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第2章 天空の城と伸びる塔の謎
第52話 香織vsブシーカ
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香織が振り向くとそこには、頭と体はブタに似ていて足だけシカのように細長い謎の生物の姿があった。
「ひぃ! マモノ出たぁぁ!」
声を裏返しながら悲鳴を上げるルビロル。
「ブシーカだ!! カオリさん、はやく中に入って入ってぇ~!!」
リビナナは叫びながら香織の腕をギューッと引っ張った。
「あら、そんなに怖いの? パッと見た感じだと結構可愛らしい雰囲気なのにねぇ」
のんきにブシーカという名の魔物を見つめる香織。
そのブシーカもジーッと香織を凝視し、微かに鼻息を立てて警戒している様子。
隠れみのオーブを探しに行った“北の大地遠征”にも参加していなかった香織は、リビングから離れた場所に行ったことが無く、ふんわりボブスライムと友好的な関係を築いていることもあり、異世界に対する危機感が薄かった。
「やばやばだよぉ! だから早く早く!!」
「うん、そこまで言うならとりあえず入りましょ」
さすがの香織も、子ども達がここまで怯えるなんてよっぽどの事だと気付き、急いで小屋の中に入ろうとした……のだが、判断するのが一歩遅かった。
タグッピタグッピピピピピイィィィ!!
香織が背を向けるや否や、恐ろしい雄叫びを上げながら走り出すブシーカ。
「き、来てる来てるぅぅぅぅ!! 早くぅぅぅ!!!!」
ルビロルの悲鳴に反応するように香織が後ろを振り向くと、ブシーカがもうすぐ目の前まで迫っていた。
「あらやだ、どうしましょ……うん」
常におっとりな香織だが、さすがにこれは非常事態とみて瞬時に頭を回転させ、どうすべきか答えを導き出した。
「ほら、中に入っててね」
バタンッ。
小さな兄妹を小屋の中に押し込めながら、急いで木の扉を閉める香織。
……が、自分はまだ外に居た。
「なんでなんで……!?」
「どうしてどうして……!?」
扉越しに2人の叫び声が聞こえて来る。
もちろん、香織は自分も一緒に中へ逃げ込むつもりだったのだが、ふとエプロンのポケットが膨らんでいることに気づき、急遽作戦変更。
「ごめんなさいね。あなたにもあなたなりに襲ってくる理由があるのかも知れないけど、あの子たちには襲われる理由が無いはずだから……えいっ!」
香織は魔物に対して律儀に説明を口にしながらポケットの中に手を入れ、中に入っていた物を掴んで取りだたかと思うと、すかさず思いきり投げつけた。
野生の本能が危険を察知したのか、ブシーカは長い前肢で急ブレーキをかけて立ち止まる。
薄らと土煙が立ちこめるその場所に向かって、香織が投げた何かが飛んでいく。
意外と的確なコントロールでブシーカの体に直撃!
その瞬間、殻が弾けて中に封じ込められていた火炎属性魔法が発動して相手にダメージを与える……はずだった。
それが魔烈の実であれば。
コツンッ。
香織の投げたそれはブシーカの目の前にポトリと落ちた。
前肢をかがめ、クンクンとそれの匂いを嗅ぐブシーカ。
「あらやだ」
香織はやっと気付いた。
自分が投げたのが魔烈の実ではなく、子ども達とボブスラのおやつ用に買ったフィナンシェだったことに……!
「タグピィ?」
不思議そうな表情をうかべながら、小袋に入ったフィナンシェの匂いを嗅ぎ続けるブシーカ。
その隙を見て、香織は今度こそ魔烈の実を手に取って投げる……のではなく、なぜかゆっくり前に向かって歩き出した。
当然、両者の距離がどんどん縮まっていく。
「ちょ、ちょっとなにしてるの!?」
「カオリさんこっちこっちぃ! 今のうちに入ってきてよぉ!!」
小屋の中からルビロルとリビナナの声が飛んでくるが、お構いなしに進み続ける香織。
その顔は、未知の魔物と対峙してるなんてとても思えないほどにこやかだった。
「よしよし、ちょっと待っててね~」
とうとうブシーカのすぐそばまで来た香織はその場でしゃがみ込み、まばらに草の生える地面に落ちたフィナンシェを手に取って袋を開け、中身を取りだして手の平の上に乗せた。
「はい、どうぞ」
その手をブシーカに向かって差し出す。
「ひぃぃぃぃ!」
「なにしてんのぉぉぉぉ!!」
窓越しにその様子を伺う幼い兄妹の驚愕で小屋が揺れる。
鈍感と言ったら良いのか、それとも肝が据わってると言うべきか。
香織はとにかく落ち着き払っていた。
「タグピィ……」
人間に対する警戒心と、フィナンシェの甘い匂いの間で揺れるブシーカ。
……が、とうとう。
パクッ!
空腹だったのか、ブシーカは大きく開けた口を香織の手に近づけ、その上に乗った長方形の焼き菓子だけを器用にパクリと頬張った。
「フフ、お味はどう?」
嬉しそうに問いかける香織。
「…………」
無言でムシャムシャ食べ続けるブシーカ。
そして……。
「タグッピィィィィ!! ピィピィ!!」
大満足だったのか、ブシーカは大はしゃぎで小躍りするように何度も跳びはねた。
口をポカンと開けるルビロルとリビナナの顔が、小屋の窓ガラスにべったり張り付いている。
すると突然、ブシーカはクルッと体を反転させて背中を向け、トコトコと歩き出した。
「おおおお! 追い返したぁぁぁ!」
「カオリさんすごぉぉい……って、えええっ!?」
笑顔になりかけたリビナナの顔に、再び驚きの表情が戻った。
なぜなら、立ち上がった香織はてっきり自分達の方に戻ってくると思いきや、なんと追い返したはずのブシーカのあとを追って歩き出したのだ……。
「ひぃ! マモノ出たぁぁ!」
声を裏返しながら悲鳴を上げるルビロル。
「ブシーカだ!! カオリさん、はやく中に入って入ってぇ~!!」
リビナナは叫びながら香織の腕をギューッと引っ張った。
「あら、そんなに怖いの? パッと見た感じだと結構可愛らしい雰囲気なのにねぇ」
のんきにブシーカという名の魔物を見つめる香織。
そのブシーカもジーッと香織を凝視し、微かに鼻息を立てて警戒している様子。
隠れみのオーブを探しに行った“北の大地遠征”にも参加していなかった香織は、リビングから離れた場所に行ったことが無く、ふんわりボブスライムと友好的な関係を築いていることもあり、異世界に対する危機感が薄かった。
「やばやばだよぉ! だから早く早く!!」
「うん、そこまで言うならとりあえず入りましょ」
さすがの香織も、子ども達がここまで怯えるなんてよっぽどの事だと気付き、急いで小屋の中に入ろうとした……のだが、判断するのが一歩遅かった。
タグッピタグッピピピピピイィィィ!!
香織が背を向けるや否や、恐ろしい雄叫びを上げながら走り出すブシーカ。
「き、来てる来てるぅぅぅぅ!! 早くぅぅぅ!!!!」
ルビロルの悲鳴に反応するように香織が後ろを振り向くと、ブシーカがもうすぐ目の前まで迫っていた。
「あらやだ、どうしましょ……うん」
常におっとりな香織だが、さすがにこれは非常事態とみて瞬時に頭を回転させ、どうすべきか答えを導き出した。
「ほら、中に入っててね」
バタンッ。
小さな兄妹を小屋の中に押し込めながら、急いで木の扉を閉める香織。
……が、自分はまだ外に居た。
「なんでなんで……!?」
「どうしてどうして……!?」
扉越しに2人の叫び声が聞こえて来る。
もちろん、香織は自分も一緒に中へ逃げ込むつもりだったのだが、ふとエプロンのポケットが膨らんでいることに気づき、急遽作戦変更。
「ごめんなさいね。あなたにもあなたなりに襲ってくる理由があるのかも知れないけど、あの子たちには襲われる理由が無いはずだから……えいっ!」
香織は魔物に対して律儀に説明を口にしながらポケットの中に手を入れ、中に入っていた物を掴んで取りだたかと思うと、すかさず思いきり投げつけた。
野生の本能が危険を察知したのか、ブシーカは長い前肢で急ブレーキをかけて立ち止まる。
薄らと土煙が立ちこめるその場所に向かって、香織が投げた何かが飛んでいく。
意外と的確なコントロールでブシーカの体に直撃!
その瞬間、殻が弾けて中に封じ込められていた火炎属性魔法が発動して相手にダメージを与える……はずだった。
それが魔烈の実であれば。
コツンッ。
香織の投げたそれはブシーカの目の前にポトリと落ちた。
前肢をかがめ、クンクンとそれの匂いを嗅ぐブシーカ。
「あらやだ」
香織はやっと気付いた。
自分が投げたのが魔烈の実ではなく、子ども達とボブスラのおやつ用に買ったフィナンシェだったことに……!
「タグピィ?」
不思議そうな表情をうかべながら、小袋に入ったフィナンシェの匂いを嗅ぎ続けるブシーカ。
その隙を見て、香織は今度こそ魔烈の実を手に取って投げる……のではなく、なぜかゆっくり前に向かって歩き出した。
当然、両者の距離がどんどん縮まっていく。
「ちょ、ちょっとなにしてるの!?」
「カオリさんこっちこっちぃ! 今のうちに入ってきてよぉ!!」
小屋の中からルビロルとリビナナの声が飛んでくるが、お構いなしに進み続ける香織。
その顔は、未知の魔物と対峙してるなんてとても思えないほどにこやかだった。
「よしよし、ちょっと待っててね~」
とうとうブシーカのすぐそばまで来た香織はその場でしゃがみ込み、まばらに草の生える地面に落ちたフィナンシェを手に取って袋を開け、中身を取りだして手の平の上に乗せた。
「はい、どうぞ」
その手をブシーカに向かって差し出す。
「ひぃぃぃぃ!」
「なにしてんのぉぉぉぉ!!」
窓越しにその様子を伺う幼い兄妹の驚愕で小屋が揺れる。
鈍感と言ったら良いのか、それとも肝が据わってると言うべきか。
香織はとにかく落ち着き払っていた。
「タグピィ……」
人間に対する警戒心と、フィナンシェの甘い匂いの間で揺れるブシーカ。
……が、とうとう。
パクッ!
空腹だったのか、ブシーカは大きく開けた口を香織の手に近づけ、その上に乗った長方形の焼き菓子だけを器用にパクリと頬張った。
「フフ、お味はどう?」
嬉しそうに問いかける香織。
「…………」
無言でムシャムシャ食べ続けるブシーカ。
そして……。
「タグッピィィィィ!! ピィピィ!!」
大満足だったのか、ブシーカは大はしゃぎで小躍りするように何度も跳びはねた。
口をポカンと開けるルビロルとリビナナの顔が、小屋の窓ガラスにべったり張り付いている。
すると突然、ブシーカはクルッと体を反転させて背中を向け、トコトコと歩き出した。
「おおおお! 追い返したぁぁぁ!」
「カオリさんすごぉぉい……って、えええっ!?」
笑顔になりかけたリビナナの顔に、再び驚きの表情が戻った。
なぜなら、立ち上がった香織はてっきり自分達の方に戻ってくると思いきや、なんと追い返したはずのブシーカのあとを追って歩き出したのだ……。
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