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09 - 二学年 一学期 夏 -
01
しおりを挟む夏が来る。今年の夏は、絶対に暑いと思う。だって今、5月なのにめちゃくちゃ暑いもん。そしてもうすぐ6月。梅雨の季節と同時に、きっとさらに蒸し暑くなってくるんだ。雨降るから絶対にジメジメして嫌な季節になってくる。
梅雨という事は、雨がいっぱい降るという事で…そうなると屋上には行けなくなるという事で…俺のお気に入りスポットは、当分の間お預けになるという事で…つらい。
「あつい…」
「暑いなぁ…。でも、まだここ涼しいな?」
「そうだな…ここちょうど日陰だしな…でも暑い…」
「んはっ」
まだ、梅雨には入ってないから、お気に入りスポットに居られるけど、本格的に梅雨になったらまじでどこに行こう…?
他に安心で安全な場所なんてあるのだろうか…。
「あ、今日お弁当なん?」
「うん。母さんが珍しく作ってくれた」
「よかったやん」
「因みに大倉の分もある」
「え。ほんまに?!」
「うん。どーぞ」
「ありがとう!」
「いいえー。ま、俺が作ったんじゃないけど」
「んふ。確かに」
母さんはたまに気まぐれで弁当を作ってくれる。
そして最近は、大倉の分も作ってくれる。どんだけお気に入りなんだって話だ。
最近、椎名さんのおかげなのか、椎名さんのせいなのか、大倉に告白する子が少なくなった。
その代わりに椎名さんがべったりなんだけどね。
でも最近の大倉は、椎名さんが来る前に、俺のクラスに逃げて来るかのようにやってくる事が増えた。
そのおかげもあってか、井上から話しかけられる頻度も減った。そのまま飽きてくれたら良いんだけどな…。
「中身違うねや」
「うん。俺、食べられるの少ないから」
「あー…好き嫌い激しいもんなぁ」
「うん」
そうなのだ。俺は野菜が苦手なのだ。別に威張る事じゃないけど。どうしても無理なんだ。
特に葉物は苦手。キャベツとかレタスとかほうれん草とか小松菜とか。
どうも青臭くて無理。草食ってるとしか思えないんだよなぁ。
ダメなのは分かってるんだけど…それ以外の野菜はまだ何とか食べれてるから許してほしい。
「このキャベツの包み焼き美味いのに」
「無理…よく食えるね…草」
「んはははっ…草て!」
「どう見ても草じゃん」
大倉とこうやって、ゆっくりしながらお昼一緒に食べれるようになるとは思ってなかったなぁ。
1年の時は常に呼び出されてたからなぁ。
「ね、大倉」
「んー?あ、これうまぁ…」
「…大倉の誕生日って、6月じゃん?」
「うん?そうやね」
「…その…予定って」
「んふ。空けてるよ」
「!!ほ、ほんとか?!」
「うん」
「じゃ、じゃあ、どっか行こ!」
「ええけど、学校やで?」
「終わってから!どっか行こ!」
「んふふ。分かった。どっか行こ」
「おう!」
よっしゃ!大倉の誕生日もらいました!!
まぁ、学校終わってからだから、そんな遅くまでは無理だけど。
でも楽しみだ!あ、プレゼント買わないとじゃん!!
因みに、俺の誕生日の時に、大倉からは本の栞貰った。しかもめちゃくちゃ綺麗で頑丈なやつ。
あと、真琴からはまたどっかの国のアニメのキャラのキーホルダー貰った。去年貰った魔除け?のやつよりかは可愛かった。
「楽しみだな!」
「んふふ。そうやね」
あー、早く誕生日来ないかな。楽しみだなぁ。
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