8 / 33
これが騎士団の力!?
しおりを挟むヴェルが私を膝から下ろしてソファーからゆっくり降り、座っている私の左手をそっと握った。
どうしたのだろうかと私が思っていると、ヴェルがいきなり跪く。
(え?どうしたんだろう?この雰囲気はなんか恥ずかしくなる)
私がその雰囲気に圧倒されてタジタジになっていると下を向いていたヴェルがゆっくりと私の方を見上げた。
ヴェルは熱がこもった瞳を私へと向け『聖女優里様…私の永遠。私の剣と命を妻となるあなたに捧げます。』そう言って手の甲にキスをした。
(わわわわ、これ、どうすれば!?返事はどうしたらいいの?はい喜んで!って言えばいいの?!え、違うそれは居酒屋の掛け声みたいになっちゃう!どうしようどうしよう…)
私が脳内で意味のわからない事を考えていると、ヴェルの眉がじわじわと下がってきてることに気づいた。
「え、ええ!喜んで!」
そのヴェルの様子に気づいた私は、結局どこぞの居酒屋のような返事をしてしまった…でも、その返事を聞いたヴェルは花が咲いたように笑ってくれた。
とても優しくて可愛くて愛おしさに溢れている笑顔だったので、私は自分の顔が真っ赤になってゆくのを感じた。
「では、もうあなたは俺のものですよね?」
そう言ったヴェルの瞳は先ほどとは少し変わって欲情の色を宿してるように見えた。
驚いている私の反応を見たヴェルは、ゆっくりと近づいてきて私にキスをした。
ヴェルからしてくれた初めてのキスは、初めてとは思えないほどに上手だった。
「はっ…ん」
つい、私の口から嬌声が出てしまうほどに。
ヴェルはそんな私のことを熱っぽい瞳で観察している、私がどう反応しているかを見てるのだろう。
ヴェルは私をお姫様抱っこしてベッドへと連れて行ってくれた。
決して軽くはないだろう私の事を、軽々と抱き上げるヴェル。
まるで壊れやすい宝物を下ろすかのように、ゆっくりとベットに寝かされる私。
そして私の目の前でヴェルが服を脱ぐ、鍛えられた上半身は視界の暴力と言っていいほどに素晴らしいものだった。
(す…すごいわ。これが騎士団…凄すぎるわ。)
先ほどまでの可愛さが全くなくなってしまったヴェルの雰囲気に飲まれてしまった私は、その行動を静かに見ているしかできなかった。
自身の胸の鼓動は大きくなり、お臍の下が少しジンと熱くなる。
「嫌だったらすぐにやめますンで…」
そう言いながら、ヴェルが私の上にゆっくりと覆いかぶさってきた。
首筋に熱い吐息がかかる、私の体がまるで全身性感帯になってしまったかのような緩い気持ちよさが駆け抜ける。
「ヴェル…恥ずかしいよ」
私のその言葉に煽られるように激しく首元に吸い付くヴェル。
右手が私の服の中に侵入してくる。
左手は私の頭に置いてあり、まるで『もう逃さない』という意思表明のようだ。
私の左の太ももには硬くなったモノがあたり、とても自己主張をしている。
少し力強い愛撫を胸に受けながら、私は愛嬌を上げ続ける。
その下半身はもう下着がビシャビシャになるほどに濡れ、ジンジンと体を熱くさせている。
いつまでも胸ばかりしか触らないヴェルの右手を、私はそっと自身の大切な場所へと導く。
ヴェルの喉がなった音が聞こえた。
ヴェルの右手が下着の中に入ってくる、ゆっくりとなぞられる肌に私の体は早く早くと言っているようだ。
指がゆっくりと割れ目をなぞると、私の体は大きく反応した。
ヴェルはそれを見た瞬間に私に激しいキスをし、私の中へと指を入れてくる。
「すごく濡れてる…すげぇやらしい」
そんなことを言うヴェルの指は私の中を少し乱雑にかき回している。
私は愛嬌をあげながらヴェルのそれに手を伸ばした。
硬く熱くなっているそれをゆっくりとなぞる。
「はっ…」
ヴェルの顔が苦しそうに歪む、私がヴェルのズボンの中に手を入れる。
ヴェルのそれはとても大きく、先はとても濡れていた。
私が先をくるくると触っているとヴェルは私の中から指を抜き、ズボンを脱いだ。
「も、無理っなんで!」
そう言ったヴェルは私の下着を脱がす時間も惜しかったのか、下着を横へとずらし挿入をしてきた。
「んあっ…!」
勢いよく突き立てられたそれの大きさと熱さに私の体はビクビクと反応してしまう。
快感が奥の方からどんどん押し寄せてくるので、足先に力が入りすぎてしまう。
「は…っく…」
生きもできないほどの快感の波に呼吸すら上手にできない私は何度も何度もヴェルにイかされ続けた。
「もっと、もっとちょうらい?」
呂律すら回らなくなった私の口から出た言葉は、ヴェルを喜ばせたようでそれから何時間も行為は続いた。
そして激しい行為で私の意識が飛んでしまったのか、気づけば朝だった。
綺麗になった自身の体は誰が拭いたのか、両隣にレイとヴェルが寝ているが私の夕食はどうなってしまったのかなど、いろいろなことが起きた瞬間から気になった私だが、一つ言えるのは「ヴェル激しすぎ…」だった。
ちなみに激しく嬌声をあげすぎた私の喉は枯れてしまい、起きたレイに心配されヴェルには謝られた。
レイはヴェルの事を猿とよび、一時間ほど行為に対してのお説教をしていたのは笑った。
正座をしながら『すんません…』と項垂れているヴェルはとてもかわいかったし、ヴェルを怒りながら『僕はきのう触れ合う時間が少なかったんですよ』と拗ねてるレイもかわいかった。
(あー、異世界にきてよかった)
私はそれを横目で見つつ、二度寝をしたのだった。
35
お気に入りに追加
191
あなたにおすすめの小説
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
異世界の美醜と私の認識について
佐藤 ちな
恋愛
ある日気づくと、美玲は異世界に落ちた。
そこまでならラノベなら良くある話だが、更にその世界は女性が少ない上に、美醜感覚が美玲とは激しく異なるという不思議な世界だった。
そんな世界で稀人として特別扱いされる醜女(この世界では超美人)の美玲と、咎人として忌み嫌われる醜男(美玲がいた世界では超美青年)のルークが出会う。
不遇の扱いを受けるルークを、幸せにしてあげたい!そして出来ることなら、私も幸せに!
美醜逆転・一妻多夫の異世界で、美玲の迷走が始まる。
* 話の展開に伴い、あらすじを変更させて頂きました。
女性が全く生まれない世界とか嘘ですよね?
青海 兎稀
恋愛
ただの一般人である主人公・ユヅキは、知らぬうちに全く知らない街の中にいた。ここがどこだかも分からず、ただ当てもなく歩いていた時、誰かにぶつかってしまい、そのまま意識を失う。
そして、意識を取り戻し、助けてくれたイケメンにこの世界には全く女性がいないことを知らされる。
そんなユヅキの逆ハーレムのお話。
女性の少ない異世界に生まれ変わったら
Azuki
恋愛
高校に登校している途中、道路に飛び出した子供を助ける形でトラックに轢かれてそのまま意識を失った私。
目を覚ますと、私はベッドに寝ていて、目の前にも周りにもイケメン、イケメン、イケメンだらけーーー!?
なんと私は幼女に生まれ変わっており、しかもお嬢様だった!!
ーーやった〜!勝ち組人生来た〜〜〜!!!
そう、心の中で思いっきり歓喜していた私だけど、この世界はとんでもない世界で・・・!?
これは、女性が圧倒的に少ない異世界に転生した私が、家族や周りから溺愛されながら様々な問題を解決して、更に溺愛されていく物語。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
私は女神じゃありません!!〜この世界の美的感覚はおかしい〜
朝比奈
恋愛
年齢=彼氏いない歴な平凡かつ地味顔な私はある日突然美的感覚がおかしい異世界にトリップしてしまったようでして・・・。
(この世界で私はめっちゃ美人ってどゆこと??)
これは主人公が美的感覚が違う世界で醜い男(私にとってイケメン)に恋に落ちる物語。
所々、意味が違うのに使っちゃってる言葉とかあれば教えて下さると幸いです。
暇つぶしにでも呼んでくれると嬉しいです。
※休載中
(4月5日前後から投稿再開予定です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる