121 / 1,235
三章 新しい場所の、新しい物
技
しおりを挟む
クララが目に力を込めて、オユキを見る。
あまりこちらの人がそうしたものに貪欲と、オユキにはそう見えてはいなかったのだが、考えてみれば死ぬのだ。弱ければ。
それが当たり前、常の態度なのだから、殊更それを感じることが無いというだけであったのだろう。
その熱意にこたえたいと、オユキとしてもそうは思うが、苦笑いをして、トモエに視線を向ける。
その様子に思い出したのか、クララは素直に頭を下げる。
「ああ、そうだったわね。ごめんなさいね、今一つどこに線があるのか、わからなくて。」
「申し訳ありません。それを説明するのも、技の説明に。」
「難儀な物ね。言っていることが分かるだけに。」
そんな二人の話に、アナが不思議そうに話しかけて来る。
「えっと、オユキちゃん。」
「はい、何でしょうか。」
「その、ジークがオユキちゃんは私よりも力がないって、そんな話をしてたけど。」
「魔物を倒して、得た物を含めても、腕力や体力で言えば、そうですね。」
アナはオユキの言葉に、不思議そうな顔をして首をかしげる。
「でも、私、押し返せなかったよ。」
「そうさせませんでしたから。」
「うん。いや、そうじゃなくてね。私のほうが力があるなら、なんで押し返せないの。」
その言葉に、オユキはああ、と頷く。
アナが疑問に思っていることが、ここに至ってようやくわかった。
だが、さて、どう話したものかと、そう考えて、ひとまず身体能力の差を確かめるべきと、そう決める。
「そうですね。では、皆で訓練所の中を一周してみましょうか。
トモエさんなら、皆さんよりも速く走れますが、私はそうではありませんから。
やって見せるのが早いでしょうね。」
そういって、疲れた少年たちを手振りで追立、クララの合図で、訓練所の中を全力で走る。
さて、こんな真似をするのは、果たして何年振りかと、オユキは考えてしまうが、スタート時の瞬発力でこそ並べたが、徐々に遅れ始める。
パウが最後尾なのは、見た目通り、力は出せるが体が重く、速く走ることはできない、見た通り。
均整の取れた肉付きをしているシグルドが二番手、素早く動き続けられるアナが先頭かと思えば、先頭はアドリアーナが立つ。
後ろに立つことが多く、弓を求めたこともあるため、少々過小評価をしていたかと、そんなことを考えながら、結局一周する頃には、オユキはパウの前、セシリアの後ろと、そんな位置に収まった。
「ほら、ごらんのとおりです。」
相応に広い訓練所の中、全力で走れば、流石にオユキも息が上がる。
そんな様子に、シグルドたちは、なおの事不思議そうな表情を浮かべる。
「オユキも、体力つけましょうね。いえ、それよりも先に背を伸ばさないと。」
「流石に、明日明後日で伸びる物でもないでしょう。」
「ちゃんと食べないからですよ。」
走っている間に、話にひと段落着いたのか、イマノルとトモエも話に加わってくる。
「おっちゃんは、いや、やっぱいいや。」
「私は、そうですね、皆さんが3分の一ほど走るときには、一周して追い抜きますよ。」
「まじかよ。」
「やって見せますか。」
そういったイマノルと、シグルドが二人並んで走りだすが、二歩目には差が生まれ、言葉通りの光景が繰り広げられる。
そして、追いついたイマノルが、後ろからシグルドを追い立てる。
「さぁ、追いつきましたよ。これからは、私の手の届く位置を走ると、後ろから剣で叩くので頑張りましょう。」
「いや、何を、頑張れって、うお。」
「ほら、もう少し速度が上がるじゃないですか、その調子その調子。」
「くそが。」
爽やかに笑うイマノルが、シグルドを追い回すと、戻ってくると同時に、シグルドは床に倒れ込む。
「御覧の通りです。」
そういって汗一つ書いていない彼に、少年たちは後ずさる。
「さて、話を戻しますね、足の速さは、今見てもらった通りです、次に単純な腕力ですね。どうしましょうか。」
さて、前の世界であれば数値化する量りがあったが、こちらでは望むべくもないだろう。
量りはあるかもしれないが、それをこういった事に利用しようと、そういった発想が出るほどではないように見える。加えて、見た目以上の力を誰も彼もが出せるのだ。
上限に合わせた物を作れば、オユキ達などすべて誤差となるだろうし、指標となる道具も数値も、まともに導出で気はしないだろう。
「そうね、ああ、ちょうどいいものがあるわ。」
そういってクララが、足早に移動して、暫くすると、その手に大きな金属の塊、そうとしか見えない物を持ってくる。
「はい、これ。騎士団の正式装備の大楯。」
クララが軽々と、それを片手で振り回せて見せて、持ってみるかと、視線で問いかける。
力自慢のパウが、それを片手で持ち、ついでシグルドに渡すと、彼もかなり厳しげな表情を浮かべながらも、どうにか片手で持つ。
次いで、アナとなったが、彼女は両手を使って持つことに成功し、その姿に辞退したセシリアとアドリアーナ、それに続いて、オユキが持つこととなり、あっさり盾の下敷きになる。
「まぁ、そうなるわよね。」
「そういえば、ソポルトの腕運ぶ時も、あんま役に立ってなかったよな。」
「ええと、面目次第もありません。」
「どこか痛めていませんか。」
「痛めるほど、粘りませんでしたから。まぁ、御覧の有様です。」
そう告げ、笑顔を作ってはいるが、内心で筋力をつけよう、そう決心する。
「じゃあ、なんでオユキちゃん、私よりも力があるの。」
「ああ、そのような流れでしたか。力の出し方、使い方、それに技。そういった物がありますから。
その、申し訳ないのですが、聞いても構いませんが、お二人も外には漏らさぬよう。」
「何だったら、外すけれど。」
「いえ、前にも言いましたが、間違った教えが、当流派の教えとならない限りは、構いませんので。」
「何というか、貴族的な考え方ね。わかるわ、そういうの。」
「ご理解いただけたのなら、何よりです。そうですね、オユキさん、髪紐の予備はありますか。」
「ああ、あれですか。私が相手をしたほうが。」
「そうですね、私だと、彼らよりは力がありますから、分かり難いでしょうし。」
そうして、オユキとシグルドが、互いに紐の両側を握って対峙する。
やることは簡単、これを引っ張って、相手を崩せばいいのだ。
「では、はじめ。」
トモエの言葉に、直ぐに全力で引っ張ろうとするシグルドに、最初だけ合わせてすぐに緩める。
より強く引こうとした彼は、それで体制を後ろに崩しそうになり、片足を上げる。
そこに、その足の方向に向けてオユキがひもを引っ張ると、緩んだそれが張る勢いも手伝って、さらにシグルドの体勢を崩す。
それを無理にどうにかしようとするが、方向を都度変えながら紐を引き、相手の力には最初だけ合わせてすぐに緩めてバランスを取らせない、そんなことを少し続ければ、どうにかしきりなおそうと、両足を浮かせたところで、下向きに全力で引っ張る。
すると、シグルドは地面に転がる。
「と、まぁ、こんな感じですね。」
そういって、オユキがシグルドを興そうと手を伸ばすと、彼は不思議そうに紐を見ている。
「はい、はたから見ていれば、オユキさんは一歩も動かず、シグルド君を振り回したように見えたでしょう。
オユキさんのほうが力があるように見えたでしょう。先ほどそうではないと分かっていても。」
トモエがそう言えば、少年たちは目の前で起こったことがよくわからない、そんな表情で頷く。
一方、イマノルとクララは、二人で今の動きを見ながら、思うところがあったのか、違う観点で話をしている。
「ちょっと、あれで技を伝えられないって、トモエはどんな化け物を基準にしてるの。」
「いえ、ちょっとわかりかねますね。ちなみにクララさんは対応できそうですか。」
「それこそ力技でねじ伏せるわよ。」
「そうですよね、恐らくそれが我々の最も大きな問題なのでしょうね。」
「イマノル。」
後ろから、少し剣呑な空気をイマノルが放つが、トモエとオユキはそれを無視して、少年たちに向き合う。
「これが、技です。皆さんに覚えてもらう予定の。」
あまりこちらの人がそうしたものに貪欲と、オユキにはそう見えてはいなかったのだが、考えてみれば死ぬのだ。弱ければ。
それが当たり前、常の態度なのだから、殊更それを感じることが無いというだけであったのだろう。
その熱意にこたえたいと、オユキとしてもそうは思うが、苦笑いをして、トモエに視線を向ける。
その様子に思い出したのか、クララは素直に頭を下げる。
「ああ、そうだったわね。ごめんなさいね、今一つどこに線があるのか、わからなくて。」
「申し訳ありません。それを説明するのも、技の説明に。」
「難儀な物ね。言っていることが分かるだけに。」
そんな二人の話に、アナが不思議そうに話しかけて来る。
「えっと、オユキちゃん。」
「はい、何でしょうか。」
「その、ジークがオユキちゃんは私よりも力がないって、そんな話をしてたけど。」
「魔物を倒して、得た物を含めても、腕力や体力で言えば、そうですね。」
アナはオユキの言葉に、不思議そうな顔をして首をかしげる。
「でも、私、押し返せなかったよ。」
「そうさせませんでしたから。」
「うん。いや、そうじゃなくてね。私のほうが力があるなら、なんで押し返せないの。」
その言葉に、オユキはああ、と頷く。
アナが疑問に思っていることが、ここに至ってようやくわかった。
だが、さて、どう話したものかと、そう考えて、ひとまず身体能力の差を確かめるべきと、そう決める。
「そうですね。では、皆で訓練所の中を一周してみましょうか。
トモエさんなら、皆さんよりも速く走れますが、私はそうではありませんから。
やって見せるのが早いでしょうね。」
そういって、疲れた少年たちを手振りで追立、クララの合図で、訓練所の中を全力で走る。
さて、こんな真似をするのは、果たして何年振りかと、オユキは考えてしまうが、スタート時の瞬発力でこそ並べたが、徐々に遅れ始める。
パウが最後尾なのは、見た目通り、力は出せるが体が重く、速く走ることはできない、見た通り。
均整の取れた肉付きをしているシグルドが二番手、素早く動き続けられるアナが先頭かと思えば、先頭はアドリアーナが立つ。
後ろに立つことが多く、弓を求めたこともあるため、少々過小評価をしていたかと、そんなことを考えながら、結局一周する頃には、オユキはパウの前、セシリアの後ろと、そんな位置に収まった。
「ほら、ごらんのとおりです。」
相応に広い訓練所の中、全力で走れば、流石にオユキも息が上がる。
そんな様子に、シグルドたちは、なおの事不思議そうな表情を浮かべる。
「オユキも、体力つけましょうね。いえ、それよりも先に背を伸ばさないと。」
「流石に、明日明後日で伸びる物でもないでしょう。」
「ちゃんと食べないからですよ。」
走っている間に、話にひと段落着いたのか、イマノルとトモエも話に加わってくる。
「おっちゃんは、いや、やっぱいいや。」
「私は、そうですね、皆さんが3分の一ほど走るときには、一周して追い抜きますよ。」
「まじかよ。」
「やって見せますか。」
そういったイマノルと、シグルドが二人並んで走りだすが、二歩目には差が生まれ、言葉通りの光景が繰り広げられる。
そして、追いついたイマノルが、後ろからシグルドを追い立てる。
「さぁ、追いつきましたよ。これからは、私の手の届く位置を走ると、後ろから剣で叩くので頑張りましょう。」
「いや、何を、頑張れって、うお。」
「ほら、もう少し速度が上がるじゃないですか、その調子その調子。」
「くそが。」
爽やかに笑うイマノルが、シグルドを追い回すと、戻ってくると同時に、シグルドは床に倒れ込む。
「御覧の通りです。」
そういって汗一つ書いていない彼に、少年たちは後ずさる。
「さて、話を戻しますね、足の速さは、今見てもらった通りです、次に単純な腕力ですね。どうしましょうか。」
さて、前の世界であれば数値化する量りがあったが、こちらでは望むべくもないだろう。
量りはあるかもしれないが、それをこういった事に利用しようと、そういった発想が出るほどではないように見える。加えて、見た目以上の力を誰も彼もが出せるのだ。
上限に合わせた物を作れば、オユキ達などすべて誤差となるだろうし、指標となる道具も数値も、まともに導出で気はしないだろう。
「そうね、ああ、ちょうどいいものがあるわ。」
そういってクララが、足早に移動して、暫くすると、その手に大きな金属の塊、そうとしか見えない物を持ってくる。
「はい、これ。騎士団の正式装備の大楯。」
クララが軽々と、それを片手で振り回せて見せて、持ってみるかと、視線で問いかける。
力自慢のパウが、それを片手で持ち、ついでシグルドに渡すと、彼もかなり厳しげな表情を浮かべながらも、どうにか片手で持つ。
次いで、アナとなったが、彼女は両手を使って持つことに成功し、その姿に辞退したセシリアとアドリアーナ、それに続いて、オユキが持つこととなり、あっさり盾の下敷きになる。
「まぁ、そうなるわよね。」
「そういえば、ソポルトの腕運ぶ時も、あんま役に立ってなかったよな。」
「ええと、面目次第もありません。」
「どこか痛めていませんか。」
「痛めるほど、粘りませんでしたから。まぁ、御覧の有様です。」
そう告げ、笑顔を作ってはいるが、内心で筋力をつけよう、そう決心する。
「じゃあ、なんでオユキちゃん、私よりも力があるの。」
「ああ、そのような流れでしたか。力の出し方、使い方、それに技。そういった物がありますから。
その、申し訳ないのですが、聞いても構いませんが、お二人も外には漏らさぬよう。」
「何だったら、外すけれど。」
「いえ、前にも言いましたが、間違った教えが、当流派の教えとならない限りは、構いませんので。」
「何というか、貴族的な考え方ね。わかるわ、そういうの。」
「ご理解いただけたのなら、何よりです。そうですね、オユキさん、髪紐の予備はありますか。」
「ああ、あれですか。私が相手をしたほうが。」
「そうですね、私だと、彼らよりは力がありますから、分かり難いでしょうし。」
そうして、オユキとシグルドが、互いに紐の両側を握って対峙する。
やることは簡単、これを引っ張って、相手を崩せばいいのだ。
「では、はじめ。」
トモエの言葉に、直ぐに全力で引っ張ろうとするシグルドに、最初だけ合わせてすぐに緩める。
より強く引こうとした彼は、それで体制を後ろに崩しそうになり、片足を上げる。
そこに、その足の方向に向けてオユキがひもを引っ張ると、緩んだそれが張る勢いも手伝って、さらにシグルドの体勢を崩す。
それを無理にどうにかしようとするが、方向を都度変えながら紐を引き、相手の力には最初だけ合わせてすぐに緩めてバランスを取らせない、そんなことを少し続ければ、どうにかしきりなおそうと、両足を浮かせたところで、下向きに全力で引っ張る。
すると、シグルドは地面に転がる。
「と、まぁ、こんな感じですね。」
そういって、オユキがシグルドを興そうと手を伸ばすと、彼は不思議そうに紐を見ている。
「はい、はたから見ていれば、オユキさんは一歩も動かず、シグルド君を振り回したように見えたでしょう。
オユキさんのほうが力があるように見えたでしょう。先ほどそうではないと分かっていても。」
トモエがそう言えば、少年たちは目の前で起こったことがよくわからない、そんな表情で頷く。
一方、イマノルとクララは、二人で今の動きを見ながら、思うところがあったのか、違う観点で話をしている。
「ちょっと、あれで技を伝えられないって、トモエはどんな化け物を基準にしてるの。」
「いえ、ちょっとわかりかねますね。ちなみにクララさんは対応できそうですか。」
「それこそ力技でねじ伏せるわよ。」
「そうですよね、恐らくそれが我々の最も大きな問題なのでしょうね。」
「イマノル。」
後ろから、少し剣呑な空気をイマノルが放つが、トモエとオユキはそれを無視して、少年たちに向き合う。
「これが、技です。皆さんに覚えてもらう予定の。」
11
お気に入りに追加
449
あなたにおすすめの小説
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~
SHIN
ファンタジー
それは、ある少年の物語。
ある日、前世の記憶を取り戻した少年が大切な人と再会したり周りのチートぷりに感嘆したりするけど、実は少年の方が凄かった話し。
『僕の兄上はチート過ぎて人なのに魔王です。』
『そういうお前は、愛され過ぎてチートだよな。』
そんな感じ。
『悪役令嬢はもらい受けます』の彼らが織り成すファンタジー作品です。良かったら見ていってね。
隔週日曜日に更新予定。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
World of Fantasia
神代 コウ
ファンタジー
ゲームでファンタジーをするのではなく、人がファンタジーできる世界、それがWorld of Fantasia(ワールド オブ ファンタジア)通称WoF。
世界のアクティブユーザー数が3000万人を超える人気VR MMO RPG。
圧倒的な自由度と多彩なクラス、そして成長し続けるNPC達のAI技術。
そこにはまるでファンタジーの世界で、新たな人生を送っているかのような感覚にすらなる魅力がある。
現実の世界で迷い・躓き・無駄な時間を過ごしてきた慎(しん)はゲーム中、あるバグに遭遇し気絶してしまう。彼はゲームの世界と現実の世界を行き来できるようになっていた。
2つの世界を行き来できる人物を狙う者。現実の世界に現れるゲームのモンスター。
世界的人気作WoFに起きている問題を探る、ユーザー達のファンタジア、ここに開演。
なんでもアリな異世界は、なんだか楽しそうです!!
日向ぼっこ
ファンタジー
「異世界転生してみないか?」
見覚えのない部屋の中で神を自称する男は話を続ける。
神の暇つぶしに付き合う代わりに異世界チートしてみないか? ってことだよと。
特に悩むこともなくその話を受け入れたクロムは広大な草原の中で目を覚ます。
突如襲い掛かる魔物の群れに対してとっさに突き出した両手より光が輝き、この世界で生き抜くための力を自覚することとなる。
なんでもアリの世界として創造されたこの世界にて、様々な体験をすることとなる。
・魔物に襲われている女の子との出会い
・勇者との出会い
・魔王との出会い
・他の転生者との出会い
・波長の合う仲間との出会い etc.......
チート能力を駆使して異世界生活を楽しむ中、この世界の<異常性>に直面することとなる。
その時クロムは何を想い、何をするのか……
このお話は全てのキッカケとなった創造神の一言から始まることになる……
俺とシロ
マネキネコ
ファンタジー
【完結済】(全面改稿いたしました)
俺とシロの異世界物語
『大好きなご主人様、最後まで守ってあげたかった』
ゲンが飼っていた犬のシロ。生涯を終えてからはゲンの守護霊の一位(いちい)として彼をずっと傍で見守っていた。そんなある日、ゲンは交通事故に遭い亡くなってしまう。そうして、悔いを残したまま役目を終えてしまったシロ。その無垢(むく)で穢(けが)れのない魂を異世界の女神はそっと見つめていた。『聖獣フェンリル』として申し分のない魂。ぜひ、スカウトしようとシロの魂を自分の世界へ呼び寄せた。そして、女神からフェンリルへと転生するようにお願いされたシロであったが。それならば、転生に応じる条件として元の飼い主であったゲンも一緒に転生させて欲しいと女神に願い出たのだった。この世界でなら、また会える、また共に生きていける。そして、『今度こそは、ぜったい最後まで守り抜くんだ!』 シロは決意を固めるのであった。
シロは大好きなご主人様と一緒に、異世界でどんな活躍をしていくのか?
ごちゃ混ぜ自警団は八色の虹をかける
花乃 なたね
ファンタジー
小さな村出身の青年ニールは憧れの騎士になるため王都へ向かうが、身元の知れない者は受け入れられないと門前払いになってしまう。
失意の中、訪れた下町に突如として魔物が現れたため撃退するが、人々を守る騎士は現れなかった。
聞けば王国は国境の向こうに住む亜人、竜人族との戦争中で、騎士たちは戦地に赴いているか貴族の護衛を務めている者ばかりなのだという。
守られるべき存在が救われない現状に心を痛めたニールは、人々の暮らしを守るため立ち上がることを決意する。
導かれるように集まったのは、英雄に憧れる子供、毒舌女魔術師、死神に扮した少年、脳筋中年傭兵、女性に目がない没落貴族、無口で謎めいた隻眼の青年、そして半竜人の少女…
自警団として王都やその周辺に現れる魔物を退治したり、仲間たちを取り巻く問題や過去に向き合いながら奔走するニールはやがて王国を揺るがす事件に巻き込まれていく。
※色々と都合の良いファンタジー世界です。
七代目は「帝国」最後の皇后
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「帝国」貴族・ホロベシ男爵が流れ弾に当たり死亡。搬送する同行者のナギと大陸横断列車の個室が一緒になった「連合」の財団のぼんぼんシルベスタ・デカダ助教授は彼女に何を見るのか。
「四代目は身代わりの皇后」と同じ世界の二~三代先の時代の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる