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四章 椿蓮

八十話 コドン村調査

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「…にしても、本当にお前達の状況にはびっくりしてるよ。まさか魔王軍にいるなんてな」

集会場の奥にある、休憩用のスペースで柔らかい椅子に3人は腰掛けた。前には村長やキン、村の人が集まり、後には興味で見に来た子供達がわいわいと話している。

「あは…、私もこんな事になるなんて想像出来なかったです」

「と言うかお前はまず手紙を寄越せ! ツバキが送ってくるまで死んだかと思ったぞ」

「す、すみません考えが及ばなくて」

「…まあまあ、生きてる訳だし」

村長がキンをなだめる。

「ユメちゃんも魔王軍に入ったんだってね。メグリと再会できて良かったな」

「うん。あんな所で再会できるとは思わなかったよ!」

「懐かしいなぁ…、メグリが初めてユメちゃんを連れてきた時はお赤飯を炊いたんだったかな。メグリと仲良くしてくれてありがとう。ツバキも」

「ああ…。それとここに来たのは理由があるんだ。話をしたいのは分かるが、まずそれを済ませたい」

「そうか、部屋を移すか?」

「そうしてくれると助かる。ユメも来てくれ」

二階の部屋へ、メグリの祖母と村長、カタギリ、そしてツバキとユメで向かった。メグリの親は別の街へ行っているらしい。
ある程度情報を知ってそうな人を呼び出したつもりだが、他にもいるかもしれないので後に当たってみる事にした。

「メグリはいいのか?」

「あいつには言いづらい事なんだ」

「というと…?」

「あんた達、後藤って知ってるか? この村にいた男なんだが」

「なぜそれを…? ええ確かに居ました。フェルト家で村の役人でもありました」

「その男のことなんだが…」

それからゴトーについて起きた事を全て言った。
聞き終えると一考した後で、眉をひそめつつこちらを向いた。

「…なるほど、そんな事が…確かにメグリに伝えるには酷な事だ」

「それでなんだが、ゴトーについて何か知ってる事はないか? 小さなことでもいい」

「…自分の事はあまり話さなかったからな、ツバキ達の言っているまんまだ」

「…1つある」

カタギリが前へ出た。

「ゴトーから手紙が来たんだ。半年近く前にな。ゴトーが死んだってなら今話すよ」
「手紙には…、ゴトーが死んだらメグリに力の継承をさせてくれ、って書かれてた」

「ほんと!? それに関してずっと気になってたんだけど、継承はしなかったのかって…」

ユメが身を乗り出した。

「それで、継承の方法は?」

「地図が書かれてた。俺はよく分からないがお前達なら分かるだろう。そこに継承する為の何かがあるらしい」

そう言って広げた手紙には、確かに地図らしいものが書かれており、バツ印の側に「地下」と乱雑に記入されていた。
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