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堕界編

嫌いの本当

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「ルシアン、お前の兄貴勇者なんだってなあ」

 嘲笑を含み隠そうともせずに宣う男は、ルシアンにとっては初対面であった。

 ああ、またか。イザルが城に来てからは、どうにも息苦しい日々がルシアンに付きまとう。
 イザルが勇者だということが、公にされたわけではない。それでも、修練場を我が物顔で使う少年が何者かを、探らないわけにもいくまい。
 果たしてそれが騎士の勤めなのか、はたまた醜いナワバリ意識なのかはわからない。それでも、男社会で上下関係の厳しい職場だ。ルシアンが不本意ながらイザルの弟だという事実も、預かり知らぬところで広まった。

「はあ」
 
 数えるのも飽きた。ルシアンの辟易とした様子は、溜め息として顔を出す。それが気に食わなかったのだろう、目の前の男の雰囲気が剣呑なものになった。

「チ、ちょっとこっちこい」
「……」

 倉庫の清掃中に呼び出されるだけでも、十分に迷惑である。業務に支障が出ることが確実となった今、ルシアンは全ての仕事を放棄したくなった。手から離れたモップが、カロンと音を立てる。胸ぐらを掴まれて連れて行かれたのは、倉庫内の備品管理室。
 武器庫から離れたその場所は、従軍準備時以外はほとんど入らない。せいぜい棚卸しの時くらいだが、それも先月に終えていた。
 力強い腕によって放り投げられた室内で、ルシアンは背中を壁につける形で、よろよろと起き上がった。

「なあ、先輩の話は聞けと教わったろう」
「……」

 ニヤつく表情を顔に湛える。目の前には、見知らぬ騎士五人が入り口を塞ぐようにして立っていた。
 全員年上のものばかりだ。当然、一番下であるルシアンが質問に答えないのは不義理だろう。黒い瞳が目の前の男を捉える。見たこともない人物だ。
 少しだけ汗の匂いがする。訓練終わりで昂った気のままきたのだろうか。戦う男として鍛えられたであろう大柄な肉体が、壁のように目の前に立ちはだかっていた。

「なあって」
「知りませんよそんなもの」
「聞いたぜ、腹違いの兄なんだろう。やっぱ勇者ってのはそっちもお盛んなのか」

 侮蔑じみた笑いが聞こえる。獣が集団で狩りをするように、群れると気が大きくなるらしい。
 黙りこくるルシアンを囲うように退路を塞ぐ。ギシリと床が歪む音がして、余計に体臭の匂いが強くなった。肩に圧迫感を感じてすぐ、ルシアンの体は壁に押さえつけられた。

「答えろよルシアン、いつも涼しい顔しやがって」
「ロブ、やめろよ。怖がってお漏らししたら可哀想だろう」
「いいじゃねえか。そうしたら、その秘密握ってお前を俺のにくべ、──── っ」

 ロブと呼ばれた男は、不自然な呻き声を漏らすと浮き上がった。唐突に床へ横たわった仲間を前に、ルシアンを囲う男どもはわかりやすく動きを止めた。

「だから俺は、お前のことを知らないんだ」

 ルシアンの淡々とした声には、呆れの色も宿っている。その足は、ロブの股座を蹴り上げたままであった。黒い瞳は、静かに倒れ込んだ男を見下ろしている。
 この場の誰よりも線の細いルシアンは、仰向けに気絶する男の股間へと、なんの戸惑いもなく足を振り下ろした。

「ひ、っ」
「ーーーー‼︎」

 ドカリ、と、足を振り下ろす度に、床が軋む。無表情のまま行われるそれが、ルシアンの不機嫌を周囲に伝搬させる。
 靴底に、粘り気のある血液が付着した。グチュ、ぷち、空気の弾ける音が、不自然に静まり返った空間に響く。情けなく転がるロブと呼ばれた男は、白目を剥きながら口から泡を吹き上げていた。

「お、おいやめろてめ、っ」
「シーー」

 生ぬるい風が肌を撫でた瞬間、取り巻きの男は体の自由を奪われたことに気がついた。頭皮から滲んだ汗が、ゆっくりと顔の表面を撫でていく。
 太い首をごくりと上下させ、息を呑む。男の体を抑える威圧は、十代そこらの若者が出せるようなものではなかった。
 じわじわと広がる血液の水溜りに気がつくと、ルシアンは嫌そうに床の上で靴底を擦る。

「ここ」
「ひ、ひぃ、っ……!!」
「掃除、しておいてくださいね」

 抑揚のない、淡々とした口調であった。
 道は、勝手に割れた。ルシアンが踏み出すと、屯していた男どもが壁にへばりつくようにして道を譲ったのだ。
 廊下に、片足だけ血で染まった足跡が残される。最後まで、表情一つ変えずに蹂躙した。これが初めての、ルシアンの反抗だった。





 イザルが来てからと言うものの、ルシアンの後ろにはずっと一つの絶望がついて回った。

──── 腹違いの兄がいるんだって。
──── 聞いたよ、まさかあっちが勇者になるなんて。
──── 将来有望だからって、遊撃部隊に入れられたんだろう?
──── やっぱ、出自が昇進に関係すんのな。

 黒い前髪に隠された、髪と同じ色の瞳。母親似の、父親とは違う黒い瞳だ。今までは、母さんに似たんだから仕方がないと、望みはすれど深くは気にしたことがなかった。
 それなのに、兄だと言われたイザルがここに来てからは、ルシアンは初めて己の瞳の色を悔やんだ。

──── 前の勇者と、おんなじ瞳じゃん。ルシアンはほら、黒だから。
「っうるさいんだよ‼︎」

 血反吐でも吐きそうな勢いで、ルシアンは叫んだ。堪えきれなかった不満や精神的な苦痛が、声となって飛び出たのだ。
 ここが、誰もいない通路でよかった。ルシアンは肩で呼吸を繰り返し、口元を押さえる。周りから見れば、嘔吐感を堪えているかのように映るだろう。規律を守り一度も走ったことのない兵舎の廊下を、何かから逃げるように駆け抜ける。

 ルシアンは、己が勇者になると思っていた。そう信じて疑わなかったからこそ、ここまで努力してきたのだ。
 肺を酷使する、不器用な呼吸を繰り返す。勇者であることを強く望んでいたのは、幼い頃からの母親だ。

──── 可愛いルシアン。あなたは、父親のように立派な勇者になるの。あの人に似た顔立ちと、才能があるもの。きっと間違いないはずよ。
 
 愛してくれていた。母親は、ルシアンを勇者アイゼンの息子として、愛してくれていたのだ。
 
──── ルシアン、あの人は出て行った。家庭に入るのは無理だったのよ。でもね、あなたがいれば大丈夫。あなたが勇者である限り、私たちには家族の繋がりがあるわ。

 家族の、繋がり。母親は、そう言い残して死んだ。アイゼンが失踪してから五年後、ルシアンが、まだ八歳の頃だった。

 荒々しい音を立てて、扉を閉める。駆け込んだのはあてがわれた部屋だ。遊撃隊に選ばれたルシアン個人の私室。
 片足のみの赤い足跡を残しながら、覚束ない足取りで洗面所へと向かった。鏡の前に、己の姿が写っている。アイゼンに似ていると言われた、イザルと同じ顔。
 ルシアンは気持ち悪くて仕方なかった。イザルが来てからたったの、数日。一週間も満たない短い期間で、己を取り巻く環境は変わってしまった。
 笑えてくる、イザルがくるまでは、己こそが勇者だと思って疑わずに鍛錬をしてきた。周りがそう囃し立てるのを、当たり前として受け止めていた。
 とんだ道化だ。聖剣? なんだそれ。なんで俺の元に現れない。なんで、お膳立てされたかのようにあいつの住む村に刺さっていたんだ。
 次々と浮かび上がってくるそれは、イザルに対する妬みや嫉みだった。
 当たり前のように見つめ返す、黒髪黒目の己自身。ルシアンの怒りは、拳を震わすほどだった。
 勝手に、ルシアンを勇者だと信じて疑わなかった大人が、愚かにも信じ込ませたのだ。勇者であることを、求められていると思っていた。いずれ勇者として、聖剣に巡り合うことを心待ちにしていた。
 なんのために努力してきた。俺に求められていたものはなんだったのだ。俺の、費やしてきた時間は、一体どこに消えた。
 ルシアンの心の淀みが、声となって吐き出された。

「あああああああ……!!!!」

 ふざけるなよ。
 激しい感情のままに、振り上げた拳が鏡を叩き割る。
 ひび割れた鏡面は、その隙間を縫うかのように、赤い蜘蛛の巣を走らせる。
 洗面台に散らされたキラキラとした破片と、とろみのある血液が、筋を作って排水溝に溜まる。
 剣だこだらけの手が握り締められ、まだ柔らかだった手の側面を大きく傷つけた。それでも、ルシアンは止まらなかった。
 イザルに弾かれた、あの時の手の痛みが今になって思い出された。それを拭いたくて、ルシアンは手を大きく切っても殴るのをやめなかった。

「いみ、がない……」

 赤い蜘蛛の巣が広がる鏡面から目を背けるように、ルシアンは洗面台に片手をついた。黒髪で表情は隠されている。か細い声だった。 
 光を消した黒い瞳の目の前に、割れた鏡の破片が落ちていた。鏡面から剥がした手のひらが痛むのも気にせずに、ゆっくりと血塗れの指先で破片に触れる。ルシアンは黒い瞳が覗きこむその一欠片を、ゆっくりと手で握り締めた。
 
 部屋の外が騒がしい。きっと、あの騎士のことを報告されたのだろう。もう、どうだっていい。好きにすればいい。
 
「勇者にならなきゃ、母さんは……」
──── あなたが勇者だから、私は幸せよルシアン。
「幸せなんかじゃないじゃないか」

 唇が震えた。愛されることが幸せだと思っていたのなら、母からの愛を失った己は。この、母から与えられた黒い瞳は。








 薬品臭い医務室の中、ルシアンは気がついたらここに運ばれていた。
 ジクジクと痛む右目と、麻酔でもかかったかのように重だるい思考。目の動きに、脳の視覚処理が追いついていない気がする。妙に平面的に見える空間に、少しだけ酔ってしまいそうだ。
 何があったんだっけ。おぼつかない思考のまま、ルシアンは虚な瞳で天井の染みを見つめていたその時だった。

「懲戒処分を免れる方法がこんなところにあったなんてなあ」
「……お前」

 ルシアンの目の前には、すべての元凶であるイザルがいた。
 皮肉じみた声色が耳につく。苦虫を噛み潰したかのように表情を歪めると、壁にもたれかかるイザルを睨みつけた。

「聞いたぜ、近衛騎士の金玉踏み潰したんだろう。襲われそうにでもなったのかよ」
「近衛騎士だと言うことも、今知った」

 白い壁際に背をつけるようにして佇むイザルは、いつもどこかに包帯を巻いていた。
 己と同じ顔に収まる銀灰の瞳。ルシアンが求めても得られなかった特別な瞳だ。つい睨みつける目に力が入ると、ひどい痛みに呻き声を漏らした。

「てめえで目玉潰した気狂い野郎。お前は三日間謹慎だってよ。たく、なんで俺がお前の様子見に来なきゃいけねえんだ」
「……謹慎?」
「目玉は三日で修復される。城に腕のいい治癒術師がいてよかったな」

 イザルの言葉に、ルシアンは包帯の巻かれた目元に触れた。片目だけだというのに、痛みが全身に回るなんて思わなかった。
 体が重だるい。片目で見つめた右の手のひらには、破片を握りしめた時にできたのであろう、真一文字の傷跡が歪に刻まれていた。

「……はは」

 乾いた笑みがこぼれた。衝動的な行いのせいで、兄弟揃って気狂い扱いだ。投げやりな気持ちになったのは認める。虚しくなったのも認める。それでも、ルシアンの心のうちだけは、イザルに知られたくはない。疲れた様子を、同じ顔が見つめていた。
 イザルの気配が近づいた。文句を言う気力すらない。無言を貫くルシアンの手のひらを、包帯を巻いたイザルの手のひらが覆った。

「目玉に気を使いすぎて、こっち見落とすんじゃ腕はよくねえな」
「……触るな」
「今なら仕返しをする機会だとは思わねえか」

 手のひらをグッと握り締められる。一瞬の強い痛みの後、傷口は跡形もなく消えていた。バカにするように鼻で笑うイザルの言いたかったことを、ルシアンは理解した。

「お前に手を振り払われたぐらいで、こうはならない」

 黒い瞳に、怒気を込める。どこまで人をコケにするのかと思ったのだ。
 イザルは、ルシアンの静かな怒りを受け止めても、表情は変えなかった。その灰銀の瞳を細めて見つめ返すだけだ。何を考えているのかわからない、ルシアンの苦手な表情だった。

「てっきりそれで拗ねてんのかと思った」
「お前と兄弟を演じるつもりはない」
「そりゃあいい、俺たちゃ両思いってやつかい」
「気持ちの悪いことを言うな」

 同じ大きさの手がルシアンの手から離れる。豆が何度も潰れて、酷使されたであろう硬い手のひら。初めて、きちんと感じたイザルの手には、治癒が施された様子はない。なんで自分の傷は治さないのだと少しだけ気になったが、聞くことはできなかった。それ以上会話を続けるのは億劫だったのだ。
 静かな沈黙が、しばらくその場を支配した。イザルの腰に下げられた聖剣。ルシアンの望んだ勇者の証でもあるそれを、黙って見つめる。こうしてみると、本当になんの変哲もない剣だ。
 その剣の柄にイザルの手が添えられて、ルシアンは無意識のうちに言葉を放っていた。

「それで、俺を殺せ」
「あ?」

 イザルの声色が、剣呑なものになる。己の耳を疑うかのような、そんな表情だ。

「ああ、そうか。そうだな」
「てめえ、洒落にならねえこと言ってんじゃねえぞ」

 イザルの苛立ちに、ルシアンは笑った。冗談として受け止められなかったらしい。それはそうだ、ルシアンは己の望みを口にしたのだから。

「……もう、何もない、どうだっていい。俺は、母の望みすら叶えてやれなかった。俺の存在価値は、お前が消した」
「何を言ってやがる……」
「その剣で殺せ。お前が勇者なら、救われないものを救えるだろう」
「お前は殺さない。勝手にてめえを背負わせるんじゃねえ」

 イザルの言葉に、ルシアンは気だるげな目を向けた。背負わせるんじゃねえ。その言葉に、僅かな引っ掛かりを覚えたのだ。
 鋭い瞳は、真っ直ぐにこちらを射抜いている。強い光の奥に隠される言葉は、もしかしたら弱さだろうか。

「背負うのが怖いお前が、なんで勇者に選ばれるんだろうな」
「……好きで、選ばれたわけじゃねえ。俺が……!! 俺が望んだわけじゃねえ……!!」
「ならその肩書と剣を捨てればいい。それすらも拾えぬ俺の目の前で、それを行う勇気があるのなら」
「…………!!」

 ルシアンの言葉は、わかりやすくイザルの神経を逆撫でした。二人の間の確執が、より深まった瞬間だった。
 羨望する灰銀の瞳は、儘ならぬ現状と苛立ちによってギラギラと光っていた。怒りを必死で抑え込むような、そんなイザルの様子を前に、ルシアンはただ綺麗だな、と思った。
 怒りと恨みで輝く、銀灰の瞳は美しい。その色を研ぎ澄ませたのが己だと思うと、少しだけ心が空くような心地になった。


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