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「頼むから、俺がいらないとか言うなよ。」
柴崎が、旭の知らない声でそんなんことを言った。
夜の公園には、ささやかな風の音に上書きされてしまうほど、細い声が時折漏れていた。
柴崎の腕の中で大人しくなった旭の体を抱きしめる腕の力を強める。冬の夜は確かに寒いはずなのに、腕の中の体温は暖かい。柴崎の体の内側の血流も忙しなくなって、己の心臓の音が聞こえてしまうんじゃないか。だなんて、そんなことを思った。
「理人。」
「…ず、るい…、」
ヒック、と小さな嗚咽がまたひとつ漏れた。初めて呼んだ旭の下の名前。本音を言えば、柴崎はもっと早く呼びたかった。
甘く、少し掠れた低い声が大好きだ。旭は、こう言う時に名前を呼んでくる柴崎がずるいともった。
なんで、この人は俺がダサい時にくるの。
触れ合った背中は温かいのに、体の内側からくる震えは止まらなかった。
心臓がバクバクと動くと、震えるのが手だけじゃないだなんて初めて知った。
こんな状況は、旭の想定外だ。それに、経験したこともないから、対処の仕方だってわからない。こんなこと誰にも教わっていないのだ。
「いらないじゃなくて、いいよって言って。嫌いじゃなくて、俺が好きだって、言って。」
「嫌だ…っ…」
心臓が苦しい。旭の胸は内側からじわじわと熱い何かが侵食して、それが喉元から上がってくる。甘くて苦しい疼痛が、旭の思考を馬鹿にしてしまいそうだった。
自分が欲しかったものが手に入る未来なんて、来ないはずだったのだ。
ましてや、こんな望みの薄い、苦しいだけの恋が、叶うわけなんかないと。
「いじっぱり。」
「ぅる、せぇ…」
「理人、」
「やだ、き、期待、したくない…っ…」
吐息を震わして、そんなことを宣った。
こんな状況なんて知らない。両思いなんかじゃない、だって、この恋はいつか終わりが来る。男で、子供だって産むことができない不毛な恋、この関係に、正式な名前がつくことだって、一生来ないと言うのに。
このままではダメになってしまう。振り解かねばと身をよじった時、柴崎の声色に、微かな怒気が含まれた。
「逃げるな。」
「っ、」
柴崎の腕の中で、旭が小さく震えた。このまま逃したくなくて、逃したら、きっとまた柴崎の手の届かない所に行ってしまうと思ったから、つい口調が強くなった。
「も…許して、」
柴崎の声色の変化に、旭がゆるゆると顔を上げた。振り向くことはなかった。それでも、言わなきゃわからないと思ったから、旭はしっかりと前を見据えた。
大事だから、離れたかったんだよ。
あんたの人生に、不毛な時間なんて必要ないだろう。
唇が震える。勇気を出して口にしようとしたのに、何かの気配を悟ったらしい。柴崎は旭の肩を強く掴んだかと思うと、無理矢理その体を正面に向かせた。
「っ、」
柴崎の表情は怒りの色を宿していた。そして、自分が柴崎にそんな顔をさせているのだと思ったら、少しだけ溜飲が下がった。
でも、そんなことは束の間の話であった。柴崎に掴まれた肩が痛い。離して欲しくて、小さく身をよじった時だった。
「お前が自分を騙すなよ…!」
柴崎が吠えた。
旭の瞳が揺れる。ああ、まただ。柴崎はこうやって、旭が必死で取った距離を、こうも簡単に詰めてしまう。涙腺がまた緩む。そんな旭の様子を見て、柴崎は小さく舌打ちをした。
大きな手が後頭部に回る、噛み付くように乱暴に重ねられた唇に息が止まった。
「っ、ぃ…っ!」
途端、本当に下唇に噛みつかれた。あの夜の優しい唇ではない。まるで躾のような、荒々しい口付け。
ひりついたそこを、べろりとひと舐めされてから、ゆっくりと唇が離れた。
「痛いか。そりゃあ痛えよな。」
泣きっつらに蜂ってやつだな。などと、冗談まじりに言ったつもりだろう。それでも表情は少しだけ苛立ったままだったので、旭は唇を真一文字に引き結んで、震える吐息を飲み下す。
いやだ。柴崎を怒らせたのは旭だと言うのに、自業自得の柴崎の鋭利な感情に揺さぶられて、怯えた顔をする。
「んで、怖い…っ」
「怒ってるからな。」
「も、や…」
「黙れ。」
濡れた旭の顔が、あの日の夜と重なった。柴崎は乱暴に旭の体を引き寄せると、その言葉の続きを奪うかのように、再び噛み付くような口付けをした。
上下関係を解らせるかのような、獣のように貪るかのような口付け。
縮こまった旭の舌を絡め取り、時折吸い付く。抵抗が緩くなり、やがて呼吸が落ち着いた頃を見計らって、慰めるように優しく唇を舐めた。
「ン、ふ…っ…」
離れた唇の距離を惜しむかのように、銀糸が二人を繋ぐ。柴崎の唇が、今度は労わるかのように柔らかく唇を啄んだ。再び舌を差し込まれ、上顎を優しく舌で擦られる。腰が震え、ンく、と小さな喉仏が上下した。飲みきれなかった唾液が旭の小さな顎を伝うと、柴崎の親指がそっとなぞるように追いかけた。
「俺は、」
酸素が薄くなったせいで、ぼんやりとした旭の思考が、柴崎の声を拾った。大きな手が腰を支えている。力強いその手にもたれるようにして、立っているのがやっとだった。
「お前みたいに、あんま考えたりしねえんだけどさ。」
「ン、何…」
ボソ、と呟く。柴崎がそんなに小さな声を出せるのが意外で、旭は聞き返すように返事をした。
「シンプルに好きじゃダメなのか。俺は、お前をそう言う意味で好きだよ。理人。」
「…だって、俺男、」
「知ってる。全部見たからな。」
大きな掌が、旭の頬を包み込む。物事は至ってシンプルなのだ。そもそも、好きじゃなかったら、そう言う目で見ていなければ、こんなに必死になんかならない。
柴崎の額が、旭の額と重なった。近い距離が恥ずかしくて、旭の視線がうろつく。たくさん泣いた顔を見られるのが嫌で、伏し目がちになる。
「俺ら、マジで不器用だな。」
柴崎が、小さく笑った。言葉も、一緒に過ごした時間も足りない。足りない部分を補うために、互いが互いを慮り過ぎて、行き違いになる。
二人して、なんて不器用な恋なのだ。心のベクトルはお互いをまっすぐに指し示しているくせに、素直になれなくて遠回りした。
ただでさえ恋愛下手な旭の遠慮も相まって、拗れに拗れてここまできた。
手が届いた今、もう絡まって離せない。
「好きだよ理人。なんも考えなくていいから、ただ、イエスって言って。」
すがるような、そんな甘えた声だった。柴崎にそんなことをさせるのは、三千世界探したって旭しかいないのだ。
旭よりも大きな掌に、震える手がおずおずと重なった。喉から情けない声が漏れて、大きな目がまた蕩け始めて、そんな顔をいつまでも見られたくなくて、返事の代わりに背伸びをした。
旭が自分からした口付けは、少しだけしょっぱかった。
柴崎が、旭の知らない声でそんなんことを言った。
夜の公園には、ささやかな風の音に上書きされてしまうほど、細い声が時折漏れていた。
柴崎の腕の中で大人しくなった旭の体を抱きしめる腕の力を強める。冬の夜は確かに寒いはずなのに、腕の中の体温は暖かい。柴崎の体の内側の血流も忙しなくなって、己の心臓の音が聞こえてしまうんじゃないか。だなんて、そんなことを思った。
「理人。」
「…ず、るい…、」
ヒック、と小さな嗚咽がまたひとつ漏れた。初めて呼んだ旭の下の名前。本音を言えば、柴崎はもっと早く呼びたかった。
甘く、少し掠れた低い声が大好きだ。旭は、こう言う時に名前を呼んでくる柴崎がずるいともった。
なんで、この人は俺がダサい時にくるの。
触れ合った背中は温かいのに、体の内側からくる震えは止まらなかった。
心臓がバクバクと動くと、震えるのが手だけじゃないだなんて初めて知った。
こんな状況は、旭の想定外だ。それに、経験したこともないから、対処の仕方だってわからない。こんなこと誰にも教わっていないのだ。
「いらないじゃなくて、いいよって言って。嫌いじゃなくて、俺が好きだって、言って。」
「嫌だ…っ…」
心臓が苦しい。旭の胸は内側からじわじわと熱い何かが侵食して、それが喉元から上がってくる。甘くて苦しい疼痛が、旭の思考を馬鹿にしてしまいそうだった。
自分が欲しかったものが手に入る未来なんて、来ないはずだったのだ。
ましてや、こんな望みの薄い、苦しいだけの恋が、叶うわけなんかないと。
「いじっぱり。」
「ぅる、せぇ…」
「理人、」
「やだ、き、期待、したくない…っ…」
吐息を震わして、そんなことを宣った。
こんな状況なんて知らない。両思いなんかじゃない、だって、この恋はいつか終わりが来る。男で、子供だって産むことができない不毛な恋、この関係に、正式な名前がつくことだって、一生来ないと言うのに。
このままではダメになってしまう。振り解かねばと身をよじった時、柴崎の声色に、微かな怒気が含まれた。
「逃げるな。」
「っ、」
柴崎の腕の中で、旭が小さく震えた。このまま逃したくなくて、逃したら、きっとまた柴崎の手の届かない所に行ってしまうと思ったから、つい口調が強くなった。
「も…許して、」
柴崎の声色の変化に、旭がゆるゆると顔を上げた。振り向くことはなかった。それでも、言わなきゃわからないと思ったから、旭はしっかりと前を見据えた。
大事だから、離れたかったんだよ。
あんたの人生に、不毛な時間なんて必要ないだろう。
唇が震える。勇気を出して口にしようとしたのに、何かの気配を悟ったらしい。柴崎は旭の肩を強く掴んだかと思うと、無理矢理その体を正面に向かせた。
「っ、」
柴崎の表情は怒りの色を宿していた。そして、自分が柴崎にそんな顔をさせているのだと思ったら、少しだけ溜飲が下がった。
でも、そんなことは束の間の話であった。柴崎に掴まれた肩が痛い。離して欲しくて、小さく身をよじった時だった。
「お前が自分を騙すなよ…!」
柴崎が吠えた。
旭の瞳が揺れる。ああ、まただ。柴崎はこうやって、旭が必死で取った距離を、こうも簡単に詰めてしまう。涙腺がまた緩む。そんな旭の様子を見て、柴崎は小さく舌打ちをした。
大きな手が後頭部に回る、噛み付くように乱暴に重ねられた唇に息が止まった。
「っ、ぃ…っ!」
途端、本当に下唇に噛みつかれた。あの夜の優しい唇ではない。まるで躾のような、荒々しい口付け。
ひりついたそこを、べろりとひと舐めされてから、ゆっくりと唇が離れた。
「痛いか。そりゃあ痛えよな。」
泣きっつらに蜂ってやつだな。などと、冗談まじりに言ったつもりだろう。それでも表情は少しだけ苛立ったままだったので、旭は唇を真一文字に引き結んで、震える吐息を飲み下す。
いやだ。柴崎を怒らせたのは旭だと言うのに、自業自得の柴崎の鋭利な感情に揺さぶられて、怯えた顔をする。
「んで、怖い…っ」
「怒ってるからな。」
「も、や…」
「黙れ。」
濡れた旭の顔が、あの日の夜と重なった。柴崎は乱暴に旭の体を引き寄せると、その言葉の続きを奪うかのように、再び噛み付くような口付けをした。
上下関係を解らせるかのような、獣のように貪るかのような口付け。
縮こまった旭の舌を絡め取り、時折吸い付く。抵抗が緩くなり、やがて呼吸が落ち着いた頃を見計らって、慰めるように優しく唇を舐めた。
「ン、ふ…っ…」
離れた唇の距離を惜しむかのように、銀糸が二人を繋ぐ。柴崎の唇が、今度は労わるかのように柔らかく唇を啄んだ。再び舌を差し込まれ、上顎を優しく舌で擦られる。腰が震え、ンく、と小さな喉仏が上下した。飲みきれなかった唾液が旭の小さな顎を伝うと、柴崎の親指がそっとなぞるように追いかけた。
「俺は、」
酸素が薄くなったせいで、ぼんやりとした旭の思考が、柴崎の声を拾った。大きな手が腰を支えている。力強いその手にもたれるようにして、立っているのがやっとだった。
「お前みたいに、あんま考えたりしねえんだけどさ。」
「ン、何…」
ボソ、と呟く。柴崎がそんなに小さな声を出せるのが意外で、旭は聞き返すように返事をした。
「シンプルに好きじゃダメなのか。俺は、お前をそう言う意味で好きだよ。理人。」
「…だって、俺男、」
「知ってる。全部見たからな。」
大きな掌が、旭の頬を包み込む。物事は至ってシンプルなのだ。そもそも、好きじゃなかったら、そう言う目で見ていなければ、こんなに必死になんかならない。
柴崎の額が、旭の額と重なった。近い距離が恥ずかしくて、旭の視線がうろつく。たくさん泣いた顔を見られるのが嫌で、伏し目がちになる。
「俺ら、マジで不器用だな。」
柴崎が、小さく笑った。言葉も、一緒に過ごした時間も足りない。足りない部分を補うために、互いが互いを慮り過ぎて、行き違いになる。
二人して、なんて不器用な恋なのだ。心のベクトルはお互いをまっすぐに指し示しているくせに、素直になれなくて遠回りした。
ただでさえ恋愛下手な旭の遠慮も相まって、拗れに拗れてここまできた。
手が届いた今、もう絡まって離せない。
「好きだよ理人。なんも考えなくていいから、ただ、イエスって言って。」
すがるような、そんな甘えた声だった。柴崎にそんなことをさせるのは、三千世界探したって旭しかいないのだ。
旭よりも大きな掌に、震える手がおずおずと重なった。喉から情けない声が漏れて、大きな目がまた蕩け始めて、そんな顔をいつまでも見られたくなくて、返事の代わりに背伸びをした。
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