上 下
20 / 26
season 3

04

しおりを挟む



「もうっ!京輔さん!」
「んー?」
「なんできちゃったの?」
「…梨恵の隣にいた奴」
「え?隣?」
「茶色髪の、グレーのスーツ着てた奴」
「…ああ、本郷くん?」
「そいつ…梨恵のこと狙ってた」
「ええ?」
「落としてやるって顔してた」
「そう、だった…?」
「うん…嫌だったから」
「京輔さん…」




醜い嫉妬だってわかってるけど、梨恵はもう少し自分の魅力を理解して欲しい。
大人になって、顔つきも変わって、むかしよりかわいくてキレイになったことを、もうちょっと自覚して欲しい。

梨恵は、俺によく「モテすぎ」って言うけど、それは梨恵にも当てはまる言葉だからね?

ひだまりで働いてると、いろんなお客さんがきて、大抵の男はまず最初に梨恵に目が行く。
梨恵に接客して欲しくて、梨恵が通るまでわざわざ待ち続ける客もいるくらいだ。
でも梨恵はそれに気づかない。だから普通に接客してるけど、俺は気が気じゃない。
何か問題行動を起こしたら絶対に助けるけど、そうじゃない限りは梨恵も楽しそうに働いてるから手出しが出来ない。




「梨恵はいい加減自分の魅力に気づくべき」
「ええ?」
「昔よりかわいくてキレイなんだよ?梨恵」
「そ、そんなこと…」
「あるの!俺がどれだけ嫉妬して心配してるか…」
「大丈夫だよ」
「え?」
「私、京輔さんが思ってる以上に、京輔さんのこと大好き、だもん…」
「っ!!!!」




最後の方照れて声あまり聞こえなかったけど、今「大好き」って…!俺のこと大好きって言った…!!
最近は言葉にしてくれるようになったけど、こんな照れながらとかかわいい以外になにがあるの?!




「っ…梨恵!」
「は、はい!」
「結婚しよ!…っじゃなくて!結婚しててよかった!」
「え?京輔さん??」
「俺の奥さんかわいすぎない?なんでそんなかわいいの?どれだけ俺のこと虜にするの?なに?閉じ込められたいの?もう逃さないし離さないよ?!」
「京輔さん?!」
「はぁー…今日このまま梨恵と子供作ってもいい気がしてきた…」
「えっ?!」
「我慢出来る気がしない…」
「ちょ、何言って…!」
「…計画的には早いけど…子供作る?」
「っ…、」




本当はあと2年は2人きりで過ごしたかったけど…本当に俺、我慢出来る気がしない。

梨恵に俺の子を産んで欲しい。
梨恵を孕ませたいって、欲望が剥き出しになってきてる。

夫婦ですから、それなりに夜の営みはしてる。
でも、ちゃんとゴムつけてるし、中に出さないように最善の注意はしてる。
でももう、いいかも知れない。




「子供、作ろうか?」
「っ…いい、の?あと2年あるけど…?」
「うん。子供は授かりものだし、すぐに来てくれるかはわからないけど、これからもずっと梨恵といたいし、梨恵との子供も見たくなった」
「京輔さん」
「それに、梨恵と家族になりたい」
「っ……ん、」
「俺と梨恵と子供と、ずっとしあわせに暮らしたい。おじいちゃんおばあちゃんになっても、ずっと」
「うん…っ」




その日は、ドロドロになるまで甘やかして、トロトロになるまでかわいがって、今までで1番しあわせな夜を過ごした。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

エリート警察官の溺愛は甘く切ない

日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。 両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉

好きな男子と付き合えるなら罰ゲームの嘘告白だって嬉しいです。なのにネタばらしどころか、遠恋なんて嫌だ、結婚してくれと泣かれて困惑しています。

石河 翠
恋愛
ずっと好きだったクラスメイトに告白された、高校2年生の山本めぐみ。罰ゲームによる嘘告白だったが、それを承知の上で、彼女は告白にOKを出した。好きなひとと付き合えるなら、嘘告白でも幸せだと考えたからだ。 すぐにフラれて笑いものにされると思っていたが、失恋するどころか大切にされる毎日。ところがある日、めぐみが海外に引っ越すと勘違いした相手が、別れたくない、どうか結婚してくれと突然泣きついてきて……。 なんだかんだ今の関係を最大限楽しんでいる、意外と図太いヒロインと、くそ真面目なせいで盛大に空振りしてしまっている残念イケメンなヒーローの恋物語。ハッピーエンドです。 この作品は、他サイトにも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりhimawariinさまの作品をお借りしております。

友情結婚してみたら溺愛されてる件

鳴宮鶉子
恋愛
幼馴染で元カレの彼と友情結婚したら、溺愛されてる?

王宮医務室にお休みはありません。~休日出勤に疲れていたら、結婚前提のお付き合いを希望していたらしい騎士さまとデートをすることになりました。~

石河 翠
恋愛
王宮の医務室に勤める主人公。彼女は、連続する遅番と休日出勤に疲れはてていた。そんなある日、彼女はひそかに片思いをしていた騎士ウィリアムから夕食に誘われる。 食事に向かう途中、彼女は憧れていたお菓子「マリトッツォ」をウィリアムと美味しく食べるのだった。 そして休日出勤の当日。なぜか、彼女は怒り心頭の男になぐりこまれる。なんと、彼女に仕事を押しつけている先輩は、父親には自分が仕事を押しつけられていると話していたらしい。 しかし、そんな先輩にも実は誰にも相談できない事情があったのだ。ピンチに陥る彼女を救ったのは、やはりウィリアム。ふたりの距離は急速に近づいて……。 何事にも真面目で一生懸命な主人公と、誠実な騎士との恋物語。 扉絵は管澤捻さまに描いていただきました。 小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。

年下の彼氏には同い年の女性の方がお似合いなので、別れ話をしようと思います!

ほったげな
恋愛
私には年下の彼氏がいる。その彼氏が同い年くらいの女性と街を歩いていた。同じくらいの年の女性の方が彼には似合う。だから、私は彼に別れ話をしようと思う。

【完結】maybe 恋の予感~イジワル上司の甘いご褒美~

蓮美ちま
恋愛
会社のなんでも屋さん。それが私の仕事。 なのに突然、企画部エースの補佐につくことになって……?! アイドル顔負けのルックス 庶務課 蜂谷あすか(24) × 社内人気NO.1のイケメンエリート 企画部エース 天野翔(31) 「会社のなんでも屋さんから、天野さん専属のなんでも屋さんってこと…?」 女子社員から妬まれるのは面倒。 イケメンには関わりたくないのに。 「お前は俺専属のなんでも屋だろ?」 イジワルで横柄な天野さんだけど、仕事は抜群に出来て人望もあって 人を思いやれる優しい人。 そんな彼に認められたいと思う反面、なかなか素直になれなくて…。 「私、…役に立ちました?」 それなら…もっと……。 「褒めて下さい」 もっともっと、彼に認められたい。 「もっと、褒めて下さ…っん!」 首の後ろを掬いあげられるように掴まれて 重ねた唇は煙草の匂いがした。 「なぁ。褒めて欲しい?」 それは甘いキスの誘惑…。

【R18】豹変年下オオカミ君の恋愛包囲網〜策士な後輩から逃げられません!〜

湊未来
恋愛
「ねぇ、本当に陰キャの童貞だって信じてたの?経験豊富なお姉さん………」 30歳の誕生日当日、彼氏に呼び出された先は高級ホテルのレストラン。胸を高鳴らせ向かった先で見たものは、可愛らしいワンピースを着た女と腕を組み、こちらを見据える彼の姿だった。 一方的に別れを告げられ、ヤケ酒目的で向かったBAR。 「ねぇ。酔っちゃったの……… ………ふふふ…貴方に酔っちゃったみたい」 一夜のアバンチュールの筈だった。 運命とは時に残酷で甘い……… 羊の皮を被った年下オオカミ君×三十路崖っぷち女の恋愛攻防戦。 覗いて行きませんか? ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ・R18の話には※をつけます。 ・女性が男性を襲うシーンが初回にあります。苦手な方はご注意を。 ・裏テーマは『クズ男愛に目覚める』です。年上の女性に振り回されながら、愛を自覚し、更生するクズ男をゆるっく書けたらいいなぁ〜と。

【完結】やさしい嘘のその先に

鷹槻れん
恋愛
妊娠初期でつわり真っ只中の永田美千花(ながたみちか・24歳)は、街で偶然夫の律顕(りつあき・28歳)が、会社の元先輩で律顕の同期の女性・西園稀更(にしぞのきさら・28歳)と仲睦まじくデートしている姿を見かけてしまい。 妊娠してから律顕に冷たくあたっていた自覚があった美千花は、自分に優しく接してくれる律顕に真相を問う事ができなくて、一人悶々と悩みを抱えてしまう。 ※30,000字程度で完結します。 (執筆期間:2022/05/03〜05/24) ✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼ 2022/05/30、エタニティブックスにて一位、本当に有難うございます! ✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼ --------------------- ○表紙絵は市瀬雪さまに依頼しました。  (作品シェア以外での無断転載など固くお断りします) ○雪さま (Twitter)https://twitter.com/yukiyukisnow7?s=21 (pixiv)https://www.pixiv.net/users/2362274 ---------------------

処理中です...