冷たい人

冷たい人

井上は部下の事を決して悪く言わず部下を庇っている
佐久間義男の事を本当はとてもいい人なのだと
思っていた。

その後、会社の飲み会で井上は佐久間と喋る機会が
多くなった。

その時、井上は佐久間に不信感を持つ出来事に遭遇してしまう。
佐久間は酔っ払っているせいか会社では見せない顔をみせていた。

佐久間は沢山の社員がいる飲み会で部下の事を徹底的に馬鹿にした暴言を吐いていた。

「あいつは仕事が出来ない。高校しか出てない。
俺は大学を出てるから優秀な人間だ。

工場長もろくな大学じゃないくせに威張っている
今日来ていない女性の三人組馬鹿でどうしょうもない人間だ」と言い出した。

井上は佐久間のこの言葉に気持ちが悪くなった。

ところが井上と同期の菅田さんは佐久間に便乗して
言った。
「そうよねあの三人組仕事が出来ない先輩のくせに
威張っているわよね。今日も来ないし」

そのやり取りが次の日会社での揉め事に発展して
いく事になるとはこの時、誰もわからなかった。