446 / 1,235
13章 千早振る神に臨むと謳いあげ
長き夏にも
しおりを挟む
「オユキさんは、特にこういった時間を好むと伺っていますが。」
夏の長い夜。トモエとオユキの寝室には氷柱が並んでいるため、気温はそれを感じさせるものではないが、魔道具だろう馴染み深い揺れない明りが部屋を照らす中で、ぼんやりとした時間を過ごしていると、シェリアが思い出したようにそうオユキに話を振る。
「そうですね。その、社交という意味合いでは無いので、気を揉ませるかとは。」
「いえ、貴族の方の中にも、好む方は多いのですが。」
近衛の仕事、そう言った話をあれこれと強請っている中で、ふと振られた話であるためオユキとしても、率直すぎる解答にはなる。
近衛、騎士所属であるのに、なぜ侍女に慣れているのか。そもそも、そこまでこの世界で警戒する必要があるのかなど、話の内容をシェリアとタルヤ、二人で選んでもらえたこともあるが、実に面白い物であった。
異邦との大きな違いは、やはり移動の難しさ、それに終始するものではあったが。
やはり話題の中心は王都であり、そこに令嬢、夫人が移動を等と言い出せばただの侍女では難しい。かつて、急ぎの移動で散々オユキが思い知ったように。今回、学び舎で最低限を行っていた令嬢二人に世話役が必要だったのと同じように、それに耐えられる人材が求められ、結果としてという事らしく、結果が同じように見える事でも、その過程に大きく違いがあるのだと大いに楽しんだという物だ。
「その、次に誘う方などは。」
「ああ。侍女の職務として、確かにそれは気になりますよね。」
申し訳なさそうに、仕事以外の場で仕事の話を持ち出すという申し訳なさだろう、それを感じさせるようにシェリアが言いにくそうにすれば、タルヤから。
「まずは、新居を得た、それを親しい方に。」
「となると、リース伯麾下の。」
「あの子たちも、暫くは忙しいでしょうし、先に異邦の知り合いをと。」
「となると、ミズキリ様でしたか。」
その名前が出れば、少々表情が硬くなるという物だ。問い詰める、その腹積もりであるのだから。
「はい。気になる方も多いでしょうから、狩猟者ギルドの長、ブルーノ様にも声をかけてと。」
「いえ、オユキ様は今は狩猟者の枠組みから外れていますので、ギルド長を招くのであれば。」
「まだ、籍は残っていますが。」
「この屋敷は、戦と武技の巫女、オユキ様へと。」
「成程。」
今後、この町をどうするのか。周囲をどう動かすのか。新人の扱いで巻き込んだブルーノもとオユキは考えるものだが、そこではしっかりと立場という物が立ちはだかるものである。
「であれば、各ギルドの長の方々もとなりますが、お会いした事が有るのは、ブルーノ様だけです。まずは面通しからとなりますか。あまりそこに時間を使ってしまうと。」
「そこは、狩猟者ギルドの長に対して、巫女オユキ様から配慮を求めればよいのですが。」
「そこまでの集まりにして、他の有力者については。」
「代官を正式に務めるメイ様、先代の代官であるリュシュリー子爵にはお誘いがいる物かと。」
ここに来て、初めて元代官。恐らく今もほとんどの職務は行っている相手の家名を聞くことになった。見慣れた紋章以外を持つ馬車が始まりの町を出入りすることもある以上、他の家の存在は理解していたものだが、それこそ、他にも居るのだろう。
「それについては、改めて手紙を用意しましょうか。ミズキリにはいよいよ申し訳ない場となりますが、まぁ、本人も理解しているでしょうし。」
「その、そもそもミズキリ様は。」
「私がこう振舞える、それだけの知識を与えたのがミズキリです。勿論、ミズキリが出来ない事を私が出来る、そう言った面も多くありますが事社交、対人関係に置いては私の出来る振舞い、その全てはそれ以上に出来ると考えてください。」
「そうですね。なんだかんだとお二人もオユキさんが分かりやすい、特に感情面や快不快ですが、それを示すことがままあるというのはご理解頂けていると思いますが。」
トモエからの実に率直な評価に、オユキとしては精神修養が足りぬと言われているようで気恥ずかしさは覚えるが。
「ミズキリさんは、その全てを計算として行えます。」
トモエの断言に、侍女二人、近衛としての経験からも来るのだろうが、苦笑いが返ってくる。
「そうですね。私としてもミズキリの目的、その予想はありますがそれを正確に得られはしないでしょう。」
「それは、神の審問の場でも。」
「その神から、創造神様から答えは得られぬと言われてもいます。付随する前提条件、それを使って直近とその先を誤解するように話を進められるでしょうね。」
長い付き合いで、その確信ははっきりとある。
「成程。それほどの方ですか。」
「はい。私の、ミズキリが起こした一段というのは、それこそ僅か一代で世界に、こちらで言えば複数の国に跨る大店、そうなりました。その原動力でもあった人物です。」
「そのような方に見初められた方々が、既にこちらで放たれているという事ですか。オユキ様も。」
「いえ、私は、どうなのでしょう。」
他の物たちは、なんだかんだとミズキリとの分かりやすい接点が存在していたものだ。しかし、オユキについては、良く分からない。それこそ初めの接点は、ゲームの中でなのだ。
それも向こうから。当時は偶然を装ったが、思い返せば探していると、そうわかる振る舞いで。そして、企業、その根幹技術、他から抜きんでた目玉商品、それを用意したのがオユキである以上。
「果たして入れ子構造、因果関係。数学的に解が求められるなどという話も聞きましたが、それに従えば実に面白い予想が成り立つものですね。いえ、トラノスケさんの事を考えれば、確かに論理的な帰結は見られますか。集合論的な。」
「オユキさん。あまり自身の考えに没頭するものではありませんよ。思索として面白いのでしょうが、またいらぬ疑いを呼びますよ。」
切欠を得たこともあり、これまで。それこそこちらに来てから初めて分かった多くの事も含めて考えだせば、オユキは自身の試行に没頭し始める。トモエとしては、気のすむまでとしたいものでもあるし、よく見た光景で有り慣れもあるのだが、同席している二人はそうでは無い。結果としていらぬ警戒を産めば、また気疲れするのはオユキだからとトモエが声をかければ、直ぐにそれも終わる。
「ああ、いけませんね。失礼しました。いくつになっても治らぬ悪癖でして。」
そして、そこから抜けた直後の言葉は、今の己を顧みていない物でもあり、トモエとしては微笑ましい。これまでがそうであったように、オユキは今後もその思考を基軸に、己の納得のいく過程が生まれるまで、それを続けるのだろう。トモエが瞑想の中で、勝ち筋を見つけるまでそれを繰り返すように、想定のミズキリの立ち居振る舞い、それが新しく生まれた情報でどう変わるのか、それを検証していくのだろう。
「いえ、ただ、予想についてはお伺いしても。」
「そうですね。いえ、根底からお話ししていませんでしたか。アベルさんには伝えたようにも思いますが。」
そして、オユキが一先ずの予想を口にする。前提条件として、神々の予定表、そこに関与していることを話したうえで。そして、それだけでも面食らった様子を見せるあたり、アベルが共有していないのだとそういった事を改めて確認したうえで。
「この世界、それが完全に独立したものとして存在する道筋、それを考えたときに実に不足が多いのです。」
以前、トモエとも話した内容ではあるが。
「その解消、こちらで独自の物と出来るだけの道筋、それに大きく絡んでいるはずです。」
「その、不足、ですか。」
「はい。今後増える人口、それを支える生産基盤。移動を楽にするための方法、魔道具以外、それを補助とするために求められる技術、そう言った物です。
それが悪いとも、こちらであれば自然とも思いますが、現状ではあまりに魔石に対する依存度が高すぎます。人が版図を広げてしまえば、それは破綻しますから。」
ダンジョン、新たな資源にしてもそうだ。距離が遠く、輸送能力が不十分。その環境下でダンジョンに依存する仕組みが出来上がってしまえば、その先にはあまりに分かりやすい結末が待っている。
魔石を持つ存在、魔物。それは人里の側では弱い。実際にどの程度の効率か迄はオユキの知るところではないが、それにしても需要と供給、今でも崩れているバランスのそれが、さらにひどいものになるというのは簡単に分かるという物だ。
「王太子様と既に縁を得ていて、交流もある。それを考えると先々、それに対する手でしょうからね。この後来るものも含めて、技術へのテコ入れと、魔石は、私たちが切欠を作りましたが明確な後押しをしたこともあります。底上げによって叶えるのでしょうね。」
その時には、巻き込まれたような顔をしてはいたが、どちらも。大きな動き、その最後の一押しはミズキリという人間が行っている。昔と変わらぬやり口に、オユキとしては、トモエとしてもしっかりとさしたい釘もあるという物だ。こちらでは、今の所トモエとのんびりと、すっかりと彼方に行った目標ではあるが、オユキはそれを諦めたわけでもないのですから。
「そこまで、出来る物ですか。」
「私は無理です。しかしミズキリはやるでしょう。」
「そうですね、流れというのでしょうか。周囲の人物が立場や私欲でどう動くか、それを考えるのが得意な方でしたから。」
「それにしても、王太子様まで。」
「私たちの予測でしかありませんが、その辺りは聞けば答えが返ってくるものでしょう。」
そこで驚きを作るシェリアに対して、オユキとしては疑問も浮かぶ。その辺りの確認を含めた場ではある。オユキがこうして話した分、それに対して不都合が無い程度は返ってくるだろうと、そう考えて改めて話を振る。
「アベルさんは、その辺りに直ぐに理解を示されましたが。」
つまり、なんだかんだとトモエとオユキの側で、マリーア公爵を時に飛ばしたうえで場を支配できるあの人物。それが一体どういった存在であるのか。
王妃から甥と呼ばれていたが、家名を考えれば王の血縁ではない。その人物が一体どういう存在なのかと。
夏の長い夜。トモエとオユキの寝室には氷柱が並んでいるため、気温はそれを感じさせるものではないが、魔道具だろう馴染み深い揺れない明りが部屋を照らす中で、ぼんやりとした時間を過ごしていると、シェリアが思い出したようにそうオユキに話を振る。
「そうですね。その、社交という意味合いでは無いので、気を揉ませるかとは。」
「いえ、貴族の方の中にも、好む方は多いのですが。」
近衛の仕事、そう言った話をあれこれと強請っている中で、ふと振られた話であるためオユキとしても、率直すぎる解答にはなる。
近衛、騎士所属であるのに、なぜ侍女に慣れているのか。そもそも、そこまでこの世界で警戒する必要があるのかなど、話の内容をシェリアとタルヤ、二人で選んでもらえたこともあるが、実に面白い物であった。
異邦との大きな違いは、やはり移動の難しさ、それに終始するものではあったが。
やはり話題の中心は王都であり、そこに令嬢、夫人が移動を等と言い出せばただの侍女では難しい。かつて、急ぎの移動で散々オユキが思い知ったように。今回、学び舎で最低限を行っていた令嬢二人に世話役が必要だったのと同じように、それに耐えられる人材が求められ、結果としてという事らしく、結果が同じように見える事でも、その過程に大きく違いがあるのだと大いに楽しんだという物だ。
「その、次に誘う方などは。」
「ああ。侍女の職務として、確かにそれは気になりますよね。」
申し訳なさそうに、仕事以外の場で仕事の話を持ち出すという申し訳なさだろう、それを感じさせるようにシェリアが言いにくそうにすれば、タルヤから。
「まずは、新居を得た、それを親しい方に。」
「となると、リース伯麾下の。」
「あの子たちも、暫くは忙しいでしょうし、先に異邦の知り合いをと。」
「となると、ミズキリ様でしたか。」
その名前が出れば、少々表情が硬くなるという物だ。問い詰める、その腹積もりであるのだから。
「はい。気になる方も多いでしょうから、狩猟者ギルドの長、ブルーノ様にも声をかけてと。」
「いえ、オユキ様は今は狩猟者の枠組みから外れていますので、ギルド長を招くのであれば。」
「まだ、籍は残っていますが。」
「この屋敷は、戦と武技の巫女、オユキ様へと。」
「成程。」
今後、この町をどうするのか。周囲をどう動かすのか。新人の扱いで巻き込んだブルーノもとオユキは考えるものだが、そこではしっかりと立場という物が立ちはだかるものである。
「であれば、各ギルドの長の方々もとなりますが、お会いした事が有るのは、ブルーノ様だけです。まずは面通しからとなりますか。あまりそこに時間を使ってしまうと。」
「そこは、狩猟者ギルドの長に対して、巫女オユキ様から配慮を求めればよいのですが。」
「そこまでの集まりにして、他の有力者については。」
「代官を正式に務めるメイ様、先代の代官であるリュシュリー子爵にはお誘いがいる物かと。」
ここに来て、初めて元代官。恐らく今もほとんどの職務は行っている相手の家名を聞くことになった。見慣れた紋章以外を持つ馬車が始まりの町を出入りすることもある以上、他の家の存在は理解していたものだが、それこそ、他にも居るのだろう。
「それについては、改めて手紙を用意しましょうか。ミズキリにはいよいよ申し訳ない場となりますが、まぁ、本人も理解しているでしょうし。」
「その、そもそもミズキリ様は。」
「私がこう振舞える、それだけの知識を与えたのがミズキリです。勿論、ミズキリが出来ない事を私が出来る、そう言った面も多くありますが事社交、対人関係に置いては私の出来る振舞い、その全てはそれ以上に出来ると考えてください。」
「そうですね。なんだかんだとお二人もオユキさんが分かりやすい、特に感情面や快不快ですが、それを示すことがままあるというのはご理解頂けていると思いますが。」
トモエからの実に率直な評価に、オユキとしては精神修養が足りぬと言われているようで気恥ずかしさは覚えるが。
「ミズキリさんは、その全てを計算として行えます。」
トモエの断言に、侍女二人、近衛としての経験からも来るのだろうが、苦笑いが返ってくる。
「そうですね。私としてもミズキリの目的、その予想はありますがそれを正確に得られはしないでしょう。」
「それは、神の審問の場でも。」
「その神から、創造神様から答えは得られぬと言われてもいます。付随する前提条件、それを使って直近とその先を誤解するように話を進められるでしょうね。」
長い付き合いで、その確信ははっきりとある。
「成程。それほどの方ですか。」
「はい。私の、ミズキリが起こした一段というのは、それこそ僅か一代で世界に、こちらで言えば複数の国に跨る大店、そうなりました。その原動力でもあった人物です。」
「そのような方に見初められた方々が、既にこちらで放たれているという事ですか。オユキ様も。」
「いえ、私は、どうなのでしょう。」
他の物たちは、なんだかんだとミズキリとの分かりやすい接点が存在していたものだ。しかし、オユキについては、良く分からない。それこそ初めの接点は、ゲームの中でなのだ。
それも向こうから。当時は偶然を装ったが、思い返せば探していると、そうわかる振る舞いで。そして、企業、その根幹技術、他から抜きんでた目玉商品、それを用意したのがオユキである以上。
「果たして入れ子構造、因果関係。数学的に解が求められるなどという話も聞きましたが、それに従えば実に面白い予想が成り立つものですね。いえ、トラノスケさんの事を考えれば、確かに論理的な帰結は見られますか。集合論的な。」
「オユキさん。あまり自身の考えに没頭するものではありませんよ。思索として面白いのでしょうが、またいらぬ疑いを呼びますよ。」
切欠を得たこともあり、これまで。それこそこちらに来てから初めて分かった多くの事も含めて考えだせば、オユキは自身の試行に没頭し始める。トモエとしては、気のすむまでとしたいものでもあるし、よく見た光景で有り慣れもあるのだが、同席している二人はそうでは無い。結果としていらぬ警戒を産めば、また気疲れするのはオユキだからとトモエが声をかければ、直ぐにそれも終わる。
「ああ、いけませんね。失礼しました。いくつになっても治らぬ悪癖でして。」
そして、そこから抜けた直後の言葉は、今の己を顧みていない物でもあり、トモエとしては微笑ましい。これまでがそうであったように、オユキは今後もその思考を基軸に、己の納得のいく過程が生まれるまで、それを続けるのだろう。トモエが瞑想の中で、勝ち筋を見つけるまでそれを繰り返すように、想定のミズキリの立ち居振る舞い、それが新しく生まれた情報でどう変わるのか、それを検証していくのだろう。
「いえ、ただ、予想についてはお伺いしても。」
「そうですね。いえ、根底からお話ししていませんでしたか。アベルさんには伝えたようにも思いますが。」
そして、オユキが一先ずの予想を口にする。前提条件として、神々の予定表、そこに関与していることを話したうえで。そして、それだけでも面食らった様子を見せるあたり、アベルが共有していないのだとそういった事を改めて確認したうえで。
「この世界、それが完全に独立したものとして存在する道筋、それを考えたときに実に不足が多いのです。」
以前、トモエとも話した内容ではあるが。
「その解消、こちらで独自の物と出来るだけの道筋、それに大きく絡んでいるはずです。」
「その、不足、ですか。」
「はい。今後増える人口、それを支える生産基盤。移動を楽にするための方法、魔道具以外、それを補助とするために求められる技術、そう言った物です。
それが悪いとも、こちらであれば自然とも思いますが、現状ではあまりに魔石に対する依存度が高すぎます。人が版図を広げてしまえば、それは破綻しますから。」
ダンジョン、新たな資源にしてもそうだ。距離が遠く、輸送能力が不十分。その環境下でダンジョンに依存する仕組みが出来上がってしまえば、その先にはあまりに分かりやすい結末が待っている。
魔石を持つ存在、魔物。それは人里の側では弱い。実際にどの程度の効率か迄はオユキの知るところではないが、それにしても需要と供給、今でも崩れているバランスのそれが、さらにひどいものになるというのは簡単に分かるという物だ。
「王太子様と既に縁を得ていて、交流もある。それを考えると先々、それに対する手でしょうからね。この後来るものも含めて、技術へのテコ入れと、魔石は、私たちが切欠を作りましたが明確な後押しをしたこともあります。底上げによって叶えるのでしょうね。」
その時には、巻き込まれたような顔をしてはいたが、どちらも。大きな動き、その最後の一押しはミズキリという人間が行っている。昔と変わらぬやり口に、オユキとしては、トモエとしてもしっかりとさしたい釘もあるという物だ。こちらでは、今の所トモエとのんびりと、すっかりと彼方に行った目標ではあるが、オユキはそれを諦めたわけでもないのですから。
「そこまで、出来る物ですか。」
「私は無理です。しかしミズキリはやるでしょう。」
「そうですね、流れというのでしょうか。周囲の人物が立場や私欲でどう動くか、それを考えるのが得意な方でしたから。」
「それにしても、王太子様まで。」
「私たちの予測でしかありませんが、その辺りは聞けば答えが返ってくるものでしょう。」
そこで驚きを作るシェリアに対して、オユキとしては疑問も浮かぶ。その辺りの確認を含めた場ではある。オユキがこうして話した分、それに対して不都合が無い程度は返ってくるだろうと、そう考えて改めて話を振る。
「アベルさんは、その辺りに直ぐに理解を示されましたが。」
つまり、なんだかんだとトモエとオユキの側で、マリーア公爵を時に飛ばしたうえで場を支配できるあの人物。それが一体どういった存在であるのか。
王妃から甥と呼ばれていたが、家名を考えれば王の血縁ではない。その人物が一体どういう存在なのかと。
0
お気に入りに追加
449
あなたにおすすめの小説
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
World of Fantasia
神代 コウ
ファンタジー
ゲームでファンタジーをするのではなく、人がファンタジーできる世界、それがWorld of Fantasia(ワールド オブ ファンタジア)通称WoF。
世界のアクティブユーザー数が3000万人を超える人気VR MMO RPG。
圧倒的な自由度と多彩なクラス、そして成長し続けるNPC達のAI技術。
そこにはまるでファンタジーの世界で、新たな人生を送っているかのような感覚にすらなる魅力がある。
現実の世界で迷い・躓き・無駄な時間を過ごしてきた慎(しん)はゲーム中、あるバグに遭遇し気絶してしまう。彼はゲームの世界と現実の世界を行き来できるようになっていた。
2つの世界を行き来できる人物を狙う者。現実の世界に現れるゲームのモンスター。
世界的人気作WoFに起きている問題を探る、ユーザー達のファンタジア、ここに開演。
ゲームの世界に堕とされた開発者 ~異世界化した自作ゲームに閉じ込められたので、攻略してデバックルームを目指す~
白井よもぎ
ファンタジー
河井信也は会社帰りに、かつての親友である茂と再会する。
何年か振りの再会に、二人が思い出話に花を咲かせていると、茂は自分が神であると言い出してきた。
怪しい宗教はハマったのかと信也は警戒するが、茂は神であることを証明するように、自分が支配する異世界へと導いた。
そこは高校時代に二人で共同制作していた自作ゲームをそのまま異世界化させた世界だという。
驚くのも束の間、茂は有無を言わさず、その世界に信也を置いて去ってしまう。
そこで信也は、高校時代に喧嘩別れしたことを恨まれていたと知る。
異世界に置いてけぼりとなり、途方に暮れる信也だが、デバックルームの存在を思い出し、脱出の手立てを思いつく。
しかしデバックルームの場所は、最難関ダンジョン最奥の隠し部屋。
信也は異世界から脱出すべく、冒険者としてダンジョンの攻略を目指す。
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)
音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。
魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。
だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。
見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。
「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
ハズレスキル【分解】が超絶当たりだった件~仲間たちから捨てられたけど、拾ったゴミスキルを優良スキルに作り変えて何でも解決する~
名無し
ファンタジー
お前の代わりなんざいくらでもいる。パーティーリーダーからそう宣告され、あっさり捨てられた主人公フォード。彼のスキル【分解】は、所有物を瞬時にバラバラにして持ち運びやすくする程度の効果だと思われていたが、なんとスキルにも適用されるもので、【分解】したスキルなら幾らでも所有できるというチートスキルであった。捨てられているゴミスキルを【分解】することで有用なスキルに作り変えていくうち、彼はなんでも解決屋を開くことを思いつき、底辺冒険者から成り上がっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる