故、自身の拠点を求めるのか。その辺りについては、簡単に予想がつく。そして、オユキも恐らくは、実現可能であるかは分からぬが、そのための道筋は間違いなくミズキリは立てているとして、トモエにも話している。それを聞いたトモエの方は、いよいよ夢想家らしいと、そう笑って見せていたが。
「一先ず、数日は休むのでしたか。」
「流石に、我々だけという訳でもなく、疲労もありますからな。」
そして、今は先代公爵が久しぶりにオユキとトモエの馬車に乗り込んでいる。
既に今日の移動は終えており、今は先触れとして走った者達が戻るのを待っているところだ。今日からいよいよ隣国、知識と魔の神が坐す神殿を領内に持つ国、そこに属する相手が統治する拠点にいよいよ足を踏み入れる事になる。事前に連絡が行われているとはいえ、こちらも相応に急ぎでの移動であるため準備が整っているとも限らない。
勿論、用意に不足があったとて、纏めて拠点になだれ込むことに変わりはないのだが。
満足な用意があれば、厳しい日程の中でよくぞと褒め。そうでなければ、互いに仕方のない理由があると、そうして相殺するだけの事だ。
「改めて、こちらは。」
「アンツォフェルモ辺境伯家、ですな。ただ、現当主が同行の為に残るのか、エルネスト卿が残っておられるのか。」
「こちらからは、補給の手配とご挨拶だけとなりましたが。」
「あちらは、いよいよ動けるものが現当主だけですからな。今頃は王都にとって返しているでしょう。」
「何とも。そちらにも、改めてお礼を言わねばなりませんね。」
アルゼオ公爵家麾下。いくつかある辺境を領地として持つ領主たちの内、一つの家で危険地帯を抜けるための用意を行い、改めて丸一日を休みとしたり。色々な手配や配慮を得た物だ。そう言った忙しさもあり、挨拶以上の事は流石に行えはしなかったものだが。
「あの者も喜ぶでしょうが。」
「そうですね、王都に移動との事ですし、私どもも流石に顔を出さぬというのは不義理にすぎるでしょう。」
早々に隣国を後にして、オユキはしっかりと休暇の期間を勝ち取るつもりではいる。しかし、それこそアルゼオ公爵がどうにか話を纏めて戻ってきたのであれば、それに合わせて王都に向かうくらいはと、そう考えている。流石に、そう言った指示を国王その人が直接始まりの町に迄持ち込んでくれば、断るのが難しいものでもある。
「私どもが始まりの町に戻るまでに、陛下が試しとして門を使ってくださっていれば良いのですが。」
「何分、費用がかさみますからな。」
その言い訳を使って、可能な限り纏めて用事を済ませるとして、オユキとトモエが一先ずの途中経過を持ち帰るまで、始まりの町に訪れる事は無いだろうと、そう先代アルゼオ公爵からも。
「改めて、此処より先は御言葉に甘えてビクトル卿とお呼びさせて頂くかと。」
「個人としての位階であれば、同格ではありますが。」
「それこそ、私が敬意を示さねば、それで気分を害する方も多いでしょう。ここよりは既に戦場です。身内の試し、それを行う猶予は無い物と。」
「違いありませんな。」
そう、ここまでの行動は、まだ内向きの物だ。マリーア公爵とアルゼオ公爵、それから神国。その三者の間で交渉材料が生まれるかどうか、そう言った事柄があるにはあったのだが、それにしてもあくまで内輪の話だ。今から向かう先は、他国。同じ理屈が通るはずもない、それぞれの振る舞いというものが深刻というものに対して反映される、そのような場だ。そして、翻っては、全てがアルゼオ公爵に。
オユキを始めとした者達が、あまりに好きに振舞えば。それはそのような人間を掣肘出来ぬのだと、アルゼオ公爵がこれまで培った信頼に傷をつける。では、あまりに好きにされてしまえば、今度は、その程度の人間を己の上に置くのだと、やはりアルゼオ公爵の名に傷をつける。今この場は、何処までもこのアルゼオ公爵家が培ってきた土壌の上の話だ。
「家格で言えば、どうかとは思いますが。」
「この度、神々より頂いた物があります。それを紹介するという形を取れば、納得は得られる物でしょう。」
「実感は別と、そう聞こえますね。」
「そればかりは、仕方ありますまい。我らの国でも、実際に移動が叶う、その様子を目にしてようやくというものが、どれほど多かった事か。」
「ああ。あれは、そう言った背景もありましたか。」
こちらで暮らす相手であれば、神々から得た物だと、そう言えば疑う余地のない事実だとオユキは考えていたものだが、実際にはその限りではないらしい。疑うという行為、それだけでもあまりにリスクが過剰なのではないかと、これまでの事で考えていたものだ。それこそ、よくよく考えてみれば、そうでは無い事も分かる物ではあるのだが。
「では、流石に回数を熟すのは難しいのですが。」
「それは重々承知。我々のつまらぬ猜疑の目を開けるために、神々のお手を煩わせるなど。」
そこは流石に先代アルゼオ公爵も弁えていると、そう返ってくる。しかし、必要は生まれそうだと、そうオユキが考えていれば、やはり気安く声が届く。
「二度、願えるそうです。」
「十分すぎますな。」
戦と武技の神、直接位を与えられた神を経由して、この国で主として祀られる相手。ともすれば、他もあるだろうが、そう言った相手の手を借りられる回数は二回までと決まった。
最も、オユキとトモエが、若しくはアイリスが他でそれぞれに臨む出来事があれば、相応の対価と共に叶えられはするのだろうが。
「いつ、どこで、それはお預けします。しかし。」
「ええ。これまでの事を考えれば、懸念は確かに。一度は、彼の神殿に運んだ折にとしたいものですが。」
「神殿は、どうでしょうか。」
途中はともかく、最後の物として、先代アルゼオ公爵が実にわかりやすい区切りを提示してくるのだが、オユキはそれに対して首をかしげる。事神殿、そう言った場であるならば、わざわざ回数に数えすとも良いのではないか、そのようにも思えるのだ。
「こちらの王都の中に神殿もあるようでしたし、神殿は別途としても良いのではないかと。それこそ、大司教様も居られる事でしょう。そちらから保証を頂ければ、疑う余地もないように思えますが。」
そして、オユキの想像が正しければ、神殿には分御霊が大司教として存在している。全ての者が知っているかと言われれば、大いに首をかしげる。姿が見えているのかという疑問も未だに残っている。ただ、それを差し引いても、神殿に務める神職たちがそろって頷けば。
「言われてみれば、成程。そうであるなら。」
「事前にご相談いただければ、余程の、今回の様な見落としと感じる物が無いのであれば、行いましょう。」
「少し、時間を頂きたく。」
「ええ。私たちの道中、その安全にもかかわる事です。どうぞ、熟考を。」
そうして先代アルゼオ公爵に判断を委ねながらも、オユキはオユキでまた考え事を進める。
実際に言われた回数は三回。つまり、一度だけであれば、オユキとトモエの望まぬ煩わしさを退けるために使える手札が一つある。そして、オユキとしては、それを使いたい先というのは、またいくつかあるのだ。
ミズキリがすでに差し向けている相手、かつての知り合いとの出会いを阻害する者達を退けるために使うのか。はたまた、マリーア公爵領と、河沿いの町と繋ぐための橋を建てる土地に有無を言わせぬために使うのか。それとも、ミズキリの思惑というのを鑑みた上で、彼の領となる場所に対して、意義を差し挟む余地を与えぬようにとするべきなのか。
まだまだ付き合いの浅い相手は気が付いていないが、オユキの行っている事にトモエはしっかりと気が付いている。そして、それについて、口を挟むことは無い。それこそこれまでの役割分担。その積み重ねの結果だ。トモエでは、オユキよりも先々が、選択の結果がどうなるのか影響が予想もできない。オユキにしても、分からぬ部分は多いが、それでもトモエよりは。その程度の差でしかないが、それがある以上は。オユキがトモエを立てるように、トモエもオユキを立てる。
ただ、それと比べるにしても、無法地帯であることには変わりない。オユキだけが受けているわけでは無いが、同じ種族から受けた襲撃の報告などもある。それらの相手に対して、これまでは足を延ばしただけの相手かもしれない、その懸念が拭えなかったらしいが、今回は違う為非常に楽だったとそういった報告も含めて。どうにも、これまではそういった加護はこちらの世界に無かったらしい。
後に回したのか、それとも、与えるに足りなかったのか。
考えたところで答えがあるものではない。それこそ神意を問い質さねばならぬ様な、まさにそれだ。
元々存在しなかった機能ではある。便宜上レッドネーム、他のゲームから持ち込んだ概念としてそう呼称はしたものだが、見てわかるようなものではない、それが事実そこにはあった。
オユキの予想としては、烙印という仕組みですらミズキリによって齎されているとなる。
機能として存在しなかった物、それは人の望みに応えて、試練を与える事で。それを踏まえた上で、思考を巡らせばミズキリの思惑というのも、オユキに少しは見えて来る。試練、使命、何も個人に与えるばかりではない。ミズキリという人間は、そもそも個人で何かを為すことを考える様な人間でもない。そうであれば、神々の立てる計画に大いに関わっているように、それに合わせてという事なのであろう。分かりやすい功績を、いくつか前倒しにしたと、そう言い切っていたこともある。そこまでを考えれば、一体何処までが掌の上か。それを考えずにいられない。ミズキリという人間が考える、この世界の着地点。何故、自身の拠点を求めるのか。その辺りについては、簡単に予想がつく。そして、オユキも恐らくは、実現可能であるかは分からぬが、そのための道筋は間違いなくミズキリは立てているとして、トモエにも話している。それを聞いたトモエの方は、いよいよ夢想家らしいと、そう笑って見せていたが。
「一先ず、数日は休むのでしたか。」
「流石に、我々だけという訳でもなく、疲労もありますからな。」
そして、今は先代公爵が久しぶりにオユキとトモエの馬車に乗り込んでいる。
既に今日の移動は終えており、今は先触れとして走った者達が戻るのを待っているところだ。今日からいよいよ隣国、知識と魔の神が坐す神殿を領内に持つ国、そこに属する相手が統治する拠点にいよいよ足を踏み入れる事になる。事前に連絡が行われているとはいえ、こちらも相応に急ぎでの移動であるため準備が整っているとも限らない。
勿論、用意に不足があったとて、纏めて拠点になだれ込むことに変わりはないのだが。
満足な用意があれば、厳しい日程の中でよくぞと褒め。そうでなければ、互いに仕方のない理由があると、そうして相殺するだけの事だ。
「改めて、こちらは。」
「アンツォフェルモ辺境伯家、ですな。ただ、現当主が同行の為に残るのか、エルネスト卿が残っておられるのか。」
「こちらからは、補給の手配とご挨拶だけとなりましたが。」
「あちらは、いよいよ動けるものが現当主だけですからな。今頃は王都にとって返しているでしょう。」
「何とも。そちらにも、改めてお礼を言わねばなりませんね。」
アルゼオ公爵家麾下。いくつかある辺境を領地として持つ領主たちの内、一つの家で危険地帯を抜けるための用意を行い、改めて丸一日を休みとしたり。色々な手配や配慮を得た物だ。そう言った忙しさもあり、挨拶以上の事は流石に行えはしなかったものだが。
「あの者も喜ぶでしょうが。」
「そうですね、王都に移動との事ですし、私どもも流石に顔を出さぬというのは不義理にすぎるでしょう。」
早々に隣国を後にして、オユキはしっかりと休暇の期間を勝ち取るつもりではいる。しかし、それこそアルゼオ公爵がどうにか話を纏めて戻ってきたのであれば、それに合わせて王都に向かうくらいはと、そう考えている。流石に、そう言った指示を国王その人が直接始まりの町に迄持ち込んでくれば、断るのが難しいものでもある。
「私どもが始まりの町に戻るまでに、陛下が試しとして門を使ってくださっていれば良いのですが。」
「何分、費用がかさみますからな。」
その言い訳を使って、可能な限り纏めて用事を済ませるとして、オユキとトモエが一先ずの途中経過を持ち帰るまで、始まりの町に訪れる事は無いだろうと、そう先代アルゼオ公爵からも。
「改めて、此処より先は御言葉に甘えてビクトル卿とお呼びさせて頂くかと。」
「個人としての位階であれば、同格ではありますが。」
「それこそ、私が敬意を示さねば、それで気分を害する方も多いでしょう。ここよりは既に戦場です。身内の試し、それを行う猶予は無い物と。」
「違いありませんな。」
そう、ここまでの行動は、まだ内向きの物だ。マリーア公爵とアルゼオ公爵、それから神国。その三者の間で交渉材料が生まれるかどうか、そう言った事柄があるにはあったのだが、それにしてもあくまで内輪の話だ。今から向かう先は、他国。同じ理屈が通るはずもない、それぞれの振る舞いというものが深刻というものに対して反映される、そのような場だ。そして、翻っては、全てがアルゼオ公爵に。
オユキを始めとした者達が、あまりに好きに振舞えば。それはそのような人間を掣肘出来ぬのだと、アルゼオ公爵がこれまで培った信頼に傷をつける。では、あまりに好きにされてしまえば、今度は、その程度の人間を己の上に置くのだと、やはりアルゼオ公爵の名に傷をつける。今この場は、何処までもこのアルゼオ公爵家が培ってきた土壌の上の話だ。
「家格で言えば、どうかとは思いますが。」
「この度、神々より頂いた物があります。それを紹介するという形を取れば、納得は得られる物でしょう。」
「実感は別と、そう聞こえますね。」
「そればかりは、仕方ありますまい。我らの国でも、実際に移動が叶う、その様子を目にしてようやくというものが、どれほど多かった事か。」
「ああ。あれは、そう言った背景もありましたか。」
こちらで暮らす相手であれば、神々から得た物だと、そう言えば疑う余地のない事実だとオユキは考えていたものだが、実際にはその限りではないらしい。疑うという行為、それだけでもあまりにリスクが過剰なのではないかと、これまでの事で考えていたものだ。それこそ、よくよく考えてみれば、そうでは無い事も分かる物ではあるのだが。
「では、流石に回数を熟すのは難しいのですが。」
「それは重々承知。我々のつまらぬ猜疑の目を開けるために、神々のお手を煩わせるなど。」
そこは流石に先代アルゼオ公爵も弁えていると、そう返ってくる。しかし、必要は生まれそうだと、そうオユキが考えていれば、やはり気安く声が届く。
「二度、願えるそうです。」
「十分すぎますな。」
戦と武技の神、直接位を与えられた神を経由して、この国で主として祀られる相手。ともすれば、他もあるだろうが、そう言った相手の手を借りられる回数は二回までと決まった。
最も、オユキとトモエが、若しくはアイリスが他でそれぞれに臨む出来事があれば、相応の対価と共に叶えられはするのだろうが。
「いつ、どこで、それはお預けします。しかし。」
「ええ。これまでの事を考えれば、懸念は確かに。一度は、彼の神殿に運んだ折にとしたいものですが。」
「神殿は、どうでしょうか。」
途中はともかく、最後の物として、先代アルゼオ公爵が実にわかりやすい区切りを提示してくるのだが、オユキはそれに対して首をかしげる。事神殿、そう言った場であるならば、わざわざ回数に数えすとも良いのではないか、そのようにも思えるのだ。
「こちらの王都の中に神殿もあるようでしたし、神殿は別途としても良いのではないかと。それこそ、大司教様も居られる事でしょう。そちらから保証を頂ければ、疑う余地もないように思えますが。」
そして、オユキの想像が正しければ、神殿には分御霊が大司教として存在している。全ての者が知っているかと言われれば、大いに首をかしげる。姿が見えているのかという疑問も未だに残っている。ただ、それを差し引いても、神殿に務める神職たちがそろって頷けば。
「言われてみれば、成程。そうであるなら。」
「事前にご相談いただければ、余程の、今回の様な見落としと感じる物が無いのであれば、行いましょう。」
「少し、時間を頂きたく。」
「ええ。私たちの道中、その安全にもかかわる事です。どうぞ、熟考を。」
そうして先代アルゼオ公爵に判断を委ねながらも、オユキはオユキでまた考え事を進める。
実際に言われた回数は三回。つまり、一度だけであれば、オユキとトモエの望まぬ煩わしさを退けるために使える手札が一つある。そして、オユキとしては、それを使いたい先というのは、またいくつかあるのだ。
ミズキリがすでに差し向けている相手、かつての知り合いとの出会いを阻害する者達を退けるために使うのか。はたまた、マリーア公爵領と、河沿いの町と繋ぐための橋を建てる土地に有無を言わせぬために使うのか。それとも、ミズキリの思惑というのを鑑みた上で、彼の領となる場所に対して、意義を差し挟む余地を与えぬようにとするべきなのか。
まだまだ付き合いの浅い相手は気が付いていないが、オユキの行っている事にトモエはしっかりと気が付いている。そして、それについて、口を挟むことは無い。それこそこれまでの役割分担。その積み重ねの結果だ。トモエでは、オユキよりも先々が、選択の結果がどうなるのか影響が予想もできない。オユキにしても、分からぬ部分は多いが、それでもトモエよりは。その程度の差でしかないが、それがある以上は。オユキがトモエを立てるように、トモエもオユキを立てる。
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