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16章 隣国への道行き
祈りを捧げ
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トモエにしろ、オユキにしろ。どうした所で移動をすれば、人目を引く。それもそうだろう。公爵家の本邸から、相応に豪華な馬車が、戦と武技の神の紋章を装飾に使った上で出てくるのだ。そのような物が、町中を動き回れば、嫌でも何事かを感じさせるとういう物だ。僅か数日前の事でしかないため、その一行が巨大な神の奇跡を、一時とはいえこの町の教会に預けている、それも目にしているのだから。
「そう言う記号としての分かりやすさというのは、こういった場面で実に有効ですね。」
そして、実際の所、そちらの馬車の中身は空だ。最初はシェリアに中身を頼もうかという話もあったのだが、祈願祭とは別に行われるものに彼女も参加する。オユキとしては、言いつかっている、祭りとは異なる祈願の儀式に該当するのかと。そのような事を考えた上で、主催しているのだが、参加希望者が、やはりそれなりに多いのだ。近衛、貴人の側で、守護を職務とするもの。当然、戦と武技に向けて新たにしたい決意というものが存在する。背景を考えれば、当然それだけではないのだが。
「流石に、楽しみにされる方には、申し訳なく思いますが。」
「とは言いましても、全ての人からとは、やはり難しいので。」
祈願祭に合わせて生まれる人の流れ、その一部がすっかりと戦と武技に誘導されていく。分かりやすい奇跡があるため、今度ばかりは本教会に長蛇の列ができていたが、それを切り取るように。勿論、それをするためにと、公爵が小雀を配置していることもある。
「オユキさんは、まだかかりますからね。」
オユキの快復は、当然元々の移動計画に従って考えられていた。それが前倒しになり、少々派手に別の事にも使う羽目になった。当然、元々あった予定よりも、だいぶ遅れている。
「王都までの予定、まだ共有して頂けてないんですよね。」
何やら、かなり無理な日程になるかもしれない。その予想は既にある。布告を領内にするからと、その配慮を求めるのが難しい理由もある。ここまでの会話で、領都、公爵がその場で直々に管理している都市、その一部とはいえ神の加護を受けるに値しない、そう神々から直々に告げられた事実が何処までも重い。マリーア公爵は、現在神国内で明らかに統治能力に問題があるとみられる下地がある。そして、それを埋め合わせるために、神々から分かりやすく覚えの愛でたい存在がいる。他からしてみれば、既に問題を抱えている公爵ではなく、そう言った声も散々巻き起こっている事だろう。それに抵抗するためにも、そうでは無いと一部のどうにもならぬ暴走であったのだと、そう示す為にも、公爵はトモエとオユキを今となっては手放せない。
表に出ない、出さない互いの思惑というのは、そうしてそこに横たわっている。だからこそ、オユキは殊更マリーア公爵に配慮をするのだ。公爵にしても、それを理解しているから慮る。実にわかりやすい、助け合いと言えばいいのか、生臭い関係と言えばいいのか。
そのような物がある、確かな前提が存在している。だからこそ、無視できないものも存在するというものだ。
「恐らく、王都からとして問題がない場所、別途として問題がない場所については。」
そして、そう言った関係であるからこそ、語られないそこに存在するものに思考も及ぶ。公爵としても、今まさに低交渉している物だろうが、後に回せるところは回せと。公爵が優先するのは、国であり、神々の使命であるのだと、己の足元ばかりでは無いという事を示せと言われて、それで終わりだ。
領都で時間を使わず、始まりの町で可能な限りとオユキが望んだ理由もそこにある。
メイは、所詮代官でしかない。リース伯爵家の子女でしかない。戦と武技の巫女、公爵の麾下。十二分に我儘を言っても良い相手であり、対外的にも、侮られはするが、納得のいく範疇でもある。だからこそ、ここまでの事になっていながら代官として置かれている。実際の背景を考えれば、始まりの町という来歴に配慮もあるのだろうが。
「その辺りは、まぁ、お任せしましょう。それにしても、また急ぎ旅ですか。」
「あの子たちの最終調整としても、時間があるのは良い物かと。」
「それは、まぁ、そうですね。已む無くとするのか、正当と出来るのか、そこはありますから。」
「王都では、時間が取れるように手は打っていますので。」
王都、そこではこちらに来て初めてあれこれと面倒を見た相手との別離が待っている。一時とはいえ、今後の事も考えれば、相応の期間。隣国迄の移動は、現状この世界は何処まで行っても時間がかかる。腹案としてオユキはアベルから報告は受けているのだが、途中無理に急いだところで数ヶ月の旅程だ。それだけの期間、ようやく準備運動の終わった教え子たちから目を離す必要のあるトモエは、相応の悩みをやはり抱えている。時間が足りない。それは、どちらにとっても。
「弟子ではありませんし、流派としての物では無い、そうせざるを得ませんから。」
「トモエさんの決める事ですから。」
ともすれば突き放したような言葉ではあるが、オユキは印状すら得ていないのだ。それについて、何か口を挟むような真似が出来る訳もない。
「セシリアさんなら、とも思いますが。」
「本人が別の道も求めていますからね。」
そうして、今後についてあれこれと話していれば、目的地にたどり着く。本命と言えばいいのか、分かりやすい馬車は水と癒しの教会に。しかし、実際の所、運ばれている巫女は戦と武技の名を冠する巫女だ。分かりやすい神の奇跡が置かれた場、本教会と呼ばれるそこではなく、武骨な教会が目的地でもある。数度挨拶に訪れたきりとなるそこでは、事前に贈った物を実に丁寧に配置してくれている。
「この度は、私どもの急なお願いに応えていただき。」
「何ほどの事はありませんとも。どうにも、祈願祭の折には、こうして手の空く教会でもありますから。」
年始に向けて、一年の総括として。こちらで暮らす人々の価値観として、来年に向けて何かをというのであれば、やはり範囲の広いものになる。そして、それを行うのなら最も大きな教会で。そう考えるのも無理はない。どの教会にも、主たる十の神の像が置かれてもいる。基本的には、各々の暮らす場から近い場所へ。そして、殊更何かを新たな目標にというのであれば、そちらの教会に。これまで、散々軽視されていた、という訳でも無いのだが、より優先すべき神がいたこの教会は、こうした祭りの日でも何処か閑散としている。
武技を望む者達にしても、それこそ魔物との戦いが本分となるため、どうしたところで主流では無い事もある。人同士が競い合う、そう言った土壌があれば、また話も変わるのだろうが。
「どうにも、私どもにしても、他に目を向ける必要があり。」
「やむを得ない事でしょう。元より巫女様の元目に必要な人員も出せぬ、そのような有様ですから。」
「そればかりは、今後に期待と、そうしたいものではありますが。」
戦と武技の教会。王都にしてもそうだが、そこにいる人員は何処まで行っても最小限となっている。というよりも、他の神の信徒が手伝っているような有様だ。トモエとオユキがそれに対して何が言えるわけでもないが、教会にこもってその神が示す道を進むことができないのだ。王都が最小限と呼べる人数を確保できているのは、闘技場、実にわかりやすい施設に併設されているからに過ぎない。それを考えれば、こうして教会としての体を為しているだけ、理解があるのだと、そう判断しても良いだろう。
「全くですな。さて、既にお伺いした者達は、祈りを捧げています。」
「では、少し用意をしてから、始めましょうか。」
オユキの方でも、仕事着に未だ着替えていない。着込んでしまえば、では何のためにシェリアが代役をという話にもなるのだ。
「トモエさんも。」
「そうですね。」
トモエの衣装については、公爵から下げ渡された物になる。
諸々に対しての褒賞、それとは別に公爵家の騎士団とよく似た鎧が一領用意されているため、そちらを着込んで今回の事に臨むと。そして、それに先立って、オユキの方でも。
「少なくとも、目をかけた相手ではありますからね。」
メイの手元に、預けたはずの物とて戻ってきたのだ。
祭りとは異なる儀式をと言われたこともある。ならば、分かりやすい象徴は必要だ。
祈願祭。恐らく根底にあるのは、七夕。技芸の向上を願い、今できるそれを示すことで、今後はそれに劣らぬようにと。短冊という風習もない。和歌として、それを示すのも難しい。であれば教会内に、この教会では中央に置かれている戦と武技の神、その神像を飾る笹針に詩をという話も持ち上がったが、それができる者達は、そもそも他の神に己の願いを新たにするだろうと、実に頭の痛い事だと言わんばかりに否定された。
では、せっかく巫女がいる訳でもある。もう一人は、余剰の一部を領都にもと動いたこともあり、部族、国に纏わる祭祀を行わなければならない流れが発生したと、イリアの説得に折れて既にそちらに向かっている。社を置いて、祈願祭という祭祀があるのに、それを放置していいはずが無いだろうと、それは本人も理解していたこともある。
「では、トモエさん。こちらを。」
ミズキリがそうしたように、そこにあるのが当たり前と取り扱う仕草を取れば、神授の太刀は当然のようにオユキの手の中に。こちらの神は、何処までも祈りに応える存在だ。
「今頃、運んでいる方々が、慌てていそうなものですが。」
「恐らく、終われば、元の場所に戻ると思うのですが。」
厳重に封をした上で、それにはオユキも立ち会った、運んでいる。中身が無くなったとて気が付ける物では無いだろうが。到着予定もまだ先、検分の予定もないだろう。後は、今日の事が終われば、また元の場所に戻ることを頼めばよい。
「戻らなかったら、大変ですからね。」
作法通り。生前の物になるが、それに則ってオユキからトモエに。
「祈願の儀式、祭りとの違いですね。」
「ええ。」
神々は、祈りに応える。では、願いに対してはどうか。
先ごろ、アイリスがそれを示したではないか。
その願いを叶えるに足るかどうか、試しが行われる。それに対して、何かあるという訳でも無い。この場は実際にそれを行う為の物でも無ければ、広く、緩い物だ。実際に、この場ですぐに結果をというような物では無い。
「シグルド君たちは、王都で改めて試しますが。」
「他の方にも、良い機会でしょう。」
「そう言う記号としての分かりやすさというのは、こういった場面で実に有効ですね。」
そして、実際の所、そちらの馬車の中身は空だ。最初はシェリアに中身を頼もうかという話もあったのだが、祈願祭とは別に行われるものに彼女も参加する。オユキとしては、言いつかっている、祭りとは異なる祈願の儀式に該当するのかと。そのような事を考えた上で、主催しているのだが、参加希望者が、やはりそれなりに多いのだ。近衛、貴人の側で、守護を職務とするもの。当然、戦と武技に向けて新たにしたい決意というものが存在する。背景を考えれば、当然それだけではないのだが。
「流石に、楽しみにされる方には、申し訳なく思いますが。」
「とは言いましても、全ての人からとは、やはり難しいので。」
祈願祭に合わせて生まれる人の流れ、その一部がすっかりと戦と武技に誘導されていく。分かりやすい奇跡があるため、今度ばかりは本教会に長蛇の列ができていたが、それを切り取るように。勿論、それをするためにと、公爵が小雀を配置していることもある。
「オユキさんは、まだかかりますからね。」
オユキの快復は、当然元々の移動計画に従って考えられていた。それが前倒しになり、少々派手に別の事にも使う羽目になった。当然、元々あった予定よりも、だいぶ遅れている。
「王都までの予定、まだ共有して頂けてないんですよね。」
何やら、かなり無理な日程になるかもしれない。その予想は既にある。布告を領内にするからと、その配慮を求めるのが難しい理由もある。ここまでの会話で、領都、公爵がその場で直々に管理している都市、その一部とはいえ神の加護を受けるに値しない、そう神々から直々に告げられた事実が何処までも重い。マリーア公爵は、現在神国内で明らかに統治能力に問題があるとみられる下地がある。そして、それを埋め合わせるために、神々から分かりやすく覚えの愛でたい存在がいる。他からしてみれば、既に問題を抱えている公爵ではなく、そう言った声も散々巻き起こっている事だろう。それに抵抗するためにも、そうでは無いと一部のどうにもならぬ暴走であったのだと、そう示す為にも、公爵はトモエとオユキを今となっては手放せない。
表に出ない、出さない互いの思惑というのは、そうしてそこに横たわっている。だからこそ、オユキは殊更マリーア公爵に配慮をするのだ。公爵にしても、それを理解しているから慮る。実にわかりやすい、助け合いと言えばいいのか、生臭い関係と言えばいいのか。
そのような物がある、確かな前提が存在している。だからこそ、無視できないものも存在するというものだ。
「恐らく、王都からとして問題がない場所、別途として問題がない場所については。」
そして、そう言った関係であるからこそ、語られないそこに存在するものに思考も及ぶ。公爵としても、今まさに低交渉している物だろうが、後に回せるところは回せと。公爵が優先するのは、国であり、神々の使命であるのだと、己の足元ばかりでは無いという事を示せと言われて、それで終わりだ。
領都で時間を使わず、始まりの町で可能な限りとオユキが望んだ理由もそこにある。
メイは、所詮代官でしかない。リース伯爵家の子女でしかない。戦と武技の巫女、公爵の麾下。十二分に我儘を言っても良い相手であり、対外的にも、侮られはするが、納得のいく範疇でもある。だからこそ、ここまでの事になっていながら代官として置かれている。実際の背景を考えれば、始まりの町という来歴に配慮もあるのだろうが。
「その辺りは、まぁ、お任せしましょう。それにしても、また急ぎ旅ですか。」
「あの子たちの最終調整としても、時間があるのは良い物かと。」
「それは、まぁ、そうですね。已む無くとするのか、正当と出来るのか、そこはありますから。」
「王都では、時間が取れるように手は打っていますので。」
王都、そこではこちらに来て初めてあれこれと面倒を見た相手との別離が待っている。一時とはいえ、今後の事も考えれば、相応の期間。隣国迄の移動は、現状この世界は何処まで行っても時間がかかる。腹案としてオユキはアベルから報告は受けているのだが、途中無理に急いだところで数ヶ月の旅程だ。それだけの期間、ようやく準備運動の終わった教え子たちから目を離す必要のあるトモエは、相応の悩みをやはり抱えている。時間が足りない。それは、どちらにとっても。
「弟子ではありませんし、流派としての物では無い、そうせざるを得ませんから。」
「トモエさんの決める事ですから。」
ともすれば突き放したような言葉ではあるが、オユキは印状すら得ていないのだ。それについて、何か口を挟むような真似が出来る訳もない。
「セシリアさんなら、とも思いますが。」
「本人が別の道も求めていますからね。」
そうして、今後についてあれこれと話していれば、目的地にたどり着く。本命と言えばいいのか、分かりやすい馬車は水と癒しの教会に。しかし、実際の所、運ばれている巫女は戦と武技の名を冠する巫女だ。分かりやすい神の奇跡が置かれた場、本教会と呼ばれるそこではなく、武骨な教会が目的地でもある。数度挨拶に訪れたきりとなるそこでは、事前に贈った物を実に丁寧に配置してくれている。
「この度は、私どもの急なお願いに応えていただき。」
「何ほどの事はありませんとも。どうにも、祈願祭の折には、こうして手の空く教会でもありますから。」
年始に向けて、一年の総括として。こちらで暮らす人々の価値観として、来年に向けて何かをというのであれば、やはり範囲の広いものになる。そして、それを行うのなら最も大きな教会で。そう考えるのも無理はない。どの教会にも、主たる十の神の像が置かれてもいる。基本的には、各々の暮らす場から近い場所へ。そして、殊更何かを新たな目標にというのであれば、そちらの教会に。これまで、散々軽視されていた、という訳でも無いのだが、より優先すべき神がいたこの教会は、こうした祭りの日でも何処か閑散としている。
武技を望む者達にしても、それこそ魔物との戦いが本分となるため、どうしたところで主流では無い事もある。人同士が競い合う、そう言った土壌があれば、また話も変わるのだろうが。
「どうにも、私どもにしても、他に目を向ける必要があり。」
「やむを得ない事でしょう。元より巫女様の元目に必要な人員も出せぬ、そのような有様ですから。」
「そればかりは、今後に期待と、そうしたいものではありますが。」
戦と武技の教会。王都にしてもそうだが、そこにいる人員は何処まで行っても最小限となっている。というよりも、他の神の信徒が手伝っているような有様だ。トモエとオユキがそれに対して何が言えるわけでもないが、教会にこもってその神が示す道を進むことができないのだ。王都が最小限と呼べる人数を確保できているのは、闘技場、実にわかりやすい施設に併設されているからに過ぎない。それを考えれば、こうして教会としての体を為しているだけ、理解があるのだと、そう判断しても良いだろう。
「全くですな。さて、既にお伺いした者達は、祈りを捧げています。」
「では、少し用意をしてから、始めましょうか。」
オユキの方でも、仕事着に未だ着替えていない。着込んでしまえば、では何のためにシェリアが代役をという話にもなるのだ。
「トモエさんも。」
「そうですね。」
トモエの衣装については、公爵から下げ渡された物になる。
諸々に対しての褒賞、それとは別に公爵家の騎士団とよく似た鎧が一領用意されているため、そちらを着込んで今回の事に臨むと。そして、それに先立って、オユキの方でも。
「少なくとも、目をかけた相手ではありますからね。」
メイの手元に、預けたはずの物とて戻ってきたのだ。
祭りとは異なる儀式をと言われたこともある。ならば、分かりやすい象徴は必要だ。
祈願祭。恐らく根底にあるのは、七夕。技芸の向上を願い、今できるそれを示すことで、今後はそれに劣らぬようにと。短冊という風習もない。和歌として、それを示すのも難しい。であれば教会内に、この教会では中央に置かれている戦と武技の神、その神像を飾る笹針に詩をという話も持ち上がったが、それができる者達は、そもそも他の神に己の願いを新たにするだろうと、実に頭の痛い事だと言わんばかりに否定された。
では、せっかく巫女がいる訳でもある。もう一人は、余剰の一部を領都にもと動いたこともあり、部族、国に纏わる祭祀を行わなければならない流れが発生したと、イリアの説得に折れて既にそちらに向かっている。社を置いて、祈願祭という祭祀があるのに、それを放置していいはずが無いだろうと、それは本人も理解していたこともある。
「では、トモエさん。こちらを。」
ミズキリがそうしたように、そこにあるのが当たり前と取り扱う仕草を取れば、神授の太刀は当然のようにオユキの手の中に。こちらの神は、何処までも祈りに応える存在だ。
「今頃、運んでいる方々が、慌てていそうなものですが。」
「恐らく、終われば、元の場所に戻ると思うのですが。」
厳重に封をした上で、それにはオユキも立ち会った、運んでいる。中身が無くなったとて気が付ける物では無いだろうが。到着予定もまだ先、検分の予定もないだろう。後は、今日の事が終われば、また元の場所に戻ることを頼めばよい。
「戻らなかったら、大変ですからね。」
作法通り。生前の物になるが、それに則ってオユキからトモエに。
「祈願の儀式、祭りとの違いですね。」
「ええ。」
神々は、祈りに応える。では、願いに対してはどうか。
先ごろ、アイリスがそれを示したではないか。
その願いを叶えるに足るかどうか、試しが行われる。それに対して、何かあるという訳でも無い。この場は実際にそれを行う為の物でも無ければ、広く、緩い物だ。実際に、この場ですぐに結果をというような物では無い。
「シグルド君たちは、王都で改めて試しますが。」
「他の方にも、良い機会でしょう。」
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