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第一章
24話 閑話
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ヴィルメローのとある病院の一室。
ミイはベッドの上で、ぼーっとしていた。
青銅の洞窟で大怪我をしたミイは一命を取りとめたものの、怪我がかなり酷い状態であった為、長期入院を余儀なくされた。
医者達の懸命な治療により、普段と変わらないくらい元気になっていたが、完治させるには、まだ暫くはかかる予定であった。
ミイが暇そうにしていると、部屋の扉が開く。
音で振り向いたミイは、入って来た人物を見て表情を明るくさせる。
「あ! アリカ、いらっしゃーい」
やってきたのはアリカであった。
アリカはミイのベッドの横に来て椅子に座る。
「調子はどう? って聞くまでもないわね」
「うん、元気ー。この前の魔獣災害凄かったねー。大丈夫だった?」
「え? ええ。うちは大丈夫だったわよ……」
「今回の本当に危なかったみたいで、ここに居た人達みんなで逃げ出す準備とかさせられてたよ。南通りに、でっかいモンスター入ってきてたけど見た? あれが一番ヤバかったらしいよ。大手ギルドの人達が束になっても勝てなくて逃げ出しちゃうくらい強かったって」
暇を持て余していたミイは、つい饒舌になる。
だが、アリカの方は反対に神妙な表情をして聴くだけであった。
「でね。そのモンスターを倒した人がシンって言うらしいんだって。あたし達が臨時でパーティ組んだ人と同じ名前だよね。あの人はクレリックだったから、違う人だと思うけどー」
「……」
「アリカ達って、まだユアンのことで怒ってる? あの人も悪気があって死なせたんじゃないと思うからさ。一回ちゃんと話し合ったら?」
ミイもユアンが死んでしまった原因がシンであると聞かされていたが、あの時、朦朧とする意識の中、必死に助けようとしていた姿を見ていた為、悪い人では考えていたのだ。
しかしアリカは神妙な表情のまま、何も言葉を返さない。
そんなアリカに、ミイは少し気まずそうに話題を変える。
「そういえば今日は一人? いつもは二人で来るのに珍しいね」
「……」
話題を変えてもアリカは何も返事をしない。
それどころか、みるみる辛そうな表情になっていく。
「ど、どったの? 何かあった?」
様子があまりにも、おかしいと思ったミイが率直に尋ねた。
するとアリカは少し間をおいて話を切り出す。
「……実はライルのことなんだけど、行方不明なの」
「え?」
「ライル、魔獣災害の時に街の防衛に参加してたのよ。死体は見つからなかったけど、あれから家にも帰ってきてないみたいだし、多分……」
街の外、特に前線にあった遺体は損傷が激しく、個人を判別することができないものが多かった。
その為、ギルドは防衛参加者で行方が分からなくなった者は死亡扱いとすることにした。
「そっか……」
ミイは、そう一言返すとアリカから顔を背け、寂しげに窓から外を眺める。
二人はユアンに立て続けてライルまで失った。
幼馴染グループは、もう終わりであった。
ミイが眺める窓の外。
見下ろした先には、通りを歩く行き交う人々が見受けられる。
その中にシンの姿があった。
――――
通りを一人で歩くシン。
鍛冶屋で武具の発注を行った帰りであった。
装備の作成は専門クラスでないとできない為、作るには専門職に頼むしかない。
当然、職人の腕ややり方によって完成する品質に違いは出る。
シンはその点が心配だったが、魔獣災害で図らずとも職人に恩を売ることができていた為、製作工程に存分に口出しすることが出来た。
おかげで満足のいく品質の装備を手に入れることが出来る見込みだった。
歩いていると、シンは、ふと何かに気付いた。
徐に進む方向を変え、路地へと入る。
直後、シンは姿をその場から消した。
「あれ!?」
顔を覗かせた女性がきょろきょろと周りを見回す。
その後ろからシンは声をかけた。
「また、お前か」
「わぎゃっ!」
驚いて振り返ったミリアはシンを見て誤魔化し笑いをする。
「あはは、バレてましたか。流石は英雄様。探知魔法以外で隠密術を見破られたなんて初めてですよ」
女性の名はミリア・インクリッド
地元の雑誌記者である。
魔獣災害でシンが活躍した為、取材を行いたいと近づいてくるようになった。
自分のことについて言えないことが多いシンは取材を断ったが、ミリアは、めげることなく、つきまとい行為もとい、取材のお願いを続けていた。
「いい加減、つきまとうのは止めろ。迷惑だ」
シンは不快感を露わにする。
最初は丁重に断っていたものの、毎日しつこく付きまとわれ、いい加減うんざりしていた。
「はい、ですから邪魔にならないように、隠れて御拝見していました」
「いや、つきまといを止めろと……」
「あ! せっかくですから伺ってもいいですか? さっき鍛冶屋に行きましたよね? 最近よく鍛冶屋に出入りしているとの情報があるんですが、何をしているんですか? あそこの親父さん口堅くて全然教えてくれないんですよ。やっぱり武具の注文ですか? それとも迷ってる品物があるんですか?」
「帰れ帰れ。お前に話すことは何もない」
畳みかけて訊いてくるミリアをシンは一切取り合わず追い払う。
「むぅ……ケチですね。仕方ありません。取材主の意向は尊重する主義ですので、今日のところは、これにて退散します」
ミリアはそう言い、その場から姿を消した。
「……」
ミリアが消えた後、シンは周りを軽く見回す。
そしてある一点をじっと見て、溜息をついた後、通りを歩き始めた。
そのまま馬車乗り場まで行ったシンは馬車に乗って街を出る。
移動すること一時間弱。
シンは海岸洞穴の前へとやってきていた。
人気が少なく、シンの周囲に人は見当たらない。
「おい、居るのは分かってる。出て来い」
シンが声を上げると、ばつの悪そうな顔をしたミリアが現れる。
「いやぁ、またばれてしまいましたか。何で分かるのか訊いても?」
「教えたら対策するだろ。それよりも今から、このダンジョンに入るんだが、あんたはどうする?」
「同行してもいいんですか!?」
「ダメと言っても、ついてくるんだろ?」
「あはは、よく分かってるじゃないですか」
「なら精々、気を付けるといい」
シンは、そう言って洞穴の中へと向かって歩き始める。
「冒険者への同行取材などで、ダンジョンには慣れてますので、ご心配なくー」
ミリアは全く恐れる様子なくシンの後に続いた。
洞穴の中は地面に薄らと海水が流れており、光の反射で洞穴全体が蒼く照らされていた。
至る所に蟹や海藻など海の生き物が見受けられる。
二人は水を踏む音を立てながら進む。
「ついに生のシンさんの戦いが見れるんですね。楽しみです。一体どんな戦いを見せてくれるのでしょうか。私のことはお気になさらず好きに戦っていいですよ。気配遮断で大抵のモンスターは私に気付きませんから」
「……ところで、このダンジョンに入った経験は?」
「全くの初めてですね」
「それは良かった」
「? もしかして危ないところだったりします? いざとなったら一人でも逃げ出せますので大丈夫ですけどぉお!?」
喋っていたミリアは下に生えていた海藻に足を滑らせて、ひっくり返った。
それで終わらず、微妙に斜面となっていた先を滑り始める。
「のわあああああっとおっ」
滑っていたミリアは跳び上がり、天井に張り付く。
「ほぅ……。ここら辺、足元滑るから注意しろよ」
「はぁはぁ……みたいですね。吃驚しました」
ミリアは天井から跳んで壁を蹴り、シンのところへと戻ってくる。
そして二人は再び進み始めた。
「この色の違う海藻のところを踏むと滑るんですね。これもう殆ど罠みたいなものじゃないですか。思いっきり滑るし、あのまま止まらなかったら最後は壁にでも、ぶつかってましたよ」
煩く喋っているミリアを尻目に、シンは、さりげなく端に移動する。
「あー、でも分かってたら、ちょっと楽しいかもしれませんね。滑り台みたいで。上手く利用すればショートカットにも使え……」
その時、正面の壁の穴から突如勢いよく水が発射された。
「るぉあっ!」
ミリアは身体を仰け反って避ける。
そして、すぐさまシンの後ろへと隠れた。
「偶に壁の穴から水が噴出してくるから、気を付けた方がいい」
「分かりましたけど、そういうのは先に教えてくれやしませんかねぇ」
「罠が嫌なら帰ることをお勧めする。そして、そのまま二度と俺に近づかないでくれ」
「それは承知しかねます。罠如きで諦めるほど軟じゃありませんよ」
ミリアは臆することなくシンの後に続く。
シンが、このダンジョンに来た目的は、ミリアを諦めさせる為であった。
自分に、つきまとうと碌な目に遭わないと思わせるのである。
この海岸洞穴は罠の数は多いが、危険度は低い。
その上、出てくるモンスターは然程強くなく、出現頻度も少な目である。
懲らしめるには最適のところであった。
何度か罠に引っ掛け、ミリアが白旗を上げたところで帰ろうとシンは考えていた。
しかし、シンはミリアの危機回避能力を甘く見ていた。
「わ、大きな貝ですね。え!? あれ真珠ですか?」
前方には人間ほどの大きさの巨大な貝が開いており、中には真珠のようなものが見えていた。
「欲しいなら取ってけば? 俺に、つきまとってもどうせ無駄骨に終わるだろうから、土産の一つでも持っていくといい」
「無駄骨には終わらせませんよー」
そう言いつつ、ミリアは貝のところへ小走りで移動する。
開いている貝の中に入り、真珠に手を伸ばした。
だがその時、突然真珠に目ようなものが浮かび上がる。
「ぎょわ!?」
ミリアは咄嗟に後ろへと飛び退く。
直後、殻が勢いよく閉じられた。
「ちょっと! あれモンスターじゃないですか!」
「そのようだな。今までスルーしてたから知らなかった」
「ほんと吃驚しましたよー。心臓が止まるかと思いました」
――――
「ちょ、これ凄い絡まるんですけどっ」
生い茂る海藻郡に絡まるミリアがもがく。
逃げようとしているが動けば動くほど海藻が絡まり、事態は悪化する一方であった。
その様子をシンは腕を組んで眺める。
「あの、助けようとはしてくれないんですか?」
「近づくと俺まで絡まるから」
「もー、英雄なのに全然、役に立たないじゃないですか」
ミリアはそう言うと、上着を残して海藻郡の中から飛び出す。
「何だ、自力で出られるじゃないか」
「空蝉の術は服を犠牲にしないといけないんです! どうしてくれるんですか。私の一張羅なのに」
「しょうがないな……」
シンは海藻郡に近づき、残された上着を引っ張って取り出す。
そして、それをミリアに返した。
「……」
罠にかかることなく、あまりにもあっさりと上着を取ってきたシンに、ミリアは言葉を無くした。
――――
押し寄せる鉄砲水から、シンとミリアの二人は全力で走って逃げていた。
「シンさんっ、あなた、もしかして態と罠に引っ掛けてませんか!?」
「態と? まさかぁ、そんなことする訳ないだろ」
「……本当ですか? 私、ダンジョンへ行ったことは、もう結構な回数ありますけど、こんなにかかったことなんて今までありませんでしたよ」
「ここは罠が多いからな。いい経験ができてよかったじゃないか」
シンは走りながら、持っていた昆布をさりげなくミリアの足元に落とす。
「こんな経験って、おわっ!?」
滑って転ぶミリアだが、咄嗟に両手を地面に着き、跳んで状態復帰する。
そしてシンに向けて怒り出す。
「いいい今見ましたよ! 海藻っぽいの投げましたよね!?」
「さぁ? 俺は見てないけど」
「自分が投げたんでしょーが! ふざけるのも大概にしてください!」
「そんなに怒るなよ。ほら、呑気に喋ってると流されるぞ」
「くぅー、信じられません」
シンが幾度となく罠に誘導するが、ミリアはギリギリのところで全て回避していった。
ミリアのクラスはシーフの上位クラスにあたるニンジャである。
ニンジャは極めて高い隠密能力を持っている他、機動力も非常に高い。
シンはそのことも織り込んで仕掛けたのだが、予想以上に動体視力や反応速度が高かった為、悉く回避されてしまっていた。
そうこうしているうちにボス部屋前にまで辿り着いてしまう。
「ぜぇぜぇ……酷い目に遭いました。ほんと信じられない人ですね。これが街を救った英雄だなんて」
「嫌なら帰ればよかったのに。二度と、つきまとわないと約束してくれるなら、街まで丁重に送り届けてやるぞ」
「そんなこと記者としてのプライドが許しません。どんな目に遭っても負けませんからっ」
全く挫ける様子のないミリアに、シンは鬱陶しさを通り越して感心してしまう。
「その執念を他に向けてくれよ」
「生憎この仕事が天職ですから。そして今最もホットなニュースは街を救った英雄である貴方です! さぁ、見せてください。貴方の戦いを」
ミリアはカメラのマジックアイテムを取り出し、シンにボス部屋へ入るよう促す。
溜息をついたシンはボス部屋へと入った。
ボス部屋は開けた洞窟となっており、道中と同様に地面には薄らと海水が流れている。
その蒼く照らされた洞窟の中央に、巨大なイソギンチャクが鎮座していた。
海岸洞穴のボス、巨大イソギンチャクである。
二人が部屋の中に入ると、巨大イソギンチャクは、うねうねと動きながらシン達の方へとやってくる。
巨大イソギンチャクが近づいてきたところで、シンは下を流れる海水を蹴り上げた。
舞い上がった海水が巨大イソギンチャクにかかる。
直後、触手が勢いよくシンの方へと伸びてきた。
シンが縮地で回避すると、触手はその後ろに居たミリアへと向かう。
ミリアも、すぐさま上へと飛んで回避する。
「やると思ってましたー。もうそんなのには引っかかりませんからね」
空中に跳び上がったミリアだが、その時、後ろにシンが現れた。
そして、その背を蹴り飛ばして、巨大イソギンチャクの方へと落とす。
落下したミリアは大量の触手に巻き込まれた。
「ぬわー! 蹴ったぁー! 何て事するんですー!?」
絡みつく触手はミリアの衣服の中へと侵入していく。
「うぎゃー、気持ち悪い!」
ミリアはすぐさま空蝉の術を使い、触手群の中から飛び出す。
だが直後にシンが海水を蹴り上げてかけると、触手が勢いよく空中に逃れたミリアに襲い掛かった。
逃れる間もなく、再び触手に取り込まれる。
「ひいいい。有り得ないっ、有り得ないっ。これ完全に犯罪ですよ! 死んだらどうするんですか!」
「そいつは攻撃力、皆無だから心配するな。そこにいくら留まっても怪我することはない」
「怪我はしなくても気は狂います!」
ミリアは必死に逃れようとする。
しかし、触手が絡みついて逃れることはできない。
空蝉の術も大して修練していなかったので、上に着ていたジャケットでなければできなかった。
「へ、へるぷ……」
自力では逃れられないと思ったミリアは、シンに助けを求めた。
だが、シンは助ける素振りもせず話し始める。
「あのさ、いい加減つきまとうの止めてくれないかな。こっちもやること沢山あるから困るんだよ」
「でしたら、私の取材を受けてください」
「それは無理」
「受けてもらわない限り諦めませんよ」
「そ」
シンはそれ以上何も言わず、腕を組んでミリアの様子を見続ける。
このまま観念するのを待つつもりであった。
ミリアもそのことが分かっていた為、何とか触手に耐えながら逃れようとする。
しかし逃れる手段はなく、触手は全身を弄ってくる。
不快感で気が狂いそうだった。
必死に耐えていたミリアだが、やがて触手は下着の中へと侵入してくる。
「!? そこは本当にダメです! ちょっ、シンさん洒落にならないことになります! 助けてっ」
ミリアが訴えるが、シンは知らぬ顔で眺めるだけであった。
「うぅぅ……分かりました! もう、つきまといません!」
このままでは取り返しがつかないことになると思ったミリアは白旗を上げた。
「本当か? 嘘じゃないだろうな」
「本当です! 神様に誓います。ですから早く助けてください! もうヌルヌルいやー」
言質を取ったシンは触手の根本へ向けて指弾を撃ち込む。
触手が千切れ、何発か撃ち込むと、ミリアが解放される。
シンはそのまま巨大イソギンチャクの本体へと指弾を連射した。
巨大イソギンチャクはその衝撃で身体を揺らす。
やがて力尽きたように萎んで動かなくなった。
討伐を終えたシンはミリアに向けて言う。
「ちゃんと約束守れよ」
「何の話ですか?」
「よし、他のダンジョン行こうか。次はもっと、えげつないところに」
「冗談ですっ。約束は守らせていただきます! ちょっとしたジョークですよ」
「……頼むよ。ほんとに」
不安は残るが、シンは何とかミリアに、つきまとうことを禁ずる約束を取りつけることが出来たのであった。
ダンジョンから出た二人は馬車で街へと戻った。
到着した馬車乗り場で別れる際、シンは何度も念押しする。
「いいか? 絶対に約束守れよ。破ったら拉致してでも、またあそこに連れてくからな」
「はいはい分かってますよ。何度も言わなくても守りますって」
「本当だな? 信じるぞ」
最後まで念押ししてからシンは去って行った。
そして一人残ったミリアがシンの背中を見ながら呟く。
「近くじゃなければ調べてもいいってことですよね」
ミイはベッドの上で、ぼーっとしていた。
青銅の洞窟で大怪我をしたミイは一命を取りとめたものの、怪我がかなり酷い状態であった為、長期入院を余儀なくされた。
医者達の懸命な治療により、普段と変わらないくらい元気になっていたが、完治させるには、まだ暫くはかかる予定であった。
ミイが暇そうにしていると、部屋の扉が開く。
音で振り向いたミイは、入って来た人物を見て表情を明るくさせる。
「あ! アリカ、いらっしゃーい」
やってきたのはアリカであった。
アリカはミイのベッドの横に来て椅子に座る。
「調子はどう? って聞くまでもないわね」
「うん、元気ー。この前の魔獣災害凄かったねー。大丈夫だった?」
「え? ええ。うちは大丈夫だったわよ……」
「今回の本当に危なかったみたいで、ここに居た人達みんなで逃げ出す準備とかさせられてたよ。南通りに、でっかいモンスター入ってきてたけど見た? あれが一番ヤバかったらしいよ。大手ギルドの人達が束になっても勝てなくて逃げ出しちゃうくらい強かったって」
暇を持て余していたミイは、つい饒舌になる。
だが、アリカの方は反対に神妙な表情をして聴くだけであった。
「でね。そのモンスターを倒した人がシンって言うらしいんだって。あたし達が臨時でパーティ組んだ人と同じ名前だよね。あの人はクレリックだったから、違う人だと思うけどー」
「……」
「アリカ達って、まだユアンのことで怒ってる? あの人も悪気があって死なせたんじゃないと思うからさ。一回ちゃんと話し合ったら?」
ミイもユアンが死んでしまった原因がシンであると聞かされていたが、あの時、朦朧とする意識の中、必死に助けようとしていた姿を見ていた為、悪い人では考えていたのだ。
しかしアリカは神妙な表情のまま、何も言葉を返さない。
そんなアリカに、ミイは少し気まずそうに話題を変える。
「そういえば今日は一人? いつもは二人で来るのに珍しいね」
「……」
話題を変えてもアリカは何も返事をしない。
それどころか、みるみる辛そうな表情になっていく。
「ど、どったの? 何かあった?」
様子があまりにも、おかしいと思ったミイが率直に尋ねた。
するとアリカは少し間をおいて話を切り出す。
「……実はライルのことなんだけど、行方不明なの」
「え?」
「ライル、魔獣災害の時に街の防衛に参加してたのよ。死体は見つからなかったけど、あれから家にも帰ってきてないみたいだし、多分……」
街の外、特に前線にあった遺体は損傷が激しく、個人を判別することができないものが多かった。
その為、ギルドは防衛参加者で行方が分からなくなった者は死亡扱いとすることにした。
「そっか……」
ミイは、そう一言返すとアリカから顔を背け、寂しげに窓から外を眺める。
二人はユアンに立て続けてライルまで失った。
幼馴染グループは、もう終わりであった。
ミイが眺める窓の外。
見下ろした先には、通りを歩く行き交う人々が見受けられる。
その中にシンの姿があった。
――――
通りを一人で歩くシン。
鍛冶屋で武具の発注を行った帰りであった。
装備の作成は専門クラスでないとできない為、作るには専門職に頼むしかない。
当然、職人の腕ややり方によって完成する品質に違いは出る。
シンはその点が心配だったが、魔獣災害で図らずとも職人に恩を売ることができていた為、製作工程に存分に口出しすることが出来た。
おかげで満足のいく品質の装備を手に入れることが出来る見込みだった。
歩いていると、シンは、ふと何かに気付いた。
徐に進む方向を変え、路地へと入る。
直後、シンは姿をその場から消した。
「あれ!?」
顔を覗かせた女性がきょろきょろと周りを見回す。
その後ろからシンは声をかけた。
「また、お前か」
「わぎゃっ!」
驚いて振り返ったミリアはシンを見て誤魔化し笑いをする。
「あはは、バレてましたか。流石は英雄様。探知魔法以外で隠密術を見破られたなんて初めてですよ」
女性の名はミリア・インクリッド
地元の雑誌記者である。
魔獣災害でシンが活躍した為、取材を行いたいと近づいてくるようになった。
自分のことについて言えないことが多いシンは取材を断ったが、ミリアは、めげることなく、つきまとい行為もとい、取材のお願いを続けていた。
「いい加減、つきまとうのは止めろ。迷惑だ」
シンは不快感を露わにする。
最初は丁重に断っていたものの、毎日しつこく付きまとわれ、いい加減うんざりしていた。
「はい、ですから邪魔にならないように、隠れて御拝見していました」
「いや、つきまといを止めろと……」
「あ! せっかくですから伺ってもいいですか? さっき鍛冶屋に行きましたよね? 最近よく鍛冶屋に出入りしているとの情報があるんですが、何をしているんですか? あそこの親父さん口堅くて全然教えてくれないんですよ。やっぱり武具の注文ですか? それとも迷ってる品物があるんですか?」
「帰れ帰れ。お前に話すことは何もない」
畳みかけて訊いてくるミリアをシンは一切取り合わず追い払う。
「むぅ……ケチですね。仕方ありません。取材主の意向は尊重する主義ですので、今日のところは、これにて退散します」
ミリアはそう言い、その場から姿を消した。
「……」
ミリアが消えた後、シンは周りを軽く見回す。
そしてある一点をじっと見て、溜息をついた後、通りを歩き始めた。
そのまま馬車乗り場まで行ったシンは馬車に乗って街を出る。
移動すること一時間弱。
シンは海岸洞穴の前へとやってきていた。
人気が少なく、シンの周囲に人は見当たらない。
「おい、居るのは分かってる。出て来い」
シンが声を上げると、ばつの悪そうな顔をしたミリアが現れる。
「いやぁ、またばれてしまいましたか。何で分かるのか訊いても?」
「教えたら対策するだろ。それよりも今から、このダンジョンに入るんだが、あんたはどうする?」
「同行してもいいんですか!?」
「ダメと言っても、ついてくるんだろ?」
「あはは、よく分かってるじゃないですか」
「なら精々、気を付けるといい」
シンは、そう言って洞穴の中へと向かって歩き始める。
「冒険者への同行取材などで、ダンジョンには慣れてますので、ご心配なくー」
ミリアは全く恐れる様子なくシンの後に続いた。
洞穴の中は地面に薄らと海水が流れており、光の反射で洞穴全体が蒼く照らされていた。
至る所に蟹や海藻など海の生き物が見受けられる。
二人は水を踏む音を立てながら進む。
「ついに生のシンさんの戦いが見れるんですね。楽しみです。一体どんな戦いを見せてくれるのでしょうか。私のことはお気になさらず好きに戦っていいですよ。気配遮断で大抵のモンスターは私に気付きませんから」
「……ところで、このダンジョンに入った経験は?」
「全くの初めてですね」
「それは良かった」
「? もしかして危ないところだったりします? いざとなったら一人でも逃げ出せますので大丈夫ですけどぉお!?」
喋っていたミリアは下に生えていた海藻に足を滑らせて、ひっくり返った。
それで終わらず、微妙に斜面となっていた先を滑り始める。
「のわあああああっとおっ」
滑っていたミリアは跳び上がり、天井に張り付く。
「ほぅ……。ここら辺、足元滑るから注意しろよ」
「はぁはぁ……みたいですね。吃驚しました」
ミリアは天井から跳んで壁を蹴り、シンのところへと戻ってくる。
そして二人は再び進み始めた。
「この色の違う海藻のところを踏むと滑るんですね。これもう殆ど罠みたいなものじゃないですか。思いっきり滑るし、あのまま止まらなかったら最後は壁にでも、ぶつかってましたよ」
煩く喋っているミリアを尻目に、シンは、さりげなく端に移動する。
「あー、でも分かってたら、ちょっと楽しいかもしれませんね。滑り台みたいで。上手く利用すればショートカットにも使え……」
その時、正面の壁の穴から突如勢いよく水が発射された。
「るぉあっ!」
ミリアは身体を仰け反って避ける。
そして、すぐさまシンの後ろへと隠れた。
「偶に壁の穴から水が噴出してくるから、気を付けた方がいい」
「分かりましたけど、そういうのは先に教えてくれやしませんかねぇ」
「罠が嫌なら帰ることをお勧めする。そして、そのまま二度と俺に近づかないでくれ」
「それは承知しかねます。罠如きで諦めるほど軟じゃありませんよ」
ミリアは臆することなくシンの後に続く。
シンが、このダンジョンに来た目的は、ミリアを諦めさせる為であった。
自分に、つきまとうと碌な目に遭わないと思わせるのである。
この海岸洞穴は罠の数は多いが、危険度は低い。
その上、出てくるモンスターは然程強くなく、出現頻度も少な目である。
懲らしめるには最適のところであった。
何度か罠に引っ掛け、ミリアが白旗を上げたところで帰ろうとシンは考えていた。
しかし、シンはミリアの危機回避能力を甘く見ていた。
「わ、大きな貝ですね。え!? あれ真珠ですか?」
前方には人間ほどの大きさの巨大な貝が開いており、中には真珠のようなものが見えていた。
「欲しいなら取ってけば? 俺に、つきまとってもどうせ無駄骨に終わるだろうから、土産の一つでも持っていくといい」
「無駄骨には終わらせませんよー」
そう言いつつ、ミリアは貝のところへ小走りで移動する。
開いている貝の中に入り、真珠に手を伸ばした。
だがその時、突然真珠に目ようなものが浮かび上がる。
「ぎょわ!?」
ミリアは咄嗟に後ろへと飛び退く。
直後、殻が勢いよく閉じられた。
「ちょっと! あれモンスターじゃないですか!」
「そのようだな。今までスルーしてたから知らなかった」
「ほんと吃驚しましたよー。心臓が止まるかと思いました」
――――
「ちょ、これ凄い絡まるんですけどっ」
生い茂る海藻郡に絡まるミリアがもがく。
逃げようとしているが動けば動くほど海藻が絡まり、事態は悪化する一方であった。
その様子をシンは腕を組んで眺める。
「あの、助けようとはしてくれないんですか?」
「近づくと俺まで絡まるから」
「もー、英雄なのに全然、役に立たないじゃないですか」
ミリアはそう言うと、上着を残して海藻郡の中から飛び出す。
「何だ、自力で出られるじゃないか」
「空蝉の術は服を犠牲にしないといけないんです! どうしてくれるんですか。私の一張羅なのに」
「しょうがないな……」
シンは海藻郡に近づき、残された上着を引っ張って取り出す。
そして、それをミリアに返した。
「……」
罠にかかることなく、あまりにもあっさりと上着を取ってきたシンに、ミリアは言葉を無くした。
――――
押し寄せる鉄砲水から、シンとミリアの二人は全力で走って逃げていた。
「シンさんっ、あなた、もしかして態と罠に引っ掛けてませんか!?」
「態と? まさかぁ、そんなことする訳ないだろ」
「……本当ですか? 私、ダンジョンへ行ったことは、もう結構な回数ありますけど、こんなにかかったことなんて今までありませんでしたよ」
「ここは罠が多いからな。いい経験ができてよかったじゃないか」
シンは走りながら、持っていた昆布をさりげなくミリアの足元に落とす。
「こんな経験って、おわっ!?」
滑って転ぶミリアだが、咄嗟に両手を地面に着き、跳んで状態復帰する。
そしてシンに向けて怒り出す。
「いいい今見ましたよ! 海藻っぽいの投げましたよね!?」
「さぁ? 俺は見てないけど」
「自分が投げたんでしょーが! ふざけるのも大概にしてください!」
「そんなに怒るなよ。ほら、呑気に喋ってると流されるぞ」
「くぅー、信じられません」
シンが幾度となく罠に誘導するが、ミリアはギリギリのところで全て回避していった。
ミリアのクラスはシーフの上位クラスにあたるニンジャである。
ニンジャは極めて高い隠密能力を持っている他、機動力も非常に高い。
シンはそのことも織り込んで仕掛けたのだが、予想以上に動体視力や反応速度が高かった為、悉く回避されてしまっていた。
そうこうしているうちにボス部屋前にまで辿り着いてしまう。
「ぜぇぜぇ……酷い目に遭いました。ほんと信じられない人ですね。これが街を救った英雄だなんて」
「嫌なら帰ればよかったのに。二度と、つきまとわないと約束してくれるなら、街まで丁重に送り届けてやるぞ」
「そんなこと記者としてのプライドが許しません。どんな目に遭っても負けませんからっ」
全く挫ける様子のないミリアに、シンは鬱陶しさを通り越して感心してしまう。
「その執念を他に向けてくれよ」
「生憎この仕事が天職ですから。そして今最もホットなニュースは街を救った英雄である貴方です! さぁ、見せてください。貴方の戦いを」
ミリアはカメラのマジックアイテムを取り出し、シンにボス部屋へ入るよう促す。
溜息をついたシンはボス部屋へと入った。
ボス部屋は開けた洞窟となっており、道中と同様に地面には薄らと海水が流れている。
その蒼く照らされた洞窟の中央に、巨大なイソギンチャクが鎮座していた。
海岸洞穴のボス、巨大イソギンチャクである。
二人が部屋の中に入ると、巨大イソギンチャクは、うねうねと動きながらシン達の方へとやってくる。
巨大イソギンチャクが近づいてきたところで、シンは下を流れる海水を蹴り上げた。
舞い上がった海水が巨大イソギンチャクにかかる。
直後、触手が勢いよくシンの方へと伸びてきた。
シンが縮地で回避すると、触手はその後ろに居たミリアへと向かう。
ミリアも、すぐさま上へと飛んで回避する。
「やると思ってましたー。もうそんなのには引っかかりませんからね」
空中に跳び上がったミリアだが、その時、後ろにシンが現れた。
そして、その背を蹴り飛ばして、巨大イソギンチャクの方へと落とす。
落下したミリアは大量の触手に巻き込まれた。
「ぬわー! 蹴ったぁー! 何て事するんですー!?」
絡みつく触手はミリアの衣服の中へと侵入していく。
「うぎゃー、気持ち悪い!」
ミリアはすぐさま空蝉の術を使い、触手群の中から飛び出す。
だが直後にシンが海水を蹴り上げてかけると、触手が勢いよく空中に逃れたミリアに襲い掛かった。
逃れる間もなく、再び触手に取り込まれる。
「ひいいい。有り得ないっ、有り得ないっ。これ完全に犯罪ですよ! 死んだらどうするんですか!」
「そいつは攻撃力、皆無だから心配するな。そこにいくら留まっても怪我することはない」
「怪我はしなくても気は狂います!」
ミリアは必死に逃れようとする。
しかし、触手が絡みついて逃れることはできない。
空蝉の術も大して修練していなかったので、上に着ていたジャケットでなければできなかった。
「へ、へるぷ……」
自力では逃れられないと思ったミリアは、シンに助けを求めた。
だが、シンは助ける素振りもせず話し始める。
「あのさ、いい加減つきまとうの止めてくれないかな。こっちもやること沢山あるから困るんだよ」
「でしたら、私の取材を受けてください」
「それは無理」
「受けてもらわない限り諦めませんよ」
「そ」
シンはそれ以上何も言わず、腕を組んでミリアの様子を見続ける。
このまま観念するのを待つつもりであった。
ミリアもそのことが分かっていた為、何とか触手に耐えながら逃れようとする。
しかし逃れる手段はなく、触手は全身を弄ってくる。
不快感で気が狂いそうだった。
必死に耐えていたミリアだが、やがて触手は下着の中へと侵入してくる。
「!? そこは本当にダメです! ちょっ、シンさん洒落にならないことになります! 助けてっ」
ミリアが訴えるが、シンは知らぬ顔で眺めるだけであった。
「うぅぅ……分かりました! もう、つきまといません!」
このままでは取り返しがつかないことになると思ったミリアは白旗を上げた。
「本当か? 嘘じゃないだろうな」
「本当です! 神様に誓います。ですから早く助けてください! もうヌルヌルいやー」
言質を取ったシンは触手の根本へ向けて指弾を撃ち込む。
触手が千切れ、何発か撃ち込むと、ミリアが解放される。
シンはそのまま巨大イソギンチャクの本体へと指弾を連射した。
巨大イソギンチャクはその衝撃で身体を揺らす。
やがて力尽きたように萎んで動かなくなった。
討伐を終えたシンはミリアに向けて言う。
「ちゃんと約束守れよ」
「何の話ですか?」
「よし、他のダンジョン行こうか。次はもっと、えげつないところに」
「冗談ですっ。約束は守らせていただきます! ちょっとしたジョークですよ」
「……頼むよ。ほんとに」
不安は残るが、シンは何とかミリアに、つきまとうことを禁ずる約束を取りつけることが出来たのであった。
ダンジョンから出た二人は馬車で街へと戻った。
到着した馬車乗り場で別れる際、シンは何度も念押しする。
「いいか? 絶対に約束守れよ。破ったら拉致してでも、またあそこに連れてくからな」
「はいはい分かってますよ。何度も言わなくても守りますって」
「本当だな? 信じるぞ」
最後まで念押ししてからシンは去って行った。
そして一人残ったミリアがシンの背中を見ながら呟く。
「近くじゃなければ調べてもいいってことですよね」
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