22 / 228
第二章 俺様、ダンジョンを出る
9、お肉の為なら頑張るぞ!
しおりを挟む
「これは……≪汚染されたバジリスクの魔石≫とある。それと、こっちは≪暗黒破壊神の欠片≫……?」
もともとはバジリスクであったものが暗黒破壊神の欠片を埋め込まれて凶暴化したのではないか、とベルナルド先生が言う。それなら、経験値が低かったのも納得だし、仮にも偽暗黒破壊神でありながら低レベルの俺達に倒せたのも納得だ。
「報告するにも、とにかく一刻も早く戻らないと、だな」
アルベルトが先を急ごうと促す。階層ボスの部屋には転移門、というのがダンジョン系ゲームの常識なのだが、皆の反応からするとそんな便利なものはないと考えるべきか。
それにしても、暗黒破壊神の欠片、ねぇ……。
ルシアちゃんが怪我をした四人に回復魔法をかけている間、俺はその黒い水晶を鑑定をかけつつ見ている。すると、スゥ、と俺の中に吸い込まれるように消えてしまった。
「あっ?!」
それを見ていたおっちゃん達からも驚嘆の声が出る。えっと、これ、ヤバいやつ……?
「だ、大丈夫か? どこか痛いとか苦しいとかは……?」
俺が凶暴化すると考えたのか、恐る恐るといった様子でアルベルトが聞き、ドナートが弓を構える。
「いや、特に何も……?」
痛くもかゆくも眠くもない。異常なし。まぁ、もともと俺が暗黒破壊神だからな。
「これで俺様が暗黒破壊神などよりも力が強いと証明された訳だな! は~はっはっはっは!」
「本当に? 本当の本当にどこもおかしくないですか?」
「とにかく、どこか異常が出たらすぐに言ってね」
心配して今にも泣きだしそうなルシアちゃんと、俺を気遣ってくれるベルナルド先生。他の四人は俺から警戒を解かないようだ。う~ん……。
それからはサクサクと進む。ベルナルド先生の魔法やドナートの索敵でモンスターを避けながら最短距離を進んでいるっていうのもあるが。
地面がしっかりした階層は駆け足で進んだ。ルシアちゃんも弱音一つ吐かずにおっちゃん達の強行軍によくついていっているよ。
そして、39階層でやっと休憩。昨日俺とルシアちゃんが一日がかりで進んだ分を、たった半日で進んでしまった。
昼食を取る俺は泣きそうだ。何故なら。メロンがこれで食べきってしまったのだ。牛肉も。生ものは日持ちしないから、とおっちゃん達にも説得されて全部放出してしまった。
うう……俺の食べ物……。
「皆、物資はあとどのくらい余裕がある?」
「保存食が2日分ってところだ」
「回復薬は聖女様の回復魔法のおかげで間に合いそうだな」
「ポーションはあと6瓶だ」
出発前に荷物の確認。俺は先代の鱗と爪くらいで役に立ちそうな物はもう持っていない。
ルシアちゃんも同様。薬品系は一通りあるけれど食料はもう放出済み。
「食事がギリギリってところか。中層に入ったら、食えそうなモンスターも狩っていくぞ」
アルベルトが方針を言う。急ぎたいが、それで物資が尽きては王都まで辿り着けないってところか。誰からも反対の声は出なかった。当然、俺も。お肉の為なら頑張るぞ!
そこからはまた駆け足の強行軍。あと1オーラで9階層上るって言うんだから、かなりの無茶ってもんだろう。3階層駆け上った所に、また階層ボスがいた。
おお、大きな鶏! 今夜は鶏肉が食える!? いかん、涎が……。
「おらぁぁぁぁっ!」
バルトヴィーノが特攻をかける。バックアタックに成功した初撃はあっさりと鶏の脚を切り飛ばす。
「クケェェェ」
鶏の分際で羽を飛ばしてくる。それも、突き刺さる勢いで。羽ってもっとふわふわ舞うもんじゃないのか! とツッコミたい。
羽が突き刺さって怪我するのは嫌だな、燃やしてしまえ、と飛び上がった時だった。
「ダメだ! ブレスは吐くな!」
ベルナルド先生が叫んだ。
へ? と思って固まった次の瞬間、着弾した羽が爆発した。爆風で吹き飛ばされる。
「リージェ様!」
ルシアちゃんが駆け寄ってきて回復魔法をかけてくれた。
立ち上がる頃には、おっちゃん達が鶏を倒し終わっていた。残念。
『――≪リージェ≫が経験値235を獲得しました――』
お? 倒していないのに経験値入った。
「よぉ、大丈夫か?」
「ブンバ・ポーロはその名の通り、羽が爆弾になっているんだ。ブレスなんて吐いたら大爆発だよ」
軽い感じで声をかけてくるアルベルトと、苦笑しながら教えてくれるベルナルド先生。だがその名の通りとか言われても知らんわ! と怒鳴りたい。
まぁ、怪我の功名とでもいうのか、ドロップアイテムは俺が期待した通り鶏肉だった。焼き鳥万歳!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【ステータス】
名前 : リージェ
レベル : 12
EXP : 12734/18231
HP : 1166/1356
MP : 941/1218
Atk : 2839
Def : 834
スキル : タリ―語 Lv.2
我が劫火に焼かれよLv.4
血飛沫と共に踊れ Lv.5
全てを見通す神の眼 Lv.1
念話 Lv.1
称号 : 中二病(笑)
害虫キラー
農家
ドM
もともとはバジリスクであったものが暗黒破壊神の欠片を埋め込まれて凶暴化したのではないか、とベルナルド先生が言う。それなら、経験値が低かったのも納得だし、仮にも偽暗黒破壊神でありながら低レベルの俺達に倒せたのも納得だ。
「報告するにも、とにかく一刻も早く戻らないと、だな」
アルベルトが先を急ごうと促す。階層ボスの部屋には転移門、というのがダンジョン系ゲームの常識なのだが、皆の反応からするとそんな便利なものはないと考えるべきか。
それにしても、暗黒破壊神の欠片、ねぇ……。
ルシアちゃんが怪我をした四人に回復魔法をかけている間、俺はその黒い水晶を鑑定をかけつつ見ている。すると、スゥ、と俺の中に吸い込まれるように消えてしまった。
「あっ?!」
それを見ていたおっちゃん達からも驚嘆の声が出る。えっと、これ、ヤバいやつ……?
「だ、大丈夫か? どこか痛いとか苦しいとかは……?」
俺が凶暴化すると考えたのか、恐る恐るといった様子でアルベルトが聞き、ドナートが弓を構える。
「いや、特に何も……?」
痛くもかゆくも眠くもない。異常なし。まぁ、もともと俺が暗黒破壊神だからな。
「これで俺様が暗黒破壊神などよりも力が強いと証明された訳だな! は~はっはっはっは!」
「本当に? 本当の本当にどこもおかしくないですか?」
「とにかく、どこか異常が出たらすぐに言ってね」
心配して今にも泣きだしそうなルシアちゃんと、俺を気遣ってくれるベルナルド先生。他の四人は俺から警戒を解かないようだ。う~ん……。
それからはサクサクと進む。ベルナルド先生の魔法やドナートの索敵でモンスターを避けながら最短距離を進んでいるっていうのもあるが。
地面がしっかりした階層は駆け足で進んだ。ルシアちゃんも弱音一つ吐かずにおっちゃん達の強行軍によくついていっているよ。
そして、39階層でやっと休憩。昨日俺とルシアちゃんが一日がかりで進んだ分を、たった半日で進んでしまった。
昼食を取る俺は泣きそうだ。何故なら。メロンがこれで食べきってしまったのだ。牛肉も。生ものは日持ちしないから、とおっちゃん達にも説得されて全部放出してしまった。
うう……俺の食べ物……。
「皆、物資はあとどのくらい余裕がある?」
「保存食が2日分ってところだ」
「回復薬は聖女様の回復魔法のおかげで間に合いそうだな」
「ポーションはあと6瓶だ」
出発前に荷物の確認。俺は先代の鱗と爪くらいで役に立ちそうな物はもう持っていない。
ルシアちゃんも同様。薬品系は一通りあるけれど食料はもう放出済み。
「食事がギリギリってところか。中層に入ったら、食えそうなモンスターも狩っていくぞ」
アルベルトが方針を言う。急ぎたいが、それで物資が尽きては王都まで辿り着けないってところか。誰からも反対の声は出なかった。当然、俺も。お肉の為なら頑張るぞ!
そこからはまた駆け足の強行軍。あと1オーラで9階層上るって言うんだから、かなりの無茶ってもんだろう。3階層駆け上った所に、また階層ボスがいた。
おお、大きな鶏! 今夜は鶏肉が食える!? いかん、涎が……。
「おらぁぁぁぁっ!」
バルトヴィーノが特攻をかける。バックアタックに成功した初撃はあっさりと鶏の脚を切り飛ばす。
「クケェェェ」
鶏の分際で羽を飛ばしてくる。それも、突き刺さる勢いで。羽ってもっとふわふわ舞うもんじゃないのか! とツッコミたい。
羽が突き刺さって怪我するのは嫌だな、燃やしてしまえ、と飛び上がった時だった。
「ダメだ! ブレスは吐くな!」
ベルナルド先生が叫んだ。
へ? と思って固まった次の瞬間、着弾した羽が爆発した。爆風で吹き飛ばされる。
「リージェ様!」
ルシアちゃんが駆け寄ってきて回復魔法をかけてくれた。
立ち上がる頃には、おっちゃん達が鶏を倒し終わっていた。残念。
『――≪リージェ≫が経験値235を獲得しました――』
お? 倒していないのに経験値入った。
「よぉ、大丈夫か?」
「ブンバ・ポーロはその名の通り、羽が爆弾になっているんだ。ブレスなんて吐いたら大爆発だよ」
軽い感じで声をかけてくるアルベルトと、苦笑しながら教えてくれるベルナルド先生。だがその名の通りとか言われても知らんわ! と怒鳴りたい。
まぁ、怪我の功名とでもいうのか、ドロップアイテムは俺が期待した通り鶏肉だった。焼き鳥万歳!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【ステータス】
名前 : リージェ
レベル : 12
EXP : 12734/18231
HP : 1166/1356
MP : 941/1218
Atk : 2839
Def : 834
スキル : タリ―語 Lv.2
我が劫火に焼かれよLv.4
血飛沫と共に踊れ Lv.5
全てを見通す神の眼 Lv.1
念話 Lv.1
称号 : 中二病(笑)
害虫キラー
農家
ドM
0
お気に入りに追加
126
あなたにおすすめの小説
神のいとし子は追放された私でした〜異母妹を選んだ王太子様、今のお気持ちは如何ですか?〜
星河由乃(旧名:星里有乃)
恋愛
「アメリアお姉様は、私達の幸せを考えて、自ら身を引いてくださいました」
「オレは……王太子としてではなく、一人の男としてアメリアの妹、聖女レティアへの真実の愛に目覚めたのだ!」
(レティアったら、何を血迷っているの……だって貴女本当は、霊感なんてこれっぽっちも無いじゃない!)
美貌の聖女レティアとは対照的に、とにかく目立たない姉のアメリア。しかし、地味に装っているアメリアこそが、この国の神のいとし子なのだが、悪魔と契約した妹レティアはついに姉を追放してしまう。
やがて、神のいとし子の祈りが届かなくなった国は災いが増え、聖女の力を隠さなくなったアメリアに救いの手を求めるが……。
* 2023年01月15日、連載完結しました。
* ヒロインアメリアの相手役が第1章は精霊ラルド、第2章からは隣国の王子アッシュに切り替わります。最終章に該当する黄昏の章で、それぞれの関係性を決着させています。お読みくださった読者様、ありがとうございました!
* 初期投稿ではショートショート作品の予定で始まった本作ですが、途中から長編版に路線を変更して完結させました。
* この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。
* ブクマ、感想、ありがとうございます。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
旦那様、どうやら御子がお出来になられたようですのね ~アラフォー妻はヤンデレ夫から逃げられない⁉
Hinaki
ファンタジー
「初めまして、私あなたの旦那様の子供を身籠りました」
華奢で可憐な若い女性が共もつけずに一人で訪れた。
彼女の名はサブリーナ。
エアルドレッド帝国四公の一角でもある由緒正しいプレイステッド公爵夫人ヴィヴィアンは余りの事に瞠目してしまうのと同時に彼女の心の奥底で何時かは……と覚悟をしていたのだ。
そうヴィヴィアンの愛する夫は艶やかな漆黒の髪に皇族だけが持つ緋色の瞳をした帝国内でも上位に入るイケメンである。
然もである。
公爵は28歳で青年と大人の色香を併せ持つ何とも微妙なお年頃。
一方妻のヴィヴィアンは取り立てて美人でもなく寧ろ家庭的でぽっちゃりさんな12歳年上の姉さん女房。
趣味は社交ではなく高位貴族にはあるまじき的なお料理だったりする。
そして十人が十人共に声を大にして言うだろう。
「まだまだ若き公爵に相応しいのは結婚をして早五年ともなるのに子も授からぬ年増な妻よりも、若くて可憐で華奢な、何より公爵の子を身籠っているサブリーナこそが相応しい」と。
ある夜遅くに帰ってきた夫の――――と言うよりも最近の夫婦だからこそわかる彼を纏う空気の変化と首筋にある赤の刻印に気づいた妻は、暫くして決意の上行動を起こすのだった。
拗らせ妻と+ヤンデレストーカー気質の夫とのあるお話です。
嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜
𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。
だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。
「もっと早く癒せよ! このグズが!」
「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」
「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」
また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、
「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」
「チッ。あの能無しのせいで……」
頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。
もう我慢ならない!
聖女さんは、とうとう怒った。
聖女にしろなんて誰が言った。もはや我慢の限界!私、逃げます!
猿喰 森繁
ファンタジー
幼いころから我慢を強いられてきた主人公。 異世界に連れてこられても我慢をしてきたが、ついに限界が来てしまった。 数年前から、国から出ていく算段をつけ、ついに国外逃亡。 国の未来と、主人公の未来は、どうなるのか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる