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「あ、先に行っておくけど今日は僕えっちできないかんね。」
「腹でも痛いのか?」
「そこでするつもりなんてないぜ!とか言わない俊くんが好きだよ。」
「ありがとう。腹でも痛いのか。」
「2回目!?」
別になんともないのだけど、互いの家に行く事に猿のように体を重ねまくるのもどうかとおもったのだ。あと体重が増えたので痩せようと思ったってのがでかい。知らん間に腰回りに肉づきが良くなっていて、いつも履いてるスキニーがピタピタになってしまったのだ。やばい。
「うーん、特に理由はないんだけど。」
「きいち、俺は正直に言うぞ。」
膝を突き合わせて床で正座をしながら真剣な顔で見つめられる。まじまじと見るとやっぱりかっこいいのだ。久しぶりにあった時よりも断然体つきが変わっている。体重も筋肉も増えたみたいだし、中性的なイケメンから色気のあるイケメンに変わっている気がする。柔らかい猫毛の茶髪も短くなってて首筋がえろ…おっとちがうちがう。俊くんがマジな話をしようとしてるのに思考がファーラウェイしてた。
「俺はいつでもお前とえっちしたい。」
「馬鹿正直!!!」
「だけど体目当てで番うわけじゃないから、お前が太っても俺は好きだ。むしろ太ってほしい。」
「はぁ!!!!まったくこのこはもーー!!絶対に痩せるまでしないかんな!!」
「ならポリネシアンセックスをしよう。」
「ポリ、あん?」
やばい。俊くんがアホなアルファの片鱗を見せ始めたぞ。これは死活問題である。顔の良さで全てカバーしてるけど言っていることは全部頭悪いのだ。僕のこと愛してるぜって顔面で表してくれるアルカイックスマイルでなんてこという。発言がわけわからなさすぎて思わず聞き返した。
「ポリネシアン、セックス。」
「句読点の位置を疑問に思ったわけじゃないんですよねぇ。」
「要は性感を高めあう一週間。插入なしのペッティングだけ。最後の一日に插入する。」
「僕に変な知識植え付けないでぇ!?」
真昼間っからそんな他国のセックスライフを積極的に取り入れようとしているけど、そんな生殺しセックスとか俊くんが耐えられるのだろうか。というか問題はそこじゃねぇんですわ!!今だって正座してるとむちりとしたこの太腿が気になってるんだからな。僕が納得するまで裸見られるのはちょっと恥ずかしいのだ。
「だってさだってさ、お腹周りとか腰とかももとかパーンってなるかもしれんじゃん!!お気にいりのスキニー履けなくなったら嫌じゃん!!」
「そんなもん俺かいくらでも買ってやる。」
「だからそれもちがうんだってぇえ!!」
むにむにとわからずやな俊くんの両頬を引っ張り抗議する。口を横に広げられてもよだれ一つ垂らさないイケメンまじなんなの。いや僕の番なんだけどさ。
「ほひふは、ほへはほんはほほほ話にきたんじゃなんいんだわ。」
「すんません前半もっかいいいっすか。」
「というか、俺はこんな事を話しに来たんじゃないんだわ。」
「自ら軌道修正さすがでーす。」
「ありがとう」
「ありがとう!?」
別に褒めてないんだわー!!!何でもプラスに受け取っちゃう俊くん今日も可愛い。しゅき。
僕の伸ばしていた手を包み込んでずいっと顔を近づけられて思わずのけぞった。キスでもするのかと思ってちゅっと口付けると、唇をモニモニ動かしたあと、ちがう。と一言言われる。しっかり照れたあとに言われても萌えるだけである。
「なぁ、きいちは大学生卒業したいか。」
「入学する前に卒業!?」
「うん。孕ませたらどうしようかと思ったから先に聞こうと思って。」
「え、そんときはそんときじゃね?」
「男らしい…」
手を繋いだまま、なるほどなぁ。という顔で見つめられて少しだけ居心地が悪い。そもそも大学も行きたいかどうかと問われれば、正直な話どちらでもいいのだ。益子と違ってやりたいことがない僕は、とりあえず俊くんがいくなら行こうかなくらいの感じなのだから。
それを俊くんが尊重をしてくれるように、自分のことのように心配してくれるのは嬉しかった。だけど、番になって大学に通って、孕むかどうかはわからない。避妊すればいいだけの話なのだけど、正直発情期を経験した今、耐え難い本能に理性が負けるほうが高いからだ。
「正直、孕むかもしれないほうが、確率高いと思う。」
「だろ。せっかく入学しても退学になると、経歴に傷がつく。そうなるとすでにお前に苦労させる気しかしない。」
「なら休学すれば?そんで生んで復学。」
「産後のきいちを復学させることを俺が許すと思うか?」
「あぁ…」
むしろ妊娠したら囲われる未来しかない気がしてきたぜ。でもなぁ、ちくっと想像しちゃったんだよなぁ、俊くんとの薔薇色のキャンパスライフ。ぜっったいたのしい。それを考えたら、やっぱり頑張ってもらうなら俊くんだ。
「なら僕が妊娠しないように俊くんには絶対避妊してもらわないとな、それはもう死ぬ気で。」
「だろうな、まあ俺がお前を孕ませるときは収入に目処が立ってからだな。まだ心もとないし。」
「ん?まだ?心もとない?」
「ああ、株転がしてる。マンションくらいならすぐ買えるぞ。」
「何やってんだよ高校生!!!!」
まさかの衝撃発言である。なんと、正親さんに教わって趣味程度に始めた株で無駄に才能を開花させてしまったらしい。おそろしやアルファ…しかも大学卒業したら正親さんの会社で働くことも決まっているとか。正親さんの会社ってたしか警備会社だったよな!?あの屈強な男たちの上に君臨するのが穏やかな正親さんだとは、人は見かけによらないというものである。
「あ、そうか。俺が卒業して働けばいいのか。」
「なにぃ!?二人でキャンパスライフ楽しもうよ!!大学卒業しようよー!!」
「んん、ならこうしよう。大学通いながら親父の仕事を手伝う。そうだ、それがいい。」
「どこらへんが!?どんだけ体酷使するつもりだよ!許さないかんね僕!!」
「なんでそんな怒ってんださっきから。」
ケッとむくれる僕に心底弱った顔をしながら俊くんが頭をかく。アルファはもともと才能の塊みたいな人種なので、やると言ったらできるのだろう。現に正親さんがまさしくそれだ。
高校時代に武道で名を馳せて用心棒をしないかと誘われ、蓋を開けてみたら実はヤのつく職業の組員になっていた。
そこから報復なんて知りませんの度胸で警察に突き出し組織を解体した挙げ句、腕のいいヤクザ上がりのチンピラをまとめ上げて四号警備専門の会社を設立。しっかり警察にも届け出をだして今や超優良企業。むしろ暴対のデカにも顔が利くという一番敵にまわしてはいけないタイプのお人。
しかもチンピラを真っ当にまとめ上げて今や要人の身辺警護メインの度胸の座った鉄砲玉集団は正親さんをボスと崇め、俊くんを若と呼ぶ。
これヤクザじゃないんですよね!?と護衛を依頼したほうが青褪めるレベルの顔面の治安の悪さだが、正親さんに徹底的に教え込まれたジェントルメン気質と言葉遣いで今や男としてやりたい職業ランキングでは、自衛隊、警察官などに並ぶ。
客層も絞っている為に、正親さん率いる身辺警護人に守られる立場になるということもステータスの一つになっているということだ。なにそれかっこいい。
つまりだ!!!若と呼ばれる俊くんが大学通いながら仕事を学ぶとなると、必然的に顔の怖いおじさんたちが彷徨くんだよ!!忍さんの買い物一つで陰から見守り隊つけるような正親さんだぞ!!一時間3万のエスコートサービスに抜擢されるほど調教…躾けられた男の中の男を夕飯の買い出しやアルバイト中につけている。まじで家族愛ビックラブすぎて絶対薔薇色のキャンパスライフじゃなくなる気がする。
みえる、みえるぞ校門から一列に並んだ強面のおじさんたちがおじぎをするど真ん中を堂々と歩く俊くんの未来が…。
「ぜ、絶対平穏にはすまない気がする!!!」
かくして僕と俊くんの意見の相違による小学生以来の喧嘩のゴングが鳴ったのだった。
「腹でも痛いのか?」
「そこでするつもりなんてないぜ!とか言わない俊くんが好きだよ。」
「ありがとう。腹でも痛いのか。」
「2回目!?」
別になんともないのだけど、互いの家に行く事に猿のように体を重ねまくるのもどうかとおもったのだ。あと体重が増えたので痩せようと思ったってのがでかい。知らん間に腰回りに肉づきが良くなっていて、いつも履いてるスキニーがピタピタになってしまったのだ。やばい。
「うーん、特に理由はないんだけど。」
「きいち、俺は正直に言うぞ。」
膝を突き合わせて床で正座をしながら真剣な顔で見つめられる。まじまじと見るとやっぱりかっこいいのだ。久しぶりにあった時よりも断然体つきが変わっている。体重も筋肉も増えたみたいだし、中性的なイケメンから色気のあるイケメンに変わっている気がする。柔らかい猫毛の茶髪も短くなってて首筋がえろ…おっとちがうちがう。俊くんがマジな話をしようとしてるのに思考がファーラウェイしてた。
「俺はいつでもお前とえっちしたい。」
「馬鹿正直!!!」
「だけど体目当てで番うわけじゃないから、お前が太っても俺は好きだ。むしろ太ってほしい。」
「はぁ!!!!まったくこのこはもーー!!絶対に痩せるまでしないかんな!!」
「ならポリネシアンセックスをしよう。」
「ポリ、あん?」
やばい。俊くんがアホなアルファの片鱗を見せ始めたぞ。これは死活問題である。顔の良さで全てカバーしてるけど言っていることは全部頭悪いのだ。僕のこと愛してるぜって顔面で表してくれるアルカイックスマイルでなんてこという。発言がわけわからなさすぎて思わず聞き返した。
「ポリネシアン、セックス。」
「句読点の位置を疑問に思ったわけじゃないんですよねぇ。」
「要は性感を高めあう一週間。插入なしのペッティングだけ。最後の一日に插入する。」
「僕に変な知識植え付けないでぇ!?」
真昼間っからそんな他国のセックスライフを積極的に取り入れようとしているけど、そんな生殺しセックスとか俊くんが耐えられるのだろうか。というか問題はそこじゃねぇんですわ!!今だって正座してるとむちりとしたこの太腿が気になってるんだからな。僕が納得するまで裸見られるのはちょっと恥ずかしいのだ。
「だってさだってさ、お腹周りとか腰とかももとかパーンってなるかもしれんじゃん!!お気にいりのスキニー履けなくなったら嫌じゃん!!」
「そんなもん俺かいくらでも買ってやる。」
「だからそれもちがうんだってぇえ!!」
むにむにとわからずやな俊くんの両頬を引っ張り抗議する。口を横に広げられてもよだれ一つ垂らさないイケメンまじなんなの。いや僕の番なんだけどさ。
「ほひふは、ほへはほんはほほほ話にきたんじゃなんいんだわ。」
「すんません前半もっかいいいっすか。」
「というか、俺はこんな事を話しに来たんじゃないんだわ。」
「自ら軌道修正さすがでーす。」
「ありがとう」
「ありがとう!?」
別に褒めてないんだわー!!!何でもプラスに受け取っちゃう俊くん今日も可愛い。しゅき。
僕の伸ばしていた手を包み込んでずいっと顔を近づけられて思わずのけぞった。キスでもするのかと思ってちゅっと口付けると、唇をモニモニ動かしたあと、ちがう。と一言言われる。しっかり照れたあとに言われても萌えるだけである。
「なぁ、きいちは大学生卒業したいか。」
「入学する前に卒業!?」
「うん。孕ませたらどうしようかと思ったから先に聞こうと思って。」
「え、そんときはそんときじゃね?」
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「あぁ…」
むしろ妊娠したら囲われる未来しかない気がしてきたぜ。でもなぁ、ちくっと想像しちゃったんだよなぁ、俊くんとの薔薇色のキャンパスライフ。ぜっったいたのしい。それを考えたら、やっぱり頑張ってもらうなら俊くんだ。
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「あ、そうか。俺が卒業して働けばいいのか。」
「なにぃ!?二人でキャンパスライフ楽しもうよ!!大学卒業しようよー!!」
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ケッとむくれる僕に心底弱った顔をしながら俊くんが頭をかく。アルファはもともと才能の塊みたいな人種なので、やると言ったらできるのだろう。現に正親さんがまさしくそれだ。
高校時代に武道で名を馳せて用心棒をしないかと誘われ、蓋を開けてみたら実はヤのつく職業の組員になっていた。
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しかもチンピラを真っ当にまとめ上げて今や要人の身辺警護メインの度胸の座った鉄砲玉集団は正親さんをボスと崇め、俊くんを若と呼ぶ。
これヤクザじゃないんですよね!?と護衛を依頼したほうが青褪めるレベルの顔面の治安の悪さだが、正親さんに徹底的に教え込まれたジェントルメン気質と言葉遣いで今や男としてやりたい職業ランキングでは、自衛隊、警察官などに並ぶ。
客層も絞っている為に、正親さん率いる身辺警護人に守られる立場になるということもステータスの一つになっているということだ。なにそれかっこいい。
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みえる、みえるぞ校門から一列に並んだ強面のおじさんたちがおじぎをするど真ん中を堂々と歩く俊くんの未来が…。
「ぜ、絶対平穏にはすまない気がする!!!」
かくして僕と俊くんの意見の相違による小学生以来の喧嘩のゴングが鳴ったのだった。
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