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プロローグ
3...異世界物語は突然に
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「……聞こえる? ねえ、お兄さん、大丈夫?」
遠くで誰かを呼ぶ女性の声が聞こえてくる。
「……ん」
俺はどうやら仰向けに寝転んでいるらしく、その場で上半身を起こして座り込んだ。
「あら、良かった。動けるみたいね」
俺は重たい目を開けようとするが、寝起きの目のように辺りが眩しくて辛かった。
……いやー、まいったまいった。
宇宙を豪快にすっ飛んでいくという実に変な夢を見た。
それにしても、俺はあのまま朝まで寝てしまったというのだろうか?
あと、さっきからガヤガヤとうるさいし、女性の声まで聞こえてくる。
テレビをつけっぱなしにでもしていたのかな。
しかし、次第に目が慣れてくると、俺の目には異様な景色が写り込んできた。
「……」
そこは、石畳で舗装された大通りのど真ん中。
眩い程に青い空、道の両側をずらりとどこまでも並ぶ立派な店の様な建物、そしてその大通りを行き交う大勢の人々。
俺はそのど真ん中で一人、あぐらをかいて座り込んでいた。
「……なんだこりゃ」
「お兄さーん? 聞こえてるー?」
誰かが俺の目の前で手の平を上下に動かしている。
その手の主に目を向けると、そこには一人の女性が両膝を抱え込むように座りながら、俺の事を不思議そうに見つめていた。
な、なんだ、この超絶外国美人女性は。
俺の第一印象はそんな感じだった。
とにかく、美しい、としか表現のしようがない。
キラキラと光る金髪、前髪はパッツンなのに、周りはゆるふわなロングでボリューミー。
抱え込む両膝に潰されてはみ出す柔らかそうな巨乳。
吸い込まれそうな青い瞳を前に、俺は思わず視線を逸してしまった。
いや、ちょっと、眩しすぎて直視できないです。
まるで北欧系の美人という感じの透き通る様な雰囲気を持つ女性は、日本人の俺からすれば、女神か妖精かというぐらいの美しさで、女性の免疫が少ない俺からすると、どこか恐怖すら感じてしまうほどであった。
それにしても、一体、何なんだよこれは。
俺はまだ夢でも見ているのか?
そもそも、俺は自室で、ぼんやりと夜空を眺めていたはずだ。
俺はキョロキョロと当たりを見渡すが、夢は覚めそうになかった。
大通りを行く人々が俺をちらっと見ると、その唇を少しだけ動かして微笑を浮かべながら通り過ぎていく。
「ねー、お兄さん、どこで遊んできたの? 道のど真ん中で裸のまま気を失うなんて、相当、元気に遊んできたのね?」
北欧女神が「うふふ」と楽しそうに笑いかけてくれる。
え?
裸?
俺は、自分の体に目を下ろすと、おちんちんおっぴろげのお股が見えた。
「――どわぁぁっ!?」
俺はすっとんきょうな声をあげながら股間を両手で慌てて抑え隠した。
「あらあら」
相変わらず楽しそうに微笑んでいる北欧女神様。
「さあ、早く遊んだ店に戻って、服やら所持品やらを返してもらってきなさいな」
「えー……と、その……あの」
「……? どうしたの?」
「その……記憶が……ありませんで」
「あらあら、記憶が飛ぶほどに遊んでしまったのね。どうしましょ、そのままでは流石にね……」
女性は「うーん」と少しだけ考えたあと、その場で立ち上がり、肩にかけていた薄いストールをふわりと外すと、俺の股間に乗せてくれた。
北欧女神様はブラにミニスカという、何とも露出度の高い服装をしていた。
「さあ、それで股間を隠して、私のいるお店にいらっしゃいな」
「え? え?」
俺は北欧女神の薄いストールを腰に巻くと、北欧女神様に手を引かれて見知らぬ街中を歩いて行くのだった。
遠くで誰かを呼ぶ女性の声が聞こえてくる。
「……ん」
俺はどうやら仰向けに寝転んでいるらしく、その場で上半身を起こして座り込んだ。
「あら、良かった。動けるみたいね」
俺は重たい目を開けようとするが、寝起きの目のように辺りが眩しくて辛かった。
……いやー、まいったまいった。
宇宙を豪快にすっ飛んでいくという実に変な夢を見た。
それにしても、俺はあのまま朝まで寝てしまったというのだろうか?
あと、さっきからガヤガヤとうるさいし、女性の声まで聞こえてくる。
テレビをつけっぱなしにでもしていたのかな。
しかし、次第に目が慣れてくると、俺の目には異様な景色が写り込んできた。
「……」
そこは、石畳で舗装された大通りのど真ん中。
眩い程に青い空、道の両側をずらりとどこまでも並ぶ立派な店の様な建物、そしてその大通りを行き交う大勢の人々。
俺はそのど真ん中で一人、あぐらをかいて座り込んでいた。
「……なんだこりゃ」
「お兄さーん? 聞こえてるー?」
誰かが俺の目の前で手の平を上下に動かしている。
その手の主に目を向けると、そこには一人の女性が両膝を抱え込むように座りながら、俺の事を不思議そうに見つめていた。
な、なんだ、この超絶外国美人女性は。
俺の第一印象はそんな感じだった。
とにかく、美しい、としか表現のしようがない。
キラキラと光る金髪、前髪はパッツンなのに、周りはゆるふわなロングでボリューミー。
抱え込む両膝に潰されてはみ出す柔らかそうな巨乳。
吸い込まれそうな青い瞳を前に、俺は思わず視線を逸してしまった。
いや、ちょっと、眩しすぎて直視できないです。
まるで北欧系の美人という感じの透き通る様な雰囲気を持つ女性は、日本人の俺からすれば、女神か妖精かというぐらいの美しさで、女性の免疫が少ない俺からすると、どこか恐怖すら感じてしまうほどであった。
それにしても、一体、何なんだよこれは。
俺はまだ夢でも見ているのか?
そもそも、俺は自室で、ぼんやりと夜空を眺めていたはずだ。
俺はキョロキョロと当たりを見渡すが、夢は覚めそうになかった。
大通りを行く人々が俺をちらっと見ると、その唇を少しだけ動かして微笑を浮かべながら通り過ぎていく。
「ねー、お兄さん、どこで遊んできたの? 道のど真ん中で裸のまま気を失うなんて、相当、元気に遊んできたのね?」
北欧女神が「うふふ」と楽しそうに笑いかけてくれる。
え?
裸?
俺は、自分の体に目を下ろすと、おちんちんおっぴろげのお股が見えた。
「――どわぁぁっ!?」
俺はすっとんきょうな声をあげながら股間を両手で慌てて抑え隠した。
「あらあら」
相変わらず楽しそうに微笑んでいる北欧女神様。
「さあ、早く遊んだ店に戻って、服やら所持品やらを返してもらってきなさいな」
「えー……と、その……あの」
「……? どうしたの?」
「その……記憶が……ありませんで」
「あらあら、記憶が飛ぶほどに遊んでしまったのね。どうしましょ、そのままでは流石にね……」
女性は「うーん」と少しだけ考えたあと、その場で立ち上がり、肩にかけていた薄いストールをふわりと外すと、俺の股間に乗せてくれた。
北欧女神様はブラにミニスカという、何とも露出度の高い服装をしていた。
「さあ、それで股間を隠して、私のいるお店にいらっしゃいな」
「え? え?」
俺は北欧女神の薄いストールを腰に巻くと、北欧女神様に手を引かれて見知らぬ街中を歩いて行くのだった。
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