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10章 王都の祭り
料理のために
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「あー、やっぱ、ダメになるよな。」
さて、すっかり恒例となっているが人が乗る馬車、それ以外の二つに乱獲した獲物を放り込み、今は一路狩猟者ギルドへと向かっている。
「それはそうよ。流石にそんな安物で。」
「でも、あんちゃんもオユキも今回は同じの使ってたし。」
「それは、比べる相手が悪いというか、剣で防いだのが失敗だな。」
馬車の中、少し顔を寄せれば刃毀れが分かる、そんな両手剣を眺めながらシグルドが呟けば、アイリスとアベルからそれぞれに声が上がる。
「シグルド、そもそも鉄の鎧を貫く角だ。 」
「でも、斬ってるしな、あんちゃんもオユキも。」
鹿の相手をアドリア―ナ以外がそれぞれに行い。それぞれ相応の怪我をしているが、少しの切り傷程度。応急処置も終わっており、元気に話している。
「あなた達では、まだ早いわよ。」
「ま、そりゃそうだ。」
揃って窘められて、シグルドも改めて武器の点検を終える。
「目指して頂けるのは有難い事ですが、まだまだ構えも中途。それで成程浅い物ではありません。」
「えっと、だいたいどれくらいかかるんですか。」
「最も早かったもの、記録も含めた異邦での事ですか、13年でしたか。」
「あ、思ったよりも早いんですね。」
そうして、トモエと少年たちが話す横で、オユキはオユキで子供たちと改めて話し合う。
「枠も足りませんし、皆さんについては。」
「はい。流石に自分達より強い人がいる中で、押しのけてとは思いません。」
「騎士を目指す、それには都合の良い場だとは思うのですが。」
そう、それを目指しているこちらの子供たちにとってみれば、実に都合の良い舞台にはなるのだが。
「その、今年だけという事ではないと聞いていますから。」
こちらはこちらで聞き分けのいい子たちで何よりだ。
「ええ、来年以降、開催の形も今年の結果を見てとなるでしょうから、勿論先々に機会はあるはずです。」
人が始めた事であるなら、問題があれば止める、そういった事もあるのだが。言い出したのは、発端を言えばアイリスだが、神からの指示なのだ。こちらの価値観であれば、止める事などありえない。
「ただ、騎士の剣というのは。」
「アベル様から、入団後に習うので問題ないって、聞いていますから。」
騎士を目指している彼らにとって、元とはいえ騎士団長、それも王都の。今ではすっかり懐いている。それこそ時折カルガモの親子のように、アベルの後ろについて歩く姿を、日々の生活で目撃する程度には。
「それに、先に覚えなきゃいけない事も、まだ。」
未だに行儀作法、それに合格点はもらえていない。
「それについては、良く習ってください、そうとしか言えませんね。私もまだまだですから。」
オユキにしても、労を願ったエリーザ助祭にあれこれと習っている最中なのだ。アイリスもともに。
恐らく意味はある、由来はあると分かってはいるのだが、直ぐに覚えきれるという物でもない。というよりも、一度に覚えなければいけないことが多すぎる、そうとしか言えない。
教会、神にまつわるあれこれを、王妃という最高権力者を交えて行ったのが、何やら遠い昔のように思えてしまう。晩餐の席では、オユキにしても流石に緊張をしながらとなったものだ。
どうにも、その場では王妃と公爵の間で、トモエとオユキ、それを使って得られるものに関して少々やり合いがあったのだが、口を挟む隙も無かった。どうやら公爵は公爵で、自領のために。今後の計画も朧気ながら立てているらしい、それに合わせて使いどころを決めている風ではあったのだ。勿論それに対して何か異議を差し挟んだりはしない、得られている恩恵は大きいのだから、特になんという事も無いのだが。身内という合扱いだからだろうか。以前話した人材の取り合い、その様子をもはや隠す気はないようではある。
「えっと、今日はこの後メルカドによるんでしたっけ。」
「はい。ようやくとなりますが、料理についても許可を頂けましたから。」
そもそもその場の担当者、責任者がいるのだ。彼らにしてみれば仕えるもの、その客人。その人物に仕事を肩代わりをさせるのはと、やはり難色を示すものだろう。
それに対する理解はトモエにもあり、分かっていない子供たちに向けて話して聞かせる場面もあった。しかし、そこは流石公爵家と言えばいいのか。ならば別の場を整えてしまえとばかりに、鍛錬に使う広場、その一角に煮炊きをするための場が用意された。僅かな日数で。
勿論、相応の物ではあるが、掘立小屋と言うほどでもない。こちらの貴族家というのは、以前の世界のそれよりも業務は広範囲で、権力を振りかざせる場面は少ない。しかし、だからこそそれが通る場面では、と言う事らしい。
「私たちは、その。」
「ええ、流石に普段よりも少ない量になりますし、用意いただいている物、それと同じというのは難しいでしょう。」
行儀作法の勉強。その建前がある以上、どうしても供されるのは正餐の形をとる。公爵夫人にしても、それとは別に、体が資本だからとそれ以外の食事も、勉強が終わった後に用意をしてくれてはいるが。彼らの馴染んだ味とはやはり離れた物が多い。
折に触れて、恋しくなる物だ。そういった味覚というのは。
「あまり多くはありませんから、量の加減はいりますが。」
「私たちも、良いんですか。」
「ええ、勿論ですとも。その辺りの配慮は頂けていますし、他の方にとっては、言葉は悪いですが、物珍しい物ではあります。」
「え。」
どうやらその想定はなかったようである。
「皆さんが美味しそうに、喜んで食べていれば、他の方も興味を持ちますよ、勿論。」
身内の気安さ、その空気はあるのだ。無論、同席することもあるだろう。何やら鍛錬場としている庭、その一角が順調に整えられてもいるのだから。
「ま、遠征になりゃ、一番の話の種にもなるからな。」
「でも。」
「そりゃ好みはあるが、それだけでどうこう言うもんでもない。一応毒見ぐらいはするがな。」
遠征、その中で行われる分業。そもそもいくら神の奇跡が有ろうが、食べねば使命を維持できないのだ。ならばそれも当然計画に組み込まれるだろう。
「輜重、補給であったりを専門とする方は。」
「ああ。異邦の話は聞いたし、それも検討されたが、結局魔物相手。結界から外れれば、どこからともなく湧くからな。」
「ああ、そうであれば機能するものではありませんか。」
「最低限がそうなる以上、持ち回りにするほうがやはり何かと楽でな。で、現地であれこれと採取したうえでとなれば、作る人間によって違いが出るもんだ。」
そう言いながら、アベルが何度か頷いている。騎士団、そこに在職していてはそれ以上の成長がない。そうなった人物だ。彼のいた第四騎士団が、魔物の討伐を主としていたという話も聞いている。ならば、その経験はかなり多いのだろう。
「えっと、私たちまだそんなに。」
「そりゃ、専門の料理人に比べてとなると、無理だろ。ま、切欠程度だ。ちょっと口にして気に入れば、それこそそっちに頼んでと、そうなるさ。」
「なら、頑張ってみます。」
「その、分量は気を付けましょうね。流石に教会よりも人はかなり少ないですから。」
始まりの町にしても、子供たちだけで30人以上いると言っていたのだ。さらに大きな町、その分教会も多いのだろうが、そこにいる数というのは、相応の物だろう。以前、今となっては随分と昔に思えてしまうが、ともるとなった時に食事を頂いた、その折には、随分と大きな広間で100を超える人数でとなっていたのだ。
「えっと。そういえば、そうですよね。これまでと同じって言うわけでは無いですよね。」
「始まりの町では、どのように。」
「その、寝泊まりは別の家でしたけど、食事などは。」
相応の稼ぎも収穫もあったのだ。対価としてそれらを納めた上で、そうであったからこそ一緒に食事としていたのだろう。しかしそうであるならなおの事。分量には注意がいるものだろう。それを食べる人数は著しく減るのだから。
「私達の方でも、難しいでしょうが異邦で親しんだもの等、用意が出来れば話として盛り上がるでしょう。」
生憎今いる土地は西洋、それも特定の国を基軸とはしている。アイリスのいた国、獣人が多いのは、それらが治める国は方角としては北西にあったはずだが。そちらにしても世界的に有名な島国二つを混ぜて、なかなか愉快な様相を呈していた。
生憎と神殿は存在しないため、今後直ぐに観光に行くことも無いだろうが。
「異邦の料理ですか。」
「ええ。流石に文化圏は大きく違いますから、難しくはありますが。」
凡その物については、こちらに既に存在している、そんな気配はある。しかし家庭料理となれば、やはり話は違う。万人に広く受けいられる、そうでは無くて小さなコミュニティで愛される料理、それが本質なのだから。
「やはり、心休まる場面、それは必要ですからね。」
「その。」
「そう生まれた方にしても、案外と気を抜く、そういった時間を持たれていますよ。」
騎士を目指すからこそ、常にその理想を追いかけようとする子供たちに、アベルとファルコを視線で示す。後者ともかく、前者はなんと言えばいいのか。
「真面目な話、お行儀いいのは外だけだぞ。宿舎、身内だけになりゃそれなりに騒ぐしな。」
「そうなんですか。」
「弓の弦と同じだ。ずっと張ってりゃ直ぐに切れる。ダメになる。緩めていいとこで緩めなきゃならん。それを状況に合わせて上手くできる、それだけだ。」
「そうなんですね。そういえば広場で訓練って。」
以前の席、トモエが城を見学したいといったときに、そんな話が上がっていた。
「あー、流石にもう少し先ならいいが。今は祭りまでの日がないからな。」
警護の責任者となるのだ。祭りにケチがつけばその責任の一端を担う者達。その緊張感がきっちりと存在しているらしい。ならば、部外者は暫く近づくべきではないだろう。
さて、すっかり恒例となっているが人が乗る馬車、それ以外の二つに乱獲した獲物を放り込み、今は一路狩猟者ギルドへと向かっている。
「それはそうよ。流石にそんな安物で。」
「でも、あんちゃんもオユキも今回は同じの使ってたし。」
「それは、比べる相手が悪いというか、剣で防いだのが失敗だな。」
馬車の中、少し顔を寄せれば刃毀れが分かる、そんな両手剣を眺めながらシグルドが呟けば、アイリスとアベルからそれぞれに声が上がる。
「シグルド、そもそも鉄の鎧を貫く角だ。 」
「でも、斬ってるしな、あんちゃんもオユキも。」
鹿の相手をアドリア―ナ以外がそれぞれに行い。それぞれ相応の怪我をしているが、少しの切り傷程度。応急処置も終わっており、元気に話している。
「あなた達では、まだ早いわよ。」
「ま、そりゃそうだ。」
揃って窘められて、シグルドも改めて武器の点検を終える。
「目指して頂けるのは有難い事ですが、まだまだ構えも中途。それで成程浅い物ではありません。」
「えっと、だいたいどれくらいかかるんですか。」
「最も早かったもの、記録も含めた異邦での事ですか、13年でしたか。」
「あ、思ったよりも早いんですね。」
そうして、トモエと少年たちが話す横で、オユキはオユキで子供たちと改めて話し合う。
「枠も足りませんし、皆さんについては。」
「はい。流石に自分達より強い人がいる中で、押しのけてとは思いません。」
「騎士を目指す、それには都合の良い場だとは思うのですが。」
そう、それを目指しているこちらの子供たちにとってみれば、実に都合の良い舞台にはなるのだが。
「その、今年だけという事ではないと聞いていますから。」
こちらはこちらで聞き分けのいい子たちで何よりだ。
「ええ、来年以降、開催の形も今年の結果を見てとなるでしょうから、勿論先々に機会はあるはずです。」
人が始めた事であるなら、問題があれば止める、そういった事もあるのだが。言い出したのは、発端を言えばアイリスだが、神からの指示なのだ。こちらの価値観であれば、止める事などありえない。
「ただ、騎士の剣というのは。」
「アベル様から、入団後に習うので問題ないって、聞いていますから。」
騎士を目指している彼らにとって、元とはいえ騎士団長、それも王都の。今ではすっかり懐いている。それこそ時折カルガモの親子のように、アベルの後ろについて歩く姿を、日々の生活で目撃する程度には。
「それに、先に覚えなきゃいけない事も、まだ。」
未だに行儀作法、それに合格点はもらえていない。
「それについては、良く習ってください、そうとしか言えませんね。私もまだまだですから。」
オユキにしても、労を願ったエリーザ助祭にあれこれと習っている最中なのだ。アイリスもともに。
恐らく意味はある、由来はあると分かってはいるのだが、直ぐに覚えきれるという物でもない。というよりも、一度に覚えなければいけないことが多すぎる、そうとしか言えない。
教会、神にまつわるあれこれを、王妃という最高権力者を交えて行ったのが、何やら遠い昔のように思えてしまう。晩餐の席では、オユキにしても流石に緊張をしながらとなったものだ。
どうにも、その場では王妃と公爵の間で、トモエとオユキ、それを使って得られるものに関して少々やり合いがあったのだが、口を挟む隙も無かった。どうやら公爵は公爵で、自領のために。今後の計画も朧気ながら立てているらしい、それに合わせて使いどころを決めている風ではあったのだ。勿論それに対して何か異議を差し挟んだりはしない、得られている恩恵は大きいのだから、特になんという事も無いのだが。身内という合扱いだからだろうか。以前話した人材の取り合い、その様子をもはや隠す気はないようではある。
「えっと、今日はこの後メルカドによるんでしたっけ。」
「はい。ようやくとなりますが、料理についても許可を頂けましたから。」
そもそもその場の担当者、責任者がいるのだ。彼らにしてみれば仕えるもの、その客人。その人物に仕事を肩代わりをさせるのはと、やはり難色を示すものだろう。
それに対する理解はトモエにもあり、分かっていない子供たちに向けて話して聞かせる場面もあった。しかし、そこは流石公爵家と言えばいいのか。ならば別の場を整えてしまえとばかりに、鍛錬に使う広場、その一角に煮炊きをするための場が用意された。僅かな日数で。
勿論、相応の物ではあるが、掘立小屋と言うほどでもない。こちらの貴族家というのは、以前の世界のそれよりも業務は広範囲で、権力を振りかざせる場面は少ない。しかし、だからこそそれが通る場面では、と言う事らしい。
「私たちは、その。」
「ええ、流石に普段よりも少ない量になりますし、用意いただいている物、それと同じというのは難しいでしょう。」
行儀作法の勉強。その建前がある以上、どうしても供されるのは正餐の形をとる。公爵夫人にしても、それとは別に、体が資本だからとそれ以外の食事も、勉強が終わった後に用意をしてくれてはいるが。彼らの馴染んだ味とはやはり離れた物が多い。
折に触れて、恋しくなる物だ。そういった味覚というのは。
「あまり多くはありませんから、量の加減はいりますが。」
「私たちも、良いんですか。」
「ええ、勿論ですとも。その辺りの配慮は頂けていますし、他の方にとっては、言葉は悪いですが、物珍しい物ではあります。」
「え。」
どうやらその想定はなかったようである。
「皆さんが美味しそうに、喜んで食べていれば、他の方も興味を持ちますよ、勿論。」
身内の気安さ、その空気はあるのだ。無論、同席することもあるだろう。何やら鍛錬場としている庭、その一角が順調に整えられてもいるのだから。
「ま、遠征になりゃ、一番の話の種にもなるからな。」
「でも。」
「そりゃ好みはあるが、それだけでどうこう言うもんでもない。一応毒見ぐらいはするがな。」
遠征、その中で行われる分業。そもそもいくら神の奇跡が有ろうが、食べねば使命を維持できないのだ。ならばそれも当然計画に組み込まれるだろう。
「輜重、補給であったりを専門とする方は。」
「ああ。異邦の話は聞いたし、それも検討されたが、結局魔物相手。結界から外れれば、どこからともなく湧くからな。」
「ああ、そうであれば機能するものではありませんか。」
「最低限がそうなる以上、持ち回りにするほうがやはり何かと楽でな。で、現地であれこれと採取したうえでとなれば、作る人間によって違いが出るもんだ。」
そう言いながら、アベルが何度か頷いている。騎士団、そこに在職していてはそれ以上の成長がない。そうなった人物だ。彼のいた第四騎士団が、魔物の討伐を主としていたという話も聞いている。ならば、その経験はかなり多いのだろう。
「えっと、私たちまだそんなに。」
「そりゃ、専門の料理人に比べてとなると、無理だろ。ま、切欠程度だ。ちょっと口にして気に入れば、それこそそっちに頼んでと、そうなるさ。」
「なら、頑張ってみます。」
「その、分量は気を付けましょうね。流石に教会よりも人はかなり少ないですから。」
始まりの町にしても、子供たちだけで30人以上いると言っていたのだ。さらに大きな町、その分教会も多いのだろうが、そこにいる数というのは、相応の物だろう。以前、今となっては随分と昔に思えてしまうが、ともるとなった時に食事を頂いた、その折には、随分と大きな広間で100を超える人数でとなっていたのだ。
「えっと。そういえば、そうですよね。これまでと同じって言うわけでは無いですよね。」
「始まりの町では、どのように。」
「その、寝泊まりは別の家でしたけど、食事などは。」
相応の稼ぎも収穫もあったのだ。対価としてそれらを納めた上で、そうであったからこそ一緒に食事としていたのだろう。しかしそうであるならなおの事。分量には注意がいるものだろう。それを食べる人数は著しく減るのだから。
「私達の方でも、難しいでしょうが異邦で親しんだもの等、用意が出来れば話として盛り上がるでしょう。」
生憎今いる土地は西洋、それも特定の国を基軸とはしている。アイリスのいた国、獣人が多いのは、それらが治める国は方角としては北西にあったはずだが。そちらにしても世界的に有名な島国二つを混ぜて、なかなか愉快な様相を呈していた。
生憎と神殿は存在しないため、今後直ぐに観光に行くことも無いだろうが。
「異邦の料理ですか。」
「ええ。流石に文化圏は大きく違いますから、難しくはありますが。」
凡その物については、こちらに既に存在している、そんな気配はある。しかし家庭料理となれば、やはり話は違う。万人に広く受けいられる、そうでは無くて小さなコミュニティで愛される料理、それが本質なのだから。
「やはり、心休まる場面、それは必要ですからね。」
「その。」
「そう生まれた方にしても、案外と気を抜く、そういった時間を持たれていますよ。」
騎士を目指すからこそ、常にその理想を追いかけようとする子供たちに、アベルとファルコを視線で示す。後者ともかく、前者はなんと言えばいいのか。
「真面目な話、お行儀いいのは外だけだぞ。宿舎、身内だけになりゃそれなりに騒ぐしな。」
「そうなんですか。」
「弓の弦と同じだ。ずっと張ってりゃ直ぐに切れる。ダメになる。緩めていいとこで緩めなきゃならん。それを状況に合わせて上手くできる、それだけだ。」
「そうなんですね。そういえば広場で訓練って。」
以前の席、トモエが城を見学したいといったときに、そんな話が上がっていた。
「あー、流石にもう少し先ならいいが。今は祭りまでの日がないからな。」
警護の責任者となるのだ。祭りにケチがつけばその責任の一端を担う者達。その緊張感がきっちりと存在しているらしい。ならば、部外者は暫く近づくべきではないだろう。
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