8 / 79
02 - 一学年 二学期 秋 -
03
しおりを挟む◇◆◇
あれから1ヶ月。
昨日から学園祭が始まった。
1日目は、学生だけのお祭りで、2日目は一般向けに開放される。
1日目の、我がクラスの売り上げは、中間発表だけど学年1位だった。それは勿論、大倉のおかげ。
大倉目当ての女子がわんさかやって来た。
1年だけでなく、2年、3年の女子生徒も来たから、長蛇の列となり、俺たちだけじゃ捌けなくて先生たちが手伝ってくれた。
そして2日目の今日。
今日も今日とて、大繁盛中。
1日目に来てくれた人も、また来てくれてて、すごいのなんの。
恐るべし、大倉の顔面。真琴はニッコリしてる。
「しかしすごいな、まじで」
「今年のMVPは大倉くんだね」
「だな」
「あ、航ちゃん休憩いいよ?」
「んあ?あー、いいよ」
「いいの?」
「うん。1人で周るのとか流石に泣く」
「あはっ。確かに」
俺は裏方やってて、注文受けた品物を出したり、ゴミ捨てに行ったり、足りない分を買いに行ったりと忙しなく動いてて、担当は交代制を取ってるけど流石に1人で学校周るのは嫌だ。
だって、どこ見たって人だらけ。
しかも誰かしら誰かと一緒にいて、そんな中この学校の制服着てる奴が1人で買い食いしてたら流石に寂しくね?
だったら、裏方で動き回ってる方がいい。
「あ、大倉くんお疲れー」
「お疲れ様」
「大倉くん、休憩して来て良いよ」
「うん」
大倉やっと休憩かー。ほんと、大変だなー。
俺も大倉に負けないくらい頑張らないと。
多分、これから大倉休憩だから、少しは混み具合も落ち着くだろうし、今のうちに午後の分用意しとかないとな。
「相澤」
「んあ?」
「休憩ちゃうの?」
「あー、うん」
「…休憩取らんの?」
「うん。1人で周るの流石につらい」
「…俺と周らん?」
「え?」
「俺これから休憩やし」
「うん?」
「俺、1人で周ることになるんやけど?」
「…うん?」
大倉は何を言っているんだろうか?と言うか、何が言いたいんだ?
「やから、相澤の言うことを俺に当てはめてみたら、俺は1人寂しく周ることになるんやけど?」
「……ああ!なるほど!」
「やから、一緒に周らん?」
「んー」
そう言うことか!
確かに、確かにな!確かに大倉1人寂しく周ることになるな。
ん?でも俺と周るの?
「いいじゃん。航ちゃん、大倉くんと周ってきなよ」
「え?」
「ほらほら、行って来て行って来て!」
「え、ちょっ、真琴?!」
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?
漢方薬局「泡影堂」調剤録
珈琲屋
BL
母子家庭苦労人真面目長男(17)× 生活力0放浪癖漢方医(32)の体格差&年の差恋愛(予定)。じりじり片恋。
キヨフミには最近悩みがあった。3歳児と5歳児を抱えての家事と諸々、加えて勉強。父はとうになく、母はいっさい頼りにならず、妹は受験真っ最中だ。この先俺が生き残るには…そうだ、「泡影堂」にいこう。
高校生×漢方医の先生の話をメインに、二人に関わる人々の話を閑話で書いていく予定です。
メイン2章、閑話1章の順で進めていきます。恋愛は非常にゆっくりです。
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
アンダー(底辺)アルファとハイ(上級)オメガは、まずお友達から始めます!
みゃー
BL
ど底辺アルファ(Fランク)の俺に、上級オメガ(Sランク)が求愛してきます!
体でフェロモンの生成が出来ず、オメガのフェロモンも感知出来ない出来損ないのアルファに、果たして「運命の番」のオメガは存在するのか?
西島恒輝は、名門アルファ一族出身で、自身もアルファ。
しかし、顔だけはいいものの、背は低く、成績も悪く、スポーツも嫌いで不得意。
その上、もっとも大事なアルファのフェロモンを作れず、オメガのフェロモンも感知出来ない病持ち。
そんな理由で両親に冷遇されてきた恒輝は、すっかり捻くれて荒っぽい男になってしまっていた。
しかし、ある日。
恒輝は、一人のハイスペックオメガの明人と出会う。
明人と出会いオメガ全員が憎い恒輝は、明人がウザいと思いながら掻き回わされ、日常が一変してしまう。
なんか金髪超絶美形の御曹司を抱くことになったんだが
なずとず
BL
タイトル通りの軽いノリの話です
酔った勢いで知らないハーフと将来を約束してしまった勇気君視点のお話になります
攻
井之上 勇気
まだまだ若手のサラリーマン
元ヤンの過去を隠しているが、酒が入ると本性が出てしまうらしい
でも翌朝には完全に記憶がない
受
牧野・ハロルド・エリス
天才・イケメン・天然ボケなカタコトハーフの御曹司
金髪ロング、勇気より背が高い
勇気にベタ惚れの仔犬ちゃん
ユウキにオヨメサンにしてもらいたい
同作者作品の「一夜の関係」の登場人物も絡んできます
理香は俺のカノジョじゃねえ
中屋沙鳥
BL
篠原亮は料理が得意な高校3年生。受験生なのに卒業後に兄の周と結婚する予定の遠山理香に料理を教えてやらなければならなくなった。弁当を作ってやったり一緒に帰ったり…理香が18歳になるまではなぜか兄のカノジョだということはみんなに内緒にしなければならない。そのため友だちでイケメンの櫻井和樹やチャラ男の大宮司から亮が理香と付き合ってるんじゃないかと疑われてしまうことに。そうこうしているうちに和樹の様子がおかしくなって?口の悪い高校生男子の学生ライフ/男女CPあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる